肌トラブル新時代。「売り方」を変えて肌トラブルの新しい解決策を提案しよう!

長期化するコロナ禍。生活環境の大きな変化は、心に対してだけではなく、肌にとっても大きなストレスとなっている。まさに「肌トラブル新時代」といえるこの状況下、ドラッグストアはどのような情報発信を行うべきなのか。くりかえしがちになった「肌トラブル」をなんとかしたいと考えるお客様に向けた売場づくりのヒントを紹介する。(月刊マーチャンダイジング2022年3月号より抜粋)

マスク常用で7割が肌あれをしやすくなった

図表1 マスクと肌あれに関するアンケート結果

コロナ禍において、長引くマスク生活や、ストレスの増加、運動不足などにより、肌あれに悩む人が増加している。資生堂が2021年6月に実施したアンケートによれば、マスクを常用するようになってから7割強が「肌あれをしやすくなった」と回答。また「肌あれが悪化しやすくなった」と回答した人も6割を超えた(図表1)。ニューノーマルは心だけでなく、肌にとっても大きな負荷となっていることがわかる。

治療薬を使うべき症状にスキンケアで対処する生活者

大きな負荷を受けつつ、どのように対処すべきかについては迷いを持つ生活者が多い。

図表2 肌あれの症状別の対処有無と対応方法についての調査結果

図表2の「肌あれの症状によって、どのような対処方法をとるか」という調査結果によれば、「化粧水がしみる」「肌がヒリヒリする」「赤くなる」という程度の肌あれ症状では、スキンケアアイテムを低刺激のものにかえるにとどめる人が多いという。皮膚科を受診するのは、「軽いかぶれ」以上の症状を感じた場合という人が大多数で、「医薬品」で対処しようとする人は少数派なのだ。

しかし、図表2で「化粧水がしみる」よりも下に列挙した症状は、実は肌内部で炎症が起きていて、化粧品だけでは改善効果が期待できないもの。医薬品での対応が望ましい症状に対して、スキンケアアイテムで済ませてしまっている人が多数を占めているのである。

図表2の「化粧水がしみる」「ヒリヒリする」などの症状は、医薬品を使いはじめるべきサイン、いわば「おくすりサイン」といえる。「おくすりサイン」が出ているお客様に対しては、医薬品での治療など、正しい対処法を店頭で啓発していく必要がある。

「肌トラブル」に化粧品と医薬品の双方を扱う強み

前項のように、肌トラブルを解決しようと考えた際、生活者はスキンケアアイテムを入口に考え、症状が強い場合は医薬品の使用や通院を検討する。

そんな「病院に行くまでもないが、肌の不調をなんとかしたい」と考えるお客様にとって、ドラッグストアは医薬品、化粧品両方のアイテムを提案できる最適な場だ。また、薬剤師や管理栄養士のような医療と健康の専門家と、美容部員のような美容の専門家がいるのも心強い。

コロナ禍で生まれた新しい悩み「肌トラブル」に対し、ドラッグストアの品揃えの強みを活かした提案のチャンスを見出すことができるはずだ。

肌トラブルという身近な問題を自分でコントロールする

いわば「肌トラブル新時代」において、おすすめのブランドが資生堂薬品のIHADA(イハダ)だ。同ブランドは「肌トラブルをセルフコントロールできる」をコンセプトに、2011年のブランド開始当初から、長年「肌トラブル」に真摯に向き合い続けてきた。

図表3 イハダのコンセプト

イハダには薬用スキンケアで整える「薬用ケアシリーズ」、お薬で治す「治療シリーズ」、トラブルのもとから守る「防御シリーズ」の3つのラインがある(図表3)。「薬用ケアシリーズ」はスキンケアアイテムを中心に、肌のバリア機能をサポートし、乾燥などによる肌あれを予防する商品を展開。「治療シリーズ」では医薬品によって肌トラブルを集中的に治療し、「防御シリーズ」では花粉、紫外線などさまざまなトラブルの原因物質から守るアイテムをラインナップする。化粧品と医薬品のバックグラウンドを持つ資生堂薬品だからこそ提案できる商品群であり、ドラッグストアの売場と非常に親和性が高いブランドなのである。

以下、「整える」「治す」「守る」それぞれの肌トラブル対処法について、注目すべきポイントを解説する。

高精製ワセリンと抗肌あれ有効成分でトラブルを予防

肌は、そのバリア機能が低下すると、外部からの刺激によって、乾燥・肌あれ・赤みが起こりやすい状態となる。この状態のことを「トラブルリスク肌」と呼ぶ。そしてトラブルリスク肌は、肌トラブルをくりかえしやすい状態でもある。トラブルリスク肌をケアし、トラブルが起こらないように整えるのがイハダの「薬用ケアシリーズ」だ。

イハダの薬用ケアシリーズは、特別な技術により限りなく不純物を取り除いた「高精製ワセリン」を配合。この成分が肌表面にうるおい保護膜を形成することによって外的刺激から肌を保護し、乾燥を防ぐ。また、「抗肌あれ有効成分」により肌あれ・ニキビなどの肌トラブルも予防する。

イハダの薬用バームは、2021年にコスメ口コミサイトで殿堂入りを果たし、多くの口コミが寄せられるなどユーザーからも高い評価を得ている商品だ。

トラブルリスク肌こそ重要になる美白ケア

この春、そんなイハダの薬用ケアシリーズに美白ラインが登場する。トラブルリスク肌は紫外線の影響を受けやすく、シミ・そばかすのリスクが高いため、美白ケアが必要になる。

そこでイハダ薬用ケアシリーズの特長である「肌表面の保護+抗肌あれ」のWケアに加え、新ラインには美肌有効成分「m-トラネキサム酸」を配合。メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ。

図表4 イハダ薬用ケアシリーズラインナップ

2022年SSにはローション、エマルジョンなどを投入して美白アイテムをライン化。肌にかかるストレスがより高まるこの時代に、スキンケアによる盤石の肌あれ対策を提案する(図表4)。

さまざまな肌トラブルに対応するイハダの「オリジン」

図表5 イハダ治療シリーズラインナップ

イハダの肌トラブルケアの歴史は2011年にさかのぼる。「化粧品では治せないお肌のトラブルを薬で治す」というコンセプトでスタートした本ブランドにとって「治療シリーズ」はオリジンといっても過言ではない。それから10年以上が経過し、顔湿疹やニキビ、目の周りのかゆみなどさまざまな症状や部位に対応できるラインナップを拡充してきた。またこの治療シリーズでも、しみる、ひりつきという軽度なものから、かゆみ、かぶれ・ただれなど、さまざまな肌トラブルの度合いに応じた商品を展開している(図表5)。

新商品でさらに広範囲のトラブルに対応

肌トラブル新時代の昨今において、肌あれを繰り返し、悪化させる人は増加する一方で、重度皮膚炎に対応できる高機能な商品が期待されていた。重度皮膚炎に対応する治療薬といえば「ステロイド剤」があるが、正しく使えば非常に効果が高い一方、副作用の不安などを持つ人も多い。

今回イハダは、ステロイドの高い効果を維持しつつ、安心して利用できる「イハダキュアロイド軟膏」を上市する。配合成分の「アンテドラッグステロイド」は患部で優れた効果を発揮したあとは、体内で吸収され、速やかに分解される。ラインナップを強化することで、イハダの治療シリーズは、これまで以上に広範囲のトラブルに対応することが可能になった。

多様化する肌トラブル原因物質に対抗

図表6 イハダ防御シリーズラインナップ

イハダの防御シリーズは、花粉・微粒子・紫外線など、肌に悪影響を与える物質から「守る」ことをコンセプトとして商品を展開してきた(図表6)。

なかでもスプレーすると花粉やウイルスなどの付着を防ぐ、花粉ブロックスプレーの「アレルスクリーン」は花粉等防御剤市場で売上ナンバーワンを記録しており※、多くのお客様に支持されている。

一方で、肌トラブル新時代の現代、長時間のマスク着用による刺激、ブルーライト、PM2.5など、肌トラブルの原因物質はさらに多様化が進んでいる。この多様化に対処するため、イハダは今春、原因物質から肌をマルチに守る「薬用フェイスプロテクトパウダー」を発表。マルチブロック機能で、紫外線、花粉、ちり、ブルーライトなどから肌を守り、スキンケア効果のある有効成分も配合。ラインナップをさらに強化した。
※インテージSRI+花粉防御剤市場2018年4月〜2021年9月累計販売金額

散らばった商品を集積し新しい売場づくりに挑戦しよう

肌トラブルはこのように「守る」「整える」「治す」の3つのアプローチで、セルフコントロールを実現することができる。しかし店頭においては、たとえば「治す」ための商品は医薬品売場に、「整える」ための商品は化粧品売場に……というようにそれぞれの商品が違った売場に陳列されてしまっていて、商品の単品の認知は高くても、「肌トラブルはセルフコントロールできる」という提案が伝わりにくい状況だ。しかし化粧品と医薬品をともに扱えるドラッグストアの優位性を活かすためにも、売場の壁を乗り越えて、「肌トラブル新時代のセルフコントロール」をテーマとした商品を集積した新コーナーづくりをすることで、お客様に肌トラブル解決への近道を提案したい。

イハダは、ブランドスタートから長年肌トラブルと向き合ってきた。課題解決にワンストップでつながる本ブランドをぜひ新コーナーで展開してもらいたい。

売り方1.「肌トラブルトータルケア」としての一体陳列

パターン1

コロナ禍の生活は長期化することが見込まれる。市場の拡大動向から挑戦すべきと考えられるのは「肌トラブル新時代のトータルセルフケア売場」という新しい売場だ。

化粧品・医薬品・衛生用品など、現在別々の売場にわかれてしまっている商品を一体陳列することで、「肌トラブルのトータルケアができる売場」を訴求する。赤み・ヒリヒリするなどの「おくすりサイン」が出ているが、スキンケアで対応しようとするお客様に対し、治療薬による適切なセルフケアに誘導することもできるだろう。

売り方2.「肌トラブルケア」の本丸。敏感肌用ケア売場でのクロスMD展開

パターン2
パターン3

パターン2、3は「肌トラブルケア」本丸といえる敏感肌用化粧品売場での展開例である。

前掲の図表2にあるように、肌トラブルを感じたお客様は、医薬品売場ではなく、敏感肌用化粧品売場に行くことが多いと考えられる。

そこでパターン2の売場では、敏感肌用化粧品売場で、イハダの薬用ケアシリーズの商品に、防御シリーズの2品を追加で陳列した。「守る」から「整える」ための商品をラインナップすることで「肌トラブルはセルフコントロールができる」ということを発信していく。パターン3ではスキンケアの売場で、スキンケア商品と一緒に軽度な肌トラブルに対応する医薬品を空箱陳列した。「赤み」や「ヒリヒリする」というような、本来薬を使うべき肌トラブルの初期症状を持つ人に対して訴求する。

売り方3.「顔の肌トラブル治療薬」としてのブロック陳列

パターン4

パターン4は、医薬品売場での展開例である。現在肌の治療薬は、「かゆみ」「ニキビ」というように機能別、症状別の売場に分かれていることが多い。それを「顔のお肌のトラブル」というテーマで括りなおすことによって、顔の肌トラブルにトータルに向き合えるブランドがあるということを伝えていく。

売り方を変えることで売れ方は変化する。生活者の変化するニーズに寄り添う提案を店頭で実現していこう。

重要ポイントのまとめ

  • 長引くコロナ禍で多くのお客様の顔の肌トラブルが深刻化
  • 化粧品・医薬品を使いわけ、原因から肌を守ることで、肌トラブルをコントロールできるという新たな売場展開が必要
  • 肌トラブル新時代、売場の壁を越えた「肌トラブル対策売場」が求められている

アース製薬からスティックタイプと車用のスッキーリ!発売

消臭芳香剤市場ではスティックタイプが拡大している。しかし、従来のスティックタイプでは「香りが最後まで続かない」という不満点があった。そこでアース製薬では、最後まで香りが続くスティックタイプを新発売する。また、スッキーリ!ブランドで初めて「車用」を新発売する。独自の技術で差別化し、車用市場の活性化を狙う。(月刊マーチャンダイジング2022年3月号より抜粋)

「Sukki-ri!CORK+STICK」「クルマのスッキーリ!」ラインナップ

拡大しているスティックタイプと市場性のある車用に注目

新型コロナウイルスによる在宅時間の増加によって、消臭芳香剤における香りの意識が高まっている。その中で消臭芳香剤市場は安定して成長を続けており、2021年には718億円の市場規模となっている(図表1)。用途別では「スティックタイプ」が着実に拡大している(図表2)。

図表1 消臭芳香剤 用途別市場規模推移
図表2 スティックタイプ市場規模推移

また、車の国内保有台数が増え続けており、「車用」は200億円市場となっている。屋内用と同様に近年は除菌・消臭に対するニーズが高まっている。

最後まで上質な香りが続く高価格帯のスティックタイプを新発売

拡大を続けるスティックタイプだが、一方で、「香りが最後まで続かない」という不満点もあった(自社調査)。

新商品の「Sukki-ri!CORK+STICK-Puriture-(スッキーリ!コルクプラススティックピュリチャー)」は、「香り」「機能」「デザイン」にこだわったスティックタイプの消臭芳香剤である。

じんわりと吸い上げて最後まで香る「コルクスティック」と速やかに吸い上げて素早く香る「樹脂製スティック」を組み合わせることで、最初から最後まで深みのある香りをしっかりと持続させることが可能だ(図表3、4)。

図表3 2種のスティックの特長
図表4 スティック素材別香りの持続時間変化

持続時間も最長3.5か月と長持ちする。また、本物の木をフタやラベルに採用し、ナチュラルな容器デザインとした。さらに自然の中での浄化をイメージした癒しの香りによって上質なおうち時間を提供している。本体セットにはそれぞれの香りへの思いを込めた「しおり」を添えた。拡大している高価格帯の商品となり、市場の拡大を加速させる狙いだ。

車全体、エアコンフィルターの除菌・消臭を1つの商品で両立

新商品の「クルマのスッキーリ!車まるごと除菌・消臭」は、スチームタイプの除菌・消臭剤であり、2通りの使い方ができる。車全体の除菌・消臭をする場合はエンジンをかけずに一晩放置するだけで良い。また、使用方法を変えれば、エアコンフィルターの除菌・消臭もできる(図表5)。

図表5 車まるごと除菌・消臭の使い方

除菌成分はハミガキや洗口液に一般的に含まれるIPMP(イソプロピルメチルフェノール)であり、安心して使用できる。塩素系の除菌成分ではないため、刺激が少なく使用感も良い。ミクロの薬剤粒子がすみずみまで広がり、車の悩みをまるごと解決することができる。

図表6 車内のイヤなニオイの原因

また、「クルマのスッキーリ!消臭パール」は、アルデヒド系の悪臭成分に効く消臭成分を配合し、置くだけで従来品では消臭しきれなかった食べ物臭、汗臭、ペット臭、タバコ臭といった車の複合臭を消臭できる(図表6)。スチームタイプと合わせて使用することで、快適な車内を保てる。

販促物を活用して新たな需要獲得へ

Sukki-ri!CORK+STICKPuriture-に関しては、商品の世界観が伝わる上質な売場を作り、高価格、高付加価値の商品であることを分かりやすく演出しよう。香り見本、容器見本、コルク見本といった販促物も活用して、商品理解を高めてもらうことも重要だ。より認知いただく機会を増やすためにゴールデンゾーンに陳列することも検討したい。

クルマのスッキーリ!車まるごと除菌・消臭に関しては、スチームタイプの認知率が17%と低いため(自社調査)、ハンガーディスプレイ等の販促物を活用してスチームタイプの商品があることを認知してもらうことが重要だ。特にスチームタイプは、一般的にカー用品店で購入する人が多く、ドラッグストアでの認知はまだまだ低いので、売り方次第で市場拡大が期待できる。

図表7 店頭販促物の事例

重要ポイントのまとめ

  • スティックタイプの市場は拡大傾向
  • コロナ禍での消臭芳香剤における香り意識の高まりから、「香り」「機能」「デザイン」にこだわった高価格帯のスティックタイプを発売
  • 車用でも除菌・消臭へのニーズが高まっている。車まるごと一発除菌ができるスチームタイプを売場で認知してもらい、市場を活性化!

狭小商圏時代の店長の職務は「完全作業」「標準化」「固定客づくり」

不特定多数の「浮動客」相手の商売が主体だった時代の店長の職務(果たすべき任務)と、特定多数の「固定客」との長期的な信頼関係を築く時代の店長の職務は大きく異なる。この項では、狭小商圏時代の店長の職務についてまとめてみよう。(月刊マーチャンダイジング2022年3月号より抜粋)

MDの企画部隊が商品部、MDの実行部隊が店舗運営部

小売業の活動の総称をマーチャンダイジング(MD)と呼ぶ。MDとは、直訳すると「商品化計画」と訳される。MD活動とは、メーカーが製造した製品(プロダクツ)の売り方を開発し、商品(マーチャンダイズ)に変える活動全般を指す。

小売業のMD活動で行う売り方の革新は、たとえば「つくる立場」「売る立場」から、「買う立場」「使う立場」に製品を再編集し、選びやすく買いやすい「商品分類(アソートメント)」を設計することである。商品分類の設計は、さまざまな業界の商品を品揃えできる小売業・卸売業だけが提案可能なMD活動の根幹になる。

また、商品構成(棚割の状態)を設計することもMD活動である。すべての商品がフェース1で陳列されている状態は「売場」ではなくて「ショールーム」である。商品によって陳列量を変える商品構成も重要なMD技術である。

MD活動は、商談・仕入れによる商品選定、販売促進(プロモーション)、POPや陳列・演出、売場レイアウト設計、商品開発、補充・物流設計と多岐にわたる。

仕入れ担当の「バイヤー」とは異なり、商品開発を担当する「マーチャンダイザー」は、仕様書発注→物流設計→売り方の開発という「生産」から「販売」までのすべてのプロセスを企画・設計し、その結果に責任を持つ。

前置きが長くなったが、小売業の組織は、上記で述べたMD活動の企画部隊である「商品部」と、MDの実行部隊である「店舗運営部」の2つに大きく分けられる。店長が属する組織は、「店舗運営部」である。上司は、スーパーバイザー(エリアマネジャー)、店舗運営部長になる。

店長の最大の職務は完全作業の実行と徹底

MDの実行部隊「店舗運営部」の店舗責任者である店長の最大の職務は、商品部が決めたMDのプランを店舗で完全に実行することである。

そのことを小売業では「完全作業」と呼ぶ。完全作業の達成が店長に求められる最大の職務である(図表1)。

[図表1]店長の主要な「職務」
店長は、売上・利益などの「業績評価」よりも、実行と徹底力を評価する「行動評価」のウエートの方が高い。

店の売上は、立地や競争環境などの外部的な要因で決まることが多く、売上(業績)の責任を店長に一方的に押し付けることはできない。

MD活動を成功させるためには、店長をはじめとする現場の実行担当者の役割はきわめて大きい。私は、MD活動が成功するための70%は店舗での実行力・徹底力、つまり「完全作業力」で決まるとおもっている。

完全作業の徹底が店長の最大の職務

いくら素晴らしい商談をし、素晴らしいMDプランを立てても、店舗現場で実行されなければなんの意味もない。しかし、現実の店舗現場の完全作業力はまだまだ低く、失われた売上(機会損失)は大きい。逆説的にいえば、それだけ完全作業力の向上で増える売上の余地は大きいといえる。

人口減少時代に突入した日本では、「過激な販促で大きな売上」という成功体験は通用しない。狭小商圏時代の最大の売上対策は、「不完全作業」による「機会損失(チャンスロス)」を防ぐことである。

そのためにも店長は「凡事徹底」が最大の競合対策であるという意識を強く持ちたい。プランニングが得意な「頭でっかちの組織」よりも、二流・三流の戦略でも、完全作業力・実行力に勝る組織の方が競争に勝つといわれている。

棚割の徹底・改善力が低くて、本来はあるべき売れ筋がVOID(棚札も商品もなくフェースが消失した状態)による機会損失も、実は多くの店舗現場で発生している深刻な課題である。

すべての事件は現場で発生しているのである。

チェーンストアは小さな行動が大きな成果に直結する

完全作業力がますます重要になっている最大の理由は…

 

続きは月刊マーチャンダイジング 2022年3月号月刊マーチャンダイジングnote版にて。

NFI定例セミナー「フード&ドラッグ+調剤の最新事例研究」ほか(2022/11/16 13:00~16:15)開催ご案内(リアル・リモート)

11月の定例セミナーのテーマは3つです。(1)「フード&ドラッグ+調剤の最新事例研究」、(2)「店頭メディア化の可能性」、(3)「コロナ禍で激変した米国小売業の今」(1)と(2)はNFI代表取締役・日野 眞克が担当し、(3)は米国在住の株式会社エレガント・ソサエティーの若林哲史氏に解説していただきます。今回も充実した内容となっておりますので、ぜひご参加ください。

2022年11月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

11月の定例セミナーのテーマは3つです。第1は、次の10年の主力フォーマットであるフード&ドラッグ+調剤の最新事例研究です。地域でもっとも近くて便利な店を目指すと同時に、地域のヘルスケアハブを目指す新業態開発の最前線を解説します。

第2は、数年後には市場規模1兆5,000億円に達するといわれている小売業の広告事業(アプリ内広告、店頭サイネージ広告など)。その半分の7,500億円くらいが店頭メディア事業になると予測されています(サイバーエージェント調査)。単なる動画の流しっぱなしではなくて、動画の視聴率分析、動画による購買向上とPOSデータとの分析リポートなど、よりワンツーワンマーケティングに近づく店頭メディア化の最前線を解説します。

第3はコロナ禍で激変した米国小売業の今です。コロナ禍で進化したDX、Amazonの調剤事業参入の影響など、コロナの3年間の変化を現地在住の株式会社エレガント・ソサエティーの若林哲史氏に解説していただきます。アメリカ視察ツアー再開目前を控えた予習講座と思ってください。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・開催日:2022年11月16日(水)13:00~16:15(会場受付開始:12:30)
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい。
※開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください。
※セミナー開催中の途中入場はお断りします。
※リモートでの途中退席は申込責任者に報告します。

・会場:エッサム神田ホール1号館7階(案内図をご参照ください)
・実施方法:リアルとZOOMによるリモートセミナー
(ZOOMセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2022年11月7日(月)

スケジュール

[第1講座]
(1)フード&ドラッグ+調剤の最新事例研究
[13時~13時50分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ 地域でもっとも近くて便利な店づくり
■ フード&ドラッグ+調剤の事例研究
■ 地域のヘルスケアモール開発の可能性 その他

[第2講座]
(2)店頭メディア化の可能性
[14時~14時50分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ 小売業広告1兆5,000億円市場の可能性
■ カメラレポート(視聴率など)、POSリポートの成功事例
■ 地域別、個店別の動画配信、ワンツーワンマーケティングの可能性 その他

[第3講座]
(3)コロナ禍で激変した米国小売業の今
[15時~16時15分頃]

株式会社エレガント・ソサエティー 若林 哲史氏

※事前に録画したものを配信する場合もあります。
■ ウォルマートとAmazonの戦い
■ レジフリー店舗(ジャストウォークアウト方式)の最前線
■ Amazonの調剤事業参入の影響 その他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館7階(701)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
・JRでお越しの方 神田駅東口より徒歩1分
・東京メトロ銀座線でお越しの方 神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

①ZOOMの運営方法を一部変更いたしますので、当日のリモートでの参加手順は後日改めてご案内いたします。
11月セミナーよりアーカイブ動画の配信はいたしません。当日参加でのみセミナーのご受講が可能です。
(配信の不備等によりご視聴頂けなかった場合には、後日動画のご案内をいたします。)
11月11日(金)までに、お申込書に記載された受講者のメールアドレス宛に受講用URLを記載したメールを送付いたします。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

本セミナーのお申込み受付は終了しました。
たくさんの参加申込み、ありがとうございました。

NFI定例セミナー「最新ISM、ローコスト戦略 デジタル接客、SNS戦略」(2022/9/14 13:00~16:10)開催ご案内(リアル・リモート)

9月の定例セミナーのテーマは、顧客満足を高めることを目的とした「最新ISM(インストアマーチャンダイジング)」「販管費を下げるためのローコスト戦略」「デジタル接客」「最新のSNSマーケティング」の事例研究です。

2022年9月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

狭小商圏、withコロナによって、1回の買物金額を増やすことを目的としたインストマーチャンダイジング(ISM)の考え方が変化しています。今回のセミナーでは、最新注目店舗の事例から、最新ISM理論を解説します。

電気代の高騰で大きな問題になっているリアル店舗のローコスト化戦略の事例を紹介します。

これからのリアル小売業は、デジタルツールを活用した顧客満足度の向上に取り組むことが必要になります。新規客と固定客の両方を増やす「SNSマーケティング」の最新事例を紹介します。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・開催日:2022年9月14日(水)13:00~16:10(会場受付開始:12:30)
※受付時間より前にお越しいただいた場合、お時間までお待ちいただく可能性がございます
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい
※セミナー開催中の途中入場はお断りします
※開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください

・会場:エッサム神田ホール1号館6階
秋葉原ではございません。案内図をご参照ください)
・実施方法:リアルとZoomによるリモートセミナー
(Zoomセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2022年9月5日(月)

スケジュール

[第1講座]
(1)最新注目店に見る最新ISM戦略とローコスト戦略
[13時~14時30分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ 最新注目店に見る最新ISM理論
■ 年間客単価を増やす売場レイアウト
■ 店舗経費を減らすローコスト戦略
■ ヘルスケアのデジタル接客と地域医療連携戦略
■ 生涯顧客を増やすスマートカウンセリング  その他

[第2講座]
(2)SNSマーケティング最前線
[14時40分頃~16時10分頃]

月刊『マーチャンダイジング』編集長 野間口 司郎

■ 「ドラッグストア白書」に見る収益性の低下と販管費増の根本原因
■ SNSマーケティングで新規客を店舗に送客する
■ SNSマーケティングで固定客(生涯顧客)を増やす
■ 人口が少ない立地ほどSNSマーケティングは効果的  その他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館6階(601)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
・JRでお越しの方 神田駅東口より徒歩1分
・東京メトロ銀座線でお越しの方 神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

・参加時に入力する名前は他の参加者には表示されません。
今後のご案内重複防止の為、フルネームでのご入力をお願いします。
・通信状況などで接続が切れた場合でも、同じURLから再入室することができます。
セミナー終了後10日間はアーカイブされた録画を閲覧することが可能です。
閲覧のためのURLは、セミナー終了後にご案内いたします。
・企業様によって、Zoomへのアクセスができないという場合がございます。
Zoomへの接続については、受講企業様にてご対応くださいますようお願い申し上げます。
(弊社にてサポートは致しかねますのでご了承ください)
・seminar@gekkan-md.comからのメールを受信できるようにご調整お願いします。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

本セミナーのお申込み受付は終了しました。
たくさんの参加申込み、ありがとうございました。

NFI定例セミナー「顧客満足を高めることを目的とした ローコストオペレーション研究」(2022/7/20 13:00~16:00)開催ご案内(リアル・リモート)

7月の定例セミナーのテーマは、顧客満足を高めることを目的とした「ローコストオペレーション研究」です。重要なことは、企業都合のコスト削減ではなくて、ローコストと顧客満足向上を両立させる仕組みをつくることです。

2022年7月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

今回のセミナーでは、経営戦略としての「ローコストオペレーション体系」の原理原則を改めて整理して解説します。
また、最近取材した「フード&ドラッグ+調剤」の最新店の売場づくりとローコストオペレーションについても解説します。

また、5月セミナー同様に、エイジスリテイルサポート研究所 所長/ロジカルサポート 三浦美浩氏を招いて、早朝補充、レジ効率化、作業改革などの事例を解説していただきます。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・開催日:2022年7月20日(水)13:00~16:00(会場受付開始:12:30)
※受付時間より前にお越しいただいた場合、お時間までお待ちいただく可能性がございます
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい
※セミナー開催中の途中入場はお断りします
※開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください

・会場:エッサム神田ホール1号館9階
秋葉原ではございません。案内図をご参照ください)
・実施方法:リアルとZoomによるリモートセミナー
(Zoomセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2022年7月11日(月)

スケジュール

[第1講座] ローコストオペレーション体系
[13時~14時30分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ ドミナント出店とランチェスターの法則
■ 店外物流、店内物流とローコストオペレーション
■ EDLPとEDLC(エブリデーローコスト)
■ 商品構成グラフの維持によるフェース管理の重要性
■ 最新店舗に見る売場づくりとローコストオペレーション  その他

[第2講座] 店内作業と機会損失の両方を減らす作業改革
[14時40分頃~16時頃]

エイジスリテイルサポート研究所所長/ロジカルサポート 三浦 美浩

■ ディスカウント業態のローコストオペレーションのポイント
■ 早朝補充で「ローコスト」と「機会損失減(顧客満足向上)」を両立させる
■ 本格化するレジ効率化の実験  その他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館9階(901)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
・JRでお越しの方 神田駅東口より徒歩1分
・東京メトロ銀座線でお越しの方 神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

・参加時に入力する名前は他の参加者には表示されません。
今後のご案内重複防止の為、フルネームでのご入力をお願いします。
・通信状況などで接続が切れた場合でも、同じURLから再入室することができます。
セミナー終了後10日間はアーカイブされた録画を閲覧することが可能です。
閲覧のためのURLは、セミナー終了後にご案内いたします。
・企業様によって、Zoomへのアクセスができないという場合がございます。
Zoomへの接続については、受講企業様にてご対応くださいますようお願い申し上げます。
(弊社にてサポートは致しかねますのでご了承ください)
・seminar@gekkan-md.comからのメールを受信できるようにご調整お願いします。

お申込みフォーム

・お申込みは以下のお申込みフォームからお願いいたします。お申込み受付後、お申込み確認メールをお送りします。また、ご請求先として記入いただいた方宛に、請求書を発送させていただきます。
・ご入金後は、理由の如何に関わらず返金は致しません。あらかじめご了承ください。

本セミナーのお申込み受付は終了しました。
たくさんの参加申込み、ありがとうございました。

NFI定例セミナー「フード&ドラッグ+調剤の研究」(2022/5/18 13:00~16:00)開催ご案内(リアル・リモート)

5月の定例セミナーのテーマは、狭小商圏立地の最強業態「フード&ドラッグ+調剤の研究」です。ドラッグストアの次の成長期の主力業態は、「フード&ドラッグ+調剤」です。かつてのフード&ドラッグよりもローコストで、大きすぎない店舗で、調剤を併設した新業態は、狭小商圏立地にも出店できる最強業態です。

2022年5月定例セミナーは、「リアル」と「リモート」の併用セミナーとします。

今回のセミナーでは、「フード&ドラッグ+調剤」が最強業態である理由と成功ポイントを解説します。
また、ローコスト&調剤併設のスーパーマーケットの新業態を解説します。

※座席数が限られているため、リアルでの参加の方は先着順とさせて頂きます。

開催概要

・開催日:2022年5月18日(水)13:00~16:00(会場受付開始:12:30)
※受付時間より前にお越しいただいた場合、お時間までお待ちいただく可能性がございます
※昼食は各自お済ませの上ご来場下さい
※セミナー開催中の途中入場はお断りします

開始時間は運営の都合で若干ずれることがある旨をご了承ください。
・会場:エッサム神田ホール1号館9階
秋葉原ではございません。案内図をご参照ください)
・実施方法:リアルとzoomによるリモートセミナー
(ZOOMセミナーアクセス方法はお申込み者様にのみご案内いたします)
・料金:20,000円(税別・1名様)
(※ニューフォーマット研究会会員企業様には会員価格でのご案内になります)
・申し込み締め切り:2022年5月9日(月)

スケジュール

[第1講座]フード&ドラッグ+調剤を成功させるポイント
[13時~14時30分頃]

NFI代表取締役 日野 眞克

■ フード&ドラッグ+調剤が最強業態である理由
■ フード&ドラッグ+調剤の事例研究
■ コンセッショナリーと直営の使い分け  他

[第2講座] ローコスト&調剤のスーパーマーケット新業態研究
[14時40分頃~16時頃]

エイジスリテイルサポート研究所所長/ロジカルサポート 三浦 美浩

■ 調剤を導入した「オーケーストア」の業態戦略
■ 「ローコスト」「アウトパック」などのスーパーマーケット新業態研究  他

※講演時間は予定よりも短くなることも長くなることもあります。

会場案内図

会場詳細

〒101-0045
東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2
エッサム神田ホール1号館9階(901)
URL:https://www.essam.co.jp/hall/access/#access_1

【アクセス】
・JRでお越しの方 神田駅東口より徒歩1分
・東京メトロ銀座線でお越しの方 神田駅3番出口より徒歩0分

注意事項

・参加時に入力する名前は他の参加者には表示されません。
今後のご案内重複防止の為、フルネームでのご入力をお願いします。
・通信状況などで接続が切れた場合でも、同じURLから再入室することができます。
セミナー終了後10日間はアーカイブされた録画を閲覧することが可能です。
閲覧のためのURLは、セミナー終了後にご案内いたします。
・企業様によって、Zoomへのアクセスができないという場合がございます。
Zoomへの接続については、受講企業様にてご対応くださいますようお願い申し上げます。
(弊社にてサポートは致しかねますのでご了承ください)
・seminar@gekkan-md.comからのメールを受信できるようにご調整お願いします。

お申込みフォーム

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第6波に備えて買ったのは「インスタント食品と冷食」

今回は、「新型コロナウイルス(オミクロン株)感染拡大に対する意識調査」をテーマにアンケートを実施しました(2022年1月14日〜15日)。第6波に備えいつもより多く購入した商品を尋ねたところ、最も多かった商品は「インスタント食品」でした。結果をご報告します。

約4割が消費活動や意識に変化ありと回答

[図表1]新型コロナウイルス(オミクロン株)感染拡大による第6波が懸念される中、消費活動や意識に何らかの変化はありましたか?

感染拡大による「第6波」への兆しが顕著になり、新型コロナウイルスへの警戒感が再び高まる中、「ここ最近の消費活動や意識に何らかの変化があったか」尋ねると、3006人のうち4割近くの人が「変化があった(39.4%)」と回答しました(図表1)。

[図表2]新型コロナ感染拡大第6波に備えた、消費活動や意識の変化をすべてお選びください。

図表2は、「変化があった(N=1183人)」を対象に、選択肢・複数回答で消費活動や意識の変化を年代別でまとめたものです。いずれの年代も最多回答は、「感染予防を改めて意識するようになった(全体77.9%)」が7割を超え、それに次ぐ「できるだけ外出自粛している(47.4%)」、「外食するのを延期・やめた(35.4%)」、「人と会う約束を延期・やめた(31.9%)」、「飲みに行くのを延期・やめた(29.3%)」、「旅行やレジャーを延期・やめた(25.2%)」など、今までの感染拡大自と同様に、「人との接触機会を軽減する」といった、意識や行動の変化が上位回答となり、特に「50代以上」では、平均値よりも高い傾向がありました。

コメントをみると、「休日など大型ショッピングセンターへの外出を控えている(20代女性)」、「少し前までは週に2~3回買い出しに出ていたが、今は週一回で済むようにまとめ買いにしている(30代女性)」、「一時期感染が治まったので旅行を計画していたがキャンセルした(40代女性)」など、感染再拡大により予定を変更した人や、就業中の人からは、「発熱での出社基準がまた厳しくなった(40代男性)」、「会社の昼休みがまた少人数制になり、全体会議が中止になった(50代女性)」など、職場における感染症対策の強化が挙がりました。

一方、2020年4月の緊急事態宣言下で、品切れや買い占めなどが発生した「マスクや消毒液などの感染予防対策商品をストック・購入(24.2%)」や、「日持ちする商品をストック・購入(21.2%)」、「トイレットペーパーや紙製品などをストック・購入(11.4%)」などは、落ち着いた購買行動が結果からは推測できますが、もう少し詳しく消費の変化をみていきましょう。

約3割が第6波に備えて購入した商品あり

[図表3]直近2週間以内で、第6波に備えて、いつもよりも多く購入/いつもは買わないけど購入した商品はありますか。

まず、消費活動や意識に変化があった1183人のうち、「直近2週間以内で第6波に備え、いつもより多く購入/いつも買わない商品を購入した商品があるか」尋ねると、3割以上の人が「ある(31.3%)」と回答しました(図表3)

[図表4]直近2週間以内で第6波に備えて
「いつもよりも多く購入/いつもは買わないけど購入」した商品はありますか。

図表4は、直近2週間以内で第6波に備え、いつもより多く購入/いつも買わない商品を購入した商品が「あると回答した(N=356人)」を対象に、選択肢・複数回答でその商品をまとめたものです。

最多回答は、4割近くが回答した「インスタント食品(全体36.3%)」となり、「冷凍食品(30.9%)」、「ペットボトル飲料(29.3%)」、「レトルト食品(28.4%)」などが上位回答となり、「食品は日持ちのするものを買いだめするようになった(20代女性)」、「急に買い物に行けなくなっても大丈夫な様にレトルト品や飲料等を買い足した(40代女性)」、「水、ペットボトルのお茶等をパントリーに常備するようになった(60代女性)」、「冷凍うどんやパスタ、乾麺、レトルト食品など多く買った(50代男性)」といったコメントが挙がりました。

また、感染症対策商品の中では、「マスク(28.8%)」がおよそ3割、「消毒液(19.6%)」、「除菌関連商品(16.6%)」などが続き、「風邪薬(15.4%)」、「解熱剤(12.9%)」などの医薬品は、2割に満たない結果となりましたが、「マスクと消毒用品を買い、ネット購入が増えた(60代男性)」、「マスクや風邪薬を必要以上に購入した(50代男性)」といった声もありました。

連日新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多を更新しています。弊社では、POBデータを活用し、感染力の高いオミクロン株の感染拡大が、今後消費にどう影響し、売り手側は同販売戦略を展開すべきなのかを考え、注目していきたいと思います。

アンケート男女比(年齢別)
調査期間:2022年1月14日〜1月15日
インターネットリサーチ エリア:全国
調査機関:株式会社mitoriz

[茨城県水戸市] 競合店まで300m!ドラッグストア接近戦リポート

今回は関東のなかでもとくに近年競争が激しくなっている茨城県水戸市の激戦地区をリポートする。(構成・文/月刊マーチャンダイジング編集長野間口 司郎 調査/本誌編集部調査協力/株式会社ジェムコ)(月刊マーチャンダイジング2022年2月号より抜粋)

全国平均と比較して子供、現役世代の多い水戸市

水戸市地図

茨城県の県庁所在地、水戸市は県のほぼ中央に位置している。鉄道は、JR常磐線・水戸線・水郡線、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線が走り、道路では常磐自動車道、北関東自動車道、東水戸道路や国道6号、50号などの幹線道路も整備されており交通の便はよい。主な産業は商業で、産業人口のうち約6割が第三次産業に就いている(水戸商工会議所調べ)。

2021年11月1日時点の人口は26万9,141人で平均1世帯人数は2.15人。人口は2015年の27万783人をピークに緩やかな減少傾向にある。2021年10月1日時点の住民基本台帳の年代別人口構成比を見ると15歳未満が12.6%、15〜64歳(生産年齢=現役世代)が60.6%、65歳以上(高齢者)26.8%となっている。日本全体では、15才未満11.8%、15〜64歳59.1%、65歳以上は29.1%(2021年9月15日時点)なので、全国平均よりは若く、子供や働く世代の多い都市だといえる。

JR水戸駅周辺の繁華街には昔ながらの店や閉店になったままの店、いわゆるシャッター商店なども見られ、さほど勢いがあるとはいえない。人口は郊外へと移動しており、比較的若年世代が多いことからDgSが多数出店しているものとおもわれる。

冒頭述べたように関東だけで4,300万人の人口があり、高齢化、人口減が進む他県本拠地の大手DgSが一斉に関東のドミナント化を目指している。茨城県もそのひとつで、水戸に出店が集中しているのもその傾向の一環である。

コスモス薬品の関東進出で水戸のシェア争いが一層激化

[図表2]水戸市に出店している主なDgS
水戸市に出店するDgSとその店舗数を示したのが、図表2である。茨城県つくば市が本社だった寺島薬局=現ウエルシア、隣県である栃木県小山市に本社を構えるカワチ薬品、同様に隣県である千葉県松戸市に本社のあるマツモトキヨシ=現マツキヨココカラ&カンパニーが時期的には早くから水戸市に出店しており、ツルハHD(本社・北海道)の関東進出で同社の店数が一気に増えた。

また年間、総店舗数の15%近くを高速出店しているクスリのアオキ(本社・石川県)が3店舗を出店。同社は関東出店を強化しており、群馬県に77店、茨城県に49店、栃木県に43店、埼玉県38店、千葉県17店、合計224店を関東に出店。これは全店舗数の28.7%にあたり地元北陸3県の227店に匹敵し、関東が今後最大のドミナントエリアになる可能性も高い。それだけ関東が肥沃な大地であるということだ(店舗数は2021年11月20日時点)。

そして、DgSの水戸出店ラッシュに弾みをつけているとおもわれるのがコスモス薬品(本社・福岡県)である。同社は2020年から本格的に関東出店を始めており、2021年11月30日時点で茨城県11店、栃木県8店、東京都7店、千葉県6店、埼玉県5店、神奈川県2店、群馬県2店、合計41店を関東に出店、今後も年間20〜30店を関東に出店するとしている。

図表9は今回調査した企業の全国の出店状況と、もっとも多く出店している都道府県の1店舗当りの単純人口(商圏人口ではなく)を基準にドミナント状況を示したもの(図表の全体は本誌2022年2月号をご覧ください)。たとえば、コスモス薬品なら福岡県にもっとも多く出店しており、福岡県並みの人口比(2万8,887人に1店舗)で見ると各都道府県をどの程度ドミナントしているかを示している。

画像

ウエルシアHD、ツルハHDはM&Aを成長戦略の柱にしているので本拠地に加え合併先のエリアでドミナント率が高いのに対し、コスモス薬品はM&Aなしの純粋成長を実践しており、九州から着実にドミナント化を進めているのがわかる。上記の要領で計算すると、九州・沖縄が117%、四国93.4%、中国74.2%と九州、中四国ではかなりの密度で出店している。

他店が出店してDgS利用者が一定程度いるエリアへ新規出店し、食品に重点を置いた生活必需品の品揃えを厚くし、低価格、EDLP(非特売型、毎日低価格)でシェアを取って周辺をドミナント化していくという手法を得意としており、他エリアで成功を収めている。

この手法で関東を計画的にドミナント化していけば、先行する企業にとっては脅威だろう。

[図表3]接近戦エリア ①堀町・渡里エリア(今回の調査エリア)

今回調査した堀町・渡里エリア(図表3)でも先行出店するカワチ薬品、ツルハHDの至近距離に出店している。ディスカウントドラッグコスモス堀町店からツルハドラッグ水戸堀町店までは約300m(ツルハの駐車場からコスモスの看板が見える)、カワチ薬品渡里店までは約550mである。また、カワチ薬品とツルハドラッグの距離は約350mとなっている。

コスモス薬品は600坪タイプが標準モデルだが、関東では600坪にこだわらず出店するとしており450〜500坪タイプが多い。

大店法の届け出によれば堀町店の売場面積は1,182㎡=約358坪と同社としては小ぶりな部類に入る。

ウエルシア 水戸堀町店(調剤薬局併設)
所在地/水戸市堀町878-3
営業時間/DgS 24時間 調剤薬局 9:00〜19:00(日祝休み)
カワチ薬品 渡里店
所在地/水戸市渡里町字新田後2713-1
営業時間/10:00〜21:00
クリエイトSD 水戸中丸店
所在地/水戸市中丸町278-1
営業時間/10:00〜21:00
クスリのアオキ 吉沢店(調剤薬局併設)
所在地/水戸市吉沢町196-3
営業時間/9:00〜22:00
調剤薬局/9:00〜19:00 土曜日9:00〜13:00
処方せん受付/(日祝休み)
ディスカウントドラッグコスモス 堀町店
所在地/水戸市堀町1002-4
営業時間/10:00〜21:00
ツルハドラッグ 水戸堀町店
所在地/水戸市堀町957-1
営業時間/9:00〜24:00

2021年11月オープンの上水戸店は1,539㎡=約466坪、2022年3月オープン予定の千波店は1,546㎡=約468坪といずれも500坪未満。日用品大手卸売業のジェムコの調査によれば、堀町・渡里エリアの商圏人口は1万9,000人、上水戸エリアが1万1,000人、千波エリアが2万9,500人である。同社は1万人を標準的な商圏人口としているので、いずれのエリアもそれを上回り客数が見込める。不動産コストも削減して400〜500坪で効率よく売上を挙げるのが目下の関東モデルといえる。

[図表8]接近戦エリア情報

競合に挑まれるカワチ薬品は食品、接客強化で対抗

堀町・渡里エリアだけでなく、水戸の接近戦エリアを見るとカワチ薬品と他企業が競合する場所が多く、売場面積が大きな店舗中心で比較的広域集客型の同社が、小商圏モデルの企業に接近戦を挑まれているようにも見える。

日本における食品強化型メガDgS元祖のカワチ薬品は、店舗によっては生鮮を扱うなど食品をさらに強化、薬剤師によるヘルスケアのカウンセリング販売も実施して、固定客づくり、足元商圏強化に努めている。調査時、客数は多く店内でのカウンセリング風景も複数見られた。

クスリのアオキは、水戸市内の3店舗はいずれも調剤薬局併設。生鮮を本格的に扱いを始めた時期は業界でも早く、最近の潮流である「生鮮&調剤」の先頭グループである。直近の売上構成比を見ると調剤10.0%、食品41.6%となっている(2021年5月期)。

クリエイトSDの調査店は食品充実、定番売場でプロモ展開するなど独特な売り方をしている。接客レベルは他エリア同様非常に高い。

今回調査していないが、マツモトキヨシは水戸への出店時期は比較的早いのだが、それほど店数を増やしておらず売場面積150坪程度の店舗年齢の高い郊外型店中心の出店となっている。他店と比較するとやや競争力に欠けるので、この地域でシェアを上げるなら松戸大金平店のような郊外型のパワフルな新パターン店を導入するなど大規模な改装が必要ではないか。

下着、ルームウエアを強化するコスモス、クリエイトSD

いくつかのカテゴリーに関する売場スペースを調査した(調査内容について詳しくは本誌2022年2月号をご覧ください)。衣料品に関してコスモス薬品が15本と最多。同社ではプライベートブランド(PB)の機能性下着(あったかインナー)をエンド展開するなど実用衣料に力を入れている。

クリエイトSDも定番棚プラス回転式の什器で8本展開、薄手のトレーナー、ズボンなどルームウエア系の商品を低価格で販売している。ワンストップショッピング性が求められているので、DgSの下着やルームウエアはもっと強化の余地があるだろう。

文具ではクリエイトSDが最多。同店は文具と並んでミニカーやままごとセットのような玩具も販売しており、子育て世代の支持を狙っている。100円ショップに取られているカテゴリーだが、「機能性がある」あるいは、「品質のよい」文具が欲しいというニーズはあるのでここも工夫のしどころである。

ペットはカワチ薬品24、コスモス薬品が28本、クリエイトSD29本と充実している。どのDgSも売場面積に合わせて拡充しているカテゴリーだ。ペットフードは回転が速いし、ペット用品購入世帯は掃除用品、消臭芳香剤など関連購買もある。シャンプー、コンディショナーなどのインバスヘアケアはどの店もスペースを割いている。定番、エンドを合わせるとツルハが20本で最多。ヘアケアは、志向性が多様化してニーズが分散している代表的なカテゴリーだ。

ツルハは売場を増やすだけでなく、収益性の高い専売品(ツルハ限定商品)を推奨販売するなど売り方にも工夫が見られる。

郊外型DgSにとって必須カテゴリーになっている日配品は…

続きは月刊MD 2022年2月号で!