今週の視点

PI値って知っていますか?

第106回PI値100超えの核商品を増やし狭小商圏高シェアを目指そう

これからのリアル店舗は、商圏人口7,000人~5,000人の狭小商圏時代に突入しようとしています。当たり前ですが、少ない商圏人口でも商売を成立させるためには、商圏内に住む多くの顧客が購入する「核商品」を意図的に増やす必要があります。核商品の目安である「PI値」とは何か? を解説します。

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写真はPI値100の核商品として育成中の「コロッケ」

PI値100超えが核商品の目安

PI値とは、Purchase Index(パーチェイス・インデックス)の略です。レジ通過客数1,000人当たりの販売数量を表す数値です。「数量PI」の公式は、「一定期間の販売数量÷同一期間の店全体の客数×1,000」で計算します。

一般的にPI値100の売れ筋商品を、わが社の核商品として意識的に育成することが、狭小商圏立地で客数を増やすための肝になります。PI値100とは、レジ通過客数1,000人当たり100個売れる商品(群)のことです。つまり、およそ10人に一人が必ず購入する商品(群)のことです。PI値100の核商品が増えれば、狭小商圏に住む固定客の「来店頻度」と「買上点数」が増加し、少ない商圏人口でも客数と売上高が増加します。

売場では、PI値100超えを目指す核商品の陳列量を維持し、売場で目立たせ、欠品させないことが重要です。育成商品のPI値の推移を管理し、商品部と店舗運営部で連携しながら、計画的に核商品として育成する努力が重要です。

PI値の高い商品は第1磁石(主通路)に陳列

PI値の高い部門のことを主力部門、PI値の高い商品群のことを主力カテゴリー、PI値の高い商品のことを主力商品と言います。PI値の高い主力部門、主力カテゴリー、主力商品は「主通路(第1磁石)沿い」に陳列することが、売場レイアウトの原則です。

売場レイアウトの配置の原則は、下記の図のようにPI値の高い主力商品(部門、商品群)を主通路沿いの「外側」に配置し、PI値の低い補助商品(部門、商品群)を内側に配置することが原則です。つまり、主力外側、補助内側が基本になります。

著者プロフィール

日野眞克
日野眞克ヒノマサカツ

株式会社ニュー・フォーマット研究所代表取締役社長。月刊『マーチャンダイジング』主幹を務める。株式会社商業界の「月刊販売革新」編集記者を経て、1997年に独立し、株式会社ニュー・フォーマット研究所を設立。