ID-POSでは、顧客を「トライアル客(新規客)」と「リピート客(繰り返し購入客、固定客)」に分けることができる。つまり、客数の増加作戦は、トライアル客を増やすのか、リピート客を増やすのか、の2つの対策があり、方法が異なる。
ID-POSでは、年間に会員の30%は来店しなくなるといわれており、常に新規客を獲得し続ける営業努力が必要である。たとえば、季節指数の高い商品は、売れ始める時期に売場づくりが遅れると、そのシーズンの初回の購入客(トライアル客)を他店に奪われてしまい、大きな機会損失を招くことになる。
下図表のように総合感冒薬は、買上率が26.6%と高い(1年間に総来店客の26.6%の人がなんらかの風邪薬を購入しているという意味)。しかし、1年間の購入頻度はわずか2.3回にすぎない。
風邪のシーズン初期(10月前半)に売場づくりが遅れて、そのシーズンの初回購入(トライアル購入)を他店に奪われると、そのシーズンの残りの販売チャンスは1.3回しかなくなり、大きな機会損失につながる。