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衣類や小物の整理にも…広がる活用方法

第9回「作り置きニーズ」で保存容器の「売れ方」が変わった

働く女性の増加や、ライフスタイルの変化にともなう、「作り置き」や「食品保存」のシーンが増え、ジップロック®を活用する消費者が増えています。また、消費者ニーズを捉えた商品構成で、今では食品保存以外のあらゆる利用シーンでも活用されています。今回は、成長を続けているジップロック®が消費者の方々にいかに買われ、使われているかについて、旭化成ホームプロダクツ株式会社 マーケティング部 商品企画グループ 服部健人氏に取材をしました。

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まず、ソフトブレーンフィールドの自主調査で、直近1年間で作り置きをしたことがある20代~60代の男女(N=2,099名)に、作り置きや食品保存における、ジップロック®の、「使用経験」や「直近1年間での購入経験」を聞いたところ、半数以上の方が使用・購入経験があることがわかりました。

Q1.半数以上の方が、使用・購入経験があったジップロック®(参考1・参考2)。改めて種類や用途について、お聞かせください。

まず、ジップロック®のバッグシリーズは、大きく分けて5種類です。冷凍保存に適した厚手の「フリーザーバッグ」、冷蔵に適した「ストックバッグ」、スライド式のジッパーで開け閉めしやすい「イージージッパー®」、気軽に使える「お手軽バッグ」、大きなマチ付きで自立するため、汁物の保存や料理の下ごしらえに適した「スタンディングバッグ」です。各種用途に合わせたサイズがあり、それを含めると全部で10種類ものバッグがあります。

次に、ジップロック®コンテナーは、大きく分けて3種類です。正方形と長方形の形状の「コンテナ―シリーズ」、冷凍保存したご飯を電子レンジでムラなくべたつかず加熱できる「ごはん保存容器 一膳用」、スクリュー式のフタで密閉性が高く液体や粉類の保存に適した「スクリューロック®」です。

Q2.ここ数年でジップロック®の売れ筋や消費者ニーズの変化について教えてください。

まず、ジップロック®バッグシリーズの売れ筋は、フリーザーバッグです。冷凍保存から電子レンジ解凍まで可能で、ジップロック®ブランドを代表する商品です。注力商品は、イージージッパー®です。スライド式ジッパーのためお年寄りでも開け閉めがしやすく、小物の持ち運びなど、頻繁に開け閉めする用途に特に適しています。

ジップロック®コンテナーの売れ筋は、使いやすいサイズの正方形1100mlです。注力商品は、競合と明確に差別化ができている「ごはん保存容器 一膳用」です。

Q3.自主調査では、購入業態としてスーパーが半数近くを占め、店頭購入が圧倒的でしたが(参考3)、注力している業態や販売経路などがあれば教えてください。

食品を扱うGMS(大型スーパー)、SMをベースとしつつ、成長著しいドラッグストアやECへの販促にも注力し始めています。また、ここ2~3年では、特に様々な企業とのコラボレーションを積極的に行い、食品保存以外のイメージでの消費者との接点を増やす取り組みをしています。

その一例として、今年はH.I.S.様と旅行シーンでの衣類などのパッキングや小物の整理に、ジップロック®の活用を提案したり、BEAMS COUTURE(ビームス クチュール)様とは、ジップロック®をポーチやリュックにアップサイクルして販売するなどの取り組みを行い、ファッションに敏感な若い層に向けて、ジップロック®=機能的でおしゃれ、というイメージを醸成することで、新たなファン層を開拓していくことを狙っています。

Q4.顧客との接点を増やす取り組みの中で、売れ方に変化はありましたか?

“時短”のニーズは根強く、作り置きだけではなく、ジップロック®フリーザーバッグに、肉や魚などの食材と調味料を入れて冷凍保存する“下味冷凍”での活用を提案し、今ではSNSでレシピの共有や、料理本も発売されるなど、認知が広がっています。

また、食品保存以外での、持ち運びのニーズが高まり、使用枚数が増えたことなども影響していると思いますが、入り枚数の多いジップロック®の大容量品の構成比が高くなってきています。中でも、開け閉めしやすいイージージッパー®の伸長率は高く、小物の整理や、スポーツや旅行での衣類の持ち運びなどでの利用が増えているのではと推測しています。

また、ヘビーユーザーになると、様々なサイズのジップロック®を購入し、入れる物に合わせた使い分けをし、自分に合った使い方をしている傾向が強いことがわかりました。ヘビーユーザーが牽引した結果もあり、あらゆるシーンでの活用範囲が広がったことで、金額、枚数ともにジップロック®は2ケタ成長をしています。

Q5.ジップロック®が伸びている中で、サランラップ®市場の売上に影響はありましたか?

ライフスタイルの変化で、食品保存のシーンが増え、ジップロック®とのカニバリは起きずに、サランラップ®市場も拡大しています。今後、食材をサランラップ®に包んでジップロックに入れて保存する「ラップ&ジップ」の訴求を強化し、より消費者に、よりよい保存スタイルを伝えていきたいと思います。

Q6.年末年始も含めた、これからの販促方法を教えてください。

SNSなどデジタルを活用して「下味冷凍」や「旅行でのパッキングなどの整理・持ち運び」を、一年を通して訴求しながらも、店頭では、季節にあった訴求を心掛け、これからの時期であれば、ジップロック®やコンテナーなど、クリスマスやお節の保存・下ごしらえなど、催事に合った販促に力をいれていくなど訴求ごとの使い分けを考えています。

Q7.最後にジップロック®をどんなブランドへと成長させたいですか?

ジップロック®バッグシリーズの「中身が見える」「密封性が高い」「開け閉めしやすい」などの機能と、ジップロック®コンテナーの、きれいに重ねて整理整頓しやすいスタッキング性は、キッチンだけでの使用に限らず、生活の幅広い場所に活かすことができると考えています。使う人にとって、毎日の生活をよりスマートにしてくれるような提案をしていくことで、ジップロック®をスマートなライフスタイルに欠かせないブランドとして成長させたいと考えています。

※参考1~3:ソフトブレーン・フィールド株式会社「マルチプルID-POS購買理由データPoint of BuyⓇ」20代~60代のアンケートモニター3,974名を対象にした、作り置きに関するアンケート結果より。(WEB調査、調査期間:2018年10月26日~10月29日)

 

ジップロックをスマートなライフスタイルに欠かせないブランドとして成長させたいと語る服部氏

著者プロフィール

石井麻美
石井麻美

mitoriz(旧ソフトブレーン・フィールド)所属。広告代理店の企画営業や、制作会社でのメディアプロデューサーなど10年以上インターネットメディアに関する職に従事。2017年にソフトブレーン・フィールド株式会社に入社。入社後は経営企画部に所属し、POB会員メディアの企画運営および、POBデータを利用した調査リリース、および業界紙への記事執筆を行う。