Amazon.com, Inc. (アマゾン・ドット・コム)は、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルに本拠を構えるECサイト、Webサービス会社です。Amazonは1995年にネット書店としてサービスをスタート。「地球上でもっとも大きな書店」というキャッチコピーを掲げ、インターネットの成長とともに、事業規模を拡大し続けました。1997年にはNASDAQに上場。しかし創業から7年間はずっと赤字続きでした。同社は、売上高や利益の最大化ではなく、フリーキャッシュフローの最大化を目的に掲げており、成長事業への投資を惜しまなかったのがその理由です。
またAmazonの小売ビジネスのもうひとつの大きなポイントは、会員制のビジネスであるという点です。Amazonの大きな収入の柱のひとつが、Prime会員の会費であるといわれています。Prime会員になると、お急ぎ便の利用が無料になり、後述するAmazon Prime Videoなどのさまざまなデジタルコンテンツも利用することができます。日本での年会費は3,900円(税込み)となっています(2018年6月現在)。
Amazonはコンテンツ事業にも力を入れています。その筆頭がAmazon Prime Videoです。Prime Videoは、映画や動画が見放題のサービスで、NetflixやHuluのようなサブスクリプション型の動画配信サービスと競っている状況です。2017年には、3,000以上のビデオの配信権利を確保し、映画製作者やその他の権利保有者にロイヤルティーを1,800万ドル以上も支払いました。
オリジナルのコンテンツ制作にも積極的です。日本では婚活サバイバルドキュメンタリーの「バチェラー・ジャパン」や密室笑わせ合いサバイバルの「ドキュメンタル」などがCMでおなじみでしょう。Amazon Prime Videoを使うと、最新映画も数百円でレンタルできるため、レンタルDVDショップなどにとっては驚異的な競合といえます。
Amazon Prime Videoが映画や動画の閲覧方法を改革したとすると、書籍を読むという体験を大きく変えたのが「Kindle」による電子書籍の購入・閲覧革命です。電子書籍リーダーの「Kindle」を使えば、書店に赴かなくても本を購入できますし、かさばる書籍の保管場所も必要ありません。もちろんPCやタブレット、スマートフォンでもKindleの書籍は閲覧することができます。
購入体験のイノベーション
Amazonの特徴のひとつが、コンテンツや商品をお客に届けるために最適なデバイスを開発し安価に提供しながら、目的の商品・コンテンツの販売を拡大していくという点です。Kindleは電子書籍リーダーですが、家庭でテレビにつないで、テレビの大画面でPrime Videoをはじめとするコンテンツを見ることができる「FireTV」は4,980円(Fire TV Stick)、同じくAmazonが販売している7インチディスプレータブレット「Fire 7 8GB」は執筆時では5,980円と他のデバイスも非常に安価に提供されています。
ほかにも、注文から最短4時間で生鮮食品を配送するAmazon Fresh、注文から最短1時間以内に商品を配送するAmazon Prime Nowなどのサービスが日本国内で展開されています。海外ではセルフサービスで宅配便を受け取ることができるAmazonlockerや、オンラインで注文した商品を店舗でピックアップする拠点のAmazonFresh Pickupなども展開されていて、ありとあらゆる方法での購買体験を実験、実践しているということがわかるでしょう。
1995年、Amazonのスタート時に掲げられたミッション・ステートメントは、“ to be Earth,s most customer centriccompany, where customers canfind and discover anything theymight want to buy online, andendeavors to offer its customersthe lowest possible prices.”
だったそうです。(※https://www.amazon.jobs/en/working/workingamazon)