狭小商圏で成り立つ600坪の最大店舗に挑戦
ウエルシア平塚四之宮店の開店は2020年4月9日。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出される直前であった。従来の300坪型の2倍の面積なので、青果、精肉、総菜、弁当、園芸などの新しい商品群をラインロビングしている。車で5分圏内の狭小商圏でも成立する実験店という位置づけである。狭小商圏で成立する600坪型のノウハウを蓄積し、今後は600坪型をプロトタイプとして全国に出店していく方針だという。
新しくラインロビングした「青果」「精肉」は、客数の増加に貢献している。「青果の購入客は1日100人と、1日の客数700人の7%を占めており、買上率が高い商品です。また青果の1日の買上点数は180点前後と多いので客数増に貢献していると思います」(石庭俊一・店長)
冷凍食品、日配品、パン売場は、300坪型よりも売場面積を広くし、品目数も増やした。酒類に関しては、焼酎の量り売り、地域一番の缶チューハイ売場、4ℓのウイスキーを10種類以上も品揃えするなど、広くて深い品揃えに挑戦している。
開店7ヵ月の時点で、食品の売上構成比は42%を占めており、ウエルシア全店の食品の売上構成比22.1%(2020年決算)よりも大幅に、食品の売上構成比を高めていることがわかる。取材時点の1日の客数は700人、客単価2,000円、買上点数8.7点。とくに買上点数が300坪型よりも多いのが特徴で、9~10点に増えるのも時間の問題である。開店直後の売上と客数の伸び率が、従来の300坪型よりも高いそうである。
接客を強化する化粧品、調剤、医薬品
売場面積が2倍に増えても、それぞれの売場をまんべんなく増やしたのではない。酒類、パンなどの特定のカテゴリーを思いきり広げている。化粧品、調剤、医薬品のようなDgSの専門性を発揮する売場も大きく広げている。
全文は月刊マーチャンダイジング2021年1月号で!