他社発信活用する100均、facebookフォロワー数減らすコンビニ

小売業各社のSNS施策をまとめてみた 2020夏(1)〜コンビニ・100円均・ディスカウントストア編〜

2018年から続けてきた夏の小売業SNS活用状況調査。今年で3回目になります。シリーズ第1回目となる今回は、コンビニ、100均、ディスカウントストアを特集します。昨年の調査から、SNSの活用状況にどのような変化があったのでしょうか。(フォロワー数等は2020年8月末のもの)

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昨年の調査はこちらから

小売業各社のSNS施策をまとめてみた 2019夏(1)コンビニ・100円均・ディスカウントストア編

nanacoがアプリと連動したセブン-イレブン


昨年7payの問題で揺れていたセブン-イレブン。

今回の調査では、アプリでnanacoの残高照会やポイントの確認ができるようになっていました。昨年「マイルプログラム」が導入されたセブンイレブンですが、セブンマイルからnanacoポイントへの交換は現時点でも開始時期が未定となっています。

モバイルでnanacoでの決済を利用するには別途アプリをインストールしなければならず、やや利便性に欠ける印象です。

SNS利用状況は昨年同様、堅調にフォロワー数を増やしていました。中でもTwitterのフォロワーは大きく伸び、約320万人から約357.3万人に増加、Instagramも約36万人から約56万人となっていました。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.sej.co.jp
LINE セブンネット公式
フォロワー数約115万人
オムニ7公式
フォロワー数約116万人
店舗ごとアカウント
Facebook https://www.facebook.com/711.SEJ
フォロワー数約97万人
Twitter @711SEJ
フォロワー数約357.3万人
Instagram seven_eleven_japan
フォロワー数約56万人
その他のSNS Youtube
アプリ あり(クーポン、お得情報、nanacoと連携したポイントシステム)
ネット通販 https://7net.omni7.jp/top
https://7-11net.omni7.jp/top
ネットスーパー なし

YouTubeを積極的に活用するファミリーマート


ファミリーマートは昨年以上にYouTubeを積極的に活用している印象を持ちました。

動画の内容は、自社のPB商品の紹介だけでなく、料理好きのよしもと芸人によるクッキング動画「Y’sキッチン」、おばたのお兄さんを起用したエクササイズ動画「ファミチキ先輩体操」など、バラエティに富んでいます。

アプリには新しく「FamiPay」を導入。スマホでのバーコード決済に対応しました。Tポイントやdポイント、楽天ポイントといったポイントカードを登録しておけば、アプリの利用でポイントが貯まります。複数のポイントと連携することで、幅広いユーザーを囲い込むことができそうです。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.family.co.jp
LINE ファミリーマート公式アカウントあり
フォロワー数約1,785万人
店舗ごとアカウント
Facebook https://www.facebook.com/familymart.japan
フォロワー数約81万人
https://www.facebook.com/familymart.japan.fortourist
フォロワー数約6万人(外国人向けアカウント)
Twitter @famima_now
フォロワー数約290.4万人
@famichikisenpai
約36.5万人
Instagram familymart.japan
フォロワー数約17.3万人
その他のSNS Youtube
アプリ あり(ファミペイ、バーコード決済、クーポン、回数券)
ネット通販 https://gift.famima-net.jp
ネットスーパー なし

外部のネットサービスと連携し利便性を高めるローソン


昨年に続き、他企業と比べSNSを積極的に活用しているローソン。フォロワー数は、LINEの公式アカウントが500万人、Twitterは80万人ほど増加しており、良好な伸びを見せています。

今回の調査で興味深いと感じたのは、ローソンは外部サービスとの連携をうまく活用しているという点です。

ローソンでは、Giftee、LINE GIFT、Cotocoといったギフトサービスと連携。自社のPB商品と引き換えられるクーポン券などをインターネット経由で贈ることができるサービスを展開しています。

ギフトサービスとの連携は、買い物を意図していなくても店舗への来店を促すことができるというメリットがあります。

外部サービスとの連携という点ではほかにも、UberEatsと提携し商品を購入・配達できる仕組みを整えている点も見逃せません。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.lawson.co.jp/index.html
LINE LINE公式アカウントあり
フォロワー数約3,425万人
店舗ごとアカウント
Facebook https://www.facebook.com/lawson.fanpage/
フォロワー数60万人
Twitter @akiko_lawson
フォロワー数519.4万人
Instagram akiko_lawson
フォロワー数約67万人
その他のSNS YouTube
Pinterest
アプリ あり(クーポン、スタンプ、キャンペーン情報、ポイントカード、スマホレジ)
ネット通販 https://www.lawson.co.jp/service/gift/lsg/
ネットスーパー なし

アプリがペコマカードと連携、キャッシュレス決済を可能にしたセイコーマート


Twitterのフォロワーが昨年調査時から倍の5.6万人に増えたセイコーマート。商品紹介やキャンペーン、地元に密着した情報を投稿し着実にフォロワー数を伸ばしています。

新しい動きとしては、会員証機能やクーポン機能が搭載されたアプリに、電子マネー「ペコマカード」が連携していました。アプリにペコマカードを登録することで、スマホから電子マネーのチャージやバーコード決済が可能となっています。

ネット通販は全国への配達が可能。北海道ならではの飲料・食品が豊富で、「旅行で食べたあの味」をお取り寄せすることができる点は、北海道に拠点をおくセイコーマートの強みといえます。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.seicomart.co.jp
LINE 店舗ごとにLINE@公式アカウント
Facebook https://www.facebook.com/Seicomart.official/
約1.2万人
Twitter @Seicomart_TW
フォロワー数約5.6万人
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ あり(会員証、クーポン、店舗検索、ペコマカードの登録でチャージや支払い)
ネット通販 https://online.seicomart.co.jp
ネットスーパー なし

ハッシュタグでお客が情報発信するダイソー


2020年調査では、ダイソーはLINE公式アカウントが停止していました。

また、昨年調査時と同様、Facebook、Twitterは2018年10月で更新が止まっています。唯一稼働しているSNSはInstagramのみで、フォロワー数は昨年比約55万人増の155.1万人と、順調に伸びています。

TV番組やWebメディアなどでも取り上げられることの多いダイソーは、SNSのハッシュタグも含め、他者発信で情報拡散ができているようです。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.daiso-sangyo.co.jp
LINE なし
Facebook https://www.facebook.com/daisosangyo/
約8万人
※2018年10月で更新停止
Twitter @daiso_sns
約3.7万人
※2018年10月で更新停止
Instagram daiso_offidial
155.1万
その他のSNS なし
アプリ なし
ネット通販 https://www.daiso-sangyo.co.jp/volume
※5万円以上
ネットスーパー なし

ブレないセリア、自己発信はゼロだがSNS上では注目度高し


2018年の調査から、LINE、FacebookなどSNSによる自己発信は一切していないセリア。しかし、SNS上では依然関連ハッシュタグが多数ヒットするなど、注目度の高さがうかがえます。

Instagramで検索すると、「#セリア」では125.9万件、「#セリア新商品」では4.6万件、「#セリア購入品」では6.8万件。「セリアで買ってよかったもの」「セリアの収納用品の活用法」など、さまざまな情報が投稿されています。

セリアの関連ハッシュタグからは、お客の関心が「収納」「ネイル」「コスメ」に対して高いことが読み取れます。こうした情報は商品企画にもつながります。

また、お客に「情報を発信したい」と思わせるようなセリアの商品力が、SNS時代にフィットしているのかもしれません。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.seria-group.com
LINE なし
Facebook なし
Twitter なし
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ なし
ネット通販 なし
ネットスーパー なし

100均3社の中でSNS活用に最も積極的なキャンドゥ


100均3社の中でSNS活用に最も積極的だったのは、今年もキャンドゥでした。

店舗ごとにLINE公式アカウントを運営するキャンドゥでは、Twitter、Instagramでも情報を自己発信しています。Twitter、Instagramのフォロワー数は堅調に右肩上がりを続けています。

中でも、やはりInstagramの見せ方は巧み。アクセサリーや収納小物、ベビー用品や服飾雑貨まで、おしゃれな雑貨屋のディスプレイのように構図が工夫されています。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.cando-web.co.jp
LINE 店舗ごとにLINE@公式アカウント
Facebook なし
Twitter @cando_official
フォロワー数約3.6万人
Instagram cando_official
約71.3万人
その他のSNS なし
アプリ なし
ネット通販 https://ec.cando-web.co.jp
ネットスーパー なし

電子マネーMajicaがアプリと連携、キャッシュレス決済が可能となったドン・キホーテ


Facebookはキャンペーン告知、Instagramは商品紹介と、SNSによって用途を使い分けているドン・キホーテ。

昨年に比べ、大きくフォロワー数が伸びていたTwitterは、ユーザーとの相互コミュニケーションを促す投稿が多く見られました。

ドン・キホーテには、アピタやピアゴといったドン・キホーテ以外のグループ店舗でも使えるMajicaという独自の電子マネーがあります。Majicaカードにチャージして使うという方式を採っていたMajicaですが、同社のアプリと連携。2020年7月からはアプリ内でチャージして、そのままキャッシュレス決済ができるようになっています。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.donki.com
LINE 店舗ごとアカウント
Facebook https://www.facebook.com/donki.majicaglobal.jp
約2.5人
Twitter @donki_donki
約29.5万人
Instagram donki_jp
1.3万人
その他のSNS なし
アプリ あり(クーポン発券、ポイント、Majicaアプリ)
ネット通販 なし
ネットスーパー なし

まとめ

  • コンビニはいずれもFacebookのフォロワーが微減の傾向。LINEとTwitterは堅調に伸びている。
  • 100均は今年も他者発信による拡散が強い傾向。
  • 電子マネーがアプリと連動し、スマホでキャッシュレス決済を可能とした企業が増えている。