基礎からわかる!「商品構成グラフ」のつくり方・読み方・使い方

商品構成グラフは売場の設計図の根幹であり、店舗(自店・競合)分析のもっとも基本的な手法でもある。何十年間も使われ続け、現代においても売場を可視化するための重要な技術だ。本特集では、基本に立ち返り「なぜ商品構成グラフをつくるのか」「どのように活用すべきか」を具体例や実践例を交えて紹介する。

どうつくるのか?

商品構成グラフは、一般的には、店内の商品構成(棚割)をヒストグラム形式で表したものである。商品分類(カテゴリー・サブカテゴリー)ごと、商品ごとなど、特定の切り口で集計を行い、縦軸に陳列量またはフェース数、横軸に価格を取ってヒストグラム化する。

実務上は、売場でフェース数をカウントし、エクセルを用いて作成することになるだろう。さらなる工数の削減を考えるとBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどの活用も視野に入る。一部の棚割ソフトには、棚割図から自動で商品構成グラフを作成する機能も搭載されている。なにより時間が割かれるのが、店頭のフェース数と価格の記録・集計であるため、ここをいかに効率化するかが、実務上非常に重要になってくる。

本記事では、文末から編集部が記事制作時に使用している商品構成グラフのテンプレートをダウンロードできるようにした。ぜひダウンロードの上活用いただければ幸いである。

なぜつくるのか?

商品構成グラフは、ある企業が特定のカテゴリーで、どの価格帯の商品をどう販売しようとしているのかという、商品政策を視覚的に表す。商品構成グラフの利用方法としては、以下の2種類が考えられる。

(1)小売業商品部が商品政策を決定し、店頭で維持する
(2)自社の店舗・競合企業の売場を分析し、理解する

前者の「商品政策決定・維持するための道具」として商品構成グラフを利用する場合、商品部の定番を担当するバイヤー(ステープルバイヤー)が、カテゴリー単位でこの商品構成グラフの形を決定し、維持・管理をするとされる。売場の「設計図」としての利用の仕方といえよう。

一方、現場の従業員が自店舗や競合他社を理解するためにも、商品構成グラフは便利な道具だ。棚割から価格帯ごとのフェース数を集計し、商品構成グラフをつくることは、商品政策の理解を促す。記録したものを年単位などの時系列で見ることで、自社や競合他社の商品政策の移り変わりも把握できるはずだ。

商品構成に関わる3つの用語を理解する

商品構成(グラフ)をより深く理解するために、「プライスレンジ」「プライスライン」「プライスポイント」という表現を覚えておこう。

■プライスレンジ

「プライスレンジ」とは、品種、カテゴリーごとの売価の上限と下限の幅のことである。

たとえば、ある店舗において、シャンプーカテゴリーの商品の最安値が300円、最高値が980円の店舗であれば「この店舗のシャンプーカテゴリーのプライスレンジは300円から980円」といえる。また、別店舗で同カテゴリーの最安値がPB(プライベートブランド)の198円シャンプー、最高値が美容室向け3,500円のシャンプーだとすると、「この店舗のシャンプーカテゴリーのプライスレンジは198円から3,500円である」といえる。

一般的に、このプライスレンジは狭い方がよいとされている。「シャンプーの価格の下限が98円、上限が5,000円」というように、プライスレンジが広すぎる店では、お客が手に取った商品が想像より高かったということが起きかねない。これでは、お客は安心して買物ができないだろう。プライスレンジは狭い方が、お客は安心して買物ができるとされている。

また、プライスレンジの広い店は、商品点数が多くても品揃えの豊富感はない。同じ品種であっても100円の商品と1万円の商品とでは購買動機がまったく異なる。

100円のシャンプーが欲しいお客は、「とにかく髪の毛が洗えればいい」とおもっているだろうし、1万円のシャンプーが欲しいお客は、「シャンプーで頭皮に関わる悩みを解決したい。さらにリラックスしたい」などの動機を持っているだろう。「とにかく髪の毛が洗えればいい」とおもっているお客は、1万円のシャンプーを比較の対象にするはずがない。

むしろ、低価格帯にさまざまなシャンプーが品揃えされていた方が喜ばれる。狭いプライスレンジでいかに商品の選択肢を増やすかが、店舗の価格イメージの統一と、品揃えの豊富感を生み出すためには重要ということだ。

■プライスライン

「プライスライン」とは、売価の種類のことである。

たとえば、ある店舗の牛乳売場に、158円、189円、258円、300円の商品が販売されていたとする。この場合、「この店舗の牛乳カテゴリーのプライスラインは4」ということになる。

プライスラインは少なければ少ないほど、お客は商品を選びやすく、買物がしやすい。

たとえば、チョコレート売場で似たような商品が「97円と98円と99円」で販売されていたとしよう。お客はその1円の差の理由に頭を悩ませることになるはずだ。ここはすべて98円と統一した方が、買物がしやすい店だと認識してもらえる。

■プライスポイント

最後に、「プライスポイント」は、あるカテゴリーや商品群の中で、もっとも陳列量が多い売価のことを指す。

ある店舗の食パン売場で、8枚切りの食パンを、89円で5フェース、118円で8フェース、150円で4フェース、200円で1フェース扱っていたとしよう。

この場合のプライスポイントは、118円となる。

同じ商品を同じ価格帯で品揃えしていても、プライスポイントをどこに設定するかによって、割安感があるか、割高感があるかは異なってくる。

プライスポイントの陳列量はなるべく多く、ほかの価格帯の陳列量との差は明確であるべきだ。売れ筋の陳列量が大胆に多ければ、お客の「売れ筋発見率」も高くなる。

また、プライスポイントを構成する商品は、売れ筋であることが多く、これを維持するためには、商品部が売れ筋の商品を追加補充し続ける必要がある。

さらに、プライスポイントは、1品目だけで構成されるのではなく、ここにさまざまな品目の商品を集中させるものとされている。それにより、お客が楽しい選択ができるということになる。

商品構成グラフがお客に与える価格のイメージとは

上の図表は、商品構成グラフの大まかな類型と、それぞれがお客に与える価格イメージの違いである。単純に、グラフの左側の陳列量が多ければ多いほど、お客はその店舗に安価な商品が多いイメージを持つ。ただし、先に述べたように1品目が多ければ多いほどよいというわけではなく、プライスポイントに多種類の品目を置くことで選んで買う楽しさを提供すべきだ。

下の図表は、品揃えの原則を商品構成グラフに当てはめたものだ。

できる限り、プライスポイントは左側に動かしていくべきで、そのために商品開発を行わなければならない。

また、プライスレンジの右側、高価格帯のものは、戦略的に減らしていくことで、お客が選びやすい店を目指せるだろう。

ダウンロードはこちらから

編集部では、商品構成グラフ作成に便利なエクセルテンプレートをご用意しました!
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※編集部では利用に関するお問い合わせには対応いたしかねますのでご了承ください。
※本テンプレート利用に起因する損害につき当社は一切の責任を負いません。
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ウエルシア・ツルハのトップ2は売上8,000億突破![ドラッグストア決算2020まとめ]

月刊マーチャンダイジングでは、毎年10月号で上場ドラッグストア企業の決算を特集しています。今回は2020年の売上高ランキングと、2021年の予想売上高ランキングを読み解きます。

アゲインストとフォロー両方の風が吹き荒れた

ドラッグストア(DgS)業界の2019年度は以下のようなアゲインストとフォローの風が吹き荒れた年になりました。

・消費増税(2019年10月)
・診療報酬の改定(2019年10月)
・新型コロナウイルス感染症拡大の影響(2020年2月以降)
①インバウンド需要の激減
②外出自粛による化粧品・季節品の不振
③感染予防関連商品・食品の需要拡大

そうしたなかで売上高ランキングを見ると、売上高を伸ばした企業が多く、上場14社すべてが増収増益という結果となりました。

売上高が伸長した企業に共通するのは以下のような点です。

①積極的な出店
②調剤部門の伸張
③食品強化

(図表参照、クリックで拡大)

2019年決算では売上高7,000億円企業が2社誕生。ツルハHDがウエルシアHDを抜いて首位に立ったことが、大きなエポックとして取り上げられました。

2020年は、ツルハHD、ウエルシアHD両社の売上高が8,000億円を超え、ウエルシアHDが、売上高で11.4%増の8,682億円とトップに返り咲きました。

ウエルシアHDの売上増は、調剤併設店舗数の増加によるところが大きいようです。調剤併設店舗は前年から155店舗強増え、調剤部門の売上高も19.8%増となりました。また、2018年12月に子会社化した岡山県の化粧品専門店MASAYAの売上が通年で寄与したこと、2019年6月に岡山県のドラッグストア金光薬品を子会社化したことも売上を押し上げる要因となりました。

2位となったツルハHDも8.5%増の8,410億円と業績は好調です。ほぼ計画通りの129店舗を新規に出店し、63店舗の閉店で国内店舗数が2,150店舗となったこと、既存店売上高も通期で4.2%増となったことが業績を支えています。

5月以降決算は好調な業績続く

ツルハHD同様、5月以降に決算期を迎えたDgSは、2月以降の新型コロナによる需要増が影響し、売上を伸ばしたところが多くみられました。

売上高で3位のコスモス薬品は、12.0%増の6,844億円と、4位以下を引き離しにかかっています。

9位のクリエイトSD HDは11.6%増の3,195億円、10位のクスリのアオキHDが19.6%増の3,001億円と、両社の売上高は3,000億円を超えました

Genky DrugStoresは、19.0%増と20%増に迫る勢いで、前期から約200億円伸ばして1,236億円となっています。

全体では6位のスギHDも、11.0%増と2桁以上の伸びとなり、5,419億円と5,000億円の大台に乗せました。特に売上高構成比で88.5%のスギ薬局事業の既存店売上高が通期で5.9%増、全店で13.8%増の4,794億円と売上を伸ばしたことが影響しています。

なお17位の薬王堂HD(2月期)の決算は、前期から連結決算となったため増減比は前年の単独決算との単純比較ですが、11.1%増の1,020億円と1,000億円を突破しました。

苦戦する都心部立地のDgS

業界全体では好調に見えるDgS業界だが、全体から見て伸び悩んだ企業もあります。

売上高ランキングで4位のサンドラッグの伸び率は5.1%増。5位のマツモトキヨシHDは2.5%増。7位のココカラファインは0.8%増。ひとつランクを落として11位となったカワチ薬品は1.7%増。同様にランクを落として14位となったキリン堂HDは2.8%増。18位のサツドラHDは5.5%増でした。

要因は各社それぞれですが、3月決算のサンドラッグ、マツモトキヨシHD、ココカラファインなどは、都心部立地の店舗が多いために、2月以降の新型コロナによるインバウンド需要の激減と、外出自粛による化粧品・季節商品が伸び悩んだことも影響しているようです。3社とも3月の既存店売上高はマイナスで、とくにマツモトキヨシHDは10.6%減と2桁のマイナスでした。

2020年度、ウエルシアとツルハ9,000億円突破確実

上場DgSの2021年度の売上高予想では、各社とも新型コロナによる影響を見極めることが困難として、控えめな発表が多くみられました。

そのなかで公表している限り、ウエルシアHDが9,350億円と9,000億円を突破。ツルハHDが続いて8,600億円としています。

ただしツルハHDは通期予想に、2020年5月に子会社化したJR九州ドラッグイレブンの売上を含んでいません。JR九州の決算によるとJR九州ドラッグイレブンの2020年2月期の売上高は約522億円としており、単純に合計するとツルハHDの売上高予想は9,122億円。ウエルシアHDに並んで9,000億円台となることは確実です。両社の差は200億円強で、新型コロナや今後のM&Aの影響を考えると誤差の範囲といえます。業界をリードする2社の動きに注目したいところです。

なお、新型コロナによる影響がしばらく続くと推定したうえで、コスモス薬品は7,000億円台に、スギHDは6,000億円台の売上を見込んでいます。

マツキヨ、ココカラはマイナス予想

一方、マツモトキヨシHD、ココカラファイン、サツドラHDなどは、2019年度の業績の伸びが小幅だっただけでなく、2020年度はマイナス成長としました。

新型コロナにより業界全体にフォローの風が吹くなかで、外出自粛による影響で客足が伸び悩んでいることや、化粧品の売上が伸び悩んだことが影響しています。

さらに、インバウンド需要がほとんどゼロに近くなり、インバウンド需要を見込んで出店した店舗は売上を大きく落としています。

特に2021年10月に経営統合を発表しているマツモトキヨシHDとココカラファインに関しては、3月から直近の6月まで連続して既存店売上高がマイナスを続けています。マツモトキヨシHDは、2020年度売上高ランキングでもスギHDに抜かれて6位となりそうです。

業績の落ち込みが、今後の経営統合に向けたロードマップにどのように影響するのかが注目されます。

今後は他業態を巻き込んだ再編も

現在、DgS業界を牽引するのがウエルシアHDとツルハHDの2社です。両社ともイオンのハピコムグループに属しますが、それぞれ傘下に企業を持ち、2つのグループを形成していると言ってもよいでしょう。

その中に割って入る、2021年10月に経営絵統合するマツモトキヨシHDとココカラファイン。数年後には1兆円規模のDgSが3つ誕生しそうです。そして、この経営統合を契機に、大型再編が進むと予想する業界関係者は少なくありません。

再編には、DgSや薬局だけでなく、食品スーパーマーケットと提携したり、傘下に収める動きも出てきました。

主な動きだけでも、サツドラHDと生協のコープさっぽろが、2019年12月に包括業務提携を契約。クリエイトSDHDは2020年2月、子会社のクリエイトエス・ディーが食品スーパーマーケット「ゆりストア」を運営する百合ヶ丘産業を買収しました。

ウエルシアHDは、同じくイオングループの食品スーパーマーケット、ユナイテッド・スーパーマーケット・HD(U.S.H.D)と今年3月に業務提携。ヘルスケア、ビューティケア、家庭消耗品等の商品の共同調達などに取り組むことで合意しています。

クスリのアオキHDも食品スーパーマーケットのナルックス(石川県)を2020年6月に子会社化して、大型店にナルックスの強みである鮮魚部門をテナントとして入居させる予定です。

業界再編は今後、食品スーパーマーケットなどの他業態を巻き込みながら進んでいきそうです。

2020年決算、DgS企業30・ファーマシー企業15の売上高ランキングPDFプレゼント!

編集部では、2020年決算におけるDgS企業30社、ファーマシー企業15社(未上場企業含む)の売上高と店舗数をまとめた資料をご用意しました。

以下のお申込みフォームからお申込みください。メールにてダウンロードURLをお伝えします。

お申込みいただくと、弊社プライバシーポリシーに同意いただいたことになります。

無人決済システム導入!KINOKUNIYA Sutto目白駅店

2020年9月にオープンした、無人決済システムが導入された「KINOKUNIYA Sutto目白駅店」。商品購入の一連の流れを動画でレポートします。

動画はこちらから↓

詳しくは、MD NEXTと、月刊マーチャンダイジング2021年1月号に掲載予定です!

メーカー向け無料オンラインセミナー「トレードマーケテイング強化戦略」参加者募集中

2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、流通小売業は大きな変化に直面せざるを得ない年でした。メーカー各社も、生活者、流通小売業の変化に合わせ、変化していく必要があります。今回のセミナーでは、メーカーのトレードマーケティング機能強化による競合優位性の獲得について解説するとともに、店頭接客強化の切り札となる最新ツール「スマートカウンセリング」の事例を紹介、成長を続けるドラッグストア業界の成長史を紹介します。

タイムテーブル

14:00~14:40 「店頭」と「営業」を強くする
メーカーのトレードマーケテイング強化戦略

ニュー・フォーマット研究所副社長 村瀬一弘
14:40~14:55 RaaS(Retail as a Service)の果たす役割
株式会社COUNTERWORKS
執行役員 Brand Director 北郷裕樹
14:55~15:10 店頭「接客」強化の切り札
「スマートカウンセリング」の事例研究
リテールマーケティングワン 代表取締役社長  渡會公士
15:15~16:10 1,000店超えチェーンが9社
2,000店超えチェーンが2社も登場
ドラッグストアの成長史と業態戦略
ニュー・フォーマット研究所代表取締役 日野眞克

実施概要

参加費 無料
開催日程 2020年12月9日(水)14:00〜16:10
定員 100名
注意事項 ・メーカー様対象のセミナーです。広告代理店等、PR会社、同業他社様のご参加はご遠慮いただいております。予めご了承ください。
・学生、個人の方のご参加は、ご遠慮くださいますようお願い致します。
・定員を超えた場合は抽選とさせていただきます。
・セミナー内容は予告なく変更する場合がございます。ご了承ください。
・お申込みフォームからお申込みいただいた時点で、弊社プライバシーポリシーに同意いただいたことになる旨ご了解ください。
主催 株式会社ニュー・フォーマット研究所
協賛 株式会社バックスグループ

 

 

お申込み受付は終了しました。

メーカー営業が競合優位に立つ最終解はトレードマーケティング強化だ

国内メーカーが今後どう生き残りを果たすかについては、これまでも度々議論がされてきました。さらに昨今ではコロナ禍によって競争環境が激的に変化し、競合優位に立つためにどのような施策を打つべきなのか各社意見を戦わせているのではないでしょうか?本稿では、外資日用品メーカーで大幅なシェア獲得に成功した実績を持つ筆者が、トレードマーケティング機能強化による競合優位性の獲得について解説します。(談:ニュー・フォーマット研究所 副社長 村瀬一弘/まとめ:編集部)

日用品メーカーが置かれている状況

以下にメーカーが今置かれている状況について、筆者の観点から5つのポイントをまとめました。

1.度重なる流通構造の大きな変化にさらされ、小売業とのパワーゲームに疲弊している

小売業は統合され、上位集中化が進んでいます。また、卸売業も同様に巨大化しています。メーカーの小売業に対する販売促進費は増加する一方で、価格競争は泥沼化するばかりです。終わりの無いのないパワーゲームから抜け出せないメーカーが多い状況といえます。

2.プライベートブランド(PB)、ストアブランド(SB)の成長にNBは存在意義を問われている

大手小売業各社は、他チェーンと差別化をはかるため、PBやSBの導入に積極的です。NBよりも自社のPB、SBを優先的に販売している企業も増えてきました。そのような小売業に対し、どう存在感を出していくのか、メーカー各社は手探りで解を探しています。

3.ITの進展に伴う買物行動の変化に必死で対応している

スマートフォンの普及などによって、お客様の買物行動は変化しています。それに伴い小売業もオムニチャネル戦略に舵を切りつつありますが、それに対応できているメーカーはそう多くはありません。

4.消費者心理の大きな変化によって求められる新しい「値付け」のルールを模索している

世帯収入の伸びは鈍化し、消費支出も減少しています。さらに、昨今のコロナ禍による先行き不安感は、デフレ傾向に拍車をかけています。これまでの「値ごろ感」は変化しており、販売促進のあるべき姿も変わろうとしています。

5.コロナ禍によって小売業商品部との商談機会が減り、提案力が試されている

コロナが小売業との商談にもたらしたもっとも大きな変化は、対面のコミュニケーションそのものの機会が激減したという点でしょう。オンライン商談は一般化し、情に訴えかけるだけの営業は小売業商品部への訪問さえ難しくなっています。営業は提案力が試されています。

メーカーの営業はこの変化にどう対応していくべきなのか?

では今後メーカーの営業はどうしていくべきなのでしょうか?

1.部署の壁をこえ、サプライチェーン全体の無駄をなくしていく

これまでのメーカーの営業は、小売業の商品部(と一部店舗運営部)とは積極的にコンタクトを取ってきていました。しかし一方で社内のブランドマーケティング部門とはコミュニケーションが薄く、組織間の壁は否定できませんでした。しかしながら、どれだけ市場にニーズがあるのかを把握する「需要管理」と、在庫状況の変化から不足数量を予測し、工場へ生産を依頼をする「供給管理」なしには、サプライチェーンの無駄を省くことはできません。サプライチェーンの効率化を図るためにも、需要の起点を生み出す鍵を握るブランドマーケティング部門と営業の連動は必須といえます。

2.小売業の変化を予測して、事前に対応をする

小売業がどう変化していくかを予測し、事前に対応していくこともこれからメーカーの勝敗を分かつでしょう。今後さらに小売業のM&Aや提携が進めば、取引制度、販促金の整合性が求められることになるからです。

ドラッグストアA社とB社が業務提携によりおなじ「Cグループ」になったとします。提携前にあるメーカーX社の商品が、A社には95円で、B社には100円で納品されていた場合、X社は提携後のCグループ全体に安い方の95円で納品しなければならなくなります。「安かったA社は店頭露出を多くしていた」とか、「店頭の陳列を早くしてくれた」のように、何か整合性のある理由でもない限り、この要求は避けることができません。すべての取引情報をオープンにする必要はないのですが、整合性のある販促金マネジメントが必要になってきます。

また、小売業とメーカーの共通のトピックである「売場」と「ショッパー(お客様)」を起点とした営業スタイルを強化してくことにより、小売業との取り組みの質も高めていく必要があるでしょう。

3・競合優位に向けた変革のシナリオをつくり、実践する

最後は競合優位に向けた変革のシナリオを作り実践していくことです。自社にどのような強みと弱みがあるのか、メーカー各社は把握しているようで把握できていません。きちんと調査などを行い、自社の強み、弱みを明らかにしたうえで、変革のシナリオを描き、実践していくべきでしょう。

これら3つのポイントを実現するのに役立つ手法が「トレードマーケティング」の導入です。

トレードマーケティングとは何か

メーカーによる、小売業を「顧客」ととらえたマーケティング活動のことを、トレードマーケティングと呼びます。

かつてのマーケティング手法といえば「ブランドマーケティング」であり、そのターゲットは消費者でした。消費者の心をつかむような価値を生み出すために、一貫したブランディングを行うのが「ブランドマーケティング」の役割でした。

しかし1980年代以降の過当競争の中、まず店頭に商品が並ぶことが重要という考えから、メーカーは小売業を単に流通経路のひとつとして見るのではなく、顧客ととらえてきちんとマーケティングを行うようになりました。そこで登場したのが「トレードマーケティング」という概念です。

トレードマーケティングの機能は以下の3つを挙げることができます。

①サプライチェーンの効率化(一連の流通プロセスを効率化する)
②ショッパーリサーチ(顧客の購買行動を調査)
③マイクロマーケティング(商圏の特性や顧客の年齢層など、市場を細分化して分析)

トレードマーケティングの業務を大まかにわけると以下の7つになります。

①販促金管理
②キーアカウントプランの管理
③エリア管理
④需要管理(含むショッパー理解)
⑤供給管理
⑥オムニチャネル対応
⑦ECサイト管理

トレードマーケティングと営業企画の違い

トレードマーケティングと営業企画の大きな違いは、営業企画の業務の中心が営業予算の管理であるのに対し、営業予算の管理に加え、店頭・ショッパーに使用するブランドマーケティング予算を含めた、小売業・卸売業向けすべての予算権限を持ち、前述した機能を体系的に、継続的に実践するという点です。

加えて、ブランドプランに関わり、ブランドマーケティングと対等の力を持ちます。

なお、欧米の先進的メーカーでは、営業の監査(オーディット機能)も求められています。

組織的には、これまでの「営業」「営業企画」「ブランドマーケティング」という組織にプラスして「トレードマーケティング」という部署を設置すべきであると筆者は考えます。

筆者は大手外資日用品メーカーで、1999年から4年間トレードマーケティングの責任者として、自社商品のシェアを大きく伸ばすことに成功しています。その後2003年からの2年間、営業本部長として台湾でもトレードマーケティングを導入しました。

2000年代前半にもトレードマーケティングに関する議論は盛んでしたが、オムニチャネルやECサイト管理などへの対応、テクノロジーの発展により可能となった需要管理など新しい事象への対応が、トレードマーケティングには求められるようになりました。次の時代のトレードマーケティング像を模索すべき時期が到来したということができるでしょう。

MD NEXT運営元のニュー・フォーマット研究所では、上記のトレードマーケティングの7つの業務について解説した資料をご用意しました。詳細に関してご興味がある方は、ぜひ以下からご連絡先をご入力ください。追って担当者からご連絡させていただきます。(メーカー様に限定させていただきますのでご了承ください)

ミヨシ石鹸「無添加せっけん 泡のハンドソープ 携帯用 30ml」プレゼントキャンペーン

無添加石けんで人気のミヨシ石鹸より、全国のドラッグストア店舗様を対象に「無添加せっけん 泡のハンドソープ 携帯用 30ml」のプレゼントキャンペーンを実施します。コロナ禍で手指の清潔意識が高まる昨今、手軽に手指をきれいに洗えるおすすめの一品です!

「無添加シリーズ」のハンドソープについて

ミヨシ石鹸の代表的な製品である「無添加シリーズ」のハンドソープ。自然由来の天然油脂にこだわった安心・安全の無添加石けんは、お肌の弱い方や敏感肌の方、手洗いが苦手な小さなお子様など、幅広い方々に親しまれてきました。

そんな「無添加シリーズ」のハンドソープに、このたび携帯用が新登場します。外出先でも簡単に手洗いができる携帯用ハンドソープは、ウイルスが気になるこれからの季節にぴったりのアイテム。持ち歩きやすいサイズ感のため、お勤め先から休日のレジャーまで、さまざまなシーンでお使いいただけます。

この度、その携帯用の新商品発売が決定!先立ちまして、小売業の方向けにその使い勝手を試していただくため、プレゼントキャンペーンを実施することとなりました。ぜひ本キャンペーンにご応募いただき、その使い心地をお試しください!

商品特徴

新製品「無添加せっけん 泡のハンドソープ 携帯用 30ml」はこんなところがオススメです。

・外出先での手洗い習慣を広めます。
・持ち運びに便利な携帯用のため、スポーツの後やレジャーのお供にも最適です。
・会社勤めの方も、カバンに入れてお勤め先で簡単に手洗いができます。
・安心・安全の無添加石けんは、お肌の弱い方や敏感肌の方にもおすすめです。
・簡単に手洗いができる泡状ハンドソープのため、手を洗う時間の節約にもつながります。

募集要項

・賞品:「無添加泡のハンドソープ携帯⽤30ml」6個パック
・提供サンプル数:500セット
・応募資格:ドラッグストアの店舗に勤務の⽅、もしくは店舗運営に携わる⽅。(本部勤務の⽅は1 企業1 ⼝に限らせて頂きます)
※応募多数の場合は抽選となります。当選の発表は賞品の発送をもってかえさせて頂きます。
・応募期間:2020年12月20日(日)~2021年1月31日(日)
・発送時期:2021年1月31日以降順次発送いたします。

下記のフォームにご入力の上、ご応募ください。
※お申込みと同時にプライバシーポリシーに合意したことになります。
株式会社ニュー・フォーマット研究所 プライバシーポリシー 

※サンプルはミヨシ石鹸様から直接お申込み住所に届きます。ニュー・フォーマット研究所ではお申込みならびに発送に関するお問い合わせにはお答えできませんのご了承ください

月刊MD、2020年10月号「DgS白書2020」発売!

10月号の特集は「ドラッグストア(DgS) 白書2020」です。毎年恒例の上場ドラッグストアの決算特集。これまで順調に成長を続けていたDgS業界も「インバウンド客の消滅」、「化粧品の不振」など新型コロナウイルス感染拡大による影響は免れられません。経営数値から決算結果を分析し、現状を一覧でまとめています。

↑編集長の紹介動画はこちら!

2020年10月号では、他にも、「超現場シリーズ」ではドラッグストア、ホームセンターの店舗の「クリンリネス」を調査し、今求められる衛生的な売場を実現できている店を調査しました。

ご購入は以下のリンクから!

主な目次

【今月の視点】
「店舗」は小売業のブランド 磨き続けなければ陳腐化する
月刊MD主幹 日野 眞克

【特集】
ドラッグストア白書2020

Part1 ランキングとグルーピング
Part2 2020年DgS上場企業決算分析
Part3 DgS上場企業決算レポート
特別編 イオングループ(小売)の決算分析

[注目企業Close Up]
b8ta 東京 有楽町店

[超現場シリーズ]
今こそ清潔、衛生的な店が選ばれる
DgS、HCクリンリネス・衛生管理総チェック

業態STUDY
コンビニ大手3チェーンが共同店舗配送の実証実験開始
競争すべきは競争、協調すべきは協調で意識が変わる

注目の企業戦略
サントリー酒類「DgSの品揃え提案」

注目の新シリーズ
アース製薬
「スッキーリ!Sukki-ri!プレミアムコレクション」シリーズ
「トイレのスッキーリ!Sukki-ri!
DEOSH 消臭パール&1プッシュ式スプレー」

注目の新商品 
資生堂「エリクシール 2020年秋・冬戦略」

【実務企画】

酒税法改正、家飲みブームで流れが変わる
店長必見! 酒売場強化ガイド

ID-POS分析で見る 酒カテゴリー強化の理由
酒税法改正と酒類トレンド解説
メーカー戦略〈サントリー酒類〉
酒売場品揃えチェック

 

ドラッグストア初!ゲンキーの食品加工&物流センター動画レポート

北陸・中部を中心にドラッグストア約300店舗を展開する「ゲンキー」の食品加工&物流センターを動画でレポートします。

詳しくは、月刊マーチャンダイジング2020年11月号に掲載です!

年間購読の申し込みは以下のバナーから。