営業時間内、集客だけのビジネスでは勝てない!月刊MD 2021年8月号見どころ紹介

皆さんこんにちは、月刊マーチャンダイジング編集長の野間口です。 東京オリンピック2020、開会式直前のゴタゴタ、バッハの話は校長先生の話(長い!)色々ありましたが、蓋を開ければ日本選手は大活躍、勝っても負けてもカラダを張って競技に人生を捧げているアスリートの偉大さに感動する日々です。私も仕事に人生を捧げるぞ!金メダルは読者の支持だ!月刊MDを読んでください!皆さんは私のバッハだ!よく分からなくなったので8月号の紹介に移ります。

特集①スーパーサンシ

日本は人口減少で地方は人がどんどん減っています。都市部もオーバーストアでひとつの地域を複数の店舗が取り合う時代が来ています。ドラッグストアに関していえば、日本の人口を総店舗数で割ると7,000人強という小商圏化が進行中です。

こうした状況の中、宅配(ラストワンマイル)によって商圏の深掘りができないか。ネットスーパーで成功している、三重県鈴鹿市に本社を置くローカルチェーン「スーパーサンシ」の事例を通して考えます。

店舗、固定客という資産をベースに、宅配利用会員を開拓して商圏を広げ、深掘りする。取材対応の高倉氏はネットスーパーの商圏を「制空権」と表現し、一度制空権を押さえれば崩されない「先手総取り論」を具体的に語ってくれました。

小商圏を勝ち抜くには、営業時間内、集客という既存モデルにプラスαが必要なことが実感できます。

バックヤードに設けられた宅配用のピッキングスペース(宅配デポ)
スーパーサンシの自前宅配トラック

特集②ダラージェネラル

アメリカのディスカウントストア(DS)、ダラージェネラルをリポート。全米に1万7,000店以上を出店し、世帯数1,500未満でも成立する小商圏深掘りのモデル企業です。

田舎(ルーラル)で他社が出ても採算が取れないエリアが総取りできます。収益性も高く全商品の75%が5ドル(550円)以下というDSながら営業利益はなんと10.5%。新業態なども紹介しています。

ダラージェネラルの新業態「pop shelf」(やや高級路線)

特集③パレッテとビッグエー

イオンの新DS業態「パレッテ」と「ビッグエー」を、三浦美浩氏が店舗クリニック(訪問リポート)。DSの商圏の攻め方、ローコストオペレーションを詳細にリポートします。

トップインタビューには、ツルハの八幡政浩社長が登場。宅配への取り組み、デジタルシフトなどの戦略を語ってくださいました。新店も紹介しています。

その他有意義な情報満載。オリンピック観戦で頭を休めたら月刊MDで業界の動向を勉強しましょう!

ウォルトを使った宅配サービスを告知するポスター

 

 

NFI定例セミナー「ドラッグストア白書[最新版]『決算分析』『経営戦略&業態戦略』の深堀り解説」(2021/09/15 13:00~15:20)開催ご案内(オンライン)

9月の定例セミナーのテーマは3つ。①『ドラッグストア拡大史』でまとめたドラッグストア成長の30年史の解説、②上場ドラッグストアの最新決算分析、③ドラッグストア経営者(大手、中堅)の次の10年の「経営戦略」と「業態開発戦略」を深堀り。日野眞克のワンマンセミナーです。

2021年9月セミナーは、コロナの状況がまだ不透明なので「リモート」セミナーのみで開催します。

開催概要

・開催日:2021年9月15日(水) 13:00~15:20
開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください。
・実施方法:zoomによるオンラインセミナー
(アクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:16,500円(税込・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2021年9月6日(月)

スケジュール

(1)ドラッグストア30年史
[13時00分~14時10分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

・なぜドラッグストアは急成長したのか?
・第1次ドラッグストア成長時代
・第2次、第3次ドラッグストア成長時代
・企業別の業態開発の特徴  他

(2)ドラッグストア最新決算分析
(3)大手&中堅各社の経営戦略、業態戦略
[14時20分頃~15時20分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

・数値で見るドラッグストアの特徴
・売上高、収益性、安全性、成長性分析[PL、BS完全分析]
・大手&中堅DgSの次の10年の経営戦略、業態戦略  他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

注意事項

・今回のセミナーはzoomを利用して実施します。具体的な接続手順、URLなどは、受講者様にお送りいたします。あらかじめ https://zoom.us/ にアクセスできるパソコンをご用意ください。スマートフォンでも受講できますが、パワーポイントのスライドを画面に共有して進めますので、なるべくパソコンでの受講をおすすめしております。

・セミナー終了後10日間はアーカイブされた録画を閲覧することが可能です。
閲覧のためのURLは、セミナー終了後にご案内いたします。

・企業様によって、Zoomへのアクセスができないという場合がございます。
Zoomへの接続については、受講企業様にてご対応くださいますようお願い申し上げます。(弊社にてサポートは致しかねますのでご了承ください)。また、受講者様側の都合で当日受講できなかった場合も返金は致しかねますのでご了承ください。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

お申込みフォーム

エシカル消費の促進のカギ握る「実行しやすさ」「手軽さ」

今回は、POB(※)会員に「エシカル消費に関する意識調査(N=10403人、2021年6月1日~4日実施)」を実施しました。SDGs(持続可能な開発目標)の浸透を背景に、「エシカル消費」というキーワードが注目を集めています。昨年7月のレジ袋有料化から1年が経過し、大手の飲食業界やファッション業界でも「持続可能」をコンセプトとしたエシカル商品をよく目にするようになりました。最初にアンケートでは、「エシカル消費」の認知度を調査しました。

消費者の24.5%が認知している「エシカル消費」

「エシカル消費を知っているか」尋ねると、10403人のうち、およそ8割が「知らない(75.5%)」と回答し、「聞いたことがある(19.0%)」、「意味を知っている(5.5%)」と合わせて、認知度はおよそ3割(24.5%)でした。

エシカル消費とは、エシカル(Ethical)は英語で「倫理的な」「道徳的な」という意味をもつ言葉で、環境や人権に対して十分配慮された商品やサービスを選択・購入することをあらわします。消費行動を通して、社会課題を解決する動きや、あらゆる方面に向けた消費による影響を包括的に捉えたエシカル消費は、SDGsが浸透したように、今後認知が広がっていくことが予想されます。

次に、(設問でエシカル消費の意味を説明した上で)普段の生活の中で、「エシカル消費」を意識することはあるか尋ねると、10,403人のうちおよそ3割が「意識する(28.2%)」と回答しました。

年代別でみると、60代以上では「意識する(31.4%、N=1692人)」と回答した人の割合がもっとも多く、年代が上がるにつれて、意識の高まりを感じる結果となりました。

「フードロス削減・防止」「ごみを出さない」などの行動が首位

では、どのような「エシカル消費」を意識した行動をしているか、エシカル消費を意識する2,938人を対象に選択肢で尋ねました(複数回答)。

「エシカル消費」を意識した行動は、多くの人が「フードロス削減・防止(73.0%)」、「ごみをできるだけ出さない・減らす(69.6%)」を挙げました。

「食品は食べきれる分だけ購入し、食べきる、生ごみを出さない」、「シャンプーや洗剤など、詰め替え用商品がある商品を購入しプラスチックごみを出さない」など、身近なところから意識して行動していることがわかりました。

また、「エコ商品を選ぶ(55.7%)」、「地産地消(42.8%)」が半数近くとなり、「パッケージをみて地球や環境にやさしい商品か確認して選ぶ」、「どの地域でも地産地消に貢献できるため、継続しやすいと思う」といった意見もあり、上位回答は、実行のしやすさ・手軽さなどが理由で、選ばれていることがわかります。

ほかにも、「コロナ禍で売上げが減少した商品などを購入してフードロス削減に協力する」、「コロナで買い物の回数を減らし、必要な物だけ購入するようになりロスが削減できていると思う」など、コロナ禍がきっかけとなり、消費意識や行動の変化を感じられるコメントが一定数ありました。また、「エコや社会貢献を意識している企業の製品を選ぶ」といった声もあり、企業側にもエシカル消費への対応が今まで以上に求められていることを感じました。

[調査概要]
POBアンケート N=10403人
調査対象:全国のPOB会員アンケートモニター
調査日時:2021年6月1日~4日
調査方法:インターネットリサーチ
調査機関:ソフトブレーン・フィールド

※POBデータ:フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社が、全国のアンケートモニター(以下、POB会員)から独自に収集する、日本初のレシートによる購買証明付き・購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データ」。

ラベルレス飲料、販路広がるも「購入あり」が2割にとどまる理由

飲料メーカー各社が、ラベルのない「ラベルレス」のペットボトル飲料の販売を拡充させ、売上が好調だといいます。消費者は廃棄時にラベルを剥がす手間が省くことができ、メーカーはプラスチック樹脂量の使用量を減らせることからSDGs(持続可能な開発目標)にも合致し、ニーズが高まっています。そこで今回は、POB会員に「ラベルレス飲料に関するアンケート調査(N=3033人、2021年5月12日~14日実施)」を実施しました。ラベルレス飲料の認知や購入行動の実態に迫ります。

ペットボトル購入ユーザーでは認知率50%超

最初にアンケートでは、ラベルレス飲料の認知度を「普段ペットボトルを購入する」と回答した人(N=2,015人)、「普段ペットボトル飲料を購入しない」と回答した人(N=1,018人)における比較調査しました。

ラベルレス飲料の認知度は、「普段ペットボトルを購入する」と回答した人(N=2,015人)のうち、半数以上が「知っている(53.0%)」と回答し、「普段ペットボトル飲料を購入しない」と回答した人(N=1,018人)においても、およそ3割が「知っている(33.6%)」と回答していたことから、「ラベルレス飲料」の認知度や注目の高さがうかがえました。

「購入する機会がない」、「商品をみたことがない」

次からは、ラベルレス飲料の購入状況を調査しました。

まず、ラベルレス飲料の購入経験を尋ねると、3,033人のうち、およそ2割が「購入経験あり(21.7%)」と回答し、前述では認知度の高さがうかがえる結果でありながらも、購入率は2割にとどまりました。

その理由としては、店頭で「ラベルあり」で販売されるペットボトル飲料が主流の中で、「ラベルレス商品を購入する機会がない」、「商品をみたことがない」といったコメントがありました。

実際に購入経験がある人(N=437人:複数回答)の購入理由は、4割以上が「ラベルを剥がす手間が省ける(40.9%)」が最多回答となり、それに次ぐ「目新しさ(28.2%)」、「日頃からエコを意識(22.8%)」が、「安かった(26.7%)」という価格よりも上回り、購入回数は、「リピート購入している(51.1%)」と回答した人が、「1回のみ購入(48.5%)」と回答した人を、2.6pt上回りました。

購入チャネルは半数以上がコンビニ

次に、ラベルレス飲料の購入チャネルを尋ねると(N=437人、ラベルレス飲料の購入経験がある人:複数回答)、半数以上が「コンビニエンスストア(53.0%)」と回答し、「スーパー(35.9%)」、「ネット(26.5%)」、「ドラッグストア(7.7%)」が続きました。

ラベルレス飲料は、法律で義務づけられている原材料表示を個々のボトルでは省き、代わりに飲料が入っている段ボール箱に一括表示するため、「箱売り」が原則で、インターネット通販での取り扱いが主流になっていましたが、最近では、原材料などの法定表示を記載した首掛け式ラベルや、小面積のタックシールなどに貼付することにより、店頭での単品販売が可能となり、徐々に流通し始めています。そのため、今回の調査ではネット購入よりも、コンビニエンスストアやスーパーの店頭販売が上回ったことが考えられます。

次からは、ラベルレス飲料の購入意欲を調査していきます。

まず、購入を希望する同一商品(価格・成分・容量など)のペットボトル飲料が「ラベルあり」「ラベルレス」で販売していた場合、どちらを購入するか尋ねたところ、3,033人のうち、6割以上が「ラベルレス飲料を購入したい(62.3%)」と回答し、「ラベルありを購入したい(37.7%)」を、24.6pt上回りました。

そして、「ラベルレス飲料を購入したい」と回答した理由を尋ねると(N=1,890人、複数回答)、「無駄が少ない・ごみが減らせる(76.8%)」、「ラベルを剥がして捨てる手間が省ける(63.9%)」が上位回答となり、各社ボトルのデザイン性にもこだわりがあるようですが、「おしゃれ・デザインがよいから(4.1%)」にとどまりました。

一方で、「ラベルありを購入したい(37.7%)」と回答した人の理由を尋ねると、(N=1,143人、複数回答)、ラベルがあったほうが「何の飲料かわかりやすい(76.3%)」が7割で、「メーカーやブランドがわかりやすい(40.2%)」、「原材料などの内容がわかりやすい(32.7%)」が続きました。コメントでは、ラベルあり/なしに関わらず、結局安いほうを選ぶといったコメントが一定数みられたほうか、「ストックして置いておく際に、何の商品かわからなくなる事があるから、ラベルがあった方を選んでいる」といった声もありました。

今回の調査結果から、ラベルレス飲料の販売好調の理由として、「イエナカ」時間増加にともなう、生活者の不便・不満の解消につながったことや、ケース売りのネット販売から、身近で購入しやすい店頭販売に販路が拡大し、消費者への認知や購買が広がる動きがあることがわかりました。

現在はブランドが確立している既存商品のラベルレス飲料が発売されていますが、新商品のラベルレス飲料や、ラベルをみて商品を選ぶ人、高齢者の方など、ラベルレスでもわかるような工夫や販促が、定番化にあたり今後の課題と言えそうです。

[調査概要]
POBアンケート N=3033人
調査対象:全国のPOB会員アンケートモニター
調査日時:2021年5月12日~14日
調査方法:インターネットリサーチ
調査機関:ソフトブレーン・フィールド

※POBデータ:フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社が、全国のアンケートモニター(以下、POB会員)から独自に収集する、日本初のレシートによる購買証明付き・購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データのこと。

店舗運営部の最大の職務は「完全作業」の実行と徹底である

店舗運営部に属する「店長」と「スーパーバイザー(エリアマネジャー)」の最大の職務(使命)は、決められたことを100%店頭で実行する「完全作業」です。しかも、店補数が増えれば増えるほど、店舗の完全作業力によって売上高が大きく変わります。

完全作業の実行と徹底が店舗運営部の最大の職務

冒頭に示した図表1は、店長とスーパーバイザー(以下SVと略す)の「職務」(果たすべき仕事の範囲のこと)をまとめたものです。

小売業は多店舗展開する過程で組織開発を行い、分業体制を整える必要があります。とくに商品の仕入れ・調達を担当する企画担当の「商品部」と、店舗のオペレーションの実行担当である「店舗運営部」に分業化することが、チェーンストアの組織開発の第一歩です。

店長・SVは、店舗運営部に属します。店長が1店舗の責任者であるのに対して、SVは10店前後のエリアの責任者です。かつては店長兼務のSV(エリアマネジャー)も存在しましたが、多店舗化が進んだ現在は「店舗を持たないSV」が原則です。

店舗運営部が優先すべき最大の職務は、(1)「完全作業」の実行と徹底です。店長とSVは、パートさんの掃除の仕方の手順が間違っていたら、その場でお手本を示して教えるOJT(On the Job Training)教育ができなければなりません。そのためにも店長とSVは常にアップデートされる最新の「店内作業」を習得し続ける必要があります。店舗を持たないSVであっても店内作業のプロであり続けることが何よりも重要です。

店と人による「バラツキ」を少なくして、作業を平準化することも店長とSVの職務です。チェーンストアは、業績アップのもっとも優先順位の高いテーマが「平均点」の底上げであり、店長とSVが果たすべき職務です。つまり、(2)標準化の推進→不完全作業のOJT教育→人と店によるバラツキを減らすことが店長とSVが果たすべきもっとも重要な役割なのです。

また、「完全作業」の実行と徹底は、店長・SVにとっての最大の売上対策でもあります。たとえば、「開店前100%補充」を実行することによる営業時間中の店頭欠品の減少は、即、売上の増加に直結します。さらに、季節商品の早期展開を徹底することで「シーズンファーストバイ(季節商品の第1回目の購入)」を競合店よりも早く取ることができれば、季節品の機会損失を防ぐことになります。

店舗数が増えるほど店舗の完全作業力が重要

季節品の1年間の購入回数は意外に低く、たとえば年間購入回数2.3回の「日焼け止め」の売場づくりが遅れて、シーズンファーストバイを取り損なうと、売上の半分を失ったことと同じであるという意識を持つべきです。

また、チェーンストアは店数が増えれば増えるほど、一人の完全作業、1店舗の完全作業にこだわる必要があることを店長とSVは肝に銘じる必要があります。たとえば、100店チェーンで、1店舗1日の「作業人時数」を10人時減らすことに成功すると、時給1,000円換算で「10人時×1,000円×365日×100店=3億6,500万円」ものコスト削減を1年間で実現できることになります。

チェーンストアは、店舗数が増えれば増えるほど「完全作業力」が売上と営業利益に大きな影響を与えるビジネスです。製造業の「生産管理」と同様のエンジニアリング志向の考え方をする必要があります。

※店舗運営部の職務の続きは、月刊MD2021年3月号で掲載しています。店舗現場の実務記事を体系的に整理する雑誌は月刊MDだけの特徴です。ぜひご購読ください。

覚えておきたい!3種の売場レイアウト

自分が働く店、あるいは競合の店舗、もしくは取引先の店…どのような店舗でも、それを言い表すためには言葉が必要です。ストアコンパリゾンをする場合も、売場や商品を評価する前に、まず店舗の内部がどのような構成になっているのかを言葉で表現できるようにしておきたいもの。本稿では、店舗を表現する言葉の最も基礎となる「店内レイアウト」について解説します。

主通路を明確にすることが売上増につながる

売上は、以下の図のように分類できる。

売上を向上させるためには、お客1人当りの買上点数を増やすことが大切だ。そこで重要となるのが、売場のゾーニング計画と、レイアウト計画である。買上点数はお客の歩行距離に比例する。つまり回遊計画の基本は、お客の動線をできる限り長く設定することである。

そのために重要なことは主通路を明確にすることである。
主通路とは、お客の70%以上が自然に歩く通路のことである。

売場全体を回遊させる逆L字型

主通路設定の基本となるのが、入り口から売場の奥までまっすぐ進み、直角に曲がっていく「逆L字型」だ。


部門を横断して、売場全体を回遊させ、結果として買上点数を増やすことにつながる。

専門性を強化させるT字型レイアウト

一方、買上点数を増やすよりも、「目的の売場に行きやすい」「部門をコーナー化することで、専門性を強化したい」という場合、「T字型の主通路動線」にする場合がある。


メリットは、それぞれの部門の境界が明確になり、部門ごとの専門性を出しやすいという点である。一方、売場の一番奥の左右の通路の通過率は極端に下がるので、売場の中に死角が生まれる。また、出入り口を入ってまっすぐの主通路に島陳列を配置すると、定番とプロモーションが連動しにくいという欠点もある。

アメリカのバラエティストアが採用するI字型

「I字型の主通路動線」も専門性を強化したい場合に有効だ。


T字型と同じく部門の境界が明確になる。買上点数よりも、来店頻度を優先し、目的の売場への行きやすさを優先するアメリカのバラエティストアのような業態では、I字型の主通路動線を選択している。

I字型の場合、のA、Bのような売場の奥にPI値(買上率)が高い食品や消耗品をゾーニングすることで、売場奥の通過率を向上させることができる。

また主通路の突き当たりとなるE地点(第2マグネット)には、おもわず奥まで行きたくなるような刺激を設定することが重要だろう。

一方、C地点、D地点の縦方向の通路が死角になりやすいので、どんな商品を配置するかが、回遊性向上のポイントになる。

(参考:月刊マーチャンダイジング2021年7月号)

日機装が空気清浄機「Aeropure」の販路にドラッグストアを選んだ理由

日機装株式会社は、2021年6月10日、同社が開発した深紫外線LEDを使った循環型空間除菌消臭装置「Aeropure(エアロピュア)」を、ウエルシア薬局株式会社、株式会社スギ薬局のドラッグストアの店舗で販売すると発表した。(ライター:森山和道)

「Aeropure」は取り込んだ空気に対し深紫外線LEDを照射、除菌・ウイルス不活化を行ったあとに排出する仕組みをとった循環型空間除菌消臭装置。悪臭の原因物質やアレル物質を分解することもできる。

実店舗での販売は今回が初めて。従来は通常の家電ではないという価値訴求をしていたことと、生産能力面から出荷数に制限があったため、店頭販売をしていなかった。だが感染対策ニーズが高まるなか、多くの顧客から「実物を見たい」という声があがり、ドラッグストアであればシナジー効果が強いのではないかという判断で実店舗販売に至ったという。なお、今回販売を行う機種はAeropure series S 「AN-JS1」で、希望小売価格は7万円代。

「Aeropure」の実店舗での販売は初めて

ウエルシア薬局では関東近県の10店舗で6月8日から取り扱いを開始する。スギ薬局では東名阪を中心に10店舗での取り扱いを近日中にスタートする予定。設置店舗は順次拡大を予定する。店舗で受注し、後日引き渡す。年間販売目標台数は25万台程度。

取り扱い店舗一覧

深紫外線LEDを活用した循環型空間除菌消臭装置「Aeropure」

日機装 代表取締役社長 甲斐敏彦氏

日機装は石油ガス業界向け大型特殊ポンプを扱うインダストリアル事業、炭素繊維強化プラスチックによる航空宇宙事業、国内でシェア5割を超える血液透析装置を扱うメディカル事業の3つを展開する会社。血液透析装置では日本でのパイオニアとして開発に取り組んできており、海外向け販売も行っている。

日機装 代表取締役社長 甲斐敏彦氏は、2020年1月から販売している空間除菌消臭装置「Aeropure(エアロピュア)」について、新型コロナウイルス以前から、医療機関のニーズに応えて深紫外線LEDの除菌技術を活用した院内感染対策として開発していた製品だと紹介。「結果として感染予防対策が当たり前の社会に変化したことを実感している」と語った。

UV-Cを活用した空間除菌消臭装置「Aeropure」。2020年1月発売

日機装は青色LEDに必要な高品質結晶創製技術の発明で2014年にノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学 天野浩教授(当時は名城大学)と、2006年から深紫外線LEDの実用化を目指して共同研究を行い、2015年に世界で初めて量産化に成功した。その後、「SumiRay(スミレイ)」のブランドで深紫外線LEDを使った水浄化装置、空間除菌消臭装置の開発を進めている。「深紫外線LEDの量産にはコストがかかり、まだ安く大量にできる状態にはなっていないが今年は安定供給が可能になった」という。

深紫外線LEDは天野教授と共同開発

紫外線は可視光よりも波長が短い100~400nmの光。波長が長いほうからUV-A、UV-B、UV-Cと分類されている。なかでも深紫外線(UV-C)は100nm~280nm波長帯域の紫外線で、エネルギーが高い。そのエネルギーを使ったDNA損傷による除菌・ウイルス不活化は以前から行われている。

日機装の深紫外線LEDは新型コロナウイルスに対しても宮崎大学との共同研究で不活化試験を実施しており、感染価が30秒照射で99.9%、1秒照射でも87.4%減少するという結果がイギリスの科学誌「Emerging Microbes & Infections」に掲載されている。変異株についても1秒で90%以上、5秒では99%以上、ウイルスを不活化でき感染価が減少するという結果が得られているという。

新型コロナウイルスに対しても不活化効果の有効性が確認されている

天野教授との共同研究は難航し、最初に光ったときには歓声が上がったという。2015年の量産化成功以来、耐久時間を向上させ、世界最高水準の性能を追求するための取り組みを続けた。「Aeropure」は2020年1月に販売したが、6万台弱を販売。だがこの量産レベルでは継続的な感染対策が必要になった今後の需要増に耐えられないため、年間25万台を製造できる体制を構築し、増産に踏みきった。

「Aeropure」シリーズ。2021年は年間25万台の販売を目指す

エビデンスに基づいた循環型除菌装置

日機装 取締役執行役員 医療部門長 メディカル事業本部長 木下良彦氏

日機装 取締役執行役員 医療部門長 メディカル事業本部長の木下良彦氏は、日機装の透析医療装置のほか、そのノウハウを活用したヘルスケア分野の除菌装置類を紹介。同社は特に未病・予防領域に力点を置いている。

日機装のメディカル・ヘルスケア分野での取り組み

紫外線を使った除菌には薬剤耐性菌にも効果がある点が利点だ。だが生体には有害で、特に累積すると害が大きい。木下氏は「取り扱うには紫外線の制御技術が必要であり、良い面と悪い面がある」と強調。「紫外線は高い効果を発揮する反面、健康被害の原因となる危険な光でもある」と語った。日機装は安全な使い方で確実な効果を出すことにこだわり、データに基づくエビデンスを示すことを重視していると述べ、宮崎大学との共同研究による検証結果などを紹介した。

紫外線は取り扱いに注意する必要がある

木下氏は、空間除菌装置とされる商品のなかには除菌効果が明確ではなく健康への影響が懸念されるものがあることや、深紫外線についても情報が混乱している面があると述べ、同社ではデータに基づく効果と「SumiRay(スミレイ)」ブランドをより認知させていきたいと考えていると強調。

深紫外線LEDについても従来は価格も高く出力を上げにくい欠点があったが、日機装では深紫外線の適切な使い方を探り、最初は水の除菌から始めた。水は一定容積のなかに蓄積し、満遍なく深紫外線を照射することができるためだ。中流量のものは食品工場などで、小流量のものは風呂釜などで使われているという。

そして、水の除菌の次に着目したのが空気の除菌だった。空間に直接照射することは安全面を考えてもできないし、光源からの距離が離れると反比例して効果が薄れてしまう。また影になる部分には効果が全くない。そこで2019年に光触媒フィルターと出会い、装置本体に空気を吸い込み、そのフィルターで菌やウイルスを補足し、そこに深紫外線を照射する。こうすることで安全を担保しながら除菌することができる。こうして開発されたのが「Aeropure(エアロピュア)」で、いま多くの場所で使われるようになったという。医療機関からも高い信頼を得ており、3月末現在で8500以上の医療関連施設に導入されているという。これは生産台数のおよそ半分くらいにあたる。

世界的に除菌ニーズの高まりから深紫外線の効果は知られるようになり、多くの機器が出回るようになった。だが木下氏は危険性もあることを再び強調した。消毒液や酸化性物質などを空間に噴霧するタイプについても「空気を直接除菌しようとする製品はどう考えても効果がない。一般的にはある程度の除菌成分を出さないと効果がないが、高濃度のものを空間に出し続けると人体へのリスクも高い。感染対策として推奨される換気も行うと効果は限定的になる」と語った。

空間除菌をうたう製品のなかには効果が疑問なものも

また一定波長の紫外線を放射するタイプのなかには人体に害がなくて有効だと言われているものもあるが、本当に人体に影響がないかについては累積を見る必要があるので将来の研究結果を待ちたいと述べた。そして「日機装の除菌装置は空気を吸い込み、遮蔽された装置内部でウイルスを補足して光を当てる。正しく使い方を間違えなければ効果がある。裏付けデータをお届けしながら製品をお届けすることが当社のこだわり」と強調した。

日機装では取り込んだ空気に対して遮蔽空間で紫外線照射する方式を採用

同社では今後、深紫外線LED技術を中心に、科学的な根拠に基づいた衛生環境・感染対策基準を作り、単なる感染対策技術だけではなく、より広い感染対策ソリューションを展開していく予定。日本への販売拡大のほか、海外展開も視野に入れており、中国では6月に、北米・欧州では10月発売予定となっている。「Aeropure」は循環型なので空調施設とも相性がよく、協業も進めており、除菌技術のスタンダードを狙っていく。戸建や自動車内などでの活用も視野に入れており、順次製品をラインナップしていく。木下氏は「社会インフラの様々なところにAeropureを導入し、感染対策をプロデュースしていきたい」と語った。

深紫外線LEDをベースにした感染対策製品を幅広く展開予定

地域の健康ハブステーションとしてのドラッグストアとのシナジー効果を狙う

日機装ヘルスケア事業推進部 部長 中摩貴浩氏

さらに日機装ヘルスケア事業推進部 部長の中摩貴浩氏が協業戦略と開発製品ラインナップを紹介した。日機装では三菱地所ホームと提携しており、Aeropureの技術を搭載したダクト組込型の空気清浄機製品を4月から販売しており、すでに予定販売数量を上回る受注が来ているという。このほか、多くの協業先と提携している。公共交通機関でもWILLERと協業。高速バスに搭載されている。詳細は6月末に発表される。

ドラッグストアでの販売に至った理由については、「ドラッグストアは地域の健康ハブステーションという役割を持っている。またエビデンスを重視した販売ができる点も合致すると考えた。医療現場に近い社会機能を持っていることも、ドラッグストアでの販売を選んだ理由だ」と中摩氏は語った。

地域の健康ハブステーションとしてのドラッグストアの役割を重視

今後、日機装ではニューノーマルを支えるための技術として、「SumiRay」を活用した紙表面除菌装置、公共交通機関や映画館向けにシートで除菌を行うエアバリアシート、学校、ビジネスビルなどを対象にした床面除菌自走ロボットなどを開発中だという。いずれも年内にはリリースされる。

開発中の床面除菌ロボット

PI値100超えの核商品を増やし狭小商圏高シェアを目指そう

これからのリアル店舗は、商圏人口7,000人~5,000人の狭小商圏時代に突入しようとしています。当たり前ですが、少ない商圏人口でも商売を成立させるためには、商圏内に住む多くの顧客が購入する「核商品」を意図的に増やす必要があります。核商品の目安である「PI値」とは何か? を解説します。

写真はPI値100の核商品として育成中の「コロッケ」

PI値100超えが核商品の目安

PI値とは、Purchase Index(パーチェイス・インデックス)の略です。レジ通過客数1,000人当たりの販売数量を表す数値です。「数量PI」の公式は、「一定期間の販売数量÷同一期間の店全体の客数×1,000」で計算します。

一般的にPI値100の売れ筋商品を、わが社の核商品として意識的に育成することが、狭小商圏立地で客数を増やすための肝になります。PI値100とは、レジ通過客数1,000人当たり100個売れる商品(群)のことです。つまり、およそ10人に一人が必ず購入する商品(群)のことです。PI値100の核商品が増えれば、狭小商圏に住む固定客の「来店頻度」と「買上点数」が増加し、少ない商圏人口でも客数と売上高が増加します。

売場では、PI値100超えを目指す核商品の陳列量を維持し、売場で目立たせ、欠品させないことが重要です。育成商品のPI値の推移を管理し、商品部と店舗運営部で連携しながら、計画的に核商品として育成する努力が重要です。

PI値の高い商品は第1磁石(主通路)に陳列

PI値の高い部門のことを主力部門、PI値の高い商品群のことを主力カテゴリー、PI値の高い商品のことを主力商品と言います。PI値の高い主力部門、主力カテゴリー、主力商品は「主通路(第1磁石)沿い」に陳列することが、売場レイアウトの原則です。

売場レイアウトの配置の原則は、下記の図のようにPI値の高い主力商品(部門、商品群)を主通路沿いの「外側」に配置し、PI値の低い補助商品(部門、商品群)を内側に配置することが原則です。つまり、主力外側、補助内側が基本になります。

NFI定例セミナー「ローコストと完全作業の両立戦略」(2021/07/21 13:00~16:40)開催ご案内(オンライン)

7月の定例セミナーのテーマは、「ローコストと完全作業の仕組みづくり」です。売上高が大きく増えない時代の最大の売上対策は、完全作業によって売場でのチャンスロスを減らすことです。一方、狭小商圏で成り立つために精肉、青果などの食品カテゴリーのラインロビングが加速しています。その結果、店内作業量が大きく増加しており、ローコストで完全作業を実現する仕組みづくりがとても重要です。今回は、「完全作業の仕組みづくり」の方向性と事例を紹介します。

2021年7月セミナーは、コロナの状況がまだ不透明なので「リモート」セミナーのみで開催します。

開催概要

・開催日:2021年7月21日(水) 13:00~16:40
開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください。
・実施方法:zoomによるオンラインセミナー
(アクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2021年7月12日(月)

スケジュール

(1)機会損失を防ぐ完全作業の仕組みづくり
[13時00分~14時30分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

・店頭ロスの種類と対策
・レジ作業、補充作業軽減化の事例研究
・ローコストと機会損失の両立戦略
・接客のオートメーション化  他

(2)食品ローコスト小型業態に学ぶローコスト運営の極意
[14時40分頃~15時40分頃]

エイジスリテイルサポート研究所(株) 三浦 美浩 所長

・最新食品スーパーのローコストオペレーション研究
・食品小型ディスカウント店に学ぶ→「パレッテ」(日本型アルディ)、「ビッグ・エー」(ボックスストア)
・ローコストオペレーションの基本戦略  他

(3)ラストワンマイル(宅配)で成功する「スーパーサンシ」の研究
[15時50分頃~16時40分頃]

月刊マーチャンダイジング編集長 野間口 司郎

・自社でラストワンマイルを実現する仕組み
・「届ける」ことによる地域密着と固定客化の効果検証
・狭小商圏モデルは「ラストワンマイル」の克服がポイント  他

注意事項

・今回のセミナーはzoomを利用して実施します。具体的な接続手順、URLなどは、受講者様にお送りいたします。あらかじめ https://zoom.us/ にアクセスできるパソコンをご用意ください。スマートフォンでも受講できますが、パワーポイントのスライドを画面に共有して進めますので、なるべくパソコンでの受講をおすすめしております。

・セミナー終了後10日間はアーカイブされた録画を閲覧することが可能です。
閲覧のためのURLは、セミナー終了後にご案内いたします。

・企業様によって、Zoomへのアクセスができないという場合がございます。
Zoomへの接続については、受講企業様にてご対応くださいますようお願い申し上げます。(弊社にてサポートは致しかねますのでご了承ください)。また、受講者様側の都合で当日受講できなかった場合も返金は致しかねますのでご了承ください。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

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小売業のコスト管理の基本「分配率」を知っていますか?

小売企業の中堅幹部は、本業の儲けである「営業利益」の達成が最大の数値目標になります。そのためには、売上高を増やすだけではなくて、販管費(経費)=コストをコントロールすることが重要です。

分配率は粗利益に占める利益と経費の割合

小売業のコスト管理の基本が「分配率管理」です。冒頭の図表1に示したように、分配率とは粗利益(売上ではありません)に占める利益と経費の割合を表したものです。分配率管理で重要なことは、まず最初に、粗利益の中から「営業利益」を確保することです。

粗利益に占める営業利益(もしくは経常利益)の割合のことを「利潤分配率」と言います。利潤分配率の目安は20%です。つまり、粗利益の2割を営業利益として最初に計上し、残りの8割を経費として配分するわけです。経費分配率の中でもっとも割合の多い経費は人件費であり、それを「労働分配率」と表現します。労働分配率の目安は、粗利益の3分の1強です。

労働分配率を計算する際は、給与だけではなくて「役員報酬」、「福利厚生費」「退職金の積み立て費用」「訓練費用」などの給与以外の労働コストをすべて含めて計算することが重要です。労働分配率以外にも、「不動産分配率」「販促分配率」が主要なコストです。コストコントロールで重要なことは、それぞれの分配率の目標を決めて、その範囲内でコストを管理することです。

販促分配率が低いコスモス薬品

※月刊MD2021年2月号記事から引用

図表2は、上場企業であるコスモス薬品の財務諸表をベースに「分配率」を計算したものです。粗利益(=売上総利益)に占める経費(販売費一般管理費)の割合は78.4%(経費分配率)となっています。つまり、利潤分配率(粗利益に占める営業利益の割合)は21.6%と計算できます(2020年5月末決算)。

利潤分配率の目安が20%なので、コスモスや薬品はより多くの営業利益を確保しています。コスモス薬品の店名は「ディスカウントドラッグコスモス」と安売り店であると堂々と表現していますが、利益配分は高いことがわかります。安売りで儲けが少ない従来のディスカウンターとは収益構造が異なると言っていいでしょう。

一方、コスモス薬品の労働分配率は38.0%と決して低くありません。小売企業としては平均賃金が高いと推測できます。低賃金で安売りを仕掛けるディスカウンターとは報酬面でも異なることがわかります。

特筆すべきは、コスモス薬品の「販促分配率」が3.2%と極めて低いことです。販促分配率の目安は5~7%なので、コスモス薬品の販促費用の低さが目立ちます。販促分配率の低さは、EDLP(エブリデーロープライス。常時低価格)政策の結果だと思われます。

売価を上げ下げして、売れ方(需要)の波動をつくる「ハイ&ロー」の価格政策よりも、売価が一定で売れ方の波動も少ないEDLP政策の方がオペレーションコストが低く、販促にかかる経費も非常に少ないことがわかります。コスモス薬品の販促分配率の低さを見ると、EDLPはEDLC(エブリデーローコスト)であることが改めて実感できます。

コスモス薬品の販管費率(売上に占める販売費一般管理費の割合)は15.5%(2021年5月末決算)とローコスト経営を実践しています。ちなみにマツモトキヨシの販管費率は25.7%ですから、10%以上の差があります。その驚異的なローコスト経営の理由のひとつが、EDLP政策による販促分配率の低さなのです。