業界勢力図を塗り替える「2兆円連合」の衝撃
2025年の最大のトピックは、ウエルシアホールディングス(HD)とツルハHDの経営統合です。
約2兆円規模のこの「メガDgS連合」の誕生は、業界のパワーバランスを一変させます。さらに、マツキヨココカラが新中計で「1兆3,000億円+α」を掲げ、コスモス薬品が4社目の1兆円企業となり、スギHDがM&Aで急浮上するなど、トップランナーたちの戦いはすでに次なるステージへ。
DgSはもはや「薬屋」ではなく、日用品や食品スーパーの需要まで取り込む「生活インフラ」へと進化。その成長の勢いは、主要14社の既存店売上が37ヵ月連続プラスという驚異的なデータに裏付けられています。
月刊MD note版の『売上高ランキングとグルーピング』記事では、最新の売上高データに基づき、この激変した業界勢力図を可視化。誰がトップに立ち、誰が急追しているのかを明らかにするとともに、DgS業界の主要な「グループ構成・勢力図」を整理しています。
トップ経営者が語る「戦略の深層」:なぜ今、投資するのか?
しかし、ランキングの順位だけでは、真の戦いの行方は見えてきません。
トップ企業の経営戦略は、驚くほど大胆に、そして急速に変化しています。
例えば、統合を控えるウエルシアHDは決算説明会で「規模から利益への転換」を宣言し、既存店の収益力強化に集中する方針を打ち出しました。一方、マツキヨココカラは「美と健康のプラットフォーマー」構想を核に、購買の全プロセスをデジタルで支配する戦略を始動させています。
さらに、クスリのアオキHDは、売上高5,000億円を達成しつつも、翌期に減益を見込むという計画を発表。これは、M&Aと新規出店に過去最高の投資を集中させるという、一時的な利益をいとわない「成長投資フェーズ」への移行を意味します。
月刊MD note版の『決算説明会レポート』記事では、ドラッグストア主要上場企業の最新の決算内容と経営者の発言を詳細に分析。
- 「規模から利益へ」の方針転換の裏側で、各社が本当に注力しているPB強化、調剤DX、ローコストオペレーションの具体的な施策とは?
- コスモス薬品やGenky DrugStoresがローコスト経営を極限まで突き詰めながら、なぜ「毎年、過去最高の出店」を目指し続けるのか?
- クリエイトSD HDが創業以来の「自力成長」方針を転換し、M&A専門チームを発足させた真の狙いとは?
業界の「未来図」を読み解くために
2025年のDgS業界は、単なる成長市場という言葉では片付けられない、複雑な戦略と再編の時代に入っています。
この歴史的転換期において、業界の全体像(ランキング)と、各社の個別の戦略(決算レポート)の両方を把握することが、次のビジネスの成功に不可欠です。
以下の2本の有料記事で、日本のDgS業界の「未来図」を読み解いてください。