家族や友人に「シェア買い」を促すアプリ「KAUCHE(カウシェ)」
KAUCHE(カウシェ)は、家族や友人と共同で商品を購入することで、定価よりも安価で手に入れることができる共同購入プラットフォームです。
ユニークなのは、購入したいと思った人が自分で共同購入グループをつくる点。グループURLをつくって、SNSなどで家族や友人にシェアして必要な人数を集めます。
各商品の「目標人数」に達したら、共同購入が成立。お得な価格で商品を手に入れることができるという仕組みです。
制限時間内に目標人数を集めよう!シェア買いにはゲーム性も
1.スマホにアプリをダウンロードし、ユーザー情報を登録します。
2.ほしい商品を購入します。
3.購入手続きが済むとグループURLが発行されます。このグループURLを家族や友人にSNSなどでシェア。共同購入に必要な目標人数を集めます。
4.グループURLをシェアした人が商品を購入し、目標人数に到達したら、購入が成立します。制限時間内に目標人数に到達しない場合は、購入がキャンセルされます。
再び注目を浴び始めた「共同購入」
共同購入は、お客にとっては「商品を通常よりも安価に購入できる」、事業者にとっては「新規顧客の開拓につながる」「仕入れ個数の把握・仕入れコストの削減につながる」といったメリットがあります。
ECでの共同購入といえば、かつて楽天市場がその仕組みを取り入れていたほか、米グルーポンやポンパレがクーポンの共同購入サービスを提供していました。
しかし、「共同購入の最低購入価格の水増し」「商品のダウングレード」といった出品者のモラル低下が起こるなど課題が散見されるようになり、サービスからの撤退を余儀なくされる事業者が相次いだのです。
しかしいま、ソーシャルECとも呼ばれる共同購入の仕組みが再び注目されはじめています。その背景には、中国で伸びている共同購入プラットフォーム「Pinduoduo(拼多多)」の存在があります。
中国で最大のユニークユーザー数を誇るAlibabaのショッピングモール「タオバオ」。Pinduoduoはそのタオバオに次ぐ中国第2位のECプラットフォームです。Pinduoduoは創業からわずか3年で上場を果たし、その後も年間2倍近くの成長を記録しています。
日本では2020年9月に「カウシェ」、翌10月に「hours」と共同購入プラットフォームが次々リリースされています。いずれもビジネスモデルとして参考にしたのはPinduoduo。これまでの共同購入のように、「見知らぬ人」と商品を共同購入するのではなく、家族や友人といった身近な人と一緒に商品を購入するという違いがあります。
ソーシャルECとも呼ばれる共同購入の仕組みは、事業者にとっても新しい集客の手段として定着していくのか。今後、要注目です。