新しい売り方調査隊!

アップサイクル商品の販売でフードロスの解決に取り組む「Upcycle by Oisix」

今回、「新しい売り方」調査隊!で取り上げるのは、アップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」。フードロス問題に取り組むOisixの新ブランドです。食品を扱う企業が避けては通れないフードロス問題、Oisixではどんな売り方で立ち向かっているのでしょうか。(ライター:宮原智子)

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フードロス問題に取り組むOisixの新ブランド「Upcycle by Oisix」

食品を扱う企業にとって、フードロスは避けて通れない問題です。そんな中、食品宅配を手がけるOisixでは、アップサイクル商品を開発・販売すフードロス解決型ブランドとして、2021年7月に「Upcycle by Oisix」を立ち上げました。

バナナの皮やブロッコリーの茎、梅酒で残った梅を使ったドライフルーツなど、従来廃棄されてきた食材を使った商品を開発し、販売。立ち上げから約1年間で、約46トンのフードロス削減を達成しています。

売り方はオーソドックス。Oisixまたはブランドページでオンライン販売

Upcycle by Oisixの商品は、ブランドサイトまたはOisixのサイトで販売しています。

サステナブル、アップサイクルをイメージしてか、ブランドサイトはナチュラルな印象。

商品ページには、この商品を購入することでどれくらいのフードロス削減に協力できるか、数値で表示しています。「ブロッコリーの茎」のチップスは約300gのフードロス削減に貢献。エシカル消費を意識するユーザーへの訴求となります。

そのまま食べるだけでなく、「スープのトッピング」など、アレンジのアイデアも記載されています。

商品ページをスクロールすると、商品の開発ストーリーが掲載されています。

商品のストーリーを紹介することで、その商品がどんな生産者のどんな課題を解決しているのかを見えるようにしています。

「廃棄されてしまうもの」がおいしく復活

注文した商品が届きました。ブロッコリーの茎チップス、ゆず皮のドライフルーツ、梅酒の残りを梅を使ったドライフルーツ。3つの商品が段ボールに梱包されています。

梱包は非常に簡素です。パッケージには、環境にやさしい素材が使用されています。

商品のパッケージはブランドイメージに合わせて統一されています。ブロッコリーの茎は野菜加工会社で作られたもの。梅酒ドライフルーツは和歌山県で製造されています。それぞれ、本来廃棄するはずだった野菜やフルーツを加工して、Upcycle by Oisixブランドの商品として販売されています。

Oisixの安全基準を満たし、かつトレーサビリティのある原料を使って商品を製造。Upcycle by Oisixのブランド品質を保っています。

ブロッコリーの茎チップスを実食してみました。一般的な野菜チップスよりも穏やかな塩味で、しっかりと野菜の風味がします。従来廃棄されてきたものだと思うと、実にもったいなく感じられるおいしさです。

内容量は30gで430円。サステナブルに関連する商品は価格が高くなりがちです。

サステナブル領域で、小売主導でのマーチャンダイジングを実現

Upcycle by Oisixのユニークな点は、単純に各メーカーから仕入れた「サステナブルな商品」を集めたプラットフォームになるのではなく、自らが主導して各メーカーと商品を開発し、販売を行っているという点です。

製造は複数メーカーが行いつつ、パッケージングなどはOisixが主導して行っている、小売業ならではの商品開発事例といえるでしょう。

 

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著者プロフィール

MD NEXT編集部

お江戸日本橋で日夜売り方・買い方を研究し続けています。コンビニマニア、ECマニア、100均マニアなどなどが集まる、日本で一番「お店」のことが好きで研究し続けている編集部です。