流通用語集

ボリュームディスカウントVolume Discount

大量取引によって割引価格で仕入れる方法のこと。

①小売業の大量取引…「製品の大量仕入れ」(BtoB)

②消費者の大量取引…「商品のまとめ買い」(BtoC)

①小売業にとってのボリュームディスカウント「大量仕入れ」

アメリカの場合、大量取引はロビンソンパットマン法で規制されており、取引条件が同じであれば、企業規模の大小に関係なく、同じ価格で仕入れられなければならない。

たとえば10トントラック満載で一度に仕入れるという同じ方法であれば、相手企業の年間総取引額に関係なく、同じ価格で販売をするということになる。

年間総取引額による原価の低減のことではなく、あくまでも1回の調達活動で大量に仕入れることで流通コストが下がる「割引価格」のことである。※10トントラック満載+1ケースでは、トラックが2台必要になるため割引対象外。

創業したての小さな企業でも、特定の商品に絞って「大量仕入れ」を行えば総額取引額が小さくても、大企業より安く仕入れる革新を起こすことが出来る。

ロビンソンパットマン法には、公平な商取引の下に、新興勢力が常に生まれていくことを良しとするアメリカの商取引の精神が反映されている。

②消費者にとってのボリュームディスカウント「まとめ買い」

消費者の購買であっても、一回の購入でまとめ買いすることよって(ボリュームを出すことで)ディスカウントされるというのが、ボリュームディスカウントである。

顧客が商品を購入する際に、その単位によって価格が決まるのが、消費者側から見たボリュームディスカウントである。アメリカでは、価格の公平性を示すために「ユニットプライス」という売価表示が当たり前になっている。

アメリカのホール・フーズマーケットでは、ユニットプライスでバナナのまとめ売りをしている。最小単位である1LB(ポンド)あたり69セントと表記されている

たとえば1本あたり100円する飲料が、1ケース(12本入り)で買うと1本あたり85円で買えれば、ユニットプライスは安いと言える。

このように、「バラでは高いがケースでは安い」というふうに値引きされることも、ボリュームディスカウントと呼ぶ。

まとめ買いが単品で買うよりも「お得な買物」だと表現するために、ユニットプライスで「価格の公平性」を表示するというのが商人としては公正なやり方である。

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参照
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