逆L字・T字・I字型、それぞれのメリットデメリット

覚えておきたい!3種の売場レイアウト

自分が働く店、あるいは競合の店舗、もしくは取引先の店…どのような店舗でも、それを言い表すためには言葉が必要です。ストアコンパリゾンをする場合も、売場や商品を評価する前に、まず店舗の内部がどのような構成になっているのかを言葉で表現できるようにしておきたいもの。本稿では、店舗を表現する言葉の最も基礎となる「店内レイアウト」について解説します。

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主通路を明確にすることが売上増につながる

売上は、以下の図のように分類できる。

売上を向上させるためには、お客1人当りの買上点数を増やすことが大切だ。そこで重要となるのが、売場のゾーニング計画と、レイアウト計画である。買上点数はお客の歩行距離に比例する。つまり回遊計画の基本は、お客の動線をできる限り長く設定することである。

そのために重要なことは主通路を明確にすることである。
主通路とは、お客の70%以上が自然に歩く通路のことである。

売場全体を回遊させる逆L字型

主通路設定の基本となるのが、入り口から売場の奥までまっすぐ進み、直角に曲がっていく「逆L字型」だ。


部門を横断して、売場全体を回遊させ、結果として買上点数を増やすことにつながる。

専門性を強化させるT字型レイアウト

一方、買上点数を増やすよりも、「目的の売場に行きやすい」「部門をコーナー化することで、専門性を強化したい」という場合、「T字型の主通路動線」にする場合がある。


メリットは、それぞれの部門の境界が明確になり、部門ごとの専門性を出しやすいという点である。一方、売場の一番奥の左右の通路の通過率は極端に下がるので、売場の中に死角が生まれる。また、出入り口を入ってまっすぐの主通路に島陳列を配置すると、定番とプロモーションが連動しにくいという欠点もある。

アメリカのバラエティストアが採用するI字型

「I字型の主通路動線」も専門性を強化したい場合に有効だ。


T字型と同じく部門の境界が明確になる。買上点数よりも、来店頻度を優先し、目的の売場への行きやすさを優先するアメリカのバラエティストアのような業態では、I字型の主通路動線を選択している。

I字型の場合、のA、Bのような売場の奥にPI値(買上率)が高い食品や消耗品をゾーニングすることで、売場奥の通過率を向上させることができる。

また主通路の突き当たりとなるE地点(第2マグネット)には、おもわず奥まで行きたくなるような刺激を設定することが重要だろう。

一方、C地点、D地点の縦方向の通路が死角になりやすいので、どんな商品を配置するかが、回遊性向上のポイントになる。

(参考:月刊マーチャンダイジング2021年7月号)