新しい売り方調査隊!

大手EC事業者と地元密着企業がタッグを組んで展開

いつものプラットフォームからスーパーの生鮮食品が買える「Amazon×バロー」のネットスーパー事業

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、Amazonのネットスーパー事業です。Amazonではスーパーマーケット「バロー」と協業し、愛知県の都市部を中心に生鮮食品を届けるネットスーパー事業を開始しました。大手EC事業者と地元密着企業がタッグを組んで展開するネットスーパーサービスを試してみました。(ライター:宮原智子)

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大手EC「Amazon」と地元密着企業「バロー」が協業するネットスーパー事業

大手EC事業者「Amazon」と、東海地方を中心にスーパーマーケットを展開する地元密着企業の「バロー」が協業。Amazonプライム会員向けに、バローの実店舗で取扱い生鮮食品を最短2時間で配送するネットスーパー事業を開始しました。2021年6月から始まったネットスーパー事業は、現在愛知県の名古屋市と清須市の2市で展開されています。

Amazonでは、プライム会員向けサービスとして、首都圏の一部エリアで「Amazonフレッシュ」を、首都圏・大阪の一部エリアでスーパー「ライフ」と協業したネットスーパー事業を展開しています。関東・関西に続き、東海地方でも生鮮食品のオンライン販売をスタートしました。

「いつもの」プラットフォーム上で買い物できる手軽さがある

Amazonバローのネットスーパーでは、バローの野菜や精肉、鮮魚をはじめプライベートブランド商品など、実店舗で取り扱っている商品をオンラインで購入できます。

注文後はバローのスタッフが商品をピックアップ。その後、Amazonの配送ネットワークを用い、Amazonの配送員が注文から最短2時間でユーザーに商品を届けます。

1.Amazonのサイトまたはアプリのトップページで「Amazonバロー」をクリックし、ネットスーパーの画面を開きます。

バローの買い物画面にアクセスできるのはAmazon×バローの配達エリア内に住所を置くプライム会員のみです。

2.商品を買い物カゴに入れ、支払い手続きに進みます。

バローのプライベートブランドを始め、店頭にある商品をオンラインで注文できます。価格は、店頭よりもやや高い印象。

3.お届け時間は12:00~22:00で、当日または翌日の2時間単位で指定できます。

配送料は390円と、一般的なネットスーパーの価格と同等かやや高め。

4.約3時間後、商品が届きました。常温、冷蔵、冷凍にわけ、丁寧に梱包されています。

午前9時28分に注文して、当日午後12時41分に届きました。配達まで約3時間。

メリットはAmazonプライム会員からの送客力と配送ネットワーク

Amazonと提携することで、スーパーマーケット側には次のようなメリットがあります。

プライム会員に使ってもらいやすい

1つは、Amazonプライム会員を取り込むことができる点。Amazonのプラットフォームを活用すれば、ユーザーはあらためてネットスーパーへの登録をする必要がありません。いつものAmazonサイトもしくはアプリから注文できるため、ネットスーパー利用のハードルが低く、使ってもらいやすい利点があります。

Amazonの配送ネットワークが活用できる

もう1つは、Amazonの配送ネットワークが活用できる点。配送はAmazonの配送スタッフが担うため、スーパーマーケット側で人員を確保する必要がありません。

バローでは独自ネットスーパー事業「ainoma」も展開

バローではAmazonネットスーパーのほか、独自で「ainoma」というネットスーパー事業を行っています。

当初ainomaは、平日昼に専用アプリから注文すると、当日の夕方には職場で商品を受け取ることができる事業所向けのネットスーパーサービスとしてスタートしました。現在は岐阜県内の5店舗で(2021年12月現在)、オンラインで注文した商品を事業所・自宅・ドライブスルーから選んで受け取りできるサービスにバージョンアップ。Amazonの配送ネットワークが十分でないエリアを独自の配送で補っています。

外部事業者と提携してネットスーパーを展開する動きが加速

10Xのネットスーパー垂直立ち上げシステム「Stailer」を導入したイトーヨーカドー、イオンと提携しレシピサイトからネットスーパーをつなげる「クラシル」など、外部事業者と提携してネットスーパーを展開する動きが加速しています。

中でも、Amazonにはプラットフォームだけでなく、網の目のように広がる配送ネットワークがあります。

今後はプラットフォームだけでなく、配送ネットワークの提供や配送スタッフのシェアリングも広がっていくのかもしれない、と思った売り方調査隊でした。

著者プロフィール

MD NEXT編集部

お江戸日本橋で日夜売り方・買い方を研究し続けています。コンビニマニア、ECマニア、100均マニアなどなどが集まる、日本で一番「お店」のことが好きで研究し続けている編集部です。