[新業態レポート]ウエルシアつくば小茎店:イオンのインフラを活用した「ドラッグ&フード+調剤」最新標準店

ウエルシアが次世代の業態フォーマットとしてドラッグ&フードに挑戦している。イオンの生鮮流通のインフラを活用して本格的な生鮮食品を販売する。(月刊マーチャンダイジング2026年1月号より抜粋)

食品売場強化とHBC及び調剤売場のシナジーを目指す

ウエルシアの食品強化型・最新標準店「ウエルシアつくば小茎店」(260坪)

ウエルシアのドラッグ&フード業態の2号店「ウエルシアつくば小茎店」が2025年8月29日にリニューアルオープンした。7日早くリニューアルオープンした1号店「ウエルシア稲敷釜井店」と同じ茨城県に立地している。1号店・2号店ともにドラッグ&フードの実験店舗の役割を担う。1号店、2号店ともに食品とHBCのバランスをコンセプトに、食品の強化によるHBCの底上げを図る。

[図表1]ウエルシアつくば小茎店 レイアウト(260坪)

売場面積約260坪のうち食品売場は100坪を占めている(図表1)。酒・飲料をエンド、プロモーションから定番売場に集約し、総菜、日配、冷凍食品の売場を拡大した。特に冷凍食品は売場スペースが改装前と比べ1.65倍に増加している(写真1)。SKU数は総菜が70SKUから210SKU、日配が680SKUから750SKU、冷凍食品が330SKUから410SKUに増加、酒・飲料は減少している。

[写真1]冷凍食品売場。マグネット売場に配置。売場はリニューアル前より1.65倍に拡大した

改装後、1号店と2号店の売上高は改装前と比べて+20%〜30%、食品は+30%、客数は+10%と伸長した。また、食品の売上構成比が40%から45%と微増であることからも分かる通り、食品の強化が集客に繋がり、HBC売上の底上げに繋がっている。

食品に関しては、イオンの商品開発・物流機能を利用しており、イオンのプライベートブランド(PB)であるトップバリュ商品や価格訴求ブランドのベストプライス(BESTPRICE)商品が並んでいる。

[写真2]ウエルシア、イオンのプライベートブランド(PB)とナショナルブランド(NB)が並ぶ冷凍餃子売場

例えば、冷凍餃子売場では黒豚の素材(価値)を訴求したウエルシアのPBと、高シェアのナショナルブランド(NB)の横に価格訴求のベストプライスが並んでいる(写真2)。商品の選択肢が増え、顧客は求める価格・品質によって商品を選ぶことができる。

店内の導線は2つある(図表1)。入口から入って正面にHBC売場、右手に食品売場があり、顧客はどちらから入ってもスムーズに買い回ることができる。通常、ドラッグストア(DgS)では店奥のマグネット売場に日配が配置されることが多いが、小茎店は冷凍食品を配置している。日配は比較的入口に近い場所に配置し、顧客が入店後すぐに買える売場になっている(写真3、4)。

[写真3、4]入口すぐに弁当・おにぎり売場、壁面にパン売場があり、その奥に日配売場がある。平台が低いため見通しが良く、迷わずに日配売場まで辿り着ける

健康のための品揃えで売上アップ

陳列商品の品揃えは、常温の平台には弁当やおにぎり、団子、パン、果物売場にはバナナなど、…

\記事全文は 月刊MD note版で!!/

《取材協力》

ウエルシア薬局株式会社
業態開発本部 執行役員
ドラッグ&フード戦略部長
島田 諭氏

ウォルマートの「ドローン配送」が示す買物の多様化の最前線

米国小売業のウォルマートは挑戦をやめない。ウォルマートが導入する「ドローン配送」は、「人手不足」「ラストワンマイル(宅配)の効率化」という物流の課題を解決する最新のソリューションである。Segment Of One & Only株式会社(SOO)の平林氏、山中氏が米国で体験した「ドローン配達」を紹介する。(月刊マーチャンダイジング2025年12月号より転載)

ドローン配送を体験してみえた未来

[写真1]ウォルマート×ジップラインのドローン配送。アプリで注文後、わずか数分で店舗上空からドローンが飛来し、高度約100メートルで静かにホバリング。そこからテザーで子機であるドロイドが降下し、商品が正確に指定位置へ届けられる

先日、米国ダラス・メスキートエリアにて、ウォルマートが導入を進めるドローン配送を実際に体験してきました。利用したのはジップライン(ZipLine)社のドローンサービスで、次世代小売を象徴するとても貴重な体験となりました(写真1)。

[図表1]ジップラインの注文方法

注文はジップラインのアプリから行う(図表1)。わずか数分後には店舗上空からドローンが飛来。高度約100メートルで静かにホバリングし、そこからテザー(ケーブル)で吊り下げられた子機のドロイドがゆっくりと降下してきます。

[図表2]ジップラインが店舗から配達できる距離(2025年時点)

このジップラインのドローンは最大時速100kmを超える速度で巡航し、配送エリアは店舗を中心に約3km圏内に設定されています(図表2)。

そのため飛行時間はわずか2分程度。スピード感と正確性を兼ね備えた仕組みであり、まさに「即時配送」を体現していました。(運用時間は、平日10~20時/週末8~20時。注文完了からピックアップ~配送完了までに10分程度で完了します)

[写真2]ドローン配送で投下された荷物

このドロイドには商品が収められており(最大積載量3.6kg)、指定位置に正確に届けられるプロセスは極めてスムーズでした(写真2)。しかも騒音は最小限に抑えられており、配送速度のみならず「顧客体験を起点に設計された運用全体の完成度」に強い印象を受けました。

事前には「まだ実験レベルにある」と聞いていましたが、実際に体験すると完成度の高さに驚かされ、すでに商用サービスとして十分に成立していると感じられるものでした。人手不足や「ラストワンマイルの効率化」といった物流業界が直面する課題に対して、ウォルマートがジップラインを活用する姿は、まさに新しい物流標準の提示にほかなりません。

ウォルマート×ジップラインのドローン配送体験動画

ジップラインの特徴と強み

ジップライン社は2014年創業の米国企業で、もともとは医療物資の配送で急成長してきました。ルワンダやガーナをはじめとするアフリカ諸国では、血液やワクチンなどを遠隔地に数百万回以上安全に届けてきた実績を持ちます。そのノウハウをリテールに転用しているのが、今回体験したウォルマートとの提携サービスです。

さらに近年ではジップラインは小売にとどまらず、外食・飲食業界においても新しい顧客体験を創出する存在となっています。

たとえば、ウォルマートに加えてチポトレ(Chipotle)、ジェッツピザ(Jet’s Pizza)、パネラブレッド(Panera Bread)、スウィートグリーン(Sweetgreen)、メンドシーノファーム(Mendocino Farm)は提携を発表するなど、ファストフードやカジュアルダイニングチェーンもジップラインを採用し、食事や日用品を即時配送するサービスを展開しています。

ジップラインの最大の特徴は「上空からの投下型」に近い仕組みです。親機となるドローンは高高度でホバリングし、そこから小型のドロイドがケーブルで降下、着地後は商品を安全に届けます。

この方式により、住宅の庭や駐車場に限らず、公園やオープンスペースなど柔軟な配送が可能となります。実際に私たちもオープンスペースを活用し、サービスを受けることに成功しています。

また、ジップラインは騒音対策にも優れており、都市部での導入ハードルを下げている点も注目すべきです。私自身の体験でも、ドローンの接近に気づいたのは視覚的に確認できる直前であり、従来イメージされがちな「騒がしいプロペラ音」とは程遠い印象をもちました。

ウイングの特徴と制約

一方、今回直接の配送体験はできなかったものの、グーグルの親会社アルファベット傘下のウイング(Wing)社によるドローン配送も観察しました。

[写真3]アルファベット傘下のウイング社開発のドローン配送

ウイングは指定ポイント上空でホバリングし、ウインチで荷物(最大積載量2.3kg)を地上に設置する方式を採用しています。顧客が注文すると、ドローンが店舗から飛来し、約45m(150フィート)まで降下した後、荷下ろし時は約7m前後の高さを維持してウインチで荷物を静かに降ろし、機体は地面に接地せずそのまま復路につきます。

このモデルは「住宅環境が整っている層」に向いている一方、都市部や集合住宅には適用が難しいという制約を抱えています。

[図表3]ジップラインとウイング比較

私たちのような旅行者では、私有地を持たないため実際の受け取りはできませんでしたが、飛行の離着陸を目にすることで、サービス展開が地域や住宅環境に強く依存することを改めて実感しました。結果として、ジップラインとウイングは同じドローン配送でありながら、アプローチが異なる市場戦略を描いているといえます(図表3)。

ジップラインは柔軟性と即応性を重視し、ウイングは郊外型住宅への高効率配送を志向する。この違いが、今後の普及領域を大きく分ける可能性があると感じました。

購買行動の再定義としてドローン配送

今回の体験を通じてもっとも強く感じたのは、ドローン配送が「買い物の多様化」を一段と推し進めている点です。従来の購買行動は、「店舗に行く」か「ECで注文し、翌日配送を待つ」という二択が主流でした。

しかしジップラインやウイングのように「数分で手元に届く」体験が実際に可能になった今、消費者の購買行動は根本から変容します。

たとえば、これまで消費者は「必要になる前にあらかじめ購入しておく」という行動をとってきました。しかしドローン配送が普及すれば、「必要になった瞬間に注文する」というリアルタイム消費が標準化する可能性があります。これにより在庫管理の考え方や需要予測の手法、さらにはマーケティング施策そのものが大きく変わるでしょう。

流通業者にとっては、ドローン配送は単なる物流オプションではなく、新たな顧客体験を提供する「差別化の武器」となりえます。特に米国の郊外型社会においては、自宅・店舗・ピックアップポイントといった受け取り場所の選択肢が多様化することで、競争力の強化につながります。

ウォルマートが描く次世代小売業の姿とは?

ウォルマートがドローンを活用する背景には、顧客接点の拡張と顧客体験(CX)の最適化があります。配送時間の短縮だけでなく、「顧客がストレスを感じない受け取り体験」を徹底的に追求している点が印象的でした。

実際に体験した際も、アプリ注文から受け取りまでの一連のプロセスが極めて自然で、違和感なく生活に溶け込むものでした。(試しにアイスクリームを注文してみましたが、配送時間が短いため、溶けることなく凍った状態で手元に届き、その精度と品質保持の高さを実感しました)。

さらに、この取り組みは人手不足やラストワンマイル課題に直結しています。ドローン配送は配送人員を補完するだけでなく、配送網の効率性を抜本的に高める可能性を秘めています。

結果として、ウォルマートは物流の新しい標準を提示しつつ、顧客ロイヤルティの強化を図っているといえるでしょう。

買い物の多様化は生活の変革へ

今回のジップライン体験、ウイング視察を通じて、買物の多様化は単なるチャネル拡張ではなく「生活スタイルそのものの変革」であると確信しました。

ジップラインが示す「時速100kmで走行し、約3km圏内をわずか2分で結ぶ」配送体験は、従来の物流の常識を覆すものでした。

ドローン配送はまだ実証段階にあるものの、顧客が「欲しい」と思った瞬間に商品が届くという体験は、やがて購買行動のスタンダードになる可能性を秘めています。企業にとって重要なのは、この新しい購買体験をどのように自社のビジネスモデルに組み込み、顧客価値へと転換できるかという点です。

ウォルマートが示した取り組みは、小売業全体が直面する変革の方向性を示す象徴的な事例であり、今後の競争環境を占ううえで無視できないものだと強く感じました。

そして半年後に再びダラスの地を訪れた際に、この取り組みがどのように進化しているのかを確認できることを今から楽しみにしています。

日本国内でのドローン配送の可能性について

日本全国には、日常の買物に困っている多くの生活者が存在します。私はSOOと北九州市のサンキュードラッグにも所属しており、北九州市・下関市における買物難民や医療難民は推計で10万世帯を超えています。

これらは、全国の多くの地区が今後抱えていく大きな課題ではないでしょうか。

今回のドローン配送は、一般家庭の買物体験を多様化させる取り組みであると同時に、長期的には買物難民エリアへの安定的な商品供給にもつながる可能性があります。

アメリカ小売業は、常に「生活者」を中心に据えて進化しています。クーポンやディスカウントといった価格施策も重要ですが、それ以上に大切なのは、お客様一人ひとりの暮らしに寄り添うサービスです。日常の小さな不便や不安を解消し、安心と快適を届けることこそ、小売の本当の価値ではないでしょうか。

今回のドローン配送がアメリカ国内でどのような発展を実現するのか、また日本国内でその実現は可能なのか長期的な視点で注視(アメリカでの体験も含めて)していきたいと考えています。

《筆者》

Segment Of One & Only株式会社
マーケティング部デジタルコミュニケーションチーム
CDO(Chief Digital Officer)
平林 周氏
Segment Of One & Only株式会社
取締役CSO(Chief Strategy Officer)
株式会社サンキュードラッグ 未来創造プロジェクト室 室長
山中 俊幸氏

NFI定例セミナー「機会損失減、新規客・新需要創造」(2026/3/18 13:00~15:50)開催ご案内(リアル・リモート)

今回のテーマは、人口減少時代の2つの売上対策「機会損失対策、需要創造・新規客創造」について解説します。人口減少時代では、何もしなければ売上は間違いなく減少していきます。今後は大量出店で売上を増やすことよりも、店頭現場で日々発生している機会損失を減らし、同時に新規客・新需要を創造することで売上を増やすことがますます重要になります。

2026年3月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

今回のテーマは、人口減少時代の2つの売上対策「機会損失対策、需要創造・新規客創造」について解説します。人口減少時代では、何もしなければ売上は間違いなく減少していきます。今後は大量出店で売上を増やすことよりも、店頭現場で日々発生している機会損失を減らし、同時に新規客・新需要を創造することで売上を増やすことがますます重要になります。

店頭で毎日発生している機会損失の実態を可視化するとともに、機会損失を減らすための「完全作業」「店頭実現」の仕組みづくりについても解説します。

また、人口減少時代には、新しい定番、新カテゴリーによる新需要創造が大切ですので、新需要創造の事例を解説します。さらに、ブランド間のシェア争いから脱却して、新規客、新需要を創造するMDの進め方と事例を解説します。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・【開催日】2026年3月18日(水) 13:00~15:50(会場受付開始:12:30)
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい。
※セミナー開催中の途中入場はお断りします。
※リモートでの途中退席は申込責任者に報告します。

・【会場】エッサム神田ホール1号館6階(601)(※案内図をご参照ください)
・【実施方法】リアルとZOOMによるリモートセミナー
(ZOOMセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・【料金】
ニューフォーマット研究会会員企業様:10,000円(税別・1名様)
一般企業様:20,000円(税別・1名様)
・申し込み締め切り:2026年3月9日(月)

スケジュール

人口減少時代の第1の売上対策
完全作業と機会損失対策

[13時~14時40分]

NFI代表取締役 日野 眞克

(1)商談成功の70%は完全作業力で決まる
(2)機会損失を減らすためのPDCAサイクル
(3)DXを活用した「完全作業」「省人化」と「新しい買物体験」の事例研究
(4)機会損失を減らすための製配販の協働 他

人口減少時代の第2の売上対策
新規客増・需要創造のMD改革

[14時50分頃〜15時50分頃]

月刊MD編集部 日野 克宣

(1)新カテゴリー創造、新需要創造のMD
(2)需要創造型MDの売場事例研究
(3)ロイヤルカスタマー、固定客創造のためのポイント 他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館6階(601)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
●JRでお越しの方
神田駅東口より徒歩1分
●東京メトロ銀座線でお越しの方
神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

アーカイブ動画の配信はいたしません。当日参加でのみセミナーのご受講が可能です。
(配信の不備等によりご視聴頂けなかった場合には、後日動画のご案内をいたします。)

②リモートの場合はZOOMウェビナー形式で行います。3月13日(金)までに、お申込書に記載された受講者のメールアドレス宛に受講用URLを記載したメールを送付いたします。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。


申し込みフォーム

NFI定例セミナー「2026年の重点経営課題」(2026/1/28 13:00~16:10)開催ご案内(リアル・リモート)

今回のテーマは、「2026年の重点経営課題」です。DX活用の最前線の事例も含めて、2026年の重点経営課題を網羅して解説します。また、口コミが購買行動を大きく左右し、オムニチャネル化がもっとも進んでいる「化粧品売場の新しい売り方」について、化粧品コンサルタントの西澤敬子に解説してもらいます。

2026年1月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

今回のテーマは、「2026年の重点経営課題」です。フード&ドラッグ、ヘルスケアハブ、オムニチャネル店舗などの新業態開発が大きく進む年になりそうです。同時に、売り方、薬剤師、登録販売者の接客も大きく変わる転換点になる年だと思います。DX活用の最前線の事例も含めて、2026年の重点経営課題を網羅して解説します。

また、口コミが購買行動を大きく左右し、オムニチャネル化がもっとも進んでいる「化粧品売場の新しい売り方」について、化粧品コンサルタントの西澤敬子に解説してもらいます。化粧品売場のセルフとカウンセリングの融合も、2026年の重点経営課題です。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・開催日:2026年1月28日(水) 13:00~16:10(会場受付開始:12:30)
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい。
※セミナー開催中の途中入場はお断りします。
※リモートでの途中退席は申込責任者に報告します。

・会場:エッサム神田ホール1号館6階(601)(※案内図をご参照ください)
・実施方法:リアルとZOOMによるリモートセミナー
(ZOOMセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2026年1月19日(月)

スケジュール

新しい業態、新しい売り方、DX活用
2026年の重点経営課題

[13時~15時]

NFI代表取締役 日野 眞克

(1)ニューフォーマット開発の方向性と特徴
(2)新しい売り方、EDLP、新しい接客、資格者の有効活用
(3)DX を活用した「省人化」と「新しい買物体験」の事例研究
(4)売上と利益を増やすための重点戦略 他

セルフとカウンセリングの融合
化粧品売場の新しい売り方

[15時10分頃~16時10分頃]

ビューティケアトレーナー 西澤 敬子

(1)セルフとカウンセリングを融合させるためのポイント
(2)化粧品の売り方改革の方向性とポイント
(3)化粧品のニューフォーマット戦略(@コスメ、良品計画、パルファンなど) 他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館6階(601)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
●JRでお越しの方
神田駅東口より徒歩1分
●東京メトロ銀座線でお越しの方
神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

アーカイブ動画の配信はいたしません。当日参加でのみセミナーのご受講が可能です。
(配信の不備等によりご視聴頂けなかった場合には、後日動画のご案内をいたします。)

②リモートの場合はZOOMウェビナー形式で行います。1月23日(金)までに、お申込書に記載された受講者のメールアドレス宛に受講用URLを記載したメールを送付いたします。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

本セミナーのお申込み受付は終了しました。
たくさんの参加申込み、ありがとうございました。

戦略レポート「良品計画」の敏感肌スキンケア

無印良品を運営する株式会社良品計画は国内683店舗、海外では20ヵ国以上に729店舗を展開するグローバル企業である。業績も好調で2025年8月期の売上高は7,846億円、前期比18.6%増、営業利益高は738億円、同17.1%増。営業利益率は9.4%と高い水準にある。理念重視で独自路線を快走する同社だが、その好調要因のひとつがヘルス&ビューティ部門、とりわけスキンケアカテゴリーである。今回はその中の敏感肌シリーズに焦点をあて取材した。(月刊マーチャンダイジング2025年12月号より抜粋)

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無印良品はブランドではなく理念を実現させる手段

無印良品は1980年、株式会社西友のプライベートブランド(PB)として誕生。1989年に株式会社良品計画が設立され、以降同社により運営されている。誕生当初から今日までノーブランドであることを主張している。無印良品とは、商品全体が掲げるコンセプトを実現させるための手段であり、すべての商品が同じ世界観で統一されていることを重視する。

掲げるコンセプト、世界観は何度かの変遷を経ているが、2021年9月からは「第二創業期」と捉え「感じ良い暮らしと社会」の実現を掲げる。こうした事業モデルを実現させるため、企画から製造、小売までを一貫して自社で行うSPA業態をとる。

[図表1]良品計画の財務ハイライト
同社の2025年8月期の決算は、営業収益(売上相当)7,846億円、営業総利益(粗利益高相当)4,029億円、営業利益738億円、営業利益率は9.4%と高収益の財務体質となっている(図表1)。

成長性も高く、営業収益は2021年8月期と2025年8月期の5年間の比較で172.9%、同様に営業利益は254.6%、売上、利益とも大きく成長しており、特に営業利益の成長性は際だっている。2028年には営業収益1兆円、営業利益1,000億円を目指す。営業収益は10%の成長が続けばこの数字は達成できる。ちなみに、2025年8月期の営業収益は、前期比で18.6%成長、2028年の目標達成の実現性は高い。

[図表2]ヘルス&ビューティ部門の国内売上推移

とりわけ、今回フォーカスしたヘルス&ビューティ部門(スキンケアが主力)の構成比は直近で国内売上の22%(2023年8月期比で5ポイント増)である約1,034億円を占め、同社の重点カテゴリーに位置づけられる。

同社はグローバル展開しており、直近の営業収益の59.9%にあたる4,701億円が国内収益、40.1%の3,144億円が中国を中心とする海外収益となる。2025年8月期の海外売上の成長率は前期比で115.3%と2桁成長している。店舗数は最新の期末で国内683店舗、海外729店舗を展開している。

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無印良品の基本姿勢を商品化した敏感肌用シリーズ

(左から)敏感肌用化粧水 高保湿 300mL 本体税込990円(しっとり、さっぱり各300nL 本体税込790円)/敏感肌用乳液 高保湿 300mL 本体税込990円(しっとり、さっぱり各300mL 本体税込790円)/敏感肌用クリーム 税込1,590円/敏感肌用オールインワンジェル 税込1,490円

好調を続ける無印良品の中でも、さらに、急成長を遂げているスキンケア商品の敏感肌用シリーズは2023年に大規模にリニューアルして、天然由来成分※100%に切り替えた。
※天然成分を化学的に反応させた成分を含む

これまでの無添加成分に加え防腐剤である「フェノキシエタノール」も無添加とした。防腐剤を配合せずに長期保存を可能にするには処方設計に工夫が必要となり、難易度は高い。

さらに、化粧水では基剤となる水にもこだわった。飲み水としても使われる天然水を使用、涙と同じpHの弱アルカリ性で肌にすっとなじむ。商品の特徴に関して、生活雑貨部H&B(ケア)担当カテゴリーマネージャーの中野倫弥(なかの ともみ)氏は次のように語る。

「当社が考える敏感肌用シリーズは、敏感肌の人はもちろん、そうでない方も含め全ての方に使って頂きたい商品です。無印良品のスキンケアの最も基本的な定番として生まれました。皆様が毎日使えるように、使いやすいシンプルな処方にして、価格も使い続けやすい価格にこだわっています。ラインナップはクレンジング、洗顔から化粧水、乳液、クリーム、オールインワンジェル。他のシリーズと違い、お好きな使用感を選べるように、化粧水、乳液はさっぱり、しっとり、高保湿の3タイプを用意しています。大人はもちろん子供まですべての方にお使い頂きたい商品です」

敏感肌用シリーズは男性の使用者も多く、中野氏によれば、リニューアル後特にその数は増えている印象があるとのことだ。また、無印良品のブランド観について中野氏は次のように語る。

「あくまでノーブランドという立ち位置を重視しています。無印良品の考えの基につくっている商品群です。市場は参考のために見ていますが、いわゆるブランドマーケティングを重視しているわけではありません。無印良品の一カテゴリーであることが一番重要だと思っているので、暮らしになじむことが大切です。化粧品だけの機能を追い求めているのではなく、生活全体を重視しています。そこが一番の特徴ではないでしょうか」

冒頭述べたように「感じ良い暮らしと社会」が無印良品の目指す世界であり、これを実現させるために商品を分類し、開発の価値観や基準を全社で統一している。商品開発にあたっては、「その商品は無印良品に本当に必要か」が最終的には問われ、開発会議では担当部署と幹部社員、他部署が熱心に協議することになるという。

つまり、「感じ良い暮らしと社会」の定義や価値観を社内で揃え、そこへ向かって全商品を開発していく。その結果、品質は向上し世界観も統一される。無印良品は単品やカテゴリーの訴求に加え、ライフスタイル提案を商品全体を通じて行っており、それが多くの生活者に受け入れられている。こうした理念を基準にしたブレない事業が、好調の根底にある。

無印良品の部門別の分類は、①衣服・雑貨(レディース、メンズ、子供、服飾雑貨)、②生活雑貨(コスメ・ケア用品、文房具、ハウスウェア、家具・収納・家電、その他)、③食品の3部門に分かれており、売上構成比は①36.4%、②46.9%、③13.3%となっている(2025年8月期)。

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ボディケアも全面リニューアル 固形石けん、ハンドソープが新登場

(左から)敏感肌用ボディソープ液体タイプ 400mL 税込590円/敏感肌用ボディソープ泡タイプ400mL 税込590円/敏感肌用ハンドソープ泡タイプ 250mL 税込490円/敏感肌用ボディミルク400mL 税込990円/敏感肌用固形石けん 全身用 80g 税込190円

2025年9月10日、無印良品はボディケアシリーズ7種を全面リニューアル。固形石けんとハンドソープを新たにラインナップに加えた。

ボディケア用の特徴は以下の3つ。①天然由来成分100%使用(天然成分を化学的に反応させた成分を含む)、②低刺激へのこだわり。毎日肌に使うものなので、すべての商品でアレルギーテスト、スティンギングテスト(ヒリヒリ、ピリピリなどの刺激、かゆみはないかなどの確認)を実施(すべての人にアレルギーや皮膚刺激が起きないわけではない)。③子供から大人まで使える仕様。

年齢、性別に関わらず広く使える。価格もすべて1,000円以下に抑えた。

「商品は生活者の暮らしにこれまで以上に寄り添う考え方で、既存品を全て見直しリニューアルしました。品質は上げましたが価格は企業努力で抑えた価格にしています」(生活雑貨部H&B担当郭琪/かく ・き氏)

担当の郭氏が語るように、スキンケア同様、ボディケアも無印良品の考えをより強く実現するために改善された。

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店舗とECを一体的に運営 店舗の裁量を重視する個店主義

無印良品のスキンケア、メイクカテゴリーでは、お客の問い合わせ、相談に対応し、より広く愛用してもらうために、2024年8月から「H&B(ヘルス&ビューティ)アドバイザー制度」を立ち上げた。専用の研修制度を設け試験に合格すると社内の認定資格者となる。

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セレブリックス × 月刊マーチャンダイジング”小売視点で見る“されたい営業”

2025年9月、月刊マーチャンダイジング(MD)代表の日野眞克と、大手メーカーの流通支援を手掛ける株式会社セレブリックスの大矢貴広氏が登壇し、オンラインセミナー「小売視点で見る“されたい営業”〜三方よしを実現するジョイントビジネスプランの最新動向〜」が開催された。小売業の生存戦略とメーカーの営業ノウハウを「ジョイントビジネスプラン」という切り口で融合させ、「単品商談」から脱却し「カテゴリー強化」を目指す具体的な道筋を示した。小売店との強固なパートナーシップ構築を目指す営業担当者にとって、明日からの行動を変えるヒントに満ちたセミナーとなった。
(月刊マーチャンダイジング2025年12月号より転載)

ドラッグストア激変の時代 衰退サイクルにどう備える?

セミナー前半は、月刊MD代表の日野が「単品商談からカテゴリー強化の取り組みへ」というテーマで講演し、小売業界が直面する構造的な危機と、メーカーに求められるものについて解説した。

日野は、アメリカの経済学者故クレイトン・クリステンセン氏の提唱した「イノベーションのジレンマ」の概念図を用い、ビジネスモデルや業態の寿命は約30年であると指摘。日本のドラッグストアは現在、急成長期を経て安定的な成長期に差し掛かっており、「5年、10年後には衰退のサイクルに入る」と警鐘を鳴らした。

この衰退サイクルへの突入を防ぐためには、「新ビジネスモデル・業態にチャレンジせねば次の成長が望めない」と述べ、現状維持に甘んじない挑戦が求められていると強調。

この危機感の根拠として日野は、アメリカ最大のドラッグストアチェーンであるウォルグリーンの経営悪化事例を挙げた。同社は1990年代前半に成長を始めたが、優に30年が経過したいま、業績悪化によってファンドによる買収や大量閉店を余儀なくされている。対岸の火事ではない。

原因はECへの対応の遅れ、化粧品専門店との競争、そして調剤部門の収益悪化など多岐にわたるが、とくに重要なのは、「物販だけではなく、オムニチャネルへの対応」ができていない点と言及する。

顧客軸のMDが鍵 カテゴリードクターへの転換

日野は、これからの成長戦略の軸として、「商品軸のMD」ではなく、「顧客軸のMD」が重要になると説く。顧客軸とはカテゴリーである。

カテゴリーマネジメントにおけるカテゴリーとは、「購買行動の単位」のことであり、従来の「単品商談」から、「カテゴリーの最適化」を提案する「カテゴリー商談」への転換が不可欠だ。「新商品が発売されるからといって、単品の商談で店頭に押し込むのはもはや時代遅れ。これからは顧客の購買行動の単位であるカテゴリーの最適化ができる営業パーソンこそが優秀と評価されるべき」と日野は述べた。

メーカーの営業パーソンにとってカテゴリーの最適化とは、単にシェア争いをすることではなく、「カテゴリーの市場全体を大きくする活動」のことだ。具体的には、自社ブランドの投入により、そのカテゴリーでいままで買物をしていなかった新規客を呼び込むことができれば、市場全体の拡大に貢献できる。

また、短期特価特売(プロモーション)偏重ではなく、「定番」をどう最適化していくかという提案ができる営業パーソンが小売業から重宝される時代になりつつあるという。

これは、短期特売が過度な人時投入を招き、長期的に見て収益性を下げる事例が増えているため。エブリデーロープライス(EDLP)志向の小売業が増えるなか、「価格商談」ではなく「カテゴリー最適化の提案」こそがメーカーの営業パーソンの付加価値となる。

ダイヤモンドモデルと完全作業

次いで日野は価格商談、リベート商談に偏重した商談スタイルを根本から変える、小売業とメーカーの新しい協働プロセスである「ジョイントビジネスプラン」の重要性について言及する。小売業の寡占化が進む現代では、特定の大手チェーンに対する取り組みはメーカーにとって極めて重要だ。

日野は、従来の営業パーソンとバイヤーだけによる商談「バタフライモデル」から、企業対企業で取り組む「ダイヤモンドモデル」への移行を提唱。営業とバイヤーの商談に加え、トップマネジメントを含む「システム、物流など、さまざまな部署同士と会社対会社で取り組むということが非常に重要になってきます」と述べた。

ジョイントビジネスプランの実現において、メーカーと小売の双方にとって「最大の売上対策」となるのが完全作業である。

「商談成功の70パーセントは完全作業力で決まる」と言われており、とくに店舗数が多いチェーンほど、商談結果の店頭実現率(導入率や陳列場所の正確さ)のバラつきが、巨大なチャンスロスを生む。メーカー側は、競合に奪われている「他損売上減」よりも、売り逃している「自損売上減」、すなわち「店頭欠品」や「不完全作業」による損失に着目し、その改善に取り組むべきだという。

この店頭実現率を上げるためには、商品部だけでなく、店舗運営部を巻き込むことが不可欠だ。店舗運営部が、その取り組みにより「自分たちも利益が取れる」と理解すれば、協力度は格段に増す。

バイヤーの関心事の変化とコンサルティングセールス

セミナー後半は、セレブリックスの大矢貴広氏が登壇し、小売業営業における具体的なノウハウを解説。

小売業界では、EC化、人手不足、消費者ニーズの多様化といった環境変化のなかで、商談のオンライン化などのDXが急速に進んだ。バイヤーは、対面と非対面のハイブリッドな対応を求められている。

大矢氏は、近年バイヤーが重視する関心事の変化として、(1)体験型売場へのシフト(タッチ&トライ、SNS連携)、(2)即トレンド対応(SNSバズ、芸能人使用情報など)、(3)収益貢献率(交差比率)の追求の3点を挙げた。

とくに「収益貢献率」は、新規客獲得が難しい時代において、持続的な成長モデルに転換するために不可欠な指標だと言う。

[図表1]ジョイントビジネスプランを実現するための5つのポイント

このような変化に適応するには、小売視点を欠いた単なる商品説明やキャンペーン訴求ではなく、小売が求める「されたい営業」が必要となる。大矢氏は、ジョイントビジネスプラン実現のための営業の観点を5点(図表1)にまとめた。

顧客インサイトの把握 仮説質問とAIの活用

バイヤーの評価軸である「総粗利額と在庫効率」に貢献するには、在庫回転率と粗利率を掛け合わせた交差比率の向上を狙った提案が求められる。

大矢氏は、レトルトカレーの事例を挙げ、定番と期間限定商品のゾーニング、少量納品による在庫リスク抑制、ついで買いを誘発する他社商品との組み合わせ陳列、レシピ動画への動線設置による顧客体験の向上といった、売場全体を捉えた提案の具体例を紹介した。

そして、この「されたい営業」を実践するためのスタイルとして提案するのが「コンサルティングセールス」だ。

コンサルティングセールスとは、「顧客も認識していない潜在的な欲求やニーズ」である“インサイト”をもとに課題設定を主導し、顧客を理想の未来に導く営業スタイルである。

その実現に必要なのが、顧客の主観的認識ではなく、表に出ていない客観的事実を掘り下げる“ファクトファインディング”だ。ヒアリングが「聞き取り」を目的とするのに対し、ファクトファインディングは「事実をつかむ」ことを目的とする。

メーカーの営業が陥りがちな「商品に関わること」中心の会話から脱却し、「ビジネス全般に関わること」を問い、情報提供や示唆を与えることが重要になる。大手食品メーカーの事例では、バイヤーの関心事だけでなく、営業先のIR情報や中期経営計画を見て、「会社としての大きな課題とその現場の売場」をひもづける営業プロセスが紹介された。

このような濃い仮説構築を生産性高く実行するために、大矢氏はAIの活用を示唆。AIに「業界のなかの人」を演じさせるデモを実施し、「AIは思考の整理やアイデアの壁打ち相手としては優秀なサポーターになり得る」と結論づけた。

パネルディスカッション 小規模メーカーと卸の役割

セミナーの最後は、大矢氏が日野に質問をする形でパネルディスカッションを実施。小規模メーカーや卸売業との連携についても議論が交わされた。

最後に日野は、食品メーカーがまだドラッグストアへの取り組み度合いが遅れているとし、とくに「健康」という切り口でドラッグストアとチームを組み、需要創造を強化すべきだと締めくくった。

本セミナーは、変化する小売業界において、メーカーが「売る人」から「売場を共に作る人」へと進化し、「メーカー・小売・消費者」の三方よしを実現するための具体的な戦略と実践手法を示唆するものだった。

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《登壇者》

(株)ニューフォーマット研究所
代表取締役社長
日野 眞克
(株)セレブリックス
リテールセールス エバンジェリスト
大矢 貴広氏

イベントレポート~アルフレッサ ヘルスケア[2025ソリューション提案商談会] ~

7月29日(火)・30日(水)、東京都立産業貿易センター浜松町館にて、アルフレッサ ヘルスケアの展示会「2025 ソリューション提案商談会」が開催された。近未来ドラッグストアの提案をはじめ、多彩で将来を見据えた企画が、3フロアに渡り展示された。(月刊マーチャンダイジング2025年10月号より転載)

OTCの棚割提案に加え コト提案による顧客づくりも提案

3階では、「売場提案による顧客づくり」、健康セミナーや健康相談会など「コト提案(モノではなく体験やサービスを提案すること)による顧客の囲い込み」、防災セミナー、器具を使ったトレーニング・リハビリなど「顧客来店目的の創出」の、3つの柱からなる「近未来のドラッグ提案コーナー」を展開。

売場提案による顧客づくりのスペースでは、OTCの各カテゴリーに、市場傾向やCDT(カスタマーデシジョンツリー/購買決定における消費者心理のプロセス図)を付け、考え方を解説しながら棚割提案。

例えば、花粉ブロック対策の棚割提案では、カテゴリーには、「シュッとひと噴き花粉ブロックスプレー(花粉ブロックスプレー)」「花粉ブロック対策」「辛い目のかゆみの洗浄に(洗眼剤)」「乳酸菌でブロック対策(乳酸菌配合青汁)」「健康食品を飲んでムズムズ対策(花粉症対策食品)」5つに分け、その下にサブカテゴリー、セグメントと分類していく(写真2)。

[写真1]慢性的な悩みに関する棚割提案。慢性頭痛、ストレスによるのどのつかえ・胃痛、慢性肌荒れなどをカテゴリーとして提案
[写真2]花粉症のCDT、棚割の基になる考え方として、棚割提案とCDTをセットで掲示

カテゴリーニーズを基準にして大きなニーズから、細かく分類していくのがCDTの考え方で、棚割の設計図としても活用できる。

棚割提案のスペースでは、花粉ブロック対策の他に、頭痛、胃痛などの「慢性病」(写真1)、「ドリンク剤」、「ビタミン剤・漢方薬」、「鎮痛剤都市型・鎮痛剤郊外型(郊外型は幼児、小児を含む)」などのカテゴリーが、CDTのチャート、市場動向のパネルと共に紹介されていた。

[写真3]OTCの棚割提案はCDT、市場動向など付け、多数の薬効に関して展示。品揃えの考え方の参考になる

アルフレッサ ヘルスケアでしか扱えない「専売品」のコーナーでは、高機能高単価で収益性の高い商品が多数展示されていた(写真4、5、6、7)。

[写真4]野口医学研究所のおとなの肝油の展示。ハローキティーのパッケージが予想以上の売上を見せている
[写真5]レイデルジャパンのポリコサノール説明ボード。キューバ産サトウキビ由来のポリコサノールは注目株の成分
[写真6]SB C&Sのカメラ付きスマート耳かきと電動爪切りの展示。カメラ付きスマート耳かきは、スマホ連動で耳の中を見ながら耳かきができる新発想商品
[写真7]記憶の番人は、社会的な課題である軽度認知障害へ貢献するサプリメント。社会課題解決型商品には大きな可能性がある

インショップ型フィットネス 歯の美白機器設置提案

[写真8]コト提案として25坪程度のスペースで運営するインショップ型フィットネスを提案

コト提案による顧客囲い込みの1つとして、「インショップ型フィットネス」を展示(写真8)。25坪以上の空きスペースがあるドラッグストア(DgS)の店内で、インストラクターが整体とマシントレーニングを組み合わせた15分単位のプチフィットネスを指導する(写真9)。これにより、地域の健康ステーション化を図り、同時に店舗への集客、来店促進を狙う。

[写真9]インショップ型フィットネスではマシーントレーニングやグループレッスンをインストラクターが指導

この事業をプロデュースするカラダファクトリーは国内外に350店舗以上の整体、ボディメンテナンスのサロンを運営している。出展当時はテスト出店するパートナーを募集していた。

[写真10]スマホで利用者を撮影するとAIが姿勢や筋肉状態を解析、姿勢矯正や筋トレ方法などをスマホでインストラクターがオンライン指導する(アプリ)

現在、省スペースで気軽に運動できる施設は人気があるので、集客には有効な手段になり得る。DgSの機能を拡張したい企業にはこうした外部企業のサービス(コト)を利用するのも有効だ。

[写真12]スキンケア、ヘアケア、オーラルケアの提案スペース「B-WILLラウンジ」、ヘルス&ビューティは高齢化社会でも成長領域

「B-WILLラウンジ」と名付けられたスペースでは、スキンケア、ヘアケア、オーラルケア(歯の美白)に関して展示(写真12)。

[写真11]吉野家ホールディングスは茨城県でダチョウ牧場を運営、スキンケアの原料などを研究している

牛丼でおなじみの吉野家ホールディングスは、100%子会社の株式会社スピーディアを通じて、ダチョウ由来のオイルを用いた導入オイルや保湿クリームなどのスキンケア商品を発売(写真11)。

同社は茨城県石岡市でダチョウ約500羽を飼育するダチョウ牧場を運営し、食肉やオイルとしてダチョウを有効活用する研究を進めている。先端的な研究と新規性のある原料を用いた商品は今後の展開が注目される。

[写真15]歯のホワイトニングをセルフで行う装置。ホワイトニング用の消耗材、オーラルケア商品の併買、集客効果が期待できる

株式会社センス・イット・スマートは、薬局、DgS向けの歯のセルフホワイトニングを提案(写真15)。専用の医療機器を設置することで、利用者は気軽に歯のホワイトニングができる。来店目的の拡大、差別化につながり、美白系オーラルケア商品の購入も期待できる。

[写真16]タイムリープ社の遠隔接客システム「ルーラ」はオンライン服薬指導の手段として期待されている

3階の調剤薬局の展示会場では、遠隔接客で実績豊富なタイムリープ社の提供するサービス「ルーラ」を使ったオンライン服薬指導を提案(写真16)。

薬剤師不足への対応や経費削減のため、あるいは将来を見据えて、オンライン服薬指導が注目されている。日本では調剤薬局の実店舗を出店することで処方せん応需を増やしているが、アメリカのDgSは実店舗が負担となり、経営悪化の一因となっている。

日本の調剤薬局も、実店舗の出店強化とオンラインを活用した無店舗事業、どちらが調剤強化に有効か見極めるべき時期がやがて来るだろう。

セルフプリベンション、フェムケアなど重要テーマを提案

4階会場では、アルフレッサ ヘルスケアが長年に渡り提唱している「セルフプリベンション(治療の必要のない健康状態の維持)」を中心に展示。

[写真13]セルフプリベンション(治療の必要のない健康状態の維持)に関する棚割提案。病気になる前の対策はセルフメディケーション(軽度な病気の自己治療)と並んで今後重要度が増す

生活習慣病予防、グリーン&スムージー(青汁など)、サプリメントに関する棚割提案、市場動向などがパネル展示されていた(写真13)。

生理や妊娠・出産、更年期など、女性特有の健康上の悩みは本人のQOLを左右するだけではなく、社会的な課題、損失と考えられ、それらへの対策として「フェムケア」が最近注目されている。

[写真14]女性の健康課題改善は、個人のQOL維持向上だけでなく、社会的な損失対策にもなる。フェムケアは政府も支援する重要領域

4階には「フェムケアステーション」を設置して、女性の健康課題に関する情報や「わたしを整える」、「私と家族のウェルネス」など独自のセグメントに基づく商品を展示していた(写真14)。

フェムケアは話題性先行で売場として定まっていないので、こうした情報や提案を参考に自社なりの「フェムケア売場」確立が求められる。

5階会場は「ドラッグDX(DX推進によるマージとパージを提案)」をテーマに展示。DXによる電気代の節約、AIを使った棚割作成、PHR(個人の健康データ)記録のためのデバイス(スマートウォッチ)などを展示。今後の店舗運営や生活にDXが大きな役割を果たすことを示していた。

小売業は常に社会の動きを反映する「変化対応産業」である。複雑化、競争激化する小売業にとって、自社の力だけでなく様々なパートナーとの協業が成長に大きく関わることをアルフレッサ ヘルスケアの「2025 ソリューション提案商談会」は示唆していた。

アルフレッサ ヘルスケア代表取締役社長の西田誠氏

都市小型スーパー「まいばすけっと」“コンビニじゃない”強さの理由

都市部で小売の王者とされてきたコンビニ。しかし人件費や物価上昇の逆風で成長は停滞している。一方、イオングループの「まいばすけっと」は“近い・安い・きれい”を武器に首都圏で1200店超を展開し、着実に存在感を拡大。生活者のニーズに応える都市小型店として、コンビニに代わる新たな主役に浮上している。「まいばすけっと」の強さを分析する。(著/エイジスリテイルサポート研究所 所長 三浦 美浩)(月刊マーチャンダイジング2025年9月号より転載)

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コロナ禍後の都市部で影響力を拡大

都市部の食品マーケットの“覇者”は2020年のコロナ前までは間違いなくコンビニだっただろう。その存在は今でも大きく、たとえば東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で確認すると大手コンビニ3社の店舗数はセブン−イレブン6,873店、ファミリーマート4,801店、ローソン4,003店舗となっている(セブン、ファミマは6月末、ローソンは2月末、いずれも各社「ウェブサイト」より)。コンビニ大手3社がこのエリアで合計で1.5万店以上の店舗数を有していることが分かる。

しかしコロナ禍とその後の混乱、人件費上昇などで物価上昇が続くとコンビニには逆風が吹き始めた。たとえば最大手セブン−イレブンの既存店売上高は2024年度(2025年2月末)で前年比で+0.2%、同客数+0.2%、客単価±0%であり成長が止まった状態で、物価上昇が向かい風になっている様子が想像できる。

東京など1都3県の都市部は小売業にとっては難しいエリアであり、これはドラッグストア(DgS)など他の小売業にも当然、当てはまる。出店するに際しては十分な敷地を確保することは難しいし地代・家賃も決して安くはない。

人件費は高く、またコンビニなどとの競合を考えれば運営に携わる人員の確保は難しい。人口は多く市場は大きく見えるが、世帯では単身者が多く食の“財布”は必ずしも大きくはない。

またコンビニは本部との契約は粗利分配方式を採用するフランチャイズ契約が多いため、物価が上昇しているからと言って売価を下げていくと加盟店の収入減が生じる可能性がある。

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都市部は出店においても、運営においても、インフレ期の価格対応についても難しいエリアであることは間違いない。目指す“近便短+安”を実現するのが難しいエリアである。

その都市部で影響力を拡大しているのが都市小型店、とくにイオングループが展開する「まいばすけっと」である。

イオン(株)の吉田昭夫社長は2025年2月期の決算会見の中で、人口減少で生活者ニーズを注視したエリア対策が必要と述べたうえ「アーバンエリア(都市部)は人口流入が進む成長市場であり、そのシェア拡大には強いフォーマットを必要とする。

まいばすけっとは首都圏に1,200店を超える存在になり近さとコンビニに比しての価格の安さが支持されて順調にシェアを伸ばしている。コンビニに対する競争力を付け安定的に利益を創出できる業態にまで成長してきた」と評価する。

さらに利益を安定的に創出できる業態となれば都市部でも賃料は高い額まで出せ許容度が高まり、出店候補地の拡大は可能になるとし「2030年までに現在の2倍の2,500店舗、最終的には首都圏で5,000店態勢を敷きたい」(吉田社長)と表明した。

ネットスーパーなどのオンラインチャネルと合わせてまいばすけっとを首都圏都市部でのシェア拡大の主力とすることを言及したのである。

ではこのイオングループの都市部のエリア戦略の中心にまで進化したまいばすけっとの特徴は、どんなところにあるのだろうか?

​​2005年から京浜地区出店 1都3県1,200店の店舗網

まいばすけっとは、イオングループのGMS企業・イオンリテールの1事業部門として始まった業態である。横浜市保土ヶ谷区の丘陵地に2005年12月、1号店を開店しそこから出店を開始している比較的新しい企業である。当初の店は現在同様小型だが店内で簡単なベーカリーを焼いたりする機能を有していたことを筆者は記憶している(図表1)。

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