ブロックチェーンを活用したトークン発行型クラウドファンディング「FiNANCiE」
「世の中の課題を解決するこんなモノやサービスを作りたい」といったアイデアを叶えるために、インターネットを介して不特定多数の人(クラウド)から資金調達(ファンディング)を行う、クラウドファンディング。
起案者のアイデアに共感した人たちが、応援の気持ちを込めて資金を出し、「モノ」や「体験」、「サービス」などのリターンを得るこの仕組みを、ブロックチェーン技術を利用したトークンを発行することで実現したのが「FiNANCiE(フィナンシェ)」です。
プロジェクトの起案者(オーナー)は、トークンと呼ばれるポイントのようなものを発行します。オーナーを支援するファン(サポーター)は、トークンを購入して、プロジェクトを支援するメンバーとなります。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは、インターネット上の取引を記録する技術を言います。ブロックと呼ばれる単位のデータを鎖のようにつなげて、データを保管するため、「ブロックチェーン」と呼ばれます。
ブロックチェーンではネットワーク上にある端末同士を接続して、すべての取引履歴を皆で共有するため、データの改ざんが難しく、システムダウンが起きづらいことが特徴です。
「トークン」を購入してオーナーを応援
「ブロックチェーン」と聞くだけでハードルが高いイメージを持つかもしれませんが、FiNANCiEは従来の金銭でのクラウドファンディングと変わらない感覚でプロジェクトの立ち上げやトークンの購入が可能です。
FiNANCiEのアプリをダウンロードし、アカウントを作成したら、自分が応援したいプロジェクトを検索する。
プロジェクトを選ぶと、オーナーのプロフィールやメッセージ、活動計画、獲得トークン数に応じたリターン(特典)などが確認できます。
「このプロジェクトを応援したい」と思うものが見つかったら、トークンの購入へ進みます。
トークンの購入は、必要口数を選び、金額を確認して決済するだけ。
購入したトークンは、マーケットで取引することが可能です。
トークンを購入すると、サポーターはオーナーが立ち上げたコミュニティへの参加が可能になります。「資金を提供して、特典をもらって終わり」ではなく、プロジェクトをよりよいものにするためにはどうしたらいいか、コミュニティの中でともに考え、作りあげていけるのが特徴です。
応援が資産につながる、新しいファンマーケティングの形
トークンを運用することで、オーナーにとっては資金調達ができるだけでなく、サポーター=ファンに向けたコミュニティ活動が可能となります。サポーターにとっても、コミュニティ活動を通じて直接プロジェクトにかかわることができたり、トークンの価値が上昇することで資産が増えたりといったメリットが受けられます。
従来のクラウドファンディングは「一度購入したら終わり」で、単なる消費に終わるケースが少なくありませんでした。FiNANCiEのトークン発行型クラウドファンディングは、応援が資産につながる、新しいファンマーケティングの提案といえるでしょう。
現状、FiNANCiEでトークンを発行しているオーナーは、スポーツチームやアーティストがほとんどですが、農業や畜産、酒類メーカーなど、小売関連の業界も参入しつつあります。人口減で市場が縮小する中、企業にとって「ファン作り」は欠かせない要素となりそうです。ファンの「体験」を向上させる取り組みとして、こうした手段も一考だと感じる売り方調査隊でした。