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全国2000人 カルディ利用女性アンケート結果

第36回カルディ、評価されているポイントは「独自性」「楽しさ」

今回は、コーヒーを初め、世界の輸入食材やオリジナル商品が人気の「カルディコーヒーファーム(キャメル珈琲グループ、オーバーシーズ東京・世田谷、以下カルディ)」に注目し、レシート分析で、消費者の利用実態を調査しました。アンケートの調査対象は、全国のPOB会員女性2017人(平均年齢45歳)です。

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60%以上が、「独自商品」「買物の楽しさ」が好きと回答

[図表1]直近半年以内に「カルディ」で買い物をした経験はありますか?
まず、「直近半年以内におけるカルディの買い物経験」を尋ねると、7割以上が「買い物経験あり」(70.7%)と回答し、利用頻度は、「月1回以上利用する」人が最も多く(41.1%N=1419人)、年代別では、「50代以上」が(48.6%N=539人)で、平均値を<+7.5pt>上回りました。

[図表2]カルディの好きなところを教えてください。
次に、直近半年以内にカルディで買い物経験がある1419人に「カルディの好きなところ」を尋ねると、「独自商品が多い」(67.9%)がどの年代も最も多く、「買い物が楽しい」(63.6%)がそれに続き、「色々な国のお菓子や食品が売っていて見ているだけで楽しい。値段が高いので、少し贅沢をしたい時に購入している(40代女性)」「スーパーだと必要な物を買うが、カルディならあまり使わなそうだけど面白い、珍しいと感じたら買ってしまう。余計な買い物が楽しみ(30代女性)」といった、独自性がある商品や、活気があふれるお店の雰囲気も、女性の支持を集めていることがわかりました。

また、「ショッピングモールや駅ナカなどアクセスがよい」(31.7%)は、「50代以上」の女性では、(39.0%)で平均値を上回り、「おいしい・味がよい」(30.1%)における評価も高いことがわかりました。

一方で、「セールや特売なども行っている」(18.2%)、「手頃で買いやすい価格帯(12.3%)」など、価格に対しては、相対的にみて低いことがわかりました。

フックは「安さ」より「独自性ある品揃え」「味」

[図表3]直近半年以内に、カルディ購入した商品カテゴリーを教えてください。
続いて、「直近半年以内でカルディで購入した商品カテゴリー」を尋ねると、多い順に「菓子類」(73.5%)で、「コーヒー」(66.4%)、「調味料・スパイス・ドレッシング」(63.7%)、「スイーツ」(56.0%)が続き、いずれも、店頭や店内の目立つところで販売されている商品が上位を占めました。

また、「40代以上の女性」の購入経験に着目すると、平均値を上回るカテゴリーが多いことがわかります。

上位カテゴリーのコメントをみると、「豆乳クッキーが美味しい。パクチーポテトチップスも好きです(30代女性)」、「トリュフチョコレートが凄く美味しい(40代女性)」「珈琲豆はシーズンごとに色々試して購入。コスパが良い(20代女性)」「杏仁豆腐が濃厚で舌触り最高(30代女性)」など、一般的にスーパーの購入カテゴリーに対するコメントでは、「安さ」に対するコメントがみられますが、カルディでは、味や、独自性の高い品揃えや、特定の人気商品を評価するコメントが多く挙がりました。

図表の購入商品カテゴリ―選択肢は、カルディのHPや店内商品を参考に作成しており、購入商品全体を通して、どのカテゴリーも一定数購入されていることが特長的です。

平均購入個数3.1個、購入金額1,009円、1点単価324円

次からは、「カルディ」の利用実態を定量的な観点で分析するために、2021年1月〜12月の購入レシートデータを、同じく輸入食材やワインなど取り扱い商品が近しい「成城石井」「北野エース」の2チェーンと比較しました。

[図表4]レシート調査:カルディ・成城石井・北野エースの購入状況(2021年1-12月)
まず、「各チェーンの購入状況」をみると、「カルディ」のレシート1枚あたり平均<購入個数:3.1個、購入金額:1,009円、1点単価:324円>、「成城石井」では、<購入個数:2.2個、購入金額:970円、1点単価:435円>、「北野エース」では、<購入個数2.4個、購入金額:901円、1点単価:374円>となり、カルディが、3チェーンの中で購入個数と金額が高く、1点単価が安いことがわかりました。

[図表5]レシート調査:カルディ・成城石井・北野エース
購入レシート全体に占めるカテゴリー構成比(2021年1-12月)
続いて、「各チェーンのレシート購入金額全体に占めるカテゴリー別構成比」をみると、「カルディ―」は、グロッサリーを中心とした「一般食品」(65.9%)、「生鮮・総菜」(2.9%)、「飲料」(12.4%)、「酒類」(3.1%)、「その他※キッチン雑貨や日用品など」(15.7%)となりました。

一般的なSMでは、「生鮮・総菜」の構成比が全体の3~4割程度を占めるため(当社POBレシートデータ調べ)、それら構成比が極めて低い「カルディ」は、「成城石井」や「北野エース」よりも、日々の食卓向けの食材を買い揃えるSMと本質的に異なる使われ方がされていると考えられます。

それをさらに裏付けるデータとしては、カルディの購入レシートから推測される人気商品をみると、「冷凍マリトッツォ(270円)」の人気スイーツや、SNSで話題の「カルディ冷凍キンパ(486円)」や「ぬって焼いたらカレーパン(306円)」、カルディで年に数回新フレーバーが発売される「ティムタムマレーリバーソルティッドダブルチョコ(360円)」などがよく購入されていることわかりました。※()内の金額はPOBレシート平均購入単価

「話題だったので冷凍のキンパを買った(40代)」、「ティムタムが大好きです。ちょっとした手土産に他にないものがあるので良い(70代女性)」といった声がありました。

カルディの利用シーンとしては、他店にはない話題の商品を買い求めに行く、ショッピングモールや駅ナカなど、利便性の高い場所に立地しているため、ふらっと立ち寄り、珍しい商品を探したり、ちょっとした贅沢を楽しむなどが考えられます。

他チェーンとは違う、独自の立ち位置を築きあげたカルディ

[図表6]カルディに望む売り方やサービスがあれば教えてください。
最後に、「今後カルディに望む売り方やサービス」を尋ねると、「セールや特売」(51.0%)で最も多く、「広い店内でゆっくり買い物がしたい」(36.2%)、「全商品ポイント付与」(30.6%)が続きました。また、コロナ禍で多くの小売りがアプリやオンラインショップに力を入れ、店内ではセルフレジやキャッシュレス決済の導入などを進める中、「店頭在庫が確認できるとよい」(19.2%)、「決済方法が増えるとよい」(19.1%)といった回答もありました。

コメントでは、「セールや特売のお知らせがあれば行きたい。現在は買い物のついでに立ち寄るくらいなので、お知らせがあると、カルディに行く目的で外出する機会が増えると思う(30代女性)」、「見たい商品があっても他の人がいたりすると、すれ違うことができないので、見るのを諦める(20代女性)」、「美味しいけど、割高なところ。ポイントカードがあればと思う(40代女性)」といった声がありました。

他にも、「以前のコーヒーサービスがあったほうがよく行った(20代女性)」「味が全く分からない未知の食品が多いので試食があれば嬉しい(50代女性)」など、再開できるようになったら以前のコーヒーを飲みながら店内をみたり、試食についても要望がありました。

これまでの調査結果から、「カルディ」は、独自性やトレンドを押さえた商品を取り扱い、他のスーパーでは手に入らない、輸入食材やお菓子などが手軽に手に入るお店として、多くの女性に広く認知され支持されていることがわかりました。

また、味に対する評価はもちろん、店内で買い物をする楽しさや、驚きや発見をもたらし、「カルディに行くと面白い商品に出会える」と、期待しながら買い物をしている人が多く、レシート分析結果からも、他とは一線を画す使われ方がされており、独自のポジションを確立していることがわかりました。

著者プロフィール

石井麻美
石井麻美

mitoriz(旧ソフトブレーン・フィールド)所属。広告代理店の企画営業や、制作会社でのメディアプロデューサーなど10年以上インターネットメディアに関する職に従事。2017年にソフトブレーン・フィールド株式会社に入社。入社後は経営企画部に所属し、POB会員メディアの企画運営および、POBデータを利用した調査リリース、および業界紙への記事執筆を行う。