「ハードボール戦略」という経営理論が注目されている。ハーバードビジネススクールの教材にも使われており、エクセレントカンパニーの組織開発のバイブルともいわれている。
ハードボール理論は、圧倒的に市場を席巻し、勝ち続けるためには、組織に属する人材の「行動」を改革し、現場の「徹底力」を高めることが重要であると説く。
つまり、経営方針やプランニングは優れていても、現場での実行力がソフトボールのように柔らかくて徹底されない組織は、競争に弱い。ハードボールのように硬くて強い徹底力を持った組織のみが、圧倒的に勝ち続けることができると、組織の行動改革の重要性を説いている。以下は、ハードボール理論の有名な一節である。
「意識」は「行動」を変えない。「行動」が「意識」を変える。
店内作業の徹底力が最大の競争戦略であるチェーンストアにとっては、非常に重要な理論である。頭でっかちの理論やプランでは競争には勝てない。組織に属する人員一人ひとりの行動を変えることによって、初めて意識改革を行うことができる。それが強い組織づくりの王道である。