私と月刊MD

スギホールディングス株式会社 代表取締役社長 杉浦 克典

経営論に終わらず現場に役立つ「シン・専門誌」

月刊マーチャンダイジングにゆかりのある経営者の皆様から、創刊25周年を記念してお祝いの言葉をいただきました。今回は、スギホールディングス株式会社 代表取締役社長 杉浦 克典氏のコメントをご紹介します!

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月刊マーチャンダイジング創刊25周年おめでとうございます。創刊時は、スギ薬局は店舗数もまだ数十店舗で、創業の地から愛知県の三河安城駅前に本社を移転して間もないころですので、当社グループの黎明期から売場を通じて私たちの成長を見続けられてきたのだと思うと感慨深いものがあります。

私は2006年に株式会社スギ薬局に入社しています。もちろん生まれた時からスギ薬局がそばにあり、スギ薬局と共にあるのですが、創刊から四半世紀にわたり、客観的に売場の変化を感じ取られてきた視点と経験は、私以上にスギ薬局を見つめてこられたと言えるのではないでしょうか。

そのため、時には厳しく批評されたりもしますが、私たちの取り組み、目指す姿をご理解されているがゆえの愛情として感謝しています。これはスギ薬局に限らず、多くのドラッグストア企業の皆様も私と同じような想いを持たれているのではと思っています。

25周年を迎えるにあたり、あらためて月刊MDの三つのコンセプト(店舗現場主義、仮説・実証・検証主義、トップ直結主義)を拝見しました。

長きにわたりブレない誌面づくりは健在で、経営論に終始することなく、現場に役立つ「シン・専門誌」であり、当社では多くの社員が購読しています。数ある専門誌の中でも月刊MD購読者数はトップです。

現場の声、現場の取り組みを記事の中心に置く唯一無二の編集スタイルは、店舗業務に従事する社員・スタッフに具体的なイメージをもたらせてくれます。

実際に事例として取り上げられた店舗のスタッフは、自身や所属する店舗が掲載されたことに喜びを感じ、自信を持って業務に従事しています。

他社事例からの学びは多く、それを参考に現場から要望が上がってきたり、地域における横の連携を深めるなど、自社、他社に限らず価値の高い誌面づくりが現場を活性化してくれます。ドラッグストア約2万2,000店舗の中から月刊MD独自の売場づくりをピックアップする視点に感服するとともに、貴重な情報を公開していただいた企業に感謝しています。

さて、「シン・専門誌」と先述しましたが、これは、現場にとって本物の「真(シン)・専門誌」であることはもちろんのこと、社員が誌面に取り上げられることでモチベーションが高まり、社員が学びによってモチベーションが高まる専門誌でもあります。

まさに「心(シン)・専門誌」でもあると思っています。私個人としては、例年実施されるドラッグストア顧客満足度調査において、当社店舗のスコアが低い時はかなりショックを受けています。店舗に問題があるというよりも、なぜこのような評価に至ったのかと深く反省し、まさに私自身の通信簿となり、私の心にグサりと刺さる「辛(シン)・専門誌」に変貌を遂げることもあります。

売場づくりに高い評価と期待をいただいたり、時には現実を突きつけられたりと、日野主幹の媚びない姿勢が誌面に活かされることで、私たちはその内容に真摯に向き合えます。月刊MDの持つ大きな魅力です。

スギ薬局に入社し店舗業務に従事していた時は私も月刊MDを拝読する一読者でした。今では取材される立場としてお付き合いさせていただくことが多くなりましたが、「私と月刊MD」を端的に表現するならば、いつまでも私は読者の一人だということ。読者であり経営者として、日野主幹と共に、月刊MDの誌面を通じたドラッグストア業界のさらなる発展と、月刊MDがドラッグストア業界の羅針盤であり続けるために切磋琢磨できればと思っています。

これからも月刊マーチャンダイジング、株式会社ニュー・フォーマット研究所のますますのご発展を祈念いたします。