一つの資本が11店舗以上を経営管理する
そもそもチェーンストアとは何でしょうか?
小売業や飲食店は、どれだけの数の店舗を、どのように管理しているかで分類することができます。
この定義によると「一つの資本で標準化された11以上の店舗を直接経営管理するもの」がチェーンストアとされています。しかし、チェーンストアとしての本領を発揮するためには200店舗以上の標準化(後述)された店舗が必要という説もあります。
チェーン規模が大きくなれば商品価格は下がる
ではチェーンストアの強さの秘訣とはいったい何なのでしょうか?
まず1点目は、同一のフォーマット(業態)を多店舗展開することで、特定の商品の販売数量を増やし、商品を買いやすい価格にすることができる、ということです。
1店舗で1週間に10個売れる商品は、1,000店舗を展開しているチェーンストアでは同じ期間で1万個売れます。この販売量を元に、メーカーに値下げ交渉などを行うのです。
販売の規模を大きくすることにより、仕入値が安価になることを「スケールメリット」といいます。このスケールメリットは、商品の販売価格だけではなく、店舗の建築資材の仕入値や、従業員の教育コストなどの経費圧縮にも影響を及ぼします。
2点目として、チェーンストアの規模が大きくなれば、ナショナルブランド(NB)メーカーが作らないような商品をチェーンストアが独自に開発・販売することもできるようになるということが挙げられます(プライベートブランド・PB)。
マクドナルドのようなハンバーガーチェーンがびっくりするような低価格の商品を打ち出すことができたり、ユニクロや無印良品のようなSPA企業が、独自性のある商品を安価に開発できるのも、この「チェーンストア化によるスケールメリット」が背景にあるからこそなのです。
次回は、チェーンストアにとって重要な「標準化」と「分業」という概念について解説します。