コーヒーのボディや甘さなどカスタマイズ自在
サントリーが東京・日本橋にオープンした「TOUCH-AND-GOCOFFEE」はボトルタイプのコーヒー専門店で、独特なモバイルオーダーの仕組みを提供している。
専用のアプリなどはなく、LINEで公式アカウントを友だち登録し、対話形式で注文を進める。注文できるのはブラック(250円、税抜き価格、以下同)とラテ(300円)の2種類。
それぞれホットとアイス、コーヒーのボディや味わい、甘さ、フレーバーなどをカスタマイズできる。簡単なスナックも同時に購入可能。受け取り時間は5分単位で指定することができ、購入の際に登録したクレジットカードから自動で決済される。
受け取り時間の少し前になると、LINEで「コーヒーができました」と連絡が入る。その際にロッカー番号が通知される。店舗にはディスプレー付きのロッカーがあり、指定された番号の扉を開いて、商品を受け取るという仕組みだ。
ラベルネームがサイネージに映し出される嬉しい演出
面白いのは注文時に登録した「ラベルネーム」が、それぞれのボトルのラベルに印刷される点だ。このラベルネームは店頭のサイネージにも表示される。
店舗を訪問した日は、店頭で商品を購入したたくさんのお客が、サイネージに映し出される「Welcome 〇〇さん」という文字をスマートフォンで写真に収めていた。
このラベルネームがディスプレーに表示されたり、ボトルに印刷されるというアイデアがSNSでアニメファンや、アイドルファンの間で広がり、「推し」の名前をラベルネームにするのが人気になっているのだ。自分だけのカスタマイズによってロイヤルティーは確実に上がる。表立った報道はされていないが、大変な人気でモバイルオーダーの成功事例といえる。
注文のフローもまったくストレスを感じなかった。この「ストレスのない当たり前の使用感」こそ、モバイルオーダー導入を検討している小売業が今後目指すべきスタートラインだろう。