カテゴリー別 年末売場 強化大作戦【ID-POS分析】

売上金額年間最高だが、購入頻度は5位の12月。一度の来店での買上点数、購入金額アップに努めよう

年末はドラッグストア(DgS)の売上がもっとも上がる月である。しかし、12月をID-POS(顧客属性付きPOSデータ)で分析すると、他の月よりも下回っている数値もある。年末の購買行動をID-POSで分析した上で可能性のある商品や商品群、売り方をID-POS分析の第一人者、奥島晶子氏に解説してもらった。(調査・作表・解説/JBtoB代表取締役社長 奥島 晶子)(構成・文/月刊マーチャンダイジング編集部)(月刊マーチャンダイジング2022年11月号より転載)

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「月刊MD 2022年11月号」の特集は「〈カテゴリー別〉年末売場 強化大作戦」!。クリスマスや正月の準備、ボーナス時期でもある「書き入れ時」の12月をどう乗り越えるか?カテゴリー別に市場や売れ方の動向、強化すべき商品、売場づくりの工夫などを紹介します!
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併買促進、高単価品の販売が年末商戦には重要

[図表1]月別サマリー(2年間平均)

図表1はパネル店舗における月別の購入人数、売上金額などの数値をまとめたサマリーである。図表2図表1の数値の月別の順位を示している。今回の特集で売場強化すべきとした12月を見ると、売上金額は12ヵ月の中でもっとも高く年末がDgSの稼ぎ時なことに間違いない。しかし来店頻度は年間で5位にとどまっている。

[図表2]月別サマリー順位

頻繁に来店頂くから売上が高いのではなく、売価の高い商品の購入(図表2・平均売価1位)と買上点数の多さ(同・買上点数1位)により、客単価/回が高い(同・客単価/回1位)ことで結果として売上が高いのである。

このことから、(1)カウンセリング化粧品など高単価品を積極的に売る、(2)掃除や自宅パーティなど同じ場所や同じ機会で使う商品群は同じ売場、あるいは近接した売場で販売するなどして、一度の買物で買い忘れなく、併買を促す売場作り=「買上点数向上」が重要になる。

この後、キーワード別に年末12月に季節指数が上がる商品を紹介するので、併買されやすい商品は何か、また気付きを提供することで売れる商品は何か、といった視点で参考にしてほしい。高単価、併買(買上点数アップ)は12月の売場強化に重要な要素である。

ちなみに来店頻度は8月がもっとも高く、次いで7月となっている。これは暑さから軽飲料や熱中症対策品などを購入するお客様が増えることがその理由。売上金額でも8月は2位、7月は3位となっている。夏場は飲料を買いに立ち寄ったお客様に単価の高い商品を購入頂くことが売上につながる。

「月刊MD 2022年11月号」の特集は「〈カテゴリー別〉年末売場 強化大作戦」!。クリスマスや正月の準備、ボーナス時期でもある「書き入れ時」の12月をどう乗り越えるか?カテゴリー別に市場や売れ方の動向、強化すべき商品、売場づくりの工夫などを紹介します!
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12月の季節指数、乾燥、寒さ対策、お出かけ関連の品目が上位に

[図表3]週別、季節指数上位品目

図表3は年間A・Bランク※1の非食品の季節指数上位15品目である。各品目の横にある数字が季節指数(当該月の売上構成比÷年間の売上構成比)。調査データより抜粋して、11月の最終週、12月全週、1月第1・第2週の期間で見ている。
※1 A・Bランク:年間の累計売上構成比が70%までの売れ筋商品がAランク、70〜90%がBランク、90%未満がCランク

ハンドクリームは安定して上位に入っていて指数も2前後の数値を維持。季節プロモーションでは乾燥対策は欠かせない。

11月の最終週から12月3週にかけてフェースパウダーが1位、2位に入るが、これは主にカネボウのミラノコレクションの影響。毎年9月ころから予約活動は始まるので、高単価商品の販売に向け早期に動きだすことで年末売上を積み増すことができる。

12月に入るとリップカラー(口紅)も上位に出てくる。コロナ禍で大打撃を被った品目だが、クリスマスや忘年会など催事シーズンには売上が上がる。KATEのヒット商品で市場が活性化していること、コロナ禍関連の行動制限が取られないことから今年は一層期待できる。

12月の2週から使い捨てカイロが1位に来るが、春夏との落差で指数は上がる。12月の2週から4週にかけて上位に出てくるPOSAとはコンビニなどでもよく見かけるアップル、アマゾン、ニンテンドーなどが発行するプリペイドカード。クリスマスなどのギフト需要と思われる。概して乾燥、寒さ対策、お出掛け、ギフトなどの関連品目が、指数では上がる。

年末上昇・年始急落商品は売場拡大・縮小に要注意

次ページの図表4-1、4-2は年末需要の高まるキーワード別の品目だ。冒頭12月は購入頻度は高くないので買上点数アップが重要になると解説したが、キーワードは商品群をグルーピングするテーマにもなっているので、定番あるいはプロモーションで各キーワードの売場をしっかりつくり、併買促進、高単価商品の販売推進の参考にしよう。

続きは月刊マーチャンダイジング 2022年11月号で!

「月刊MD 2022年11月号」の特集は「〈カテゴリー別〉年末売場 強化大作戦」!。クリスマスや正月の準備、ボーナス時期でもある「書き入れ時」の12月をどう乗り越えるか?カテゴリー別に市場や売れ方の動向、強化すべき商品、売場づくりの工夫などを紹介します!
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〈取材協力〉

JBtoB代表取締役社長
奥島 晶子氏