高単価・高付加価値商品でカテゴリーを活性化する

敏感肌向けブランド「ミノン」、ベビーシリーズ登場

出生数が減少を続ける昨今、ベビーカテゴリーも縮小を余儀なくされている。しかし生活者のベビースキンケア意識は高まっており、高付加価値商品・低刺激性商品を求めるニーズは堅調だ。そんな中、敏感肌向けブランド「ミノン」はこの秋、ベビースキンケアアイテムのシリーズ化を発表。カテゴリーの活性化が期待される。(月刊マーチャンダイジング2022年7月号より抜粋)

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専門店等に奪われているベビースキンケア市場

[図表1]ベビー用スキンケア市場規模

2020年度のベビー用スキンケアの市場規模は、約142億円(図表1)。売上構成比は洗浄剤が47%、次いで保湿剤が36%を占める。2018年ごろまではインバウンド需要や、一人当たり単価の上昇などを背景に好調に売上が推移していたものの、コロナ禍によりインバウンド需要が消失し、出生数減少も相まってここ数年は若干の縮小傾向だ。

チャネル別実績

チャネル別の売上高構成比を見ると、ドラッグストア(DgS)や薬局が45.8%を占め、次いで37.7%とベビー専門店等が続く。一般のボディケアカテゴリーに比べると、ベビーボディケアの売上は、ベビー専門店等にかなり食われている状況だ。

高まるベビーのボディケア意識 しかし現実とはギャップが

[図表2]乳幼児を持つ20〜40代の母親の子供に対するスキンケア意識調査

昨今、ベビー用スキンケアに対する生活者の意識は非常に高まっている。図表2のグラフによれば、「子供の肌はデリケートなため、スキンケアは欠かせない」という親がどの世代も5割以上を占めている。一方「子供のスキンケアは適切にできている」とする人は30%〜40%前後。理想と現実にギャップがある状態が続いている。

また最新の臨床研究では、生後1週間以内の新生児期から保湿剤を塗布することで、アトピー性皮膚炎を発症するリスクが3割以上減らせることがわかっている(※1)。早期にスキンケアをはじめることがアレルギー予防に重要であるという認識が、乳幼児を持つ親に広がってきている。

※1 2014年10月の、国立成育医療研究センターの発表による。

赤ちゃんから高齢の方まで使えるスキンケアアイテムを提供

ミノンは、間もなく発売50周年を迎える敏感肌ケアブランド。名前の由来は「Non allergic(アレルギーの原因物質)」「Non toxic(低刺激性)」「Non alkaline(弱酸性)」の3つの「ノン」だ。赤ちゃんから高齢の方まで、敏感肌に悩む全ての人に寄り添い、QOLの向上に貢献していく。

[図表3]ミノンボディケアシリーズ出荷金額推移

ミノンボディケアシリーズの出荷金額はラインナップ拡充によりこの7年間で3.5倍に拡大(図表3)。「洗う」だけではなく「塗る」「防ぐ」の3つの軸でさまざまな保湿ケアアイテムを展開している。

そんなミノンが、この秋満を持してベビー用スキンケアアイテムのシリーズ化をスタートする。

商品紹介

ミノンベビー全身シャンプー

ミノンベビー全身シャンプー

ラインナップの1点目は、肌がデリケートな赤ちゃんのための全身泡シャンプーとして人気の「ミノンベビー全身シャンプー」。販売中の商品だが、この8月以降JAN変更無しでパッケージのリニューアルを行う。

本商品は乳児の肌と同じ弱酸性。植物性アミノ酸系洗浄成分配合で、バリア機能を守りながら汚れを落とす。泡切れがよく、さっと流せるシンプル処方もポイントだ。バリア機能が低い赤ちゃんのことも考えて、極力配合成分を少なく抑える処方にこだわった。本商品は人気の雑誌「LDK」の「ベビー用品ガイド2021年」でベビーソープカテゴリーの第1位も獲得している。そのことを訴求するアテンションシールも貼付されているため、お客の注目を得ること間違いない。

ミノンベビー全身保湿ミルク

ミノンベビー全身保湿ミルク

ラインナップの2点目が、この8月に上市される新商品「ミノンベビー全身保湿ミルク」だ。肌のバリア機能を守りながら、乳児に起こりがちな肌あれを防ぐ。無香料・無着色・アレルギーの原因物質を極力カットするなど、肌へのやさしさを追求した処方になっている。また、着替え前に塗ってもべたつかない、みずみずしい潤い感もうれしい。

パッケージにはアテンションシールで「0歳から使える」と、使用可能な年齢を訴求。ミノン全身保湿剤と同じ印象のパッケージで、ミノンの他商品を使っているお客様にも目につきやすいデザインになっている。

参考価格は1,300円(税抜)と、DgSのベビーボディケアカテゴリーに貢献できる価格帯での提供となる。

高単価・高付加価値でカテゴリーに貢献

ミノンベビーシリーズの共通アイコン

今回ミノンベビーシリーズは、既存商品である「ミノンベビー全身シャンプー」のユーザーはもちろん、出産準備中のプレママ、スキンケアに不安を持つ層をターゲットに据える。これらのお客様に確実に情報を提供し、製品購入へとつなげていくために、自治体や病院などでのサンプリングプロモーションや、雑誌、ウェブメディアとのタイアップ、インフルエンサーによるネット上での拡散などのプロモーション施策を予定している。

店頭ではベビー用品売場での定番展開がおすすめだ。シリーズの3SKUを並べて展開することで、店頭露出を拡大し、視認性を高めていきたい。

[図表4]DgSチャネルにおけるベビー用石鹸アイテムの価格帯別の累計販売金額

生活者のベビースキンケアへの意識の高まりによって、高付加価値・低刺激性商品のニーズは高まっているが、依然としてDgSでは低価格帯の商品が中心で、専門チェーンやECにシェアを奪われている。一方のミノンベビー全身シャンプーは、積極的なプロモーション展開無しに、順調に売上を拡大し続けている。また図表4にあるように、実際DgSチャネルでも、2017年度と2021年度を比較すると、500円以下の商品は構成比を減らし、500円以上の商品が伸長していることがわかる。

今後、我が国においては、出生数減少のトレンドが続くため、今何かしらの手を打たないと、カテゴリーの縮小は免れない。ミノンベビーは、「高単価」「高付加価値」で、顧客満足度も高い商品だ。DgSのベビースキンケアカテゴリーの売上・収益に貢献していくことは間違いないだろう。

重要ポイントのまとめ

  • 早期のスキンケア開始がアレルギー予防に重要という認識が広まる
  • ミノンベビーシリーズは「全身シャンプー」「全身保湿ミルク」を展開
  • カテゴリー活性化のために高単価・高付加価値市場の創出を