このカテゴリどこで買う?

レシートデータから見る男性用化粧品の売り方・買い方

第21回男性用洗顔シートを自分用に買う女性も。商品開発もジェンダーレス化進むか?

調査会社の富士経済によると2018年の男性用化粧品市場の規模は1,175億円。2020年には1,191億円まで増加すると予測しています。そこで今回は、フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:木名瀬博)は、アンケートモニターから独自に収集する「マルチプルID-POS購買理由データPoint of BuyⓇ」(以下POB)のうち、「男性向け化粧品カテゴリ」の購買データ(※1)レシート総枚数5,909枚(調査期間2019年1月~2019年12月)から購買行動を分析しました。男性の美意識の変化を読み解きます。

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※1)「男性向け化粧品カテゴリ」購買データ
「洗顔/洗顔シート」・「ブロー/スタイリング剤」・「男性用シャンプー」・「スキンケア」・「育毛/養毛剤」の5カテゴリをセレクト

洗顔関連がトップ、スキンケアも健闘

まず、最初にPOB会員が購入した男性向け化粧品の購入レシートを分析をします。

POB会員の男性向け化粧品の購入レシートを分析すると、「洗顔/洗顔シート(37.6%)」が最多となり、「ブロー・スタイリング剤(26.8%)」、「男性用シャンプー(16.5%)」などの使用頻度の高いカテゴリが続く中、「スキンケア(10.6%)」が健闘していることがうかがえます。

背景には、近年男性の各化粧品メーカーから男性向け化粧品が続々と販売されていることがあります。2019年9月には富士フィルムがアンチエイジング化粧品「アスタリフト」を男性向けに展開することを発表しており、多くのメーカーが成長率の高い市場として積極的に商品開発をしていることも伺えます。

洗顔シートは丈夫さが評価されるメンズビオレと香りで魅せるギャツビーが首位

ここからは、POB会員が購入した「男性洗顔/洗顔シート」、「男性用シャンプー」、「男性スキンケア」に注目して、レシート枚数から、どのような商品が購入されていたのか購買理由とともに分析をします。

まず、「男性洗顔/洗顔シート」の商品別レシート枚数シェアは、1位「花王 メンズビオレ洗顔シート(14.1%)」、2位「マンダム ギャツビーフェイシャルペーパー(13.2%)」と洗顔シートが続き、3位「花王 メンズビオレ 泡タイプ洗顔(12.6%)」、4位「マンダム ギャツビー フェイシャルウォッシュパーフェクトスクラブ(6.2%)」、5位「マンダム ギャツビー フェイシャルウォッシュ薬用トリプルケアアクネフォーム(4.3%)」となります

「花王メンズビオレ洗顔シート」の購買コメントからは、「CMなどで紹介されている特長のとおり、シートが丈夫で破れにくく拭いている途中で丸まったりしないので使いやすい。また、乾きにくいので首や耳の後ろなど広範囲に使用出来る。香りも強過ぎずほのかに香る程度で気に入っている(50代男性)」や、「CMでもやっているように乾きにくいし、破れにくいので長時間使用できて重宝している(40代男性)」といった、CMにより商品特長が浸透し購入したといったコメントが目立ちました。

続いて、「マンダム ギャツビーフェイシャルペーパー」の購買コメントをみると、「拭くとひんやり感がクセになり愛用している。(40代男性)」や、「袋から一枚取り出したときのさわやかな香り、顔に当てたときのひんやりとした感覚が好み(50代男性)」といった、爽快感や香りについてのコメントが多くみられました。

他にも、「この商品を10年以上使っています。洗顔シートのなかでは最高の商品だと思う(30代男性)」など男性向け化粧品を牽引してきたブランド力で長年愛用しているといったコメントもみられました。

シャンプーぶっちぎり1位は頭皮への効果期待される「サクセス」

次に、「男性用シャンプー」カテゴリ商品について分析をします。

「男性用シャンプー」の商品別レシート枚数シェアは、1位「花王 サクセス 薬用シャンプー(21.0%)」、2位「花王 サクセス リンスのいらない薬用シャンプー スムースウォッシュタイプ(7.9%)」、3位「h&s for men ボリュームアップシャンプー(6.6%)」、同率3位「サンスター トニック 爽快頭皮ケアシャンプー リンスイン(6.6%)」、5位「花王 サクセス 薬用シャンプー エクストラクール(5.7%)」となります。

「花王 サクセス 薬用シャンプー」の購買コメントからは、「毛穴のアブラもニオイもよく落とせて洗髪後の爽快感が気持ち良い(60代男性)」という『頭皮の皮脂に届く洗浄力』。「洗髪後臭いが減った(60代男性)」という『頭皮のニオイ』への効果を実感するコメントが多く挙げられ、他にも「主人がいつも使用しており購入を頼まれ、ドラッグストアに来店し購入(30代女性)」といった代理購入や、「残りが少なくなってきたので、自宅近くのスーパーで他の買い物のついでに購入(40代女性)」といった“ついで買い”などが目立ちました。

店頭購入の場合では手軽な価格帯で効果が実感できる薬用シャンプーの支持が高い傾向がコメントに表れていました。

女性による代理購買多いスキンケアカテゴリ

最後に、「スキンケア」カテゴリ商品について分析します。

「男性スキンケア」カテゴリの商品別レシート枚数シェアは、1位「マンダム ギャツビー 薬用スキンケアウォーター(5.3%)」、2位「大塚製薬 ウル・オス スキンミルク(4.6%)」、3位「大塚製薬 ウル・オス スキンローション(4.2%)」、4位「花王 メンズビオレ 毛穴すっきりパック(4.0%)」、同率4位「マンダム ルシード 薬用トータルケア乳液(4.0%)」となります。

「マンダム ギャツビー 薬用スキンケアウォーター」の購買コメントからは、「この商品を常用しており、とてもさらっとしていて、使用後にベタつきが無く匂いが無いのもいい(30代男性)」といった、使用感で自身が購入し選んでいる男性のコメントがありましたが、「男性化粧品の並び方がよくわからず毎回探して購入。メーカー毎なのか、使用目的毎なのか。毎回同じ物をオーダーされ購入(60代女性)」や、「息子に頼まれ、どれがいいのかわからず、名前を知っているお手頃価格なこの商品を購入(50代女性)」といった代理購入をする女性のコメントが多くみられ、前段の「POB会員が購入した男性向けシャンプーカテゴリ商品(図表3)」においても、女性が普段の買い物の“ついで買い”といったコメントがありました。

このことから、男性ターゲットの商品であっても、代理購入をする女性を意識したPRが販売促進に効果的であることがうかがえます。

男性用用品を購入する女性も。ジェンダーフリー商品が増える?

一方で、「POB会員が購入した男性向け洗顔・洗顔シートカテゴリ商品(図表2)」においては、「夏場の暑い時に毎日使うため消費量が多く、大きいサイズが欲しくていつも購入している(30代女性、花王 メンズビオレ洗顔シート購入)」や、「汗をかく季節に入ったのでよく利用する。一枚でスッキリサラサラになるので経済的でいい。一枚で手軽に綺麗になれる(30代女性、マンダム ギャッツビーフェイシャルペーパー購入)」などといった、女性が自分のために指名買いするといったコメントがありました。

他にも、「髪の毛に元気と栄養を与えてくれる気がする(30代女性、花王 サクセス薬用シャンプー購入)」や「自分の髪質に合っており効果を実感できている(50代女性、花王サクセス薬用シャンプー購入)などといった、男性向け商品であっても自分の悩みや自分の体質に合った効果を実感しているといった声もあり、これまでの「男性用」「女性用」といった固定概念で決めつけるのではなく、消費者一人ひとりにあった商品開発がより重要視され、男性も女性も使える「ジェンダーレスな商品」が今後増えていくのではないでしょうか。

著者プロフィール

石井麻美
石井麻美

mitoriz(旧ソフトブレーン・フィールド)所属。広告代理店の企画営業や、制作会社でのメディアプロデューサーなど10年以上インターネットメディアに関する職に従事。2017年にソフトブレーン・フィールド株式会社に入社。入社後は経営企画部に所属し、POB会員メディアの企画運営および、POBデータを利用した調査リリース、および業界紙への記事執筆を行う。