流通用語集

オムニチャネルOmni-Channel

小売業の販売方法は、以下のような進化を遂げている。
(1)「シングルチャネル」は、小売とお客が一対一の関係で、店舗に行って買物をするしかないような状況を指す。

(2)そこから少し進化したのが「マルチチャネル」だ。
小売とお客の関係は1対1だが、複数の方法が用意されていて、お客はシチュエーションに合わせて購入の方法を選択することができる。たとえば、今日は店舗に行って買物をするが、明日はネット宅配で買物をする、などがこれにあたる。

(3)さらに進んだのが「クロスチャネル」だ。
これはお客と小売が複数対複数の接点で関係することを指す。ネットの情報を見て価格や在庫を検討し、実際の購入は店頭で行う。紙のカタログを見て商品を選択し、実際の購入はネットで行う、などである。
しかしクロスチャネルでは、チャネルごとにIDが付与されるため、ネットで商品を買った人と、店頭で商品を購入した人を紐づけて分析することは難しい。

(4)「オムニチャネル」は「クロスチャネル」の進化系であるが、顧客の情報が会員IDで統合されているのが大きな違いだ。
お客は店舗で買物をするときも、ネット宅配の買物をするときも、同じIDを使用するため、小売は店舗で買った商品と、ネット宅配の履歴を参照して、おすすめ商品のクーポンを渡したりすることができる。そのため、オムニチャネルを導入する場合は、各チャネルを横断して商品管理・顧客購買履歴管理・販促管理などの仕組みを整えることになる。

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参照
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