アース製薬からスティックタイプと車用のスッキーリ!発売

消臭芳香剤市場ではスティックタイプが拡大している。しかし、従来のスティックタイプでは「香りが最後まで続かない」という不満点があった。そこでアース製薬では、最後まで香りが続くスティックタイプを新発売する。また、スッキーリ!ブランドで初めて「車用」を新発売する。独自の技術で差別化し、車用市場の活性化を狙う。(月刊マーチャンダイジング2022年3月号より抜粋)

「Sukki-ri!CORK+STICK」「クルマのスッキーリ!」ラインナップ

拡大しているスティックタイプと市場性のある車用に注目

新型コロナウイルスによる在宅時間の増加によって、消臭芳香剤における香りの意識が高まっている。その中で消臭芳香剤市場は安定して成長を続けており、2021年には718億円の市場規模となっている(図表1)。用途別では「スティックタイプ」が着実に拡大している(図表2)。

図表1 消臭芳香剤 用途別市場規模推移
図表2 スティックタイプ市場規模推移

また、車の国内保有台数が増え続けており、「車用」は200億円市場となっている。屋内用と同様に近年は除菌・消臭に対するニーズが高まっている。

最後まで上質な香りが続く高価格帯のスティックタイプを新発売

拡大を続けるスティックタイプだが、一方で、「香りが最後まで続かない」という不満点もあった(自社調査)。

新商品の「Sukki-ri!CORK+STICK-Puriture-(スッキーリ!コルクプラススティックピュリチャー)」は、「香り」「機能」「デザイン」にこだわったスティックタイプの消臭芳香剤である。

じんわりと吸い上げて最後まで香る「コルクスティック」と速やかに吸い上げて素早く香る「樹脂製スティック」を組み合わせることで、最初から最後まで深みのある香りをしっかりと持続させることが可能だ(図表3、4)。

図表3 2種のスティックの特長
図表4 スティック素材別香りの持続時間変化

持続時間も最長3.5か月と長持ちする。また、本物の木をフタやラベルに採用し、ナチュラルな容器デザインとした。さらに自然の中での浄化をイメージした癒しの香りによって上質なおうち時間を提供している。本体セットにはそれぞれの香りへの思いを込めた「しおり」を添えた。拡大している高価格帯の商品となり、市場の拡大を加速させる狙いだ。

車全体、エアコンフィルターの除菌・消臭を1つの商品で両立

新商品の「クルマのスッキーリ!車まるごと除菌・消臭」は、スチームタイプの除菌・消臭剤であり、2通りの使い方ができる。車全体の除菌・消臭をする場合はエンジンをかけずに一晩放置するだけで良い。また、使用方法を変えれば、エアコンフィルターの除菌・消臭もできる(図表5)。

図表5 車まるごと除菌・消臭の使い方

除菌成分はハミガキや洗口液に一般的に含まれるIPMP(イソプロピルメチルフェノール)であり、安心して使用できる。塩素系の除菌成分ではないため、刺激が少なく使用感も良い。ミクロの薬剤粒子がすみずみまで広がり、車の悩みをまるごと解決することができる。

図表6 車内のイヤなニオイの原因

また、「クルマのスッキーリ!消臭パール」は、アルデヒド系の悪臭成分に効く消臭成分を配合し、置くだけで従来品では消臭しきれなかった食べ物臭、汗臭、ペット臭、タバコ臭といった車の複合臭を消臭できる(図表6)。スチームタイプと合わせて使用することで、快適な車内を保てる。

販促物を活用して新たな需要獲得へ

Sukki-ri!CORK+STICKPuriture-に関しては、商品の世界観が伝わる上質な売場を作り、高価格、高付加価値の商品であることを分かりやすく演出しよう。香り見本、容器見本、コルク見本といった販促物も活用して、商品理解を高めてもらうことも重要だ。より認知いただく機会を増やすためにゴールデンゾーンに陳列することも検討したい。

クルマのスッキーリ!車まるごと除菌・消臭に関しては、スチームタイプの認知率が17%と低いため(自社調査)、ハンガーディスプレイ等の販促物を活用してスチームタイプの商品があることを認知してもらうことが重要だ。特にスチームタイプは、一般的にカー用品店で購入する人が多く、ドラッグストアでの認知はまだまだ低いので、売り方次第で市場拡大が期待できる。

図表7 店頭販促物の事例

重要ポイントのまとめ

  • スティックタイプの市場は拡大傾向
  • コロナ禍での消臭芳香剤における香り意識の高まりから、「香り」「機能」「デザイン」にこだわった高価格帯のスティックタイプを発売
  • 車用でも除菌・消臭へのニーズが高まっている。車まるごと一発除菌ができるスチームタイプを売場で認知してもらい、市場を活性化!

狭小商圏時代の店長の職務は「完全作業」「標準化」「固定客づくり」

不特定多数の「浮動客」相手の商売が主体だった時代の店長の職務(果たすべき任務)と、特定多数の「固定客」との長期的な信頼関係を築く時代の店長の職務は大きく異なる。この項では、狭小商圏時代の店長の職務についてまとめてみよう。(月刊マーチャンダイジング2022年3月号より抜粋)

MDの企画部隊が商品部、MDの実行部隊が店舗運営部

小売業の活動の総称をマーチャンダイジング(MD)と呼ぶ。MDとは、直訳すると「商品化計画」と訳される。MD活動とは、メーカーが製造した製品(プロダクツ)の売り方を開発し、商品(マーチャンダイズ)に変える活動全般を指す。

小売業のMD活動で行う売り方の革新は、たとえば「つくる立場」「売る立場」から、「買う立場」「使う立場」に製品を再編集し、選びやすく買いやすい「商品分類(アソートメント)」を設計することである。商品分類の設計は、さまざまな業界の商品を品揃えできる小売業・卸売業だけが提案可能なMD活動の根幹になる。

また、商品構成(棚割の状態)を設計することもMD活動である。すべての商品がフェース1で陳列されている状態は「売場」ではなくて「ショールーム」である。商品によって陳列量を変える商品構成も重要なMD技術である。

MD活動は、商談・仕入れによる商品選定、販売促進(プロモーション)、POPや陳列・演出、売場レイアウト設計、商品開発、補充・物流設計と多岐にわたる。

仕入れ担当の「バイヤー」とは異なり、商品開発を担当する「マーチャンダイザー」は、仕様書発注→物流設計→売り方の開発という「生産」から「販売」までのすべてのプロセスを企画・設計し、その結果に責任を持つ。

前置きが長くなったが、小売業の組織は、上記で述べたMD活動の企画部隊である「商品部」と、MDの実行部隊である「店舗運営部」の2つに大きく分けられる。店長が属する組織は、「店舗運営部」である。上司は、スーパーバイザー(エリアマネジャー)、店舗運営部長になる。

店長の最大の職務は完全作業の実行と徹底

MDの実行部隊「店舗運営部」の店舗責任者である店長の最大の職務は、商品部が決めたMDのプランを店舗で完全に実行することである。

そのことを小売業では「完全作業」と呼ぶ。完全作業の達成が店長に求められる最大の職務である(図表1)。

[図表1]店長の主要な「職務」
店長は、売上・利益などの「業績評価」よりも、実行と徹底力を評価する「行動評価」のウエートの方が高い。

店の売上は、立地や競争環境などの外部的な要因で決まることが多く、売上(業績)の責任を店長に一方的に押し付けることはできない。

MD活動を成功させるためには、店長をはじめとする現場の実行担当者の役割はきわめて大きい。私は、MD活動が成功するための70%は店舗での実行力・徹底力、つまり「完全作業力」で決まるとおもっている。

完全作業の徹底が店長の最大の職務

いくら素晴らしい商談をし、素晴らしいMDプランを立てても、店舗現場で実行されなければなんの意味もない。しかし、現実の店舗現場の完全作業力はまだまだ低く、失われた売上(機会損失)は大きい。逆説的にいえば、それだけ完全作業力の向上で増える売上の余地は大きいといえる。

人口減少時代に突入した日本では、「過激な販促で大きな売上」という成功体験は通用しない。狭小商圏時代の最大の売上対策は、「不完全作業」による「機会損失(チャンスロス)」を防ぐことである。

そのためにも店長は「凡事徹底」が最大の競合対策であるという意識を強く持ちたい。プランニングが得意な「頭でっかちの組織」よりも、二流・三流の戦略でも、完全作業力・実行力に勝る組織の方が競争に勝つといわれている。

棚割の徹底・改善力が低くて、本来はあるべき売れ筋がVOID(棚札も商品もなくフェースが消失した状態)による機会損失も、実は多くの店舗現場で発生している深刻な課題である。

すべての事件は現場で発生しているのである。

チェーンストアは小さな行動が大きな成果に直結する

完全作業力がますます重要になっている最大の理由は…

 

続きは月刊マーチャンダイジング 2022年3月号、月刊マーチャンダイジングnote版にて。

NFI定例セミナー「フード&ドラッグ+調剤の最新事例研究」ほか(2022/11/16 13:00~16:15)開催ご案内(リアル・リモート)

11月の定例セミナーのテーマは3つです。(1)「フード&ドラッグ+調剤の最新事例研究」、(2)「店頭メディア化の可能性」、(3)「コロナ禍で激変した米国小売業の今」(1)と(2)はNFI代表取締役・日野 眞克が担当し、(3)は米国在住の株式会社エレガント・ソサエティーの若林哲史氏に解説していただきます。今回も充実した内容となっておりますので、ぜひご参加ください。

2022年11月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

11月の定例セミナーのテーマは3つです。第1は、次の10年の主力フォーマットであるフード&ドラッグ+調剤の最新事例研究です。地域でもっとも近くて便利な店を目指すと同時に、地域のヘルスケアハブを目指す新業態開発の最前線を解説します。

第2は、数年後には市場規模1兆5,000億円に達するといわれている小売業の広告事業(アプリ内広告、店頭サイネージ広告など)。その半分の7,500億円くらいが店頭メディア事業になると予測されています(サイバーエージェント調査)。単なる動画の流しっぱなしではなくて、動画の視聴率分析、動画による購買向上とPOSデータとの分析リポートなど、よりワンツーワンマーケティングに近づく店頭メディア化の最前線を解説します。

第3はコロナ禍で激変した米国小売業の今です。コロナ禍で進化したDX、Amazonの調剤事業参入の影響など、コロナの3年間の変化を現地在住の株式会社エレガント・ソサエティーの若林哲史氏に解説していただきます。アメリカ視察ツアー再開目前を控えた予習講座と思ってください。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・開催日:2022年11月16日(水)13:00~16:15(会場受付開始:12:30)
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい。
※開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください。
※セミナー開催中の途中入場はお断りします。
※リモートでの途中退席は申込責任者に報告します。

・会場:エッサム神田ホール1号館7階(案内図をご参照ください)
・実施方法:リアルとZOOMによるリモートセミナー
(ZOOMセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2022年11月7日(月)

スケジュール

[第1講座]
(1)フード&ドラッグ+調剤の最新事例研究
[13時~13時50分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ 地域でもっとも近くて便利な店づくり
■ フード&ドラッグ+調剤の事例研究
■ 地域のヘルスケアモール開発の可能性 その他

[第2講座]
(2)店頭メディア化の可能性
[14時~14時50分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ 小売業広告1兆5,000億円市場の可能性
■ カメラレポート(視聴率など)、POSリポートの成功事例
■ 地域別、個店別の動画配信、ワンツーワンマーケティングの可能性 その他

[第3講座]
(3)コロナ禍で激変した米国小売業の今
[15時~16時15分頃]

株式会社エレガント・ソサエティー 若林 哲史氏

※事前に録画したものを配信する場合もあります。
■ ウォルマートとAmazonの戦い
■ レジフリー店舗(ジャストウォークアウト方式)の最前線
■ Amazonの調剤事業参入の影響 その他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館7階(701)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
・JRでお越しの方 神田駅東口より徒歩1分
・東京メトロ銀座線でお越しの方 神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

①ZOOMの運営方法を一部変更いたしますので、当日のリモートでの参加手順は後日改めてご案内いたします。
②11月セミナーよりアーカイブ動画の配信はいたしません。当日参加でのみセミナーのご受講が可能です。
(配信の不備等によりご視聴頂けなかった場合には、後日動画のご案内をいたします。)
③11月11日(金)までに、お申込書に記載された受講者のメールアドレス宛に受講用URLを記載したメールを送付いたします。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

本セミナーのお申込み受付は終了しました。
たくさんの参加申込み、ありがとうございました。

NFI定例セミナー「最新ISM、ローコスト戦略 デジタル接客、SNS戦略」(2022/9/14 13:00~16:10)開催ご案内(リアル・リモート)

9月の定例セミナーのテーマは、顧客満足を高めることを目的とした「最新ISM(インストアマーチャンダイジング)」「販管費を下げるためのローコスト戦略」「デジタル接客」「最新のSNSマーケティング」の事例研究です。

2022年9月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

狭小商圏、withコロナによって、1回の買物金額を増やすことを目的としたインストマーチャンダイジング(ISM)の考え方が変化しています。今回のセミナーでは、最新注目店舗の事例から、最新ISM理論を解説します。

電気代の高騰で大きな問題になっているリアル店舗のローコスト化戦略の事例を紹介します。

これからのリアル小売業は、デジタルツールを活用した顧客満足度の向上に取り組むことが必要になります。新規客と固定客の両方を増やす「SNSマーケティング」の最新事例を紹介します。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・開催日:2022年9月14日(水)13:00~16:10(会場受付開始:12:30)
※受付時間より前にお越しいただいた場合、お時間までお待ちいただく可能性がございます
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい
※セミナー開催中の途中入場はお断りします
※開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください

・会場:エッサム神田ホール1号館6階
(※秋葉原ではございません。案内図をご参照ください)
・実施方法:リアルとZoomによるリモートセミナー
(Zoomセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2022年9月5日(月)

スケジュール

[第1講座]
(1)最新注目店に見る最新ISM戦略とローコスト戦略
[13時~14時30分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ 最新注目店に見る最新ISM理論
■ 年間客単価を増やす売場レイアウト
■ 店舗経費を減らすローコスト戦略
■ ヘルスケアのデジタル接客と地域医療連携戦略
■ 生涯顧客を増やすスマートカウンセリング  その他

[第2講座]
(2)SNSマーケティング最前線
[14時40分頃~16時10分頃]

月刊『マーチャンダイジング』編集長 野間口 司郎

■ 「ドラッグストア白書」に見る収益性の低下と販管費増の根本原因
■ SNSマーケティングで新規客を店舗に送客する
■ SNSマーケティングで固定客(生涯顧客)を増やす
■ 人口が少ない立地ほどSNSマーケティングは効果的  その他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館6階(601)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
・JRでお越しの方 神田駅東口より徒歩1分
・東京メトロ銀座線でお越しの方 神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

・参加時に入力する名前は他の参加者には表示されません。
今後のご案内重複防止の為、フルネームでのご入力をお願いします。
・通信状況などで接続が切れた場合でも、同じURLから再入室することができます。
・セミナー終了後10日間はアーカイブされた録画を閲覧することが可能です。
閲覧のためのURLは、セミナー終了後にご案内いたします。
・企業様によって、Zoomへのアクセスができないという場合がございます。
Zoomへの接続については、受講企業様にてご対応くださいますようお願い申し上げます。
(弊社にてサポートは致しかねますのでご了承ください)
・seminar@gekkan-md.comからのメールを受信できるようにご調整お願いします。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

本セミナーのお申込み受付は終了しました。
たくさんの参加申込み、ありがとうございました。

NFI定例セミナー「顧客満足を高めることを目的とした ローコストオペレーション研究」(2022/7/20 13:00~16:00)開催ご案内(リアル・リモート)

7月の定例セミナーのテーマは、顧客満足を高めることを目的とした「ローコストオペレーション研究」です。重要なことは、企業都合のコスト削減ではなくて、ローコストと顧客満足向上を両立させる仕組みをつくることです。

2022年7月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

今回のセミナーでは、経営戦略としての「ローコストオペレーション体系」の原理原則を改めて整理して解説します。
また、最近取材した「フード&ドラッグ+調剤」の最新店の売場づくりとローコストオペレーションについても解説します。

また、5月セミナー同様に、エイジスリテイルサポート研究所 所長/ロジカルサポート 三浦美浩氏を招いて、早朝補充、レジ効率化、作業改革などの事例を解説していただきます。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・開催日:2022年7月20日(水)13:00~16:00(会場受付開始:12:30)
※受付時間より前にお越しいただいた場合、お時間までお待ちいただく可能性がございます
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい
※セミナー開催中の途中入場はお断りします
※開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください

・会場:エッサム神田ホール1号館9階
(※秋葉原ではございません。案内図をご参照ください)
・実施方法:リアルとZoomによるリモートセミナー
(Zoomセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2022年7月11日(月)

スケジュール

[第1講座] ローコストオペレーション体系
[13時~14時30分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ ドミナント出店とランチェスターの法則
■ 店外物流、店内物流とローコストオペレーション
■ EDLPとEDLC(エブリデーローコスト)
■ 商品構成グラフの維持によるフェース管理の重要性
■ 最新店舗に見る売場づくりとローコストオペレーション  その他

[第2講座] 店内作業と機会損失の両方を減らす作業改革
[14時40分頃~16時頃]

エイジスリテイルサポート研究所所長/ロジカルサポート 三浦 美浩

■ ディスカウント業態のローコストオペレーションのポイント
■ 早朝補充で「ローコスト」と「機会損失減(顧客満足向上)」を両立させる
■ 本格化するレジ効率化の実験  その他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館9階(901)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
・JRでお越しの方 神田駅東口より徒歩1分
・東京メトロ銀座線でお越しの方 神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

・参加時に入力する名前は他の参加者には表示されません。
今後のご案内重複防止の為、フルネームでのご入力をお願いします。
・通信状況などで接続が切れた場合でも、同じURLから再入室することができます。
・セミナー終了後10日間はアーカイブされた録画を閲覧することが可能です。
閲覧のためのURLは、セミナー終了後にご案内いたします。
・企業様によって、Zoomへのアクセスができないという場合がございます。
Zoomへの接続については、受講企業様にてご対応くださいますようお願い申し上げます。
(弊社にてサポートは致しかねますのでご了承ください)
・seminar@gekkan-md.comからのメールを受信できるようにご調整お願いします。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

本セミナーのお申込み受付は終了しました。
たくさんの参加申込み、ありがとうございました。

NFI定例セミナー「フード&ドラッグ+調剤の研究」(2022/5/18 13:00~16:00)開催ご案内(リアル・リモート)

5月の定例セミナーのテーマは、狭小商圏立地の最強業態「フード&ドラッグ+調剤の研究」です。ドラッグストアの次の成長期の主力業態は、「フード&ドラッグ+調剤」です。かつてのフード&ドラッグよりもローコストで、大きすぎない店舗で、調剤を併設した新業態は、狭小商圏立地にも出店できる最強業態です。

2022年5月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

今回のセミナーでは、「フード&ドラッグ+調剤」が最強業態である理由と成功ポイントを解説します。
また、ローコスト&調剤併設のスーパーマーケットの新業態を解説します。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・開催日:2022年5月18日(水)13:00~16:00(会場受付開始:12:30)
※受付時間より前にお越しいただいた場合、お時間までお待ちいただく可能性がございます
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい
※セミナー開催中の途中入場はお断りします

開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください。
・会場:エッサム神田ホール1号館9階
(※秋葉原ではございません。案内図をご参照ください)
・実施方法:リアルとzoomによるリモートセミナー
(ZOOMセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2022年5月9日(月)

スケジュール

[第1講座]フード&ドラッグ+調剤を成功させるポイント
[13時~14時30分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ フード&ドラッグ+調剤が最強業態である理由
■ フード&ドラッグ+調剤の事例研究
■ コンセッショナリーと直営の使い分け  他

[第2講座] ローコスト&調剤のスーパーマーケット新業態研究
[14時40分頃~16時頃]

エイジスリテイルサポート研究所所長/ロジカルサポート 三浦 美浩

■ 調剤を導入した「オーケーストア」の業態戦略
■ 「ローコスト」「アウトパック」などのスーパーマーケット新業態研究  他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館9階(901)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
・JRでお越しの方 神田駅東口より徒歩1分
・東京メトロ銀座線でお越しの方 神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

・参加時に入力する名前は他の参加者には表示されません。
今後のご案内重複防止の為、フルネームでのご入力をお願いします。
・通信状況などで接続が切れた場合でも、同じURLから再入室することができます。
・セミナー終了後10日間はアーカイブされた録画を閲覧することが可能です。
閲覧のためのURLは、セミナー終了後にご案内いたします。
・企業様によって、Zoomへのアクセスができないという場合がございます。
Zoomへの接続については、受講企業様にてご対応くださいますようお願い申し上げます。
(弊社にてサポートは致しかねますのでご了承ください)
・seminar@gekkan-md.comからのメールを受信できるようにご調整お願いします。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

本セミナーのお申込み受付は終了しました。
たくさんの参加申込み、ありがとうございました。

第6波に備えて買ったのは「インスタント食品と冷食」

今回は、「新型コロナウイルス(オミクロン株)感染拡大に対する意識調査」をテーマにアンケートを実施しました(2022年1月14日〜15日)。第6波に備えいつもより多く購入した商品を尋ねたところ、最も多かった商品は「インスタント食品」でした。結果をご報告します。

約4割が消費活動や意識に変化ありと回答

[図表1]新型コロナウイルス(オミクロン株)感染拡大による第6波が懸念される中、消費活動や意識に何らかの変化はありましたか?

感染拡大による「第6波」への兆しが顕著になり、新型コロナウイルスへの警戒感が再び高まる中、「ここ最近の消費活動や意識に何らかの変化があったか」尋ねると、3006人のうち4割近くの人が「変化があった(39.4%)」と回答しました(図表1)。

[図表2]新型コロナ感染拡大第6波に備えた、消費活動や意識の変化をすべてお選びください。

図表2は、「変化があった(N=1183人)」を対象に、選択肢・複数回答で消費活動や意識の変化を年代別でまとめたものです。いずれの年代も最多回答は、「感染予防を改めて意識するようになった(全体77.9%)」が7割を超え、それに次ぐ「できるだけ外出自粛している(47.4%)」、「外食するのを延期・やめた(35.4%)」、「人と会う約束を延期・やめた(31.9%)」、「飲みに行くのを延期・やめた(29.3%)」、「旅行やレジャーを延期・やめた(25.2%)」など、今までの感染拡大自と同様に、「人との接触機会を軽減する」といった、意識や行動の変化が上位回答となり、特に「50代以上」では、平均値よりも高い傾向がありました。

コメントをみると、「休日など大型ショッピングセンターへの外出を控えている(20代女性)」、「少し前までは週に2~3回買い出しに出ていたが、今は週一回で済むようにまとめ買いにしている(30代女性)」、「一時期感染が治まったので旅行を計画していたがキャンセルした(40代女性)」など、感染再拡大により予定を変更した人や、就業中の人からは、「発熱での出社基準がまた厳しくなった(40代男性)」、「会社の昼休みがまた少人数制になり、全体会議が中止になった(50代女性)」など、職場における感染症対策の強化が挙がりました。

一方、2020年4月の緊急事態宣言下で、品切れや買い占めなどが発生した「マスクや消毒液などの感染予防対策商品をストック・購入(24.2%)」や、「日持ちする商品をストック・購入(21.2%)」、「トイレットペーパーや紙製品などをストック・購入(11.4%)」などは、落ち着いた購買行動が結果からは推測できますが、もう少し詳しく消費の変化をみていきましょう。

約3割が第6波に備えて購入した商品あり

[図表3]直近2週間以内で、第6波に備えて、いつもよりも多く購入/いつもは買わないけど購入した商品はありますか。

まず、消費活動や意識に変化があった1183人のうち、「直近2週間以内で第6波に備え、いつもより多く購入/いつも買わない商品を購入した商品があるか」尋ねると、3割以上の人が「ある(31.3%)」と回答しました(図表3)。

[図表4]直近2週間以内で第6波に備えて
「いつもよりも多く購入/いつもは買わないけど購入」した商品はありますか。

図表4は、直近2週間以内で第6波に備え、いつもより多く購入/いつも買わない商品を購入した商品が「あると回答した(N=356人)」を対象に、選択肢・複数回答でその商品をまとめたものです。

最多回答は、4割近くが回答した「インスタント食品(全体36.3%)」となり、「冷凍食品(30.9%)」、「ペットボトル飲料(29.3%)」、「レトルト食品(28.4%)」などが上位回答となり、「食品は日持ちのするものを買いだめするようになった(20代女性)」、「急に買い物に行けなくなっても大丈夫な様にレトルト品や飲料等を買い足した(40代女性)」、「水、ペットボトルのお茶等をパントリーに常備するようになった(60代女性)」、「冷凍うどんやパスタ、乾麺、レトルト食品など多く買った(50代男性)」といったコメントが挙がりました。

また、感染症対策商品の中では、「マスク(28.8%)」がおよそ3割、「消毒液(19.6%)」、「除菌関連商品(16.6%)」などが続き、「風邪薬(15.4%)」、「解熱剤(12.9%)」などの医薬品は、2割に満たない結果となりましたが、「マスクと消毒用品を買い、ネット購入が増えた(60代男性)」、「マスクや風邪薬を必要以上に購入した(50代男性)」といった声もありました。

連日新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多を更新しています。弊社では、POBデータを活用し、感染力の高いオミクロン株の感染拡大が、今後消費にどう影響し、売り手側は同販売戦略を展開すべきなのかを考え、注目していきたいと思います。

アンケート男女比(年齢別)
調査期間:2022年1月14日〜1月15日
インターネットリサーチ エリア:全国
調査機関:株式会社mitoriz

[茨城県水戸市] 競合店まで300m!ドラッグストア接近戦リポート

今回は関東のなかでもとくに近年競争が激しくなっている茨城県水戸市の激戦地区をリポートする。(構成・文/月刊マーチャンダイジング編集長野間口 司郎 調査/本誌編集部調査協力/株式会社ジェムコ)(月刊マーチャンダイジング2022年2月号より抜粋)

全国平均と比較して子供、現役世代の多い水戸市

水戸市地図

茨城県の県庁所在地、水戸市は県のほぼ中央に位置している。鉄道は、JR常磐線・水戸線・水郡線、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線が走り、道路では常磐自動車道、北関東自動車道、東水戸道路や国道6号、50号などの幹線道路も整備されており交通の便はよい。主な産業は商業で、産業人口のうち約6割が第三次産業に就いている(水戸商工会議所調べ)。

2021年11月1日時点の人口は26万9,141人で平均1世帯人数は2.15人。人口は2015年の27万783人をピークに緩やかな減少傾向にある。2021年10月1日時点の住民基本台帳の年代別人口構成比を見ると15歳未満が12.6%、15〜64歳(生産年齢=現役世代)が60.6%、65歳以上(高齢者)26.8%となっている。日本全体では、15才未満11.8%、15〜64歳59.1%、65歳以上は29.1%(2021年9月15日時点)なので、全国平均よりは若く、子供や働く世代の多い都市だといえる。

JR水戸駅周辺の繁華街には昔ながらの店や閉店になったままの店、いわゆるシャッター商店なども見られ、さほど勢いがあるとはいえない。人口は郊外へと移動しており、比較的若年世代が多いことからDgSが多数出店しているものとおもわれる。

冒頭述べたように関東だけで4,300万人の人口があり、高齢化、人口減が進む他県本拠地の大手DgSが一斉に関東のドミナント化を目指している。茨城県もそのひとつで、水戸に出店が集中しているのもその傾向の一環である。

コスモス薬品の関東進出で水戸のシェア争いが一層激化

[図表2]水戸市に出店している主なDgS
水戸市に出店するDgSとその店舗数を示したのが、図表2である。茨城県つくば市が本社だった寺島薬局=現ウエルシア、隣県である栃木県小山市に本社を構えるカワチ薬品、同様に隣県である千葉県松戸市に本社のあるマツモトキヨシ=現マツキヨココカラ&カンパニーが時期的には早くから水戸市に出店しており、ツルハHD(本社・北海道)の関東進出で同社の店数が一気に増えた。

また年間、総店舗数の15%近くを高速出店しているクスリのアオキ(本社・石川県)が3店舗を出店。同社は関東出店を強化しており、群馬県に77店、茨城県に49店、栃木県に43店、埼玉県38店、千葉県17店、合計224店を関東に出店。これは全店舗数の28.7%にあたり地元北陸3県の227店に匹敵し、関東が今後最大のドミナントエリアになる可能性も高い。それだけ関東が肥沃な大地であるということだ(店舗数は2021年11月20日時点)。

そして、DgSの水戸出店ラッシュに弾みをつけているとおもわれるのがコスモス薬品(本社・福岡県)である。同社は2020年から本格的に関東出店を始めており、2021年11月30日時点で茨城県11店、栃木県8店、東京都7店、千葉県6店、埼玉県5店、神奈川県2店、群馬県2店、合計41店を関東に出店、今後も年間20〜30店を関東に出店するとしている。

図表9は今回調査した企業の全国の出店状況と、もっとも多く出店している都道府県の1店舗当りの単純人口(商圏人口ではなく)を基準にドミナント状況を示したもの(図表の全体は本誌2022年2月号をご覧ください)。たとえば、コスモス薬品なら福岡県にもっとも多く出店しており、福岡県並みの人口比(2万8,887人に1店舗)で見ると各都道府県をどの程度ドミナントしているかを示している。

画像

ウエルシアHD、ツルハHDはM&Aを成長戦略の柱にしているので本拠地に加え合併先のエリアでドミナント率が高いのに対し、コスモス薬品はM&Aなしの純粋成長を実践しており、九州から着実にドミナント化を進めているのがわかる。上記の要領で計算すると、九州・沖縄が117%、四国93.4%、中国74.2%と九州、中四国ではかなりの密度で出店している。

他店が出店してDgS利用者が一定程度いるエリアへ新規出店し、食品に重点を置いた生活必需品の品揃えを厚くし、低価格、EDLP(非特売型、毎日低価格)でシェアを取って周辺をドミナント化していくという手法を得意としており、他エリアで成功を収めている。

この手法で関東を計画的にドミナント化していけば、先行する企業にとっては脅威だろう。

[図表3]接近戦エリア ①堀町・渡里エリア(今回の調査エリア)

今回調査した堀町・渡里エリア(図表3)でも先行出店するカワチ薬品、ツルハHDの至近距離に出店している。ディスカウントドラッグコスモス堀町店からツルハドラッグ水戸堀町店までは約300m(ツルハの駐車場からコスモスの看板が見える)、カワチ薬品渡里店までは約550mである。また、カワチ薬品とツルハドラッグの距離は約350mとなっている。

コスモス薬品は600坪タイプが標準モデルだが、関東では600坪にこだわらず出店するとしており450〜500坪タイプが多い。

大店法の届け出によれば堀町店の売場面積は1,182㎡=約358坪と同社としては小ぶりな部類に入る。

ウエルシア 水戸堀町店(調剤薬局併設)
所在地/水戸市堀町878-3
営業時間/DgS 24時間 調剤薬局 9:00〜19:00(日祝休み)
カワチ薬品 渡里店
所在地/水戸市渡里町字新田後2713-1
営業時間/10:00〜21:00
クリエイトSD 水戸中丸店
所在地/水戸市中丸町278-1
営業時間/10:00〜21:00
クスリのアオキ 吉沢店(調剤薬局併設)
所在地/水戸市吉沢町196-3
営業時間/9:00〜22:00
調剤薬局/9:00〜19:00 土曜日9:00〜13:00
処方せん受付/(日祝休み)
ディスカウントドラッグコスモス 堀町店
所在地/水戸市堀町1002-4
営業時間/10:00〜21:00
ツルハドラッグ 水戸堀町店
所在地/水戸市堀町957-1
営業時間/9:00〜24:00

2021年11月オープンの上水戸店は1,539㎡=約466坪、2022年3月オープン予定の千波店は1,546㎡=約468坪といずれも500坪未満。日用品大手卸売業のジェムコの調査によれば、堀町・渡里エリアの商圏人口は1万9,000人、上水戸エリアが1万1,000人、千波エリアが2万9,500人である。同社は1万人を標準的な商圏人口としているので、いずれのエリアもそれを上回り客数が見込める。不動産コストも削減して400〜500坪で効率よく売上を挙げるのが目下の関東モデルといえる。

[図表8]接近戦エリア情報

競合に挑まれるカワチ薬品は食品、接客強化で対抗

堀町・渡里エリアだけでなく、水戸の接近戦エリアを見るとカワチ薬品と他企業が競合する場所が多く、売場面積が大きな店舗中心で比較的広域集客型の同社が、小商圏モデルの企業に接近戦を挑まれているようにも見える。

日本における食品強化型メガDgS元祖のカワチ薬品は、店舗によっては生鮮を扱うなど食品をさらに強化、薬剤師によるヘルスケアのカウンセリング販売も実施して、固定客づくり、足元商圏強化に努めている。調査時、客数は多く店内でのカウンセリング風景も複数見られた。

クスリのアオキは、水戸市内の3店舗はいずれも調剤薬局併設。生鮮を本格的に扱いを始めた時期は業界でも早く、最近の潮流である「生鮮&調剤」の先頭グループである。直近の売上構成比を見ると調剤10.0%、食品41.6%となっている(2021年5月期)。

クリエイトSDの調査店は食品充実、定番売場でプロモ展開するなど独特な売り方をしている。接客レベルは他エリア同様非常に高い。

今回調査していないが、マツモトキヨシは水戸への出店時期は比較的早いのだが、それほど店数を増やしておらず売場面積150坪程度の店舗年齢の高い郊外型店中心の出店となっている。他店と比較するとやや競争力に欠けるので、この地域でシェアを上げるなら松戸大金平店のような郊外型のパワフルな新パターン店を導入するなど大規模な改装が必要ではないか。

下着、ルームウエアを強化するコスモス、クリエイトSD

いくつかのカテゴリーに関する売場スペースを調査した(調査内容について詳しくは本誌2022年2月号をご覧ください)。衣料品に関してコスモス薬品が15本と最多。同社ではプライベートブランド(PB)の機能性下着(あったかインナー)をエンド展開するなど実用衣料に力を入れている。

クリエイトSDも定番棚プラス回転式の什器で8本展開、薄手のトレーナー、ズボンなどルームウエア系の商品を低価格で販売している。ワンストップショッピング性が求められているので、DgSの下着やルームウエアはもっと強化の余地があるだろう。

文具ではクリエイトSDが最多。同店は文具と並んでミニカーやままごとセットのような玩具も販売しており、子育て世代の支持を狙っている。100円ショップに取られているカテゴリーだが、「機能性がある」あるいは、「品質のよい」文具が欲しいというニーズはあるのでここも工夫のしどころである。

ペットはカワチ薬品24、コスモス薬品が28本、クリエイトSD29本と充実している。どのDgSも売場面積に合わせて拡充しているカテゴリーだ。ペットフードは回転が速いし、ペット用品購入世帯は掃除用品、消臭芳香剤など関連購買もある。シャンプー、コンディショナーなどのインバスヘアケアはどの店もスペースを割いている。定番、エンドを合わせるとツルハが20本で最多。ヘアケアは、志向性が多様化してニーズが分散している代表的なカテゴリーだ。

ツルハは売場を増やすだけでなく、収益性の高い専売品(ツルハ限定商品)を推奨販売するなど売り方にも工夫が見られる。

郊外型DgSにとって必須カテゴリーになっている日配品は…

続きは月刊MD 2022年2月号で!

DX推進、成否を分かつのは「トップのコミットメント」の有無

DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉が流行しているからと、経営企画室の下の離れ小島の1部門で「DX推進室」をつくっても、DXは決して成功しない。今回は、DXを力強く推進し、会社を根本からつくり変えるための「組織づくり」「パートナー選び」などのポイントを解説する。(月刊マーチャンダイジング2022年2月号より抜粋)

DXは小さな改善ではなくて会社をつくり変えること

—今月のテーマは、DXを成功させるための組織づくりのポイントです。多くの小売業のDXの立ち上げをサポートしているDX JAPAN代表の植野さんにお話しを伺います。

まず自己紹介からお願いします。

植野 私のキャリアのスタートは三菱商事で、ローソンに出向して「Ponta(ポンタ)」の立ち上げに携わり、ボストンコンサルティンググループ(BCG)を経て、ファミリーマートとサークルKサンクスが統合したタイミングで全社変革のリーダーとして招へいされ、その後、ファミペイなどのDX推進の責任者を担当してきました。

2020年3月に独立してDX JAPANを設立して、小売業を含む大手企業のDX推進のアドバイザリーをしています。

—日本の小売業のDXの課題について教えてください。

植野 小売業がDXに取り組み始めると、最初は改善やツールを入れ替える程度のことだと考えていたが、どうやらそんな甘っちょろいものではない。DXとは、根本的に会社をつくり変えて、ビジネスを一新することだという本質的な理解に多くの小売業も変わってきていると思います。

ただ、そこで未来への戦略や構想は漠然とつくったが、構想を実行・実践していく段階で苦戦している、そんな状況だと思います。

藤田 現状の小売業のDXの問題点は2つあると思います。第1は、未来戦略の設計について外部に丸投げして、自分たちの言葉になっていない事例が多いことです。小売業の内部にDXに詳しい人材がいないので、外の専門家を招へいして考えさせることは悪いことではないのですが、「自分の会社がどうありたいのか」という基本設計は、DXに取り組む小売業自身でしか決められません。それを自分たちで決められないことが、DX推進のボトルネックになっています。

第2は、DXを実行しようとすると、ノウハウのない小売業の内部だけでは実行できません。そのため、スピード早くDXを進め、成功に導くためには、必要に応じてすでにノウハウを持つ外部のパートナーと連携し、実行していくことが重要になるかと思います。

ただ、このパートナー選びがうまく進まない、というのが小売業のDX推進における大きな課題になっていると思います。

ITシステム投資の半分以上がDX投資であるべき

—DXを推進するための組織づくりのポイントについて教えてください。

植野 DX成功のためのポイントは大きく3つあると思います。

第1は、経営トップのコミットメントです。コミットメントを具体的に言い換えれば、DX投資の決断をすることです。経営トップが、人と金にしっかり投資することに性根がすわっているかどうかで、DXの成否は決まります。

トランスフォーメーションというのはカネもパワーもかなり必要です。会社をつくり変えるわけですから。残念ながら、DXに対する投資の考え方は、欧米の小売企業と日本の小売企業では決定的に違います。欧米の小売企業では、全社の新規投資の大半がDX投資です。

一方、日本の小売企業の場合は、IT・デジタル投資の総額も小さい上に、IT投資の8割は従来のシステムの保守・メンテナンス投資です。欧米と日本では、DX投資に対する本気度が全然違います。

第2はDXの推進体制・組織をしっかりつくることです。経営企画室やシステム部の中の小さな1部門ではなくて、経営トップや取締役の直下の組織にし、権限を強化し、大胆に投資判断ができる組織体制をつくることが重要です。

第3は、社内にはデジタルに詳しい人材はほとんどいないので、どうやってデジタル人材を採用するか、そして二人三脚で汗を流してくれるパートナー企業を見つけることができるかが重要です。つまり、「投資」「チーム」「パートナー」の3つを揃えることが、DXを成功させるための必要条件です。

—小売業におけるDX投資の目安を教えてください。

植野 投資額は業態や規模によっても異なりますが、企業の総投資額に占めるITデジタル投資の割合と、ITデジタル投資に占めるDX新規投資の割合の2つがバロメーターです。

[図表1] ウォルマート国内設備投資額推移
[図表2]理想のDX投資

ITデジタル投資額の半分がDX投資という比率になっていないと、企業を大きくデジタルで変えることはできません(図表2/編集部)。改善レベルではなく、企業変革のための大胆なDX投資に対する経営トップのコミットメントの必要性は、どんなに強調してもしすぎることはありません。

DXによる「第2創業」はデジタルを見ることから始まる

—海外と日本のDXの違いを教えてください。

植野 コロナで消費者の購買動向が激変し、アマゾンなどのEC企業が大きく伸びており、海外の小売業はネットプレイヤーに対抗するためにも、すごい勢いでDXに投資しています。

一方、日本は「IT、システムはコストである」という考え方が根強くて、コストを下げれば下げるほど評価される文化があり、まずこの意識を変えなくてはなりません。

今までの小売業は、成長・拡大は新規出店投資が中心であり、それ以外のコストは徹底的に下げることで評価されてきました。しかし、DXは店舗投資ではなく、これまでコストを抑制してきたITシステムやデジタルに投資せよ、という話ですから従来の小売業の考え方からすると、とても違和感が出てしまいます。しかし、挑戦を躊躇していると、楽天が西友に資本参加したように、ネットプレイヤー企業がリアルの領域にどんどん進出するようになります。

—DXを推進するために、リアル小売業が変えなければならないことは何ですか?

植野 今、日本を代表する小売企業の創業者の方々は、1960年代にアメリカの小売業を視察に行って、こんな豊かな暮らしがあり、それを支える店舗があることに感激したことが原体験になっています。豊かなアメリカのような店をつくりたいという情熱が出発点です。

ただ、1960年代はアメリカの先進的な店舗を視察して、研究すればよかったのですが、これからは店舗ではなくデジタルの世界を視察する、つまりデジタルサービスを自分の生活の中で体感することが不可欠です。

しかし現在の小売企業の経営者は高齢の人も多くて、デジタルサービスの利用に積極的な方は少ないでしょう。その結果、デジタル時代の潮流をつかめず、従来のリアル店舗を中心としたビジネスモデルからなかなか脱却できていません。

DXへの挑戦は、「第2の創業」とも言えるチャレンジです。1960年代にアメリカ視察に行った創業者と同じような創業マインドを持って、デジタルの世界を見に行かなくてはなりません。

[図表3]DXの強化書デジタル経験値診断

私がアドバイザリーとしてご支援している小売業の経営者に「ご自分でウーバイーツで食事を頼んだことありますか?」、「配車アプリを使ってタクシーを呼んだことはありますか?」という質問をしてみると、そのような経験をしている方はほぼいらっしゃいません(図表3のチェックリスト参照)。

半分冗談ですが、日本企業の場合、優秀な秘書が経営リーダーのデジタルシフトを止めていると思います。デジタルサービスの代わりに、すべて秘書がやってくれます。

ランチの手配、レストランの予約、飛行機のチケットや宿の手配も秘書がすべてやってくれます。小売業の顧客は、デジタルで当たり前にやっていることを日本の経営者は秘書がすべてやってくれるので、経営者の感覚がアナログ時代で止まっていて、デジタルへの感度が高まらないのです。

かつての創業者が米国の小売業を見て、何が何でもこれを日本に持ってきたいと情熱を注いだように、現在の経営者・幹部もデジタルの世界を見に行って、何が何でもデジタル時代の小売を日本に広げたいという強い情熱がないと、会社をつくり変えることはできないと思います。

経営トップがデジタルを知り、直下でDXを推進するべき

—デジタルに強い経営者が実行していることや特徴はありますか?

植野 日本ですごく頑張られているのはカインズです。2020年の中期経営計画で3年で150億円のデジタル投資をすると発表しています。また、トップの土屋会長自らが、デジタル企業やスタートアップ経営者にフットワーク軽く直接会いに行かれています。土屋会長がデジタルに投資しようと決めたのは、AWS(AmazonWebServices,Inc)のイベントに参加されて、デジタルの世界の進化を肌で感じたからだったそうです。経営トップ自らがデジタルのスタートアップ経営者に会って話を聞くとか、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)の描く未来を自ら見に行くとか、デジタルへの臨場感を高め、経営トップはデジタルへの情熱を抱いて欲しいです。

藤田 たしかに、経営トップが自分でデジタルをどんどん使って、デジタルに対する理解を深めていくことがまず重要になりますね。

—経営トップの経営判断をサポートする社内のDXチームや組織はどのようにつくっていけばよいのでしょうか?

植野 経営トップ直下の組織にして、経営トップがデジタルにかかる重要な意思決定を迅速に進めていける組織づくりが大切です。

一方、DXの主導を本社の外の組織でやる手も有効です。ウォルマートは2016年に、EC企業の「Jet.com」を33億ドル(約3,700億円)で買収して、外側の別会社を起点にDXを推進しました。ウォルマートの本社はアーカンソー州のベントンビルですが、DXの推進拠点はシリコンバレーなのです。

巨大なDX投資を続けるウォルマートのカーブサイドピックアップ(参考写真)

シリコンバレーにデジタル人材を集め、Jet.comのトップをデジタル部門のDXの責任者(CDO)にしました。

反対に、DX推進室のような「箱」を経営企画部の中や、IT本部、新規事業開拓部門の中に入れるような貧弱な取り組みでは、経営トップと一緒になって、全社を横断的に変革していくことは不可能です。DXとは企業変革ですから、会社を壊してつくりかえることです。会社の中期経営計画などよりもはるかに上位概念なのに、離れ小島みたいな部署でやって成果が出るわけがありません。十分な人材獲得や投資もしないで、経営者がDXを叫んでも、離れ小島のDX推進室は、安いツールを入れて、紙がこれだけ減りました、伝票が何枚減りました、シフト作成コストが減りました、程度の取り組みで終わってしまうのです。

横並びの組織の弊害がDXを停滞させる

藤田 植野さんがおっしゃったことは、DXの典型的な落とし穴だと思います。DXを進めるということは、これまでの社内の仕事の進め方を大きく変える、ルールを変えることなのです。

また、小売業でよくあるのはDX推進室と商品部が対立することです。たとえば、ECをやるなら、店頭と価格を合わせてもらわないと困るとか、店舗と売上を食い合うからダメだとか商品部と対立するケースは多いですね。EC売上をネットと店舗のどちらに割り当てるかでもめるとか「DXあるある」ですね。

また、DXを進めていく過程でワントゥーワンマーケティングになり、デジタルではパーソナルなクーポンを出していこうという話になると、これまでは販促の施策に関しては商品部や販促部の管轄だったものが、DX推進室で全体最適を図ることになり、どちらが主導権を握るんだという軋轢もよくありますね。

横並びの組織の弊害は、DX推進の大きな障害になります。主導権争いの結果、話し合って妥協して、とりあえず数店舗のPoC(ProofofConcept/概念検証)程度の小さな挑戦で終わってしまうことが多いです。数店舗のPoCの検証を大きく展開すればいいのだけど、横並びの組織では結局決める人がいないのです。

植野 たとえば長年ポイントカードに注力していた小売業があるとします。ポイントカードこそが強みだったわけですが、デジタルシフトして、アプリ会員を募集するよう変わろうとします。そこでは、従来の仕事のやり方をなかなか変えたくない現場とぶつかるわけです。ここで、いくらアプリ部門の担当とポイントの担当が話し合っても議論は平行線か、痛み分けの妥協案にしかなりません。「これからはデジタルだ。ポイントカードの取り組みはストップして、アプリを優先して進めよ!」と言えるのは経営トップしかいないわけです。

経営トップが決断しないと、縦割りの各部門同士でいがみ合ってデジタルの施策が少しも前に進まず、気が付くと1年経過していたということもよくあることです。

藤田 おっしゃるとおりですね。これからDXを推進していく過程で、そういう問題がいろいろな企業で起こっていくと思います。

PoCは経営判断の手段 実験できる組織が強い

植野 DXで重要なのが、実験検証する力です。つまり、小さなPoCを高速で推進することです。先ほどのポイントカードの例を使うと、たとえば何店舗かでポイントカードをすべてやめて、アプリに集中したら、どういう効果や課題があったのかを素早く、しかも精度高く検証するPoCを素早く進めることが重要です。

残念ながら、デジタルのPoCが得意な小売企業は多くない印象です。実験用の店舗選定ができないとか、実験のためのオペレーションの変更を柔軟にできないとか、小さな実験でも色々な抵抗に合います。

藤田 デジタルの世界ではPoCという言葉がこの数年注目されるようになりましたが、気をつけなければならないことはPoCのためのPoCに陥らないことです。

[図表4]DX推進を成功させるための組織論

植野 デジタルをやっているふりをするために、PoCだけにせっせと取り組んでいる会社も、残念ながら散見されますね。本来、なぜPoCをやるかというと、リスクも含む重要な経営案件について小さな実験を行い、精度の高い情報を集めて分析検証し、経営者にレポートして適切な経営判断をしてもらうためです。

実際、大きな経営判断のためのPoCは3フェーズくらいに分けて、たとえば、まず1店舗で検証して次に10店舗に広げて、その次は違うフォーマットの店舗も加えて実験します。実験検証を通じて十分な情報が集まった段階で経営者に経営判断してもらうのがPoCを行う目的です。

しかし、予算も権限もない部署がとりあえずできることはPoCだといって、何の経営判断にもつながらないPoCに取り組んでいるケースもあります。デジタルのプロジェクトに取り組んでいるという社内アピールに、お金もたいしてかからないPoCは、好都合ですから。

藤田 植野さんがPoCを設計する上でのチェックポイントのようなものがあれば教えてください。

植野 正しい経営判断するための与件の設定と、どのように効果的に検証を行うかという実験方法の設計の2つが欠かせません。経営の視座と科学的な手腕が求められます。

このような適切な経営目線での実験設計ができないと、大変な労力を使って検証しても、経営判断につながらない要素を検証してしまったり、そもそも実験のやり方として信頼できるデータが集まらなかったり、といった結果で終わってしまいます。「とりあえず実験はやったが、結果がよくわからない」というPoCを、よく目にします。

社内だけではなくて、DXパートナーとも組んで、PoCの目的に応じて、どれぐらいの精度で、何に留意して取り組めば妥当な検証になり得るか、この実験ノウハウをいかに組織として貯めていけるかが重要ですね。

強みを理解し、領域ごとに最適なパートナーを選ぶ

藤田 DXは、「外部パートナー」と組むことでノウハウ蓄積の時間をショートカットできる効果があると思います。経験の少ない小売業からすれば、どのようなパートナーを選べばいいのかわからないという声もよく聞きます。外部パートナー選びのポイントを教えてください。

植野 まずはデジタルに関するリソースを獲得するためには、第1は内部の社員をリスキリング(能力の再開発)して教育すること、第2は外部からデジタル人材を取りまくること、第3は強力な外部パートナーと組むこと、この3つのやり方があります。

忘れてならないのは、この3つはどれかを選ぶのではなくて、すべてに徹底的に取り組むべきです。

3つ目の外部パートナー選びに関して理解しておきたい大前提は、1社でデジタルの全領域をこなせるパートナーはいないということです。外部パートナーには、当然、得意不得意があるので、それを間違えないように適材適所で選んでいるかがポイントになります。生々しい具体例としては、「タダでもいいからとにかくツールを導入してください」、「うちはデジタルなら何でもできます」という提案をしてくる会社には要注意ですね。

ではどうやって得意領域を見極めるかというと、その前に自分達が何をやりたいかを明確にすることが先決です。その上で、トライアルで何社かを起用して比較評価することも、授業料はかかりますが、その分各社の力量が知見として貯まるので有効です。

私が手掛けた「ファミペイ」も、ファミマ内にデジタルの専門性を持った人材は不足していました。領域ごとにベストのパートナーをしっかり探して、複数社に携わっていただいて、成功に導くことができました。ファミペイの経験で実感したのが、優秀なデジタルのパートナーに巡り合うと、その周辺に同じように優秀な人が集まっているということです。いかに力のあるデジタルパートナーのネットワークにつながることができるかがとても重要だと思います。

藤田 DX部門に予算が少ないから、「タダでDXを導入しますよ」という企業も沢山います。しかし、タダで手伝ってもらう代わりに、さまざまな情報、店の売上、会員情報などを取られてしまっているという場合もあります。タダで導入できる業者に流れてしまう背景は、DX部門の予算が少なくて、経営トップとの距離が遠いことが最大の原因です。

植野 まさに当たり前ですが、タダより高いものはないと思います。しかし、残念ながら経営者がITデジタルはコストだという発想だと、そういう提案に飛びつきやすいですね。このようなITデジタル=コストという発想は、小売業に関わらず日本企業の根深い病だと思います。

デジタル人材の人事制度は根本から変えるべき

—DX推進のための組織づくりの重要性はよく理解できましたが、デジタル人材の「人事・評価」の仕組みはどう考えればいいのですか?

植野 DXに取り組む際には、特に中途採用を進めるデジタル人材の人事評価制度をどうするかがとても重要な経営課題になります。

これまでのリアル小売業の人事評価のままでは、デジタル人材は採用できません。デジタル人材は企業間で採り合い、奪い合いの世界ですから、年収水準も驚くほど高額です。

まして、「まず1ヵ月は店舗研修です」、「毎朝、朝礼があります。企業理念を唱和します」と言った瞬間に、小売文化では当たり前のことでも、エンジニアを含むデジタル人材は逃げ出してしまいます。一方、結果的に厚遇しなてくはならないデジタル人材と、これまで屋台骨を支えてくれた社員との不公平感が出る恐れもあります。

藤田 デジタル人材の採用や、働きやすい環境構築のために、DX部門だけ子会社や別組織として切り出していくという考え方もありますよね。カインズも、埼玉県の本庄早稲田の本社内ではなくて、東京の表参道にデジタル人材専用のラボ(オフィス)をつくりましたね。

植野 既存のリアル小売組織ではなく、新たなデジタル組織をつくるんだという力強いメッセージはデジタル人材には刺さるはずです。

日本の小売企業の人事部は、ジョブローテーションや評価の横並び、ベースアップを重視しがちですが、もっと弾力的な人事制度をつくることもDX推進のための大きな経営課題ですね。

最近のトレンドとして、内部だけではデジタル時代の人事制度や組織文化をつくれないため、外部パートナーとJV(ジョイント・ベンチャー)のような形で別会社化してデジタルカンパニーをつくっていくことも増えつつあります。

そのような意味でも、どのデジタルパートナーと組むかは、今後の小売企業のDXの成否を分けてしまうぐらい、さらに重要になってきています。

 

〈取材協力〉

DX JAPAN
代表取締役
植野 大輔氏
サイバーエージェント
Al事業本部DX本部統括 経営戦略部長
藤田 和司氏