半数以上が20代までに発症
最初に、自社調査で調査対象4,400名(20代~60代男女)に対して、「自身が花粉症であるか」を聞くと、「花粉症である」と回答した方は1,807名でした。(40代~50代が中心:平均年齢49歳)
「花粉症である」と回答した方を対象に、発症年齢や、対策について調査を進めます。
まず、花粉症の発症年齢を聞くと、「20代」が29.9%でもっとも多く、「10代」が22.0%、「30代」が22.2%と続き、半数以上の方が20代までに花粉症を発症していることがわかります。
対策の中心は「マスク+他アイテムの併用」
次に、花粉症対策について調査をします。
花粉症対策については、「マスクをする」が60.5%でもっとも多く、「医者に処方された内服薬を飲む」41.7%、「手洗い・うがいをこまめにする」41.1%よりも大きく上回ります。コメントをみると、「花粉を寄せ付けないスプレーを顔やマスクにたっぷり噴射している」、「隙間の少ない、使い捨てマスクとサングラスを着用している」など、マスクと他のアイテムと併用している方が多いことがわかります。
また、花粉症に効果的な内服薬や外用薬について着目すると、手軽な市販品よりも、医者に処方されたものを利用する方が多いことがわかります。その裏付けとして(図表3)、「花粉症で医療機関を受診したことがある」と回答した方は、7割近くに上ることがわかります。
マスクの人気ナンバーワンはユニ・チャームの「超快適マスク」
次に、当社独自に収集するレシートデータから、花粉症の対策関連商品の「使い捨てマスク」と、「鼻炎薬(外用薬含)」に注目して、POB会員のレシートからトレンドを分析します。(調査期間2018年1月~12月)
POB会員の「使い捨てマスク購入レシート(約2,000枚)」による売れ筋は、1位ユニ・チャーム「超快適マスク(14.7%)」、2位玉川商材「フィッティ®シルキータッチモア(4.5%)」、3位奥田薬品「息がしやすいマスク ふつう(4.4%)」となります。
1位のユニ・チャーム「超快適マスク」をセレクトし、購買理由を分析すると、「長時間使用しても耳が痛くならず、肌触りがよい(40代女性)」や、「プリーツタイプで顔にフィットするのに、息苦しくない(40代男性)」などの、使用感の良さで選ばれています。また、「子ども用に購入。大きさもちょうどよくフィットして使いやすい(50代女性)」など、大人から子どもまで、選べるサイズ展開もポイントとなります。他にも、「小顔に見えるとパッケージに書いてあり、マスクを付けるなら小顔に見えた方が良いから(30代女性)」や、「女性用のピンク色のマスクが目に入ったので購入(40代)」など、ビジュアル面に力を入れた点が評価されており、多様化する女性のニーズを取り込む商品企画は重要視されていると言えます。
また、全体の傾向をみると、PBのように価格重視の商品だけではなく、高付加価値の商品もランクインしていることから、使用感や機能性、目的にあった様々な商品がしのぎを削っていることがわかります。
鼻炎薬OTCは「アレグラFX」が人気トップ
次に、「鼻炎薬(外用薬含)」のPOB会員のレシートからトレンドを分析します。
POB会員の「鼻炎薬(約1,100枚))による売れ筋は、1位久光製薬「アレグラFX(14.7%)」、2位佐藤製薬「ナザールスプレー(10.5%)」、3位エスエス製薬「アレジオン20(9.2%)」、4位大正製薬「パブロン鼻炎カプセルSa(8.2%)」、5位佐藤製薬「ストナリニS(8.0%)」となり、1位~5位までの商品で全体の購入レシートシェアの5割を占めています。
購入者のコメントをみると、「アレグラFX」や「アレジオン20」については、「医療用と同じ成分で飲んですぐ効き目がわかり、もう数年飲み続けている(30代男性)」など、確かな効き目が多くの方の支持を集め、「ストナリニS」については、「つらい花粉症でも実際に1日1回で確実な効き目がある(40代男性)」など、手軽さと持続性で選ばれていました。
花粉症対策の市販薬や、今までの対策にプラスαで簡単に対策できるグッズなど、毎年各社から様々な新商品が発売されていますが、花粉症対策グッズ(医薬品も含む)の新商品の購入経験を調査すると8割近くの方が「購入経験がない」と回答しています。(図表4)
今回の調査では、新商品よりいつも愛用しているアイテムが選ばれる傾向が高いことがわかります。
今までの調査結果からその理由を分析すると、ここ数年で「使い捨てマスク(参考①図)」は、様々な高付加価値の商品や、また「鼻炎薬(参考②図)」では、ここ数年で高品質(医療用と同じ成分・1日1回の持続性)の商品が増え、自分の症状や体質にあうアイテムや薬が増えていることが理由として考えられるのではないでしょうか。