新型コロナで窮地に立つ宿泊施設や飲食店を応援する
新型コロナウイルスの影響で、全国の宿泊施設や飲食店は営業の自粛や縮小を余儀なくされています。
あの旅館を、飲食店を、支援したいけど行くことは叶わないーー。
そうした中、一流旅館やホテル、有名飲食店などの名物料理を食卓に届けるECプラットフォーム「TASTE LOCAL」がオープン。
苦境に立たされる観光・飲食産業を支援すべくはじまったこのサービスは、構想からたった1週間という爆速で立ち上げられました。
ショッピングは、「TASTE LOCAL」のサイトから。
1.「HOME」または「ITEM」のページから商品を選ぶ。
2.お客さま情報と支払い情報を入力する。
3.購入手続きをします。
4.購入が完了しました。
既存のサービスを組み合わせることでたった1週間でプラットフォームが完成
TASTE LOCALを立ち上げた篠塚孝哉社長のnoteによると、プラットフォームの構想が持ち上がってからサービスをローンチするまでたった1週間ほどだったそう。
これほど速いスピードでオープンにこぎ着けた理由は、既存のサービスを組み合わせてプラットフォームを立ち上げたためと推測されます。
TASTE LOCALでは、ネットショップ運営に「STORES」、情報発信に「note」、「Twitter」「Instagram」を使用。
ウェブの知識がない人でも簡単にネットショップを立ち上げられる「STORES」で短期間でECサイトを作成し、ブログサービスやSNSを使って集客する方法で、瞬発力を感じさせるスタートダッシュを見せました。
また、プラットフォームで注文を受け、発送は各宿泊施設・飲食店からという自社在庫を持たない仕組みも、効率よい運営を実現する一助となっています。
商品を選ぶ「目利き力」を活かした
TASTE LOCALの篠塚社長は、宿泊施設予約サイト「Relux」を運営する株式会社Loco Partnersの創業者。Reluxは「旅のプロが認めた満足度の高い宿泊施設」を厳選して掲載することで、ファンユーザーを獲得してきました。
そうした篠塚社長の「目利き力」と宿泊施設関係者との信頼関係が、TASTE LOCALでも活かされている印象です。
ECはPB商品での差別化が難しく、その結果価格競争にならざるを得ません。他者に差をつける商品を探し出す「目利き力」は小売業の基本です。
商品の目利き力、そしてシステム調達の目利き力は、今後ますます必須のスキルとなっていくのではないでしょうか。
余談ですが、アメリカ大手小売業のウォルマートは、2020年6月にShopifyと提携を発表しました。Shopifyは100万をこえる中小の販売事業者に利用されているeコマースショッピングプラットフォームです。このことによって、1億人以上の月間ビジターを抱えるウォルマートのマーケットプレイスで、Shopifyで扱われている商品が購入できるようになります。
日本では中小事業者向けのEコマースプラットフォームとしてSTORESのほか、BASEなどの事業者がありますが、将来的にはこれらが日本の大手リアル小売業と提携するという未来がありうるかもしれず、動向について目を離せません。