私と月刊MD

中部薬品株式会社 代表取締役社長 高巣 基彦

2013年から社内教育に定期購読を活用

月刊マーチャンダイジングにゆかりのある経営者の皆様から、創刊25周年を記念してお祝いの言葉をいただきました。今回は、中部薬品株式会社 代表取締役社長 高巣 基彦氏のコメントをご紹介します!

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月刊マーチャンダイジング創刊25周年おめでとうございます。

雑誌が創刊された1997年と言いますと、当時の弊社は店舗数40店舗で年商は100億円一歩手前という時代でした。創業時における親会社のスーパーマーケットバロー店舗内の30坪の薬店の運営から、当時の大店法の規制がかからない売場面積150坪の郊外型店舗へ舵を切ったのが1990年、そこから年間2ケタの新規出店ができるようになり、チェーンストア展開を本格的に始めたのがまさに1997年でした。

日用品・ベビー用品などの日替り特売を目玉にしながら、推奨医薬品の接客販売に日々励む営業活動で、ドラッグストアという業態が地域のお客様に受け入れられ始めた時代でした。その当時からドラッグストアの成長を四半世紀にわたってウォッチし続けてきたのは、月刊MDが唯一であろうと改めて思います。

さて、弊社が社内教育として月刊MDの定期購読を中心に御社とお付き合いが始まったのが2013年、それからおよそ10年になりました。

雑誌のタイトルである「マーチャンダイジング」とは、お客様に商品を購入していただくために、商品の企画・開発や調達、商品構成の決定、販売方法やサービスの立案、価格設定などを、戦略的に行なう活動のことであります。

商品価値を高めるためにメーカー様によるお客様への新しい価値を提供する商品開発、そして卸様との協働のもと我々小売りが高品質な商品をより安くお客様に提供して地域の中でシェア率の高い地域一番の商品を作り出す、そしてお客様の日々の暮らしに貢献する。これが我々の存在意義だと考えています。

そのなかで月刊MDは、情報やニュースを掲載するだけでなく、あらゆる情報を体系化し、分かりやすく加工し、本質を伝えようとする姿勢が伝わってきます。書籍「マーチャンダイジングとマネジメントの教科書」、月刊MDの「今月の視点」を通しての日野主幹の提言には、ぶれない一貫性があり、製配販が一体となり取り組むべき課題を示唆してくれます。

MD活動のプロセスにおいて本部段階での業務は30%であり、店舗段階での業務が70%のウエートを占め、この店舗での実行段階における徹底力の差が大きな売上格差を生むことになる。

店頭実現が確実に実行され、売場が維持されることではじめてMD活動は完結する。これはチェーンストアの大きな課題であります。弊社グループの社訓のひとつに、お客様に「楽しい買物が出来たと言われる店にせよ」とあります。徹底力を高めて店舗のバラツキを標準化するための仕組み作りを追求していくことでこうした店舗にしていきたい、今後も絶え間ない努力を続けていきます。

それから月刊MDと言えば毎年恒例なのが「顧客満足度調査」です。昨年度のこの調査において、店舗部門で1位の受賞を含めて4店舗が50位以内にランクインし、また企業部門でも3位という高評価を頂くことが出来ました、誠にありがとうございます。

しかしこの結果は、当然ながら賞を狙ってのことではありません。コロナ禍を契機にもう一度店舗での接客を見直してクリンリネスやレジ応対など基本接客の標準化はもちろんのこと、お客様への対応を「接遇」レベルへ引き上げようという現場起点での従業員の日々の取組みの成果であります。

全国1位の店舗が出たことで、店舗間でもっと良い売場作りや接客をしようという高いレベルで競い合う心に火がつく好循環が生まれています。

あらためまして、今後も月刊MDがドラッグストア業界の成長とともに、ますます発展されますことを祈念いたします。