前半は、POB会員のレシートから購入状況・曜日別・時間帯別レシート購入金額を分析します。(図表1~図表3)
平均客単価は586円のセブンが最多。アイテム数は各社2~3個
まず、コンビニエンスストア大手3社(セブン-イレブン・ローソン・ファミリーマート)の購入状況は、セブン-イレブン<平均レシート単価¥586円・レシート1枚あたりの買上点数2.8個>、ファミリーマート<平均レシート単価¥502円・レシート1枚あたりの買上点数2.5個>、ローソン<平均レシート単価¥556円・レシート1枚あたりの買上点数3.0個>となります。平均客単価においては、もっとも高いセブン-イレブン(¥586円)と、ファミリーマート(¥502)の差は¥84円となりましたが、レシート1枚あたりの買上点数は大きな差は見られませんでした。
曜日別レシート購入金額は、各社金・土曜がピーク、ローソンは火曜も高い傾向あり
次に、来店曜日別の購入レシート金額割合をみると、セブン-イレブンは<金曜日14.6%>から、2.1ポイント上昇し<土曜日16.7%>でピークを迎えます。比較的曜日に限らず、安定して購入されていることがわかります。これはファミリーマートについても同様です。
一方で、ローソンにおいては<木曜13.0%>から、7.0ポイント上昇し、<金曜日20.0%>で来店のピークを迎えます。その後<月曜11.3%>までは下降しますが、再び4.7ポイントの上昇し、<火曜日16.0%>となり、レシート購入金額の推移に特徴が表れました。
その背景には、セールやキャンペーンの実施が来店に寄与している可能性が高く、ローソン公式HPのキャンペーン情報を確認したところ、火曜日はキャンペーンの開始日となるケースが高く(直近11月の情報のみ確認)、金曜は、2018年3月から毎週金曜(16:00~21:59)には「揚げ物」「焼鳥」のタイムセールが実施されていることがわかりました。
3社のカテゴリ状況について、レシートからどのようなものが購入されていたか分析します。
カテゴリ構成比、半数以上が食品関連カテゴリが占め、飲料、酒類が続く
まず、コンビニエンスストア大手3社(セブン-イレブン・ファミリーマート・ローソン)の購入レシートからカテゴリ構成をみると、各社「生鮮・惣菜(主に生鮮三品、おにぎり、スイーツなど)」および「食品(主に菓子類、調味料類、アイスなど)」の「食品関連カテゴリ」の構成比が半数以上となります。セブン-イレブンと(生鮮・惣菜38.7%/食品19.5%)、ファミリーマートの(生鮮・惣菜32.7%/食品19.7%)の2社は、生鮮・惣菜が食品カテゴリを10ポイント以上上回りましたが、ローソンは(生鮮・惣菜28.6%/食品25.4%)となりました。次に大きな構成比を占めたのは、「飲料カテゴリ<13.3%~17.9%>」、「酒類<4.9%から8.6%>」と続きました。各社2割近くの構成比を占める「その他」に関しては、雑誌や文庫本などの書籍、たばこなどが含まれています。
次からは、コンビニエンスストアの主力商品カテゴリでもある「おでん」と「揚げ物」をセレクトし、全体のレシート購入金額に占めるシェアをみます。
冬場じゃない、コンビニおでんは9月と10月に売れていた
「おでん」の、レシート購入金額全体に占める割合をみると、セブンイレブンは0.7%、ファミリーマートは0.2%、ローソンは0.1%となります。(各社平均割合)
季節商品のため、他商品よりも割合が小さくなりますが、店頭に並び始める8月~10月に各社TVCMやキャンペーンなどを投下し、それに伴い各社の購入金額も上昇していることがわかります。特にセブン-イレブンは9月(2018年3.3%/2019年3.2%)に跳ね上がっているのが特徴的です。
揚げ物は各社一定シェアあり。ローソンは企画実施月に大きな伸びをみせた
「揚げ物」の、レシート購入金額全体に占める割合をみると、セブンイレブンは2.9%、ファミリーマートは3.3%、ローソンは3.5%となり(各社平均割合)、3社に大きな差はありませんでした。
各社購入金額のピークは、セブン-イレブンは4月(4.7%)、ファミリーマートは3月(5.9%)となります。ローソは8月(6.0%)に大きな伸びをみせ、背景を調べるとdポイントカード会員先着60万名に、Lチキが1個無料でもらえるキャンペーンが実施されていため、その影響が考えられます。
また、ファミリーマート(5.1%)は12月にも伸びがあり、主力のファミチキなどの商品が、クリスマスパーティを盛り上げるフードメニューとして選ばれていたことが予想されます。
<前半のまとめ>
- コンビニエンスストア大手3社平均客単価は500円台。586円のセブンが最多。アイテム数は2~3個
- 来店曜日は、金・土曜が各社ピークだが、ローソンは火曜に再び上昇。キャンペーン、タイムセールが来店に寄与。
- 主力のおでんは冬場ではなく店頭に並び始める9月10月にレシート金額がピークとなり、揚げ物においては、各社一定の割合は確保し続けており、ローソンはLチキ無料の企画実施月(2018年8月)に跳ね上がっていた。