1日の多くの時間をスマホ片手に過ごすようになったお客さまは、昔とは比べものにならないほど商品に関する情報を手に入れられるようになりました。しかし、その情報量の多さゆえに疲弊し、「結局何を選んでいいのかわからない」まま売場にやって来るお客さまも少なくありません。
店頭で購入を決定する消費者は約8割。購入商品がまだ明確ではないお客に対し、ヒントを与え、「あなたに必要な商品は、こういう理由で、コレ!」と、わかりやすい道筋で提示するガイド機能こそが、売場で求められています。
(1)商品選択の判断基準を提供するカテゴリー情報POP
特定の商品には結び付けず、来店客にとって有益なカテゴリーの知識や、商品選択の判断基準になるような情報を発信するPOPの実例です。
テーピングとサポーターの違いについて「固定力」や「難易度」「コスト」など5項目でわかりやすく比較しています。
こちらは牛肉の部位ごとの柔らかさ、脂肪の入り方、味などを一覧表にしたものです。
こちらは年間の感染症リスクを紹介しているPOPです。
このように、店舗にとって売上に直結しない情報であっても、お客さまの暮らしに役立つ情報を掲示することで、自分にとって親切な店、頼れる店としてお客の心に刻まれます。いつもの買い場として選ばれるような売場づくりを心掛けましょう。
(2)リアル店舗の本領発揮!お悩み解決POP
悩み別・症状別の情報発信はドラッグストアなどの店頭情報発信として効果的です。
こちらのトップボードでは、熱・頭痛の症状・原因を紹介しながら、売場の商品につながる対処法が掲載されています。
こちらは、細かな症状とそれに対応した漢方薬を掲示しています。深い悩みでなければ、薬剤師がいなくても、このボードを見て自分に適した漢方薬を選ぶことができるというわけです。
(3)つい当てはめたくなる診断系POP
質問やイラストなどを通して、お客自身がどの商品を購入すればよいのか診断できるタイプのPOPです。商品を購入する予定が無くても、ついつい自分ゴトとして見てしまいます。
こちらは、介護者にとっても本人にとっても確認や判断が難しい、大人用おむつの判断基準をわかりやすくまとめたPOPボードです。
こちらは5つの顔型に分け似合う帽子選びをサポートしています。
商品が陳列されているだけのケースが多く見られるヘアカラーカテゴリーに置かれたトップボードです。仕上がりのイメージでカラー剤を選ぶことができ、親切ですね。
一目でわかるイラストと注意を引きやすい黄色を使い、わかりにくいオーラルケアのアイテム選びをナビゲートしています。
(4)〇×でメリット・デメリットを明確にするマトリクスPOP
○×などを使い、縦軸・横軸を設けた図表で、カテゴリー内アイテムの特性をまとめたPOPです。図表にまとめることで、それぞれの商品や成分のメリットとデメリットも可視化できる。商品の全体像を把握しやすく、納得度の高い買物ができます。
上の写真ではプロテイン、下の写真では掃除の基本アイテムの特徴を紹介しています。お客のニーズをより具体的に掘り下げることで、商品のミスマッチを防ぐことができます。
(5)用途・機能でグルーピングし直感的に選べる売場
ひとつのボードに情報をまとめて掲示するのではなく、売場の商品をいくつかのグループに分けることで、お客の商品選択をサポートするタイプの情報発信がこちらです。
ホームセンターの売場です。キッチンツールを「すくう・返す」「つかむ・混ぜる」「剥く・おろす」という“アクション”ごとに、3尺1本を割り当てて編集しています。
こちらのドラッグストアの目薬売場では、最上段で目の症状別に「ゴロゴロ」「しょぼしょぼ」「疲れ目」「かすみ目」と、4種の目薬を紹介しています。
~後編へ続く~