カスタマージャーニー
マーケティングにおいてはモデルユーザーとなる「ペルソナ」を設定し、その「ペルソナ」の購買意欲をかき立てるような商品やサービスを設計しますが、カスタマージャーニーとは、ペルソナの行動や思考、感情など、 顧客が商品の購入に至るまでのプロセスのことを言います。
カスタマージャーニーを理解することで、顧客行動における心理を分析し、顧客の視点に沿ったマーケティング施策を展開することができます。カスタマージャーニーを図式化しアウトプットしたものをカスタマージャーニーマップといい、マップ作成のプロセスを担当者間で共有することで共通認識をもたせ、顧客の視点を軸にした全体最適化をすることができます。
お客様の「行動」、「思考」、「感情」などの動きを見える化することによって接点を明らかにし、情報を効率よく適切なタイミングで提供することもできるようになります。
現代の販売チャネルが多様化、複雑化し、IT技術の向上により取得できるデータ量が飛躍的に増加したこと、データ分析の精度が高度化したことなどによって、カスタマージャーニーという概念が登場したと考えられています。
カスタマーエクスペリエンス
カスタマーエクスペリエンスは、日本語に直訳すると「顧客経験」です。言葉どおり、商品・サービスの価格的・物質的価値ではなく、商品を使用することで得られる満足感など、体験を通じて得た心理的価値のことをいいます。
商品をただ購入するだけでなく、商品を選ぶところからはじまり、購入、使用、アフターサポートまでを含めた一連の行動の中でよりよい経験価値を提供し、ブランドのファンを増やすマーケティング手法です。
『カスタマーエクスペリエンス』の著者で顧客経験の考え方を唱えたジョン・グッドマン氏によると、カスタマーエクスペリエンスは、知覚的経験価値・感覚的経験価値・創造的経験価値・行動的経験価値・準拠集団の5つに分類することができます。
カスタマーエクスペリエンスを向上させるには、次の2点が有効です。1つ目は、カスタマージャーニーマップを作成し、顧客視点を整理すること。2つ目は、NPS(Net Promoter Score)を用いて、カスタマーエクスペリエンスを数値化し可視化することで改善点を洗い出すことです。こうした取り組みを、「カスタマーエクスペリエンス管理」といいます。
エンゲージメント
エンゲージメント(Engagement)には、「婚約」をはじめ「約束」「契約」などの意味がありますが、マーケティング分野においては、企業と従業員、企業と顧客の信頼関係や強いつながりのことを指します。
従業員エンゲージメントを高めることは、優秀な人材の確保・離職の防止・組織力の強化につながり、顧客エンゲージメントを高めることは、ユーザーのブランド・商品・企業への愛着心を高め、長期的なファン獲得につながります。
エンゲージメントが注目される背景には、昨今のマーケティング環境が大きく変動していることが深くかかわっています。これまでのように、マスメディアを活用した広告・宣伝活動から、より細やかなコミュニケーションを可能とするソーシャルメディアにシフトすることで、一方的だった情報提供の方法が、ユーザーの共感を呼ぶアプローチの仕方へと変化しているのが一例です。
FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを運営している場合、エンゲージメントが発生した割合(「エンゲージメント率」)を測定し、企業と顧客間のエンゲージメントを把握することができます。