視線の動きに寄り添う店づくり

商品陳列、「発見段階」はバーチカルに、「選択段階」はホリゾンタルにする理由

「バーチカル陳列」「ホリゾンタル陳列」の使い分け方を解説します。商品には縦方向への陳列が向いている場面と、横方向への陳列が向いている場面があります。ポイントは商品の「発見段階」か「選択段階」かです。

  • Facebook
  • Twitter
  • Line
  • Hatena

バーチカル陳列の法則は「見落としにくい」

お客の視線がどの位置にあっても商品を見落とす危険性が低くなる

商品を縦方向へ陳列するバーチカル陳列は、「中分類(カテゴリー)」単位の陳列に適している。

カテゴリーとは一般的に、「買物の単位」である。たとえば、食品は大分類だが、その下のしょうゆやみそ、カップ麺などの単位がカテゴリーとなる。

バーチカル陳列のよい点は、消費者の買い忘れが少なくなることである。上図表のように、お客の目線がどの位置にあっても、「ここでしょうゆを売っている」ということを見落とす危険性が少なくなる。

一方、棚の下段でホリゾンタル陳列(次項、横方向への陳列)を実施すると、棚の上ばかり見て歩いているお客は、しょうゆを見落としてしまう危険性が高くなる。

つまり、カテゴリーを「発見させる段階」のゾーニングは縦方向が適しているのである。

アメリカのスーパーマーケットの冷凍調理済み食品売場。バーチカル(縦方向)の陳列。

視線に追従する「ホリゾンタル陳列」

商品選択の際にお客の視線は左から右に流れる

商品を横方向に陳列するホリゾンタル陳列(上図表)は、「小分類(サブカテゴリー・品種)」もしくは「品目」単位の陳列に適している。

たとえば、バーチカル陳列の効果で「しょうゆ」カテゴリーを発見できたとしよう。減塩しょうゆがいいか、無添加しょうゆがいいか、どのブランドなのか、産地はどこか…というような「商品選択」の段階では、お客の視線は左から右に移動する。

これが、商品の「選択段階」はホリゾンタル陳列が適しているといわれるゆえんである。

実際の店舗は、バーチカルもホリゾンタルも入り乱れることになるが、基本的にはこのような原則に配慮して棚割りを行うべきだろう。

バーチカル陳列、ホリゾンタル陳列を使い分けて、買いやすい売場を作っていこう。