上位10社のシェアは72%

いよいよ売上高1兆円目前!この1年で伸びたのはどのチェーン?[ドラッグストア決算2021まとめ]

月刊マーチャンダイジングでは、毎年10月号で上場ドラッグストア企業の決算を特集しています。今回は2021年の売上高ランキングの一部をご紹介します。

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売上上位10社で市場の7割強のDgS業界

ドラッグストア(DgS)の2020年度の業績は、昨年2月以降に広がった新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)による需要の変動を大きく受けました。

感染予防対策としてマスクや衛生用品の需要が拡大し、DgSへの客足が大きく伸びました。また内食需要も伸びて、食品部門を強化しているDgSの存在感も高まる結果となっています。

一方、訪日外国人客が激減し、インバウンド需要は壊滅的な状況となりました。外出を控えることから、化粧品、スキンケア関連商品の売れ行きも伸び悩み、とくに都市部に立地するDgSは大きなダメージを受けています。

売上高上位10社の中で売上を伸ばしたのが、ウエルシアホールディングス(HD)、ツルハHD、コスモス薬品など7社。

一方、売上高を落としたのが、比較的都心部立地の店舗を多く抱える、マツモトキヨシHD、富士薬品グループ(非上場)、ココカラファインの3社です。

業績で明暗を分けたこともあり、10社の売上高合計は5兆7,898億円と前年からは2,252億円増、伸び率は4.0%に落ち着いています。

なお8兆363億円のDgS市場(日本チェーンドラッグストア協会調べ)に占める上位10社のシェアは72%となっています。

売上高9,000億円台のウエルシアHDとツルハHD

前年に引き続き、売上のトップはウエルシアHDです。2020年6月に群馬県を地盤にするクスリのマルエを子会社化したり、上新電機、ホームセンターみつわからDgS店舗を譲受するなど積極的なM&Aを実施し、売上高は伸び率で9.4%増の9,496億円と9,000億円台を突破しました。

2022年2月期の通期予想は、傘下に収めた店舗が通年で貢献することもあり、7.5%増の1兆210億円としており、業界初の1兆円DgSが誕生しそうです。

2位のツルハHDの2021年5月期も、9.3%増とウエルシアHDと同規模の伸び率となり、9,193億円と9,000億円の大台に乗せています。昨年6月に子会社化したドラッグイレブンの売上高472億円(11.5ヵ月分)の実績が業績を底上げしました。

ただし、今年の3~5月の第4四半期に限ると、新型コロナによる影響が一巡したことで、ドラッグイレブンを除いた売上高は減収となっています。

2022年5月期通期予想は、売上高9,560億円を見込んでいます。同社は今期から「収益認識に関する会計基準」を適用するため決算短信では増減率は発表していませんが、変更前の基準に照らすと、売上高予想は9,757億円(6.1%増)としています。なおツルハHDは、3年後の2024年5月期に3,000店舗、売上高1兆円の中期目標を掲げています。

このほか、月刊マーチャンダイジング2021年10月号ではドラッグストア企業の決算に関する情報満載でお届けします。

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