マンスリー商品山積カレンダー「敏感肌」

[敏感肌関連商材の売り方]冬の乾燥や、春先の花粉でお肌は敏感状態。冬の仕掛けは9月スタート

季節商品は「シーズンファーストバイ(=季節商品の初回購入)」の獲得が命!定番商品でもニーズの高まりに合わせて在庫を厚くするべき時期があります。カテゴリーごとに、商品の仕掛け時期やピークを把握して、タイムリーな売場づくりに役立てましょう。

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インテージSRIカテゴリー:敏感肌基礎化粧品市場/期間:2015年1月〜2017年12月/指標:販売金額ベース季節指数(3ヵ年)/グラフの縦軸:3ヵ年の月別販売金額の平均を1とする

[概況]市場規模は900億円に ボディ・ヘアケア商品も増

現在、敏感肌市場は約900億円といわれるほどにまで拡大。ヘアケアやボディケア用商品も増加傾向にあるが、敏感肌市場でもっとも大きな構成比を占めるのがスキンケアだ。

敏感肌は、肌のバリア機能が低下した状態を指す。エアコンや紫外線などの外的要因で起こる「乾燥性敏感肌」、生活習慣の乱れや腸内環境悪化など内的要因によって起こる「ライフスタイル敏感肌」、季節の変わり目など一時的にニキビや吹き出物が出る「敏感ニキビ」といった、さまざまな原因とタイプがある。最近では、春先の花粉も肌荒れの一因となることから、花粉による肌の不調対策を訴求する商品も出ている。

敏感肌を自覚する女性は2人に1人ともいわれており、年代を問わないニーズの高まりに応える形で敏感肌をターゲットにしたブランドや新商品も次々に登場し、多様性が生まれている。

市場の拡大とともに、「敏感肌+α」の機能性(ニキビケア、エイジングケア)を持つアイテムやラインが増え、これまで敏感肌用スキンケアを使っていなかった生活者にも、安心できる高機能なスキンケアとして浸透していった形だ。

[ポイント]9月中旬に、冬場の仕掛けを。花粉関連の肌荒れ対策は1月下旬

敏感肌用スキンケアは、そこまで大きな季節変動は見られないが、多くの女性が敏感肌を感じるのは、季節の変わり目といわれる。売上が伸び始める時期は、大きく分けて2つ。

ひとつ目は、冬から春にかけての時期だ。夏が終わり、気温が下がり、空気の乾燥が進んでいく10月ころから需要が増え、12月にピークを迎えているのがわかる。

とくに、東京をはじめとする大都市圏の年間平均湿度は低下傾向にある。寒い冬には欠かせない暖房の使用も、肌の水分が奪われる要因のひとつとなる。乾燥が原因となる冬場の敏感肌への仕掛けは9月中旬を目安に行いたい。

その次のピークとなるのが3月から5月にかけての時期だ。冬の入りとは逆に、急激な気温の上昇や紫外線への対応に肌の代謝が追い付かず、バランスを崩すケースが多く見られる。そこに花粉をはじめ偏西風に乗った黄砂、PM2.5などアレルギーを引き起こす原因物質が飛来することで、肌荒れを起こす人も多く、敏感肌用スキンケアの売上も伸長傾向にある。

春先の揺らぎやすい敏感肌を自覚する生活者に向けては、1月下旬までには売場を整えよう。切り替えやすいクレンジングや洗顔料、ふだんのお手入れにプラスするだけの美容液などを入り口に、トライアルを訴求したい。

一方で、日本製の「安全・安心」を体現する最たる商品群でもあるため、インバウンド需要も比較的大きい。最近は、インバウンドでもスキンケアアイテムのニーズが高いという。2月の春節や4月のお花見シーズンなど、アジア圏の訪日外国人の集客が見込まれる。とくに都市圏のドラッグストアでは、在庫を厚くして臨みたい。

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[売場提案]定番に「敏感肌」コーナー展開 花粉時期には重点的に仕掛けを

第一に、化粧品の定番売場内での、敏感肌ブランドを集めたコーナーづくりはマスト。そのうえで、肌が不調を感じやすい時期やタイミングに合わせて、医薬品やサプリメント売場、ボディケア売場などと連携し、適宜「敏感肌」訴求を試みたい。

春先は花粉のほかにも、日照時間が長くなり、日差しも強くなる季節。UVケアのニーズが高まるが、揺らぎやすい肌にとってはUV剤そのものが刺激になることもある。安全・安心素材の敏感肌用のUVケアや、角層の状態を整え、健康な肌に導くスキンケアの重要性を、改めて情報発信するのもよい。

パーソナルなタイミングとしては、肌が荒れやすい生理時期、肌質が変わる産前産後の女性に向けたトライアル訴求も有効だ。生理用品売場や肌荒れ対策ドリンク剤、自然派洗剤とのクロスマーチャンダイジングもよい。

[花粉症対策売場での展開例]
※トライアルセット、プラスワン商品などを展開