小売業各社のSNS施策をまとめてみた 2020夏(3)〜GMS・食品スーパー編〜

2018年から続く小売業のSNS活用状況調査。第3回目の今回はGMS・食品スーパーを調査します。それぞれどのようにSNSを活用しているでしょうか。(フォロワー数等は2020年8月末のもの)

スマホアプリを使った抽選販売を実施しているイオン


イオンのSNS利用状況を昨年と比較したところ、Facebookのみフォロワー数が微減。Twitter、Instagramは大幅ではないものの、フォロワー数が伸びていました。

FacebookとTwitterは同じ投稿内容ですが、Facebookは減り、Twitterが増えているという点は今後のSNS戦略のヒントとなりそうです。

イオンでは複数のスマホアプリを展開しています。クーポンやチラシ、キャンペーン情報を配信する「お買い物アプリ」、子ども用品の割引クーポンやキャンペーン情報を配信する「キッズリパブリック」、電子マネーWAONを登録することでスマホ決済が行える「WAONアプリ」などです。

中でも、「キッズリパブリック」では、コロナ禍で品薄となったNintendo Switchや、人気アニメ『鬼滅の刃』のグッズの抽選販売を実施。アプリを使った「新しい生活様式」を実践しています。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.aeon.info
https://www.aeon.com
LINE 店舗ごとアカウント
Facebook https://www.facebook.com/aeonretail/
フォロワー数約45万人
Twitter @AEON_JAPAN
フォロワー数約72.4万人
Instagram aeon_japan
フォロワー数約5.5万人
その他のSNS なし
アプリ あり
キッズリパブリック(子ども用品クーポン、キャンペーン、玩具の抽選販売)
WAONアプリ(電子マネーWAON連携。スマホでキャッシュレス決済)
お買いものアプリ(クーポン、チラシ、キャンペーン)
ネット通販 https://www.aeon.com/item/fntnwftcwxhpav5x/
ネットスーパー https://www.aeonnetshop.com/shop/

ネットスーパーアプリを立ち上げたイトーヨーカドー


イオン同様、Facebookのフォロワーが微減していたイトーヨーカドー。その他SNSは堅調にフォロワー数が伸びていました。YouTubeでは商品紹介やCMだけでなく、イトーヨーカドーのミールキットを使った料理レシピなどを発信しています。

イトーヨーカドーは、ネットスーパーアプリを導入したことで話題となりました。従来のようにブラウザからアクセスするのではなく、スマホ上でアプリを立ち上げるだけで商品を注文できる手軽さは、今後ネットスーパーの主流になっていくかもしれません。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.itoyokado.co.jp
LINE イトーヨーカドー公式
フォロワー数約461万人
Facebook https://www.facebook.com/itoyokado/
フォロワー数約13万人
Twitter @Lets_go_Yokado
フォロワー数約43.7万
Instagram itoyokado_official
フォロワー数約2.3万人
その他のSNS YouTube
アプリ あり(クーポン、nanaco連動 / ネットスーパー)
ネット通販 https://www.iy-net.jp
ネットスーパー https://www.iy-net.jp
※アプリでも展開

SNS活用には消極的も、公式サイトで「食」の情報を積極発信するユニー


ユニーでは一貫して、FacebookやTwitter等、その他のSNSアカウントの開設はしていません。系列スーパーアピタ・ピアゴでは、店舗ごとにLINE@公式アカウントを有しています。

SNSを活用した情報発信はしていませんが、公式サイトでは料理レシピが充実。「たべものがたり イイこと通信」というページを設け、旬の食材を使ったレシピから、シーン別・素材別のレシピを紹介しています。

同ページには各種調味料の特徴や使い方などが紹介された「料理の基本」という項目を設け、幅広く食材に関する情報を提供しています。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.uny.co.jp
LINE LINE@
店舗ごとアカウント
Facebook なし
Twitter なし
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ あり(チラシ特化)
ネット通販 http://www.apitashop.com/shop/default.aspx
ネットスーパー なし

一部店舗でドライブスルーサービスを開始したユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス


ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスでは、主たる事業としてマルエツを取り上げます。

2018年、2019年同様、SNSは利用していないマルエツですが、ホールディングスの公式サイトで「お客さまからのレシピ投稿」といった企画を開催。充実した情報発信をしています。

実店舗では、2020年7月1日よりマルエツ朝霞店で「ドライブスルーサービス」を開始しました。インターネットで事前に商品を注文し、専用駐車場で商品を受け取る仕組みです。店舗での買い回りやレジ待ちで「密」になることなく買い物できる、withコロナ時代の新しい取り組みといえそうです。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.usmh.co.jp
https://www.maruetsu.co.jp
LINE なし
Facebook なし
Twitter なし
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ あり(T-POINTと連動、チラシ)
ネット通販 https://www.rakuten.ne.jp/gold/maruetsu/index.html
ネットスーパー https://maruetsu.net
※マルエツ朝霞店で「ドライブスルーサービス」開始

フォロワー数は横ばい、アプリに動きがあったライフ

昨年LINE@公式アカウントを運営していたライフ。2020年の調査では、「ライフ近畿圏」「ライフ首都圏」のLINE公式アカウントが開設されていました。コンテンツはキャンペーン情報が主です。

他SNSは、Facebook、Instagramともにフォロワー数の伸びは横ばいでした。YouTubeはライフの公式アカウントとマスコットキャラクター「ららぴー」のアカウント、2つを運営しています。

これまでクーポンやチラシ情報が主だったアプリには、ポイントカードが連携。スマホでのキャッシュレス決済には対応していませんが、アプリ上でポイント残高などを確認することができます。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.lifecorp.jp
LINE ライフ近畿圏
約3万人
ライフ首都圏
約1.4万人
Facebook https://www.facebook.com/lifecorp428/
フォロワー数約1.5万人
Twitter なし
Instagram lalapi0428
フォロワー数約5.6千人
その他のSNS YouTube
コーポーレートアカウント
ららぴーアカウント
アプリ あり(チラシ、お買い得情報、会員登録、ポイントカード(決済は不可))
ネット通販 なし
ネットスーパー http://www.life-netsuper.jp

それぞれのグループ企業によって異なる実店舗でのサービス アークス


昨年、グループ共通のアプリが登場したアークス。SNS活用状況は昨年までと変わらず、いずれもアカウントは開設されていませんでした。

実店舗で提供されているサービスはグループ企業によって異なります。

グループ企業の1つ、「フクハラ」では、店舗で購入した商品を自宅まで配達する「お助け便」を、「ユニバース」ではネットスーパーを、「イトーチェーン」では期間限定で地域を巡回する「お買い物バス」を、それぞれ運営しています(「お買い物バス」は2020年9月1日〜11月31日の期間限定)。

地元密着型の店舗が多いアークスグループならではの取り組みです。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.arcs-g.co.jp
LINE LINE@店舗ごとアカウント
Facebook なし
Twitter なし
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ あり(ララカードのポイント照会、チラシ)
ネット通販 なし
ネットスーパー グループ店舗によって、ネットスーパー、お助け便、お買いものバスなど展開

バローはInstagramを開始


昨年サービスを開始した「ainoma」(アプリやバロー公式サイトからバローグループの商品を注文し、購入者の勤務先へ届けてくれるサービス)は引き続き継続し、お客の利便性を高めています。

昨年までSNSを活用してこなかったバローは、2020年1月にInstagramをスタート。「おうちごはん」を美味しく・楽しく・簡単に、もう一品おかずを提案するというコンセプトのもと、料理レシピが投稿されています。

料理の写真には1人前の材料の参考価格があわせて掲載されており、視覚的な訴求効果が高い内容。フォロワー数は約1.4千人と少数ですが、今後に期待できそうです。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://valorholdings.co.jp
LINE なし
Facebook なし
Twitter なし
Instagram valor.mouippin
フォロワー数約1.4千人
その他のSNS なし
アプリ あり(ainoma対応)
ネット通販 なし
ネットスーパー https://www.ainomarket.com/netshop-web/login

消費者参加型のコミュニティを運営するヤオコー


昨年まで「ヤオコーのこころ」と「ヤッポーのヤオコーまるかじり」、2つのFacebookアカウントを運用していたヤオコーですが、「ヤオコーのこころ」1アカウントに統合されました。

Instagramのアカウントでは、キャラクターのヤッポーのイラストを使った食材紹介のほか、料理レシピなどが投稿されています。

公式サイトでは充実した料理レシピページや消費者参加型の商品開発コミュニティを運営。お客の方向を向いた姿勢が感じられます。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.yaoko-net.com
LINE 店舗ごと公式アカウント
Facebook https://www.facebook.com/yaokococoro
フォロワー数約3.7千人
Twitter なし
Instagram yaoko_official
フォロワー数約2.7千人
その他のSNS YouTube
アプリ あり(クーポン、チラシ、ポイント)
ネット通販 なし
ネットスーパー https://www.ns.yaoko-net.com/front/app/common/index

まとめ

  • コンビニ同様、各社ともFacebookのフォロワーは減少傾向にある。
  • 全体的にInstagramでの情報発信に注力しはじめている様子がうかがえる。
  • ネットスーパーは今後アプリ化が進むか要注目。

コーディネート販売で余剰在庫の削減を目指すアパレルEC「AUNE」

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、アパレルショップで売れ残ってしまったデッドストックといわれるアイテムを活用しコーディネートを提案、販売するECサイト「AUNE」です。余剰在庫問題と環境問題の解決に挑戦する「AUNE」のサービスを試してみました。(ライター:宮原智子)

デッドストックアイテムをコーディネートで販売

食品業界ではフードロスの問題が深刻ですが、アパレル業界でも余剰在庫が問題となっています。

販売シーズンが過ぎるなどして売れ残った余剰在庫は、一定期間が経つと焼却処分されてしまいます。余剰在庫を抱えることは、事業者にとって不経済なだけでなく、焼却することによって地球環境にも悪影響を与えます。

「MOUSSY」や「SLY」といったアパレルブランドを展開するバロックジャパンでは、こうした問題を解決すべく、デッドストックの商品をコーディネートで販売するサイト「AUNE」を立ち上げました。

「AUNE」の利用はサイトのトップページから。

サイト右上の検索ボタン(虫めがねマーク)をクリックすると、検索条件を指定するウインドウがポップアップします。

1.検索条件を指定します。

検索条件の項目でユニークなのが「気温」。季節に合わせてコーディネートを表示することができます。

2.検索条件結果が表示されるので、アイテムを選びます。

デッドストックを流行のコーディネートにアレンジして提案。

3.選んだアイテムのサイズを選択し買い物かごに入れます。

在庫があれば、コーディネート提案されたアイテムの別の色を注文することもできます。

4.支払い情報を入力し会計をして終了です。

支払い方法はクレジットカードか代引きが選べます。

コーディネート販売が「時短」というメリットを生み出す

メーカーのアパレルECサイトは、一般的には「トップス」「アウター」「パンツ」「スカート」というふうに、アイテムごとにカテゴリーわけされています。

このため、1つのECサイト上で「トップス」と「スカート」を購入する場合には、カテゴリーごとにアイテムを一覧表示させて選ぶ必要があります。

これにはなかなか時間がかかるばかりでなく、「このスカート、さっき見たトップスに合うかな」と思ってページを戻ろうとすると、「さっき見たトップス」が迷子になってしまって諦める、いわゆる「カート落ち」にもつながりかねません。

この点、コーディネート販売は「時短」を実現します。ゆっくりスマホで服を選ぶ時間のない人にとってとても便利です。

ハードルを下げる「価格設定」と「社員モデル」

AUNEには、「時短」のほかにも服を買うことへのハードルを下げる要素があります。「価格設定」と「社員モデル」です。

今回購入したコーディネートは、本来であればトップスは3,850円、スカートは19,800円、合計23,650円のところ、約80%オフの4,950円。最安のコーディネートは1,980円からと、誰もが購入しやすい価格設定となっています。

通常、アパレルECサイトの画像にはモデルを起用することが一般的が、AUNEではバロックジャパンの社員がモデルを務めている点も特徴的です。モデルではなく一般社員が服を身につけることで、サイトを訪れた人にとってそのコーディネートを身近に感じられる効果があるといえそうです。

AUNEはコーディネート販売で余剰在庫に再び命を吹き込みました。今後「持続可能な社会」に向け、小売業界ではどのような取り組みが行われるのか。「新しい売り方」調査隊でも注視していきたいと思います。

イトーヨーカドー「ネットスーパー アプリ」は食品小売のDX化を進めるか

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、イトーヨーカドーの「ネットスーパーアプリ」です。献立提案からネットスーパーまで一連の注文を行えるアプリ「タベリー」を展開していた10X(テンエックス)が知見と技術を提供。Webページではなくアプリで注文ができる、イトーヨーカドーの「ネットスーパーアプリ」を試してみました。(ライター:宮原智子)

開発不要でネットスーパーを立ち上げられる10Xの「Stailer」が土台

イトーヨーカ堂では6月15日、同社のゼネラルマーチャンダイズストア「イトーヨーカドー」の「ネットスーパーアプリ」の本格運用を開始しました。

ネットスーパーとしては初のスマホアプリ。技術を提供したのは、献立提案から材料の注文までができるアプリ「タベリー」を提供する10Xです。
※「タベリー」は2020年9月30日サービス終了予定。

10Xが提供する「Stailer(ステイラー)」は、次のようなことができます。

・既にネットスーパーを展開している事業者は、既存システムの開発不要でアプリへ移行可能
・新しくネットスーパーを立ち上げる事業者は、商品データを連係させるだけで配送やドライブスルー受け取りを可能に

レシピ画面から材料を注文、ブラウザとの差別化にはやや疑問も

イトーヨーカドー・ネットスーパーアプリを利用するには、スマホにアプリをダウンロードします。

アプリで買い物をする方法は大きく2つ。1つは、通常のネットスーパーと同じように、「売り場」画面で食材を選んで買い物かごに入れる方法。もう1つは、「レシピ」画面から必要な材料をまるごと買い物かごに入れる方法。

今日のおかずに迷ったら「レシピ」画面からレシピを選んで、材料をまるごと注文。

「レシピ」画面から買い物する方法は、10Xが「タベリー」で得た知見をそのまま活かしており、「献立を考える」というユーザーのプチストレスを解消してくれます。

一方で、「売り場」画面からの買い物は、アプリとブラウザで大きく使い勝手は変わらない印象。むしろ、カテゴリー別に商品を探すならブラウザのほうが目的へのアクセスがしやすく感じました。

左はPCブラウザ画面。右はスマホアプリ画面。ブラウザのほうがカテゴリーで整理されており商品にアクセスしやすい印象。

とはいえ、商品選択から買い物カゴ、支払い画面への画面遷移はアプリならではのスムーズさ。ブラウザよりも手軽にアクセスできるという点で、ユーザーの購買行動につながりやすいのではないかと感じます。

アプリの横展開は可能か。一方で、ピッキングの効率化も課題

10XのStailerを使えばシステム開発不要でネットスーパーアプリを立ち上げられるという点は魅力的です。しかし、同社のアプリを横展開させるには、いくつか課題もありそうです。

1つは、事業者側が他社と同じ基盤のアプリを使いたがらないのではないかという懸念。もう1つ、アプリの使用料が「Stailer利用料としての定額利用料」+「売上に応じた連動費用」という同社のビジネスモデルが、事業者のアプリ導入・活用をためらわせる可能性があるということです。

小売業のDX化を促進するためには、事業社側にも課題があります。特に、店舗を倉庫とするネットスーパーは、ピッキング作業に最適化されていません。ピッキングと配送にコストがかかり赤字化することで、ネットスーパーそのものを断念してしまう企業も少なからずあるようです。

コロナ禍で需要が高まるネットスーパーですが、ピッキングや配送の効率化こそがポイントとなるでしょう。

※追記)2020年8月20日:アプリの利用料の表記に関して誤りがありましたので修正いたしました。

「TASTE LOCAL」爆速オープンの背後に感じた「目利き力」

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、全国各地の宿泊施設や飲食店の「あじ」が食卓に届くEC「TASTE LOCAL」です。新型コロナウイルスの影響で営業を自粛・縮小せざるを得なくなった全国の宿泊施設、飲食店を応援するためにはじまった、お取り寄せのECプラットフォームの売り方を試してみました。(ライター:宮原智子)

新型コロナで窮地に立つ宿泊施設や飲食店を応援する

新型コロナウイルスの影響で、全国の宿泊施設や飲食店は営業の自粛や縮小を余儀なくされています。

あの旅館を、飲食店を、支援したいけど行くことは叶わないーー。

そうした中、一流旅館やホテル、有名飲食店などの名物料理を食卓に届けるECプラットフォーム「TASTE LOCAL」がオープン。

苦境に立たされる観光・飲食産業を支援すべくはじまったこのサービスは、構想からたった1週間という爆速で立ち上げられました。

ショッピングは、「TASTE LOCAL」のサイトから。

1.「HOME」または「ITEM」のページから商品を選ぶ。

アイテム数は6月15日時点で110種類超。各地の一流旅館・ホテルからセレクトできます。

2.お客さま情報と支払い情報を入力する。

支払い方法はクレジットカードをはじめ、携帯キャリア決済や楽天Payなど選択肢多め。

3.購入手続きをします。

お客さま情報と支払い情報を入力したら決済へ。

4.購入が完了しました。

注文番号はTASTE LOCALが発行。商品は各宿泊施設・飲食店から直接発送されます。

既存のサービスを組み合わせることでたった1週間でプラットフォームが完成

TASTE LOCALを立ち上げた篠塚孝哉社長のnoteによると、プラットフォームの構想が持ち上がってからサービスをローンチするまでたった1週間ほどだったそう。

これほど速いスピードでオープンにこぎ着けた理由は、既存のサービスを組み合わせてプラットフォームを立ち上げたためと推測されます。

TASTE LOCALでは、ネットショップ運営に「STORES」、情報発信に「note」、「Twitter」「Instagram」を使用。

ウェブの知識がない人でも簡単にネットショップを立ち上げられる「STORES」で短期間でECサイトを作成し、ブログサービスやSNSを使って集客する方法で、瞬発力を感じさせるスタートダッシュを見せました。

また、プラットフォームで注文を受け、発送は各宿泊施設・飲食店からという自社在庫を持たない仕組みも、効率よい運営を実現する一助となっています。

商品は直接宿泊施設から届きます。オリジナルのお礼状やリーフレットが同封されており、生産者と「つながれた」という気持ちに。

商品を選ぶ「目利き力」を活かした

TASTE LOCALの篠塚社長は、宿泊施設予約サイト「Relux」を運営する株式会社Loco Partnersの創業者。Reluxは「旅のプロが認めた満足度の高い宿泊施設」を厳選して掲載することで、ファンユーザーを獲得してきました。

そうした篠塚社長の「目利き力」と宿泊施設関係者との信頼関係が、TASTE LOCALでも活かされている印象です。

ECはPB商品での差別化が難しく、その結果価格競争にならざるを得ません。他者に差をつける商品を探し出す「目利き力」は小売業の基本です。

商品の目利き力、そしてシステム調達の目利き力は、今後ますます必須のスキルとなっていくのではないでしょうか。

余談ですが、アメリカ大手小売業のウォルマートは、2020年6月にShopifyと提携を発表しました。Shopifyは100万をこえる中小の販売事業者に利用されているeコマースショッピングプラットフォームです。このことによって、1億人以上の月間ビジターを抱えるウォルマートのマーケットプレイスで、Shopifyで扱われている商品が購入できるようになります。

日本では中小事業者向けのEコマースプラットフォームとしてSTORESのほか、BASEなどの事業者がありますが、将来的にはこれらが日本の大手リアル小売業と提携するという未来がありうるかもしれず、動向について目を離せません。

 

「便利・効率的・公平性」を兼ね揃えた「カインズ」品薄商品抽選販売

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、ホームセンター「カインズ」オンラインショップの品薄商品抽選販売です。小売業の店舗では、新型コロナウイルスの影響で、「売り方」を変えていく必要に迫られています。店頭に並ぶことで高まる感染リスクをいかに回避し、消費者にいかに公平に商品を届けるか。徐々に広がりを見せつつある「抽選販売」という売り方を試してみました。(ライター:宮原智子)

「密集」のリスクを避けることが店舗の喫緊の課題に

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、小売業の店舗ではいかに「密」の状態をつくらずお客に買い物をしていただくかが大きな課題となっています。

そんな中、広がりつつあるのが「抽選販売」です。

「カインズ」オンラインショップでは、マスクや消毒用アルコール、アルコール除菌スプレーなど、品薄商品を抽選販売に切り替え、店頭にお客が殺到しない工夫をしています。

抽選販売ページへは、カインズオンラインショップのトップページからアクセスすることができます。

1.抽選を申し込みたい商品を選ぶ。
抽選は定期的に行われています。日中勤めている人でも応募しやすいよう、受付時間は9:00~23:59と幅を持たせてあります。

任意の商品を選んで「応募はこちらから」をクリック。

2.申込み要領に同意したら、カインズ会員番号とメールアドレスを入力します。

あらかじめカインズのオンラインショップまたはカード会員になっておく必要があります。

3.エントリー完了。当選者には後日、当選案内がメールで届きます。

当選結果は「当選した人」にのみ、メールで通知されます。

4.残念ながら当選メールは届かず、抽選には外れてしまいました。当選した場合には、商品をカートに追加し、通常どおり支払いを済ませます。

当選通知が届いたら、「購入する権利」が得られます。オンラインショップのカートへ入れて購入します。

スマホアプリによる店舗滞在時間を短くする工夫も

カインズではほかにも、スマホアプリを使うことで店舗滞在時間を短くする工夫をしています。

その1つが、店内の商品陳列位置の確認機能。スマホアプリでよく行く店舗をマイストアに登録し、購入したい商品を検索すると、その店舗のどこに商品が陳列されているか、在庫数とともに表示されます。

よく行く店舗のどこに商品が陳列されているか、スマホで確認できます。

また、店頭で購入したい商品を取り置きできる在庫取り置き機能も。アプリからピックアップする日時を指定して、店舗で商品を受け取り支払いをします。

このように、店舗滞在時間を短くすることで「密集」の状態を避け、ウイルス感染のリスクを減らしています。

抽選販売は「新しい生活様式」の中で定着していくか

抽選販売や店頭取り置き機能は今後、新型コロナウイルス感染拡大を予防するための「新しい生活様式」とともに、ますます広がりを見せていくでしょう。

こうした売り方は、便利・効率的・公平性などを備えています。

新型コロナと共存していかなければならない現在においてはもちろん、収束後も採用され、定着していく可能性が十分にあるといえます。

すごもり消費で需要増の冷凍食品分野。本格メニューの宅配提供する料理のサブスク「nosh」

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、70品以上のヘルシー料理の中から好きなメニューを選んで定期配達してもらえる料理のサブスクサービス「nosh」です。新型コロナウイルスの影響で巣ごもり消費が広がる中、冷凍食品の需要が伸びている昨今。管理栄養士監修のメニューをシェフが調理し、冷凍の状態で配達してくれる「nosh」のサービスを試してみました。(ライター:宮原智子)

70品以上の糖質90%オフメニューから好きなものが冷凍で届く

「nosh」は、70品以上の糖質90%OFFの食事・スイーツから、好きなメニューを選んで定期的に届けてくれるサービスです。

管理栄養士が作ったレシピを一流のシェフが調理し、すぐに冷凍。自宅に届いたら、レンジで解凍するだけで口に運ぶことができます。

1.「nosh」のトップページから購入を始める。

ページ右上の「今すぐ始める」ボタンをクリック。

2.お届けプランを選ぶ。
配送間隔は「1週間に1回」「2週間に1回」「3週間に1回」から、1回に届けられるメニューは「6食」「8食」「10食」から選ぶことができます。

配達のスケジュールと1回のお届けメニュー数を登録します。

3.届けてもらいたいメニューを選びます。料理のジャンルは和洋中バリエーションが豊富。

和洋中のメインディッシュから、パン、スープ、デザートまで70品以上の豊富なメニューが並びます。

4.メニューを選んだら支払い画面で支払い設定をします。

支払い情報の登録は初回のみ。2回目以降は自動的に商品が届きます。

5.メニューは毎回変更することも可能。「スケジュール」の画面で任意の配達日をクリックし、メニューを選び直します。

スケジュール画面では、都合の悪い週をスキップすることも可能です。

2回目以降の注文でメニューを変更したい場合は、変更受付締切日までにメニューを変更します。

6.料理が届いたら、商品の容器に記載された方法で解凍し、そのまま召し上がれます。

容器に付けられたスリーブにレンジでの解凍時間が記載されています。そのとおりに解凍して召し上がれ。

味わいは、外食のように濃すぎず、ほかの糖質オフ料理のように薄すぎず、中食として毎日食べても飽きがこないバランスのよさでした。

メニューが豊富で飽きさせない・容器の廃棄まで手間いらず

近年、共働き夫婦や高齢者家庭の増加で、「包丁いらず」「火入れ不要」で簡単調理できるミールキットが人気でした。そして今、新型コロナウイルスの影響で巣ごもり消費が増え、冷凍食品のニーズが伸びています。

調理済みの料理を冷凍にして自宅に届けてくれるサービス「nosh」以外にも複数あります。「nosh」は競合他社に比べ、少々お値段高め。しかし、次の点がすぐれています。

・糖質90%オフでヘルシーなものを食べている「安心感」
・メインディッシュ、スープ、パン、デザートあわせて70品以上とメニューが豊富。かつ、和洋中のバランスがよく幅広い世代に対応できる「飽きないメニュー数」
・容器はパルプでできており、洗って燃えるゴミとして出すことができるので廃棄も手間いらずという「手軽さ」

冷凍食品は「美味しくない」「選べるメニューが少ない」「栄養が十分でなさそう」といったイメージを持たれがちでした。「nosh」はこれまでの冷凍食品になかった「おしゃれ」な雰囲気を取り入れ、ネガティブなイメージを払拭した印象。

巣ごもり消費で冷凍食品が定着したあと、いつもの日常が戻ってからも選ばれるのは、「安心感」「飽きないメニュー数」「手軽さ」を備えたメーカーなのかも知れません。

「接客から売り場作りまで」店舗で使える便利なスマホアプリ・WEB9選!

インバウンドや業界再編、テクノロジーの進歩など、小売の現場はますます多様化を求められています。そうした中で店舗の業務効率化や顧客満足度を上げるために、スマホアプリを活用してみてはいかがでしょうか。「商品知識」「売場作り」「売場管理」「市場調査」「インバウンド接客」5つのシーンで使えるアプリを集めてみました。

@cosme:口コミでユーザーニーズを把握。POP作成の参考にも

@cosme(アットコスメ)」は、化粧品・コスメ情報の専門ポータルサイトの老舗。キーワードやブランドから商品の検索をし、商品情報や口コミを閲覧することができます。

この商品検索は、口コミをした人の年代や肌質などで絞り込めるため、参考にすることでお客様のニーズを把握することができるでしょう。また、カテゴリやブランド別の人気商品がランキングを取得できるので、今どんなコスメが流行っているのかなどもリアルタイムに理解できます。POPを作成するときに参考となるキーフレーズも盛りだくさんです。

口コミは1,500万件以上、美容に関する悩みを自由に投稿できるQ&Aページもあり、商品のスペックだけでなくリアルな使用感まで知ることができるのは@cosmeならではといえるでしょう。

サイト名:@cosme
URL:https://www.cosme.net

ガーデニングのお悩み解決 ホットライン:植物の病気や害虫の悩みをLINEアプリで解決!

アース製薬の園芸ブランド 「アースガーデン」 は、メッセージアプリ「LINE」の公式アカウントで、園芸に関して何でも相談できるサービスを無料で提供しています。

使い方はとても簡単。かわいいキャラクターのまもるくんとメッセージでやり取りすると、植物の育て方や病気や害虫など様々な症状について答えてくれます。さらに詳しく相談したい場合は、スマートフォンで症状を撮影し、写真と相談内容を送信すると、具体的に病名や対策を教えてくれます。(詳しく相談できる時間は、月・水・金・土・日の9:00~18:00となっています)

写真を送り、いくつかの質問事項にこたえると、丁寧な解説をしてくれる。

2018年のリリースからわずか3ヶ月で約3万人ものユーザーが登録し、2020年3月現在での登録者数は11万人以上。利用者数はますます増えている人気のLINE公式アカウント。LINEで 「アースガーデン」を友だち追加するだけで利用できます。お客様からのガーデニングのお問い合わせに活用したり、お客様にも使っていただき、満足度アップを目指しましょう。

アプリ名:ガーデニングのお悩み解決 ホットライン
URL:https://www.earth.jp/earthgarden/line/index.html

クックパッド:食のトレンドをリアルタイムに知ってシーズンプロモーションに生かす

料理をする人なら一度は使ったことがあるはず。レシピのコミュニティウェブサイト「クックパッド」は誰でも自由に自作の料理レシピを投稿することができ、2020年3月現在の公開レシピ数は324万件にのぼっています。レシピはキーワード、食材別、カテゴリ別などから検索が可能です。

「人気の検索キーワード」トップ20のコーナーでは、1時間ごとに検索キーワードトップ20が更新されており、リアルタイムで検索トレンドを知ることができます。シーズンプロモーションの企画にとても便利です。

有料のプレミアムサービスでは、レシピの人気順検索や専門家による献立の提案、レシピのカロリーや塩分量の表示など、より踏み込んだ情報を得ることができます。

サイト名:クックパッド
URL:https://cookpad.com/

Tenki.jp:各種指数を生かして季節に合わせた売場作りを

tenki.jp」は、一般財団法人日本気象協会が運営する天気予報サイトです。(アプリもあり)。市町村という細かな範囲で、1時間ごと・3時間ごとの天気予報を提供するほか、週間天気予報よりも長い10日間天気を知ることができます。また、今いる場所の雨の様子(豪雨レーダー)や、雨雲接近の通知機能など、リアルタイムで天気の移り変わりをキャッチできます。

Tenki.jpがすぐれているのは、季節に応じた暮らしに役立つ情報を発信している点です。熱中症やPM2.5、花粉の飛散状況や虫ケア指数、洗濯指数といった情報をカスタマイズして表示できるので、季節商品の売場作りに大いに役立ちます。

アプリ名:Tenki.jp
URL:https://tenki.jp/

賞味期限管理アプリのリミッター:賞味期限がきそうな食品をプッシュ通知でおしらせ

「Limiter(リミッター)」は、商品のバーコードを読み取るだけで冷蔵庫の中の食べ物の管理をすることができる家庭用の賞味期限管理アプリです。家庭用に開発されたアプリですが、アイテム数が少なければ店舗で販売している食品の管理にも生かすことができそうです。

使用方法はとてもシンプル。賞味期限を通知したい商品のバーコードをカメラで読み取り、商品画面で賞味期限を設定するだけ。賞味期限がくるとプッシュ通知が飛びます。店舗で共有のアカウントを作って登録すれば、各従業員のスマートフォンで同時に賞味期限を参照することが可能です。

アプリ名:賞味期限管理アプリのリミッター
URL:https://apps.apple.com/jp/app/id1027284532

価格.com 、 amazon.co.jp:一般消費者向けサイトを活用して価格や口コミ、併売商品を知る

パソコンやAV機器を中心とした電気製品の価格比較ウェブサイト「価格.com」。製品の詳細なスペックの確認はもちろん、価格比較による相場感を把握することができます。「レビュー」が充実しており、ユーザーレベルや使用目的が明記されているため、「ある商品に対してどの層のお客がどんな感想を持っているか」を捉えやすくなっています。口コミのコメントをPOP作成時の参考にすることもできますね!

世界最大規模のECサイト「amazon.co.jp」は、AI(人工知能)を使って精度の高い関連商品情報(「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」)を表示することで、ユーザーのさらなる消費を誘います。

この関連商品情報はそのまま商品を陳列する際、何を併売すれば買い回り点数が増えるかの参考にすることができるでしょう。意外な商品の買い合わせを発見してみてください。

サイト名:価格.com
URL:https://kakaku.com

サイト:amazon
URL:https://www.amazon.co.jp

ShuFoo!:競合企業の動向をチエックしよう

スーパーやドラッグストア、家電量販店などのチラシが無料で見放題となる「Shufoo!(シュフー)」。全国11万店以上のチラシが掲載されています。会員登録で「Myエリア」を設定すると、付近のお店のチラシが届きます。

自店舗の商圏にある競合がどんな商品をどれくらいの価格で扱っているか、キャンペーンやセールの情報なども瞬時にキャッチすることができます。また、モバイルアプリ版では翌日届く予定のチラシが前日の夜には見られます。商圏の動向を網羅的にいち早く調査できるサービスです。

サイト名:ShuFoo!
URL:http://www.shufoo.net/

Google 翻訳:テキスト、音声、画像…あらゆる翻訳をおまかせの便利ツール

インバウンドのお客様に対して便利な翻訳アプリ。当媒体の調査で抜きんでて便利なアプリという声があがったのがGoogleが提供する翻訳サービス「Google 翻訳」でした。ブラウザ版とアプリ版があり、テキスト翻訳は108言語間の翻訳が可能と、翻訳サービスの中では群を抜いています。

スマートフォンにダウンロードして使用するアプリ版なら、テキスト翻訳のみにとどまらず、音声入力を用いて2カ国語間での会話をその場で翻訳することも可能。もう1つ、カメラを向けるだけで画像内のテキストを瞬時に翻訳する機能も搭載されいます。

例えば、売場で接客中に食品や薬品の含有物を尋ねられた場合、商品のラベルにカメラをかざして含有物を伝えるといった使い方が想定できそうです。ウェブサイトをまるごとなど長文の翻訳はやや精度が落ちますが、日常会話程度の短文のやりとりでは高い精度を誇っており、外国人のお客様への日常の接客には十分活用できそうです。

アプリ名:Google 翻訳
URL:https://translate.google.com/

接客英語アプリ:接客フレーズを参照するだけでなく「確認テスト」で英語学習も

「接客英語アプリ」は、販売や飲食業などの接客でよく使われる英語フレーズを集約しています。用例は「販売」「飲食」「会計」といった大カテゴリーと、「案内」「メニュー」「注文」といった中カテゴリーに整理されており、目的のフレーズがシーン別に検索しやすくなっています。とても視認性が高く、このまま「指指し英会話」もできてしまいそうなスッキリした画面が特徴。

英語初心者でも発音に困らないようカタカタ読みが表記され、再生速度も5段階で調整できるようになっています。接客英会話の学習ツールとして使いたい場合には、1セット10問のミニテストが受けられる「確認テスト」機能が有効です。

アプリ名:接客英語アプリ〜正しい接客英会話フレーズで集客力アップ!!
URL:https://apps.apple.com/jp/app/id1090873328

「靴の通販」に風穴を開ける。足を3Dデータ化して最適な靴をオススメ「ZOZOMAT」

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、シューズをネットで購入する時の「サイズの不安」を解消する「ZOZOMAT」です。足の長さだけではなく、足幅、甲の高さなどをミリ単位で計測し3Dデータ化。そのデータに基づいて相性のよい靴をオススメしてくれるZOZOMATを試してみました。(ライター:宮原智子)

マットとアプリで「足のサイズ」を測定してぴったりの靴をオススメ

水玉模様のタイツを着用してアプリで体のサイズを計測する−−。奇抜な見かけと斬新な発想で話題を呼んだ「ZOZOSUITS」を展開したファッションECサイト「ZOZOTOWN」が、新しい計測ツールの提供を開始しました。その名も「ZOZOMAT」

ZOZOMATは、専用のマットとスマホアプリを使って足のサイズを3Dデータ化し、そのデータをもとに相性のよい靴をオススメしてくれるサービスです。

ECで靴を買うという動きがなかなか広がらない中、ZOZOMATは風穴を開けるサービスとなるでしょうか。

(2020年3月時点で、ZOZOMATは申込から1~2週間程度で無料お届けされる仕組みになっています)

1.ZOZOTOWNのアプリをダウンロード。「測定」からZOZOMATの測定画面へ。

ZOZOMATで足サイズの測定をするには専用のスマホアプリが必要。

2.ZOZOMATを広げ、足を置きます。この時、マットに描かれている円と、アプリに表示されている円を重ねるようにします。

緑の足形の上に測定するほうの足を置きます。ちなみに、ZOZOMATは「紙」でした。

3.アプリのガイダンスに従い、左足、右足の順にそれぞれ6つの角度から撮影していきます。

撮影角度はマットの円に「色」で表示されています。ガイダンスに従って、片足につき6回撮影します。

4.撮影した画像から足サイズの測定が行われ、測定結果が表示されます。

測定結果は足長だけでなく、足幅、足囲、足甲高、かかと高まで算出されます。

5.おすすめの靴へのリンクに飛ぶと、靴との相性がパーセンテージで表示されます。

足長だけでなく、足甲高や足幅など総合的にみて相性のよい靴を提案してくれます。

6.気に入った靴をクリックし、買い物カゴに入れて支払いをします。

気に入った靴があったらいつも通りにショッピング。

ZOZOMATは伸び悩む「靴の通販」の救世主となるか

通販で靴を買うとき、多くの方が「サイズ」で選ぶのではないでしょうか。しかし、同じサイズであっても甲が高かったり足幅が広かったりと、足の形は一定ではありません。また、数字上は同じでもブランドが違えば履き心地が変わります。だからこそ、ECで靴を買うことに不安を覚える消費者は少なくないのです。

こうした中、AmazonではPrime Wardrobeという試着サービスを開始。試してみたい洋服や靴をまとめて配達してもらい、実際に着用して気に入ったものだけを購入できるようにしました。しかし、この方法では商品をピックアップして発送する手間、購入しない商品の返送コスト、試着を繰り返すことによる商品の劣化など、さまざまな課題が発生します。

ZOZOMATは、こうした課題を解決し、自分の足型にフィットした靴を提案してくれるという点で、店側、消費者側双方にメリットがあるといえます。

もちろん、ZOZOMATも完璧ではありません。測定の際の「立ち方」や「測り方」で本来の足サイズと微妙な誤差が出てしまい、筆者は何回か測定をやり直しました。また、オススメされる靴のブランドが限られているという難点もあります。しかし、対応ブランドは今後増えていくでしょうし、測定の精度は技術とともに上がっていくものと思われます。

衣類や化粧品で「画像処理による計測」が増えているように、靴の分野でも今後は画像処理による計測が主流になっていくのかもしれません。

アプリで注文、決済まで!マクドナルドの「モバイルオーダー」を試してみた

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、2020年1月から全国展開を開始したマクドナルドの「モバイルオーダー」です。スマートフォンアプリなど、モバイルで注文、決済を済ませて、店舗で商品を受け取るだけのモバイルオーダー。今後、外食産業で導入が進むであろうモバイルオーダーを試してみました。(ライター:宮原智子)

注文から決済までアプリで完結

お店についてカウンターで商品を注文。会計を済ませたら、できあがった商品を受け取って席へー。マクドナルドへ行けばおなじみだった注文の流れが、あるアプリの登場によって変わろうとしています。

2020年1月、日本マクドナルドが全国の店舗で「モバイルオーダー」を開始しました。モバイルオーダーは文字通り、どこにいてもスマートフォンなどのアプリから商品の注文、会計をすることができます。事前に商品の注文・会計を済ませてお店へ。今後の外食産業は、こんな流れが主流になっていくかも知れません。

列に並んだり、財布を取り出す手間もナシ

マクドナルドのモバイルオーダーを試してみました。

まず、「モバイルオーダー」専用アプリをダウンロードします。モバイルオーダーアプリが従来のマクドナルドのアプリとは別のものである点はやや煩雑な印象です。

モバイルオーダーをするためには、マクドナルドの既存アプリとは別のアプリをダウンロードする必要があります。

注文のはじめに、受取店舗を選びます。

受取店舗と「朝マック」か「レギュラーメニュー」かを選びます。

次に、注文する商品を選びます。残念ながら現時点では「ピクルス抜き」といったカスタム注文には対応していません

クーポンからのオーダーも可能。

商品が決まったら支払い手続きをします。受取方法を「店内/テイクアウト」のいずれか選びます。支払い方法は、クレジットカードかLINE Payが使用できました(iOS)。

支払いは、クレジットカードかLINE Pay。

支払いを済ませ、店舗に到着したら「店舗に到着」をクリック。注文した商品が作られます。アプリの画面に表示された注文番号がお店のモニターに表示されたら、商品のできあがりです。

「M07」番が注文番号。お店のモニターに表示されるのを待ちます
店舗についたら商品を受け取るだけ。

店舗によっては、商品をテーブルまで運んでくれるサービスもあるそうです。

店内で商品を追加注文したいときは、受取場所で「テーブル」を選択し、テーブル番号を入力すればカウンターまで足を運ぶ必要がありません。

このモバイルオーダーですが、現在はドライブスルーには対応していません。また、支払い方法もクレジットカードとLINE Payのみ。このあたりは、今後サービスの拡充を期待したいところです。

お昼時などレジ前が混雑していても並ぶ必要はなし、お財布を取り出す手間もなく、小さな子連れのファミリー層が多いマクドナルドでは、こうした事前注文がユーザーの満足度アップにおおいに貢献しそうです。

スタバや吉野家も続々参入 加速する「事前注文」

モバイル端末による事前注文は、従来レジ対応に充てられていたスタッフを調理に回したり、レジ対応以外の顧客サービスに注力できたり、店側にも大きなメリットがあります。

モバイルオーダーはマクドナルドだけでなく、大手コーヒーチェーンのスターバックス(テイクアウトのみ)、牛丼チェーンのすき家、吉野家など、コーヒースタンドやファーストフード、ファミレスなどで導入が進んでいます。

スーパーやコンビニでセルフレジが登場していますが、モバイルによる事前注文は、飲食店版のセルフレジといった印象。今後もこの動きはますます加速していくものと思われます。

買い物のしかたや決済など生活動線を変えていく「スーパーアプリ」

今回、「新しい売り方」調査隊!では「スーパーアプリ」を取り上げます。スーパーアプリとは、さまざまなサービスを統合したアプリのこと。中国では「WeChat」や「Alipay」が有名ですし、日本ではLINEがその位置を目指そうとしているようです。アジア各国で勢いを伸ばす「スーパーアプリ」。今後確実に日本にも来るであろうこの流れを紹介します。(ライター:宮原智子)

さまざまなサービスを1つのアプリで提供する「スーパーアプリ」

以前はインターネットを利用する機器といえばパソコンが主でした。ところが、総務省が発表した2017年の通信利用動向調査によると、パソコンが48.7%であるのに対しスマートフォンが54.2%と、初めてスマホがパソコンを上回る結果に。その結果生まれたのが「スーパーアプリ」です。

インターネットをパソコンから利用していた当時は、Yahoo!JAPANのようなポータルサイトから情報を検索したり、ショッピングやオークション、メールなどのサービスを利用していました。しかし、スマホがシェアを拡大するにつれ、サービスの提供はアプリで行われるようになりつつあります。

LINEの決済ツール「LINE Pay」を管理できる「ウォレット」画面。ここからさまざまなサービスが利用できる。

しかし、スマホのアプリは、EC、SNS、決済、メッセージなどサービスごとに分かれているため、それぞれダウンロードし起動しなければならないという難点があります。そこで登場したのがさまざまな機能を統合した「スーパーアプリ」です。

スーパーアプリにはECやSNS、決済などのサービスが「ミニアプリ」として搭載されており、1つのアプリをダウンロード、起動することで任意のサービスを利用することができます。今回ご紹介するLINEは、LINEはメッセージアプリという印象ですが、LINE Payによる決済サービスや金融サービス、ショッピングや旅行予約などを提供する、「スーパーアプリ」化を目指していると言えます。

アプリを行き来せず、決済も一元化できて便利

LINEでショッピングをしてみました。まず、LINEアプリを起動し、「ウォレット」を開きます。

「ウォレット」では決済サービスのほか、ショッピングや保険商品、投資、ポイントカードの集約などができる。

画面に表示されたメニューの中から「ショッピング」を選ぶ。「LINEショッピング」から任意のショップを選ぶか、購入したい商品をキーワード検索する。

LINEショッピングの画面。人気ショップやポイント還元率、トレンド商品などほどよくキュレーションされている。

試しに検索フィールドに「入浴剤」と入力すると、商品や販売しているショップが検索結果として表示される。

キーワード検索ではLINEショッピングに出店しているすべてのストアの商品が検索できる。楽天市場のようなイメージ。

購入したい商品を選び、ショップで支払い手続きをする。

購入先のショップで支払い手続きをする。支払い方法としてLINE Payも選択できるため、電子マネーをチャージしておけばクレジットカード情報の入力も不要。
1つのアプリを立ち上げれば生活におけるすべてのサービスが便利につながる時代になる。

メッセージツールとしてなくてはならないほどに拡大したLINE。そこに決済アプリやショッピング、ポイントサービスが統合されているので、アプリを行き来する必要がなくとても便利です。現在はショッピングのほか、保険や金融商品にとどまっていますが、旅行の予約や配車サービス、乗り換え案内やエンタメサービスなどのミニアプリが追加されれば、生活はこれ1つで済むなと感じました。

中国で元気なスーパーアプリ この流れは今後日本へも

スーパーアプリをいち早く世に出したのが中国の企業です。世界最大級のオンライン・マーケットを展開するアリババグループの決済アプリ「Alipay」や、テンセント社が提供するSNSアプリ「WeChat」から誕生したスーパーアプリはその一例で、金融サービスからSNS、タクシー配車、ショッピング、トラベルなどさまざまなサービスが1つのアプリに集約されています。

アリババグループが提供する決済アプリ「AliPay」から利用できるサービス

スーパーアプリは、シンガポールの「Grab」、インドネシアの「GO-JEK」などアジア各国にも広がっており、この流れは今後間違いなく日本にも来るでしょう。LINEとヤフーの統合で大規模なスーパーアプリが誕生するのではないかとささやかれていますが、小売業界でも生活の動線を変えていくスーパーアプリの動向を注視する必要があります。