小売業の基本を粛々と実行することが成長戦略

薬王堂 西郷孝一氏に聞く「5年間で売上高3,000億円、新規出店450店を目指す」

東北を基盤とする薬王堂は2025年4月、関東1号店を栃木県那須塩原市に出店。これを皮切りに出店を加速。2030年までに450店舗の新規出店と、現在の約2倍にあたる3,000億円の売上高を目指す。大型の中期経営計画を発表した薬王堂ホールディングスの事業会社、株式会社薬王堂の代表取締役社長 執行役員 西郷孝一氏に成長の戦略などを聞いた。
(聞き手/月刊MD編集主幹 野間口 司郎)(月刊マーチャンダイジング2025年9月号より転載)

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薬王堂の今の人材で中期経営計画の達成は十分可能

[図表1]2025年2月期、主要な決算数値
[図表2]2025年2月期、業績ハイライト

─既存店売上高の前年比が好調です(2025年2月期/105.7%、2024年2月期/108.5%)。発表された中期経営計画の中でも既存店の成長がひとつの基盤といったお話をされています。既存店好調の原因は何でしょう。

西郷 小売業としてやるべきことを粛々とやっているだけで、特別な施策がハマっているなど、全くありません。売場のコンディションを高いレベルで維持し続ける。これを3年以上継続できているので、お客様が安心して来てくださるのだと思います。

─プロモーション売場を長期固定する施策を続けていらっしゃいますが、これがお客様に好評ということでしょうか。

西郷 チラシも入れて価格販促もしていますが、売価はできるだけ変えないEDLPを基本にしています。

プロモーション売場の固定が効いているというより、そのことで、全体の作業量が減って定番売場のコンディションが常に良い状態に保たれているので、お客様が買物しやすいのだと思います。

─2030年までに売上高3,000億円、営業利益100億円、そのために450店舗の新規出店と300店舗の改装という中期経営計画を発表されています。計画の動機として、ウエルシアとツルハの経営統合は影響しているでしょうか。

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《取材協力》

株式会社薬王堂
代表取締役 社長執行役員
西郷 孝一氏