各社、SNSから公式アプリへの移行図る

小売業各社のSNS施策をまとめてみた 2019夏(3)GMS・食品スーパー編

夏休み特別企画として、小売業のSNS活用状況を調査しました。第3回目の今回はGMS・食品スーパーを特集します。地域に根づいた企業が多い食品スーパー。各社の情報発信のあり方には変化があったのでしょうか(フォロワー数等は2019年7月末のもの)。

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SNS利用状況に変化なし。アプリの利用を促すイオン

イオンでは、LINE、Facebook、Twitter、Instagramの公式アカウントを所有しています。これは、2018年調査時から変わりありません。内容についても、セール・キャンペーン情報、レシピなど、それぞれに使い分けをしています。

前回調査時と変わった印象を抱いたのは、イオンの「お買物アプリ」です。アプリにはイオンカード、WAONカード、WAON POINTカードなどを登録することができ、登録したカードの種類によって、割引率などの異なるクーポンやお得情報の配信を受けることができます。店頭でアプリ利用者を対象とした割引デーを実施するなど、アプリのインストールを促すキャンペーンも展開しています。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.aeon.info
https://www.aeon.com
LINE イオン公式アカウントあり
フォロワー数約370万人
Facebook https://www.facebook.com/aeonretail/
フォロワー数約47万人
Twitter @AEON_JAPAN
フォロワー数約65万人
Instagram aeon_japan
フォロワー数約4.2万人
その他のSNS なし
アプリ あり(クーポン)
ネット通販 https://www.aeon.com/item/fntnwftcwxhpav5x/
ネットスーパー https://www.aeonnetshop.com/shop/

セブン&アイのマイルサービスがアプリに追加 イトーヨーカドー

イトーヨーカドーでは、イオン同様、この1年でSNS施策に大きな変化はありませんでした。各SNSアカウントのフォロワー数は微増となっています。

セブン-イレブンのアプリが新しくなったことを受け、イトーヨーカドーでもやはり、アプリが新しくなりました。アプリで7iD会員登録をすることで、セブン&アイグループの対象店舗、通販サイト「オムニ7」で買い物するとマイルがたまり、獲得マイル数に応じて特典やクーポンを受取ることができるサービスが追加となっています。

しかしながらこちらの記事にも記載したとおり、マイルのnanacoポイントへの還元のシステムリリース日については2019年8月6日現在発表が無く、日本の小売業界において真のオムニチャネル実現への道のりが険しいことを感じさせられます。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.itoyokado.co.jp
LINE イトーヨーカドー公式アカウントあり
フォロワー数約460万人、各店舗LINE@公式アカウントあり
Facebook https://www.facebook.com/itoyokado/
フォロワー数約13.6万人
Twitter @Lets_go_Yokado
フォロワー数約33万人
Instagram itoyokado_official
フォロワー数約18.4万人
その他のSNS Youtube
アプリ あり(チラシ、クーポン、ポイント、セブンマイル)
ネット通販 https://iyec.omni7.jp/top
ネットスーパー https://www.iy-net.jp

ネットスーパーは廃止、ますます実店舗での集客に注力するユニー

2018年調査時と同様、ユニーでは、系列スーパーアピタ・ピアゴの店舗ごとにLINE@公式アカウントを有していますが、FacebookやTwitter等、その他のSNSアカウントの開設はしていませんでした。

公式サイトでは、アピタ・ピアゴのPB「Style ONE」「Prime ONE」の商品を使った月替わりのおすすめレシピ動画を公開していますが、アップ数は月2本とあまり力は入れていない印象です。

ネットスーパーが2019年6月をもって廃止となっていることからも、実店舗へのますますの注力がうかがえます。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.uny.co.jp
LINE 店舗ごとLINE@公式アカウントあり
Facebook なし
Twitter なし
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ あり(チラシ)
ネット通販 http://www.apitashop.com/shop/default.aspx
ネットスーパー 2019年6月廃止

アプリがT-POINTと連動したユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスでは、2018年調査時と同様、マルエツを取り上げます。マルエツのSNS施策は昨年と変わりなく、LINE、Facebook、Twitter等、いずれも展開はなし。公式サイトでイチオシレシピとして、各店舗のスタッフがPBを使った
メニューを紹介していました。

昨年チラシに特化していたアプリは、T-POINTと連動。T-POINTがもらえるクーポンやキャンペーン情報。買い物履歴の閲覧などが可能に。ネットスーパーは一部エリアに限って展開しています。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.usmh.co.jp
https://www.maruetsu.co.jp
LINE なし
Facebook なし
Twitter なし
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ あり(T-POINTと連動、チラシ)
ネット通販 https://www.rakuten.ne.jp/gold/maruetsu/index.html
ネットスーパー https://maruetsu.net

昨年に続き「ララピー」が活躍中のライフコーポレーション

2018年調査時と同様、ライフではLINE@公式アカウントを有しています。Facebookのフォロワー数はほぼ変わらずですが、Instagramのフォロワー数はおおよそ倍の約4,000人となっていました。

各SNSではマスコットキャラクターの「ララピー」が店舗を訪問した様子や、消費者とのやり取りを行っており、愛らしい見た目にファンも多いようです。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.lifecorp.jp</td>
LINE 店舗ごとLINE@公式アカウントを運用していたが、終了し、アプリに統合されている店舗も散見される。(公式発表発見できず、編集部による推測)
Facebook https://www.facebook.com/lifecorp428/
フォロワー数約1.5万人
Twitter なし
Instagram lalapi0428 (ララピー)
フォロワー数約4,000人
その他のSNS YouTube
アプリ あり(チラシ、お買い得情報、会員登録)
ネット通販 https://www2.lifecorp.jp/front/
ネットスーパー http://www.life-netsuper.jp

グループ共通のアプリが登場したアークス

北海道・東北地方に9つのグループ店舗を展開するアークスですが、昨年と変わったのはグループ共通の「アークスアプリ」が登場した点です。昨年まで、帯広から根室にわたって店舗を展開する「フクハラ」でのみ公式アプリを利用することができましたが、2019年1月にグループ共通アプリが登場。アークスRARAカードと連動し、プリペイドカード残高やポイント履歴、チラシ情報、キャンペーン情報などをアプリ上で確認できるようになりました。なお、「フクハラアプリ」も従来どおり利用が可能となっています。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://www.arcs-g.co.jp
LINE 店舗ごとLINE@公式アカウントあり
Facebook なし
Twitter なし
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ フクハラ公式アプリ
ネット通販 あり(ララカードのポイント照会、チラシ)
ネットスーパー 不明

アプリで注文、職場に届く バローホールディングス

バローホールディングスでは、SNSの展開には引き続き消極的でしたが、2019年7月からアプリを介した配達サービスを開始しました。

会社に勤める女性の生活スタイルを変えることをコンセプトとした「ainoma」というサービスは、アプリやバロー公式サイトからバローグループの商品を注文し、購入者の勤務先へ届けてくれる点が大きな特徴です。

従来のネットスーパーでは自宅に届くため、外で働く方にとっては商品の受け取りができないという問題がありました。勤務先への商品配達はまさに、かゆいところに手が届くサービスです。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト http://valorholdings.co.jp
LINE なし
Facebook なし
Twitter なし
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ なし
ネット通販 なし
ネットスーパー ainoma(勤務先への商品宅配サービス)
https://www.ainomarket.com/netshop-web/login

SNS施策は継続、使いやすいネットスーパーが印象的なヤオコー

2018年調査時と同じく、ヤオコーでは、店舗ごとにLINEの公式アカウントを有しています。また、Facebookでは2つのアカウントを展開している点にも変更はありませんでした。

ヤオコーのネットスーパーでは、献立に困った方のための「クッキングサポート」というレシピページにリンクが貼られており、季節の野菜を使った献立や、料理のコツなどを紹介していました。「子育て特集」「非常食・備蓄品特集」など、目的に沿ったショッピングがしやすい印象です。

■SNSアウトライン

企業ウェブサイト https://www.yaoko-net.com
LINE 店舗ごと公式アカウント
Facebook https://www.facebook.com/yaokococoro
フォロワー数約2,500人
https://www.facebook.com/yappomarukaziri
フォロワー数約800人
Twitter なし
Instagram なし
その他のSNS なし
アプリ あり(クーポン)
ネット通販 なし
ネットスーパー https://www.ns.yaoko-net.com/front/app/common/index

まとめ

・スーパーはこの1年でSNS施策に大きな変化はなかった。
・各社、公式アプリに力を入れている様子が見られた。

昨年の記事はこちら

小売業各社のSNS施策をまとめてみた 2018夏(3)〜GMS・食品スーパー編〜