新しい売り方調査隊!

ECなのに実店舗での接客のような会話ができる

開発不要でECサイトに自動接客AIを導入できる「SELF LINK」

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、自動接客AI「SELF LINK」です。ZOOMによるオンライン接客やAR/VRなど、各社さまざまなアイデアでEC上での「接客」を試みています。SELF LINKでは開発不要でECサイトに接客AIを導入できるサービスを提供、実店舗での接客のような会話や提案を可能にしています。(ライター:宮原智子)

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ECサイト上での接客を自動化するAI「SELF LINK」

買い物をするとき、たくさんの商品の中から自分が理想としていたものを見つけることができれば、購入にはもちろん、満足度やリピート率のアップにもつながります。

実店舗での対面接客であれば、お客が求めているものを聞き、目の前にある品を実際に見ながら提案することができるため、個々に合った商品を提案することが可能です。

一方、個々に合わせた提案が難しいECサイトでも、オンライン会議ツールZOOMを用いたオンライン接客や、ARを使ったバーチャル試着など、お客にフィットした提案をするためのさまざまな試みがされています。

そんな中、「SELF LINK」は開発不要でECサイトに自動接客AIを導入できるサービスを提供。AIとの会話を通しておすすめの商品を提案しています。「SELF LINK」がどのように使われているのか、産直お取り寄せのECサイト「ニッポンセレクト」を例に紹介します。

会話に答えていくとおすすめの商品を提案してくれる

産直お取り寄せのECサイト「ニッポンセレクト」は、株式会社ふるさとサービスが運営するお取り寄せ通販サイトです。全国の食品や飲料、工芸品といった商品を取り扱っています。

SELF LINKの自動接客AIは、ECサイト画面右下に表示されています。

AIとの会話は、画面右下のポップアップウインドウから行えます。
回答をクリックして商品を絞り込んでいきます。



AIからの問いかけに1クリックで答えていくと、商品が絞り込まれていきます。

過去の質問への回答履歴や購入履歴から、AIからの問いかけの内容が変わります。
利用すればするほど、質問内容が最適化されていきます。


「お客様のお酒の頻度は〜」「同居人は〜」といった問いかけが、常連心をくすぐります。

気に入った商品が見つかったら、購入手続きをします。

気に入った商品が見つかったらカートに入れ、購入手続きへ。

AIによる自動接客を体験してみて、商品の絞り込みがスムースで効率的であると感じました。一方で、お客への提案精度をより高めるのであれば、たとえば「日本酒」であれば、「味の好みは?——辛口・甘口・フルーティー」「どんなシチュエーションで飲みたいですか?——パーティーで・ひとりで・食事と一緒に」といったように、もう少し質問の粒度を小さくしてもよいのではないかと感じます。

質問への回答履歴やカート内容から商品を提案、「もう一品」を後押し

フッターレコメンド機能では、惣菜や調味料、スイーツなど、カテゴリーをまたいだ商品が提案されます。

SELF LINKには、会話機能のほかにフッターレコメンド機能を搭載しています。フッターレコメンド機能とは、たとえば検索履歴に「長野県」があった場合、カテゴリーをまたいで長野県の商品をレコメンドします。長野県の「お酒」を検索・購入した人に、長野県の「食材」「スイーツ」「工芸品」などを提案することで、ユーザーの興味を広げ、「もう一品」の購入を後押ししています。

サイトを訪れたユーザーが質問にどう答え、何を検索し、購入したか。蓄積したデータから提案制度を高め、「ついで買い」につなげます。

システム開発不要でAI接客を導入、DX化を促進するか

さまざまな分野でパーソナライゼーションが進む昨今、ECではよりお客のニーズにあった提案をしていく必要性が高まっています。

とはいえ、「自社でシステム開発するにはリソースが足りない」と悩む現場も少なくないでしょう。

SELF LINKは、追加のシステム開発は不要で、スクリプトのタグをサイトに埋め込む作業のみで運用を開始することができます。こうしたサービスをうまく取り入れることも、小売業の現場のDX化を促進するための1つの手段といえそうです。

著者プロフィール

MD NEXT編集部

お江戸日本橋で日夜売り方・買い方を研究し続けています。コンビニマニア、ECマニア、100均マニアなどなどが集まる、日本で一番「お店」のことが好きで研究し続けている編集部です。