新・流通用語集

知っておきたい「新しい組織」に関する用語

第4回「ホラクラシー経営」で意志決定を組織全体に分散させ生産性を高める

続々登場する流通小売業に関する用語や新しいコンセプト。この連載では流通小売業に携わる方であれば知っておきたい新しい用語を取り上げ、解説していきます。今回は、「ホラクラシー経営」「ティール組織」など新しい組織に関する用語です。

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ホラクラシー経営

2007年、アメリカの起業家ブライアン・J・ロバートソン氏によって、組織における役職をなくし、意志決定を組織全体に分散させることで生産性を高める「ホラクラシー経営」が提唱されました。背景には、意志決定のプロセスで、より迅速な経営判断と施策の実行が必要とされはじめたことがあります。

ホラクラシー経営の特徴として、マネージャーという概念がないため、人を管理することがありません。また、役職ではなく、目的を達成するための役割が与えられます。メンバー内に情報格差を生み出さないよう、どのような情報であっても常に公開します。

ホラクラシー経営では、組織や人を管理するマネージャーがいないため、マネジメントに必要な時間や労力を本来の業務に充てることができます。また、メンバーひとりひとりに、自発的に課題の発見・解決を行う主体性が芽生えます。一方で、それぞれが意思決定権を持つことで、責任の所在が不明瞭になったり、お互いの行動が管理できない、情報をオープンにしているため漏洩のリスクが高いなどの懸念点が挙げられます。

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ティール組織

フレデリック・ラルー氏が著書『Reinventing Organization』の中で提唱したティール組織とは、次の5つの段階を経て成長していきます。

第一段階の「衝動型組織(レッド組織)」は、短絡的な思考を持つ小さな組織を、トップが物理的な力で支配している状態。第二段階の「順応型組織(アンバー組織)」になると秩序が生まれ、役職や階層が定められます。第三段階の「達成型組織(オレンジ組織)」では、前段階よりも柔軟性のある組織へと進化し、目標達成に向けたイノベーションが起こります。第四段階の「多元型組織(グリーン組織)」はピラミッド型の組織構成を残しながら、意思決定プロセスにボトムアップが見られるようになります。構成員は協調性を意識するようになります。第五段階の「進化型組織(ティール組織)」はピラミッド型がなくなり、各個人が主体となって自主経営組織を構築します。

「進化型組織(ティール組織)」には、パラレル構造・個別契約の網構造・チームの入れ子構造(ホラクラシー)の3つの構造が見られ、セルフマネジメント・存在目的・全体性の3つの特徴をそなえています。ティール組織を導入している主な企業としては、アメリカのアウトドアブランド パタゴニアが有名です。

スクラム

スクラムは、もともとアジャイはル開発などにおいて用いられてきた「チームで仕事を進めるためのフレームワーク」でした。現在では技術的な部分は取り除かれ、より広い分野で活用されはじめています。アジャイル開発では、クライアントの要求や仕様変更に柔軟に応える必要がありますが、スクラムはこうした対応に向いています。

スクラムチームには、開発チームへの依頼権限と開発の中止権限を持つプロダクトオーナー、開発チームが業務に専念できるようチームを守るスクラムマスター、開発を司る開発チームの3つのロールがあります。スクラムチームは、自らを管理できる状態(=自己組織化)でなければならず、同時にチーム内だけで目的を達成できるだけのスキルを備える(=機能横断的)組織である必要があります。

スクラムを導入するにあたっては、チームの現状の課題を見える化し共通認識を持つこと、チームの課題を確認すること、問題が起こった場合改善策を提示して対応することを意識して取り組むことで、より高い成果を得ることができます。

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著者プロフィール

MD NEXT編集部

お江戸日本橋で日夜売り方・買い方を研究し続けています。コンビニマニア、ECマニア、100均マニアなどなどが集まる、日本で一番「お店」のことが好きで研究し続けている編集部です。