マンスリー商品山積カレンダー「美白ケア」

[美白ケアの売り方]最大の山となる3月から7月、売場展開の継続でリピーターを獲得

季節商品は「シーズンファーストバイ(=季節商品の初回購入)」の獲得が命!定番商品でもニーズの高まりに合わせて在庫を厚くするべき時期があります。カテゴリーごとに、商品の仕掛け時期やピークを把握して、タイムリーな売場づくりに役立てましょう。

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[美白スキンケア 季節指数] ※インテージSRI /カテゴリー:美白スキンケア市場/期間:2014年1月〜2018年12月/指標:販売金額ベースの季節指数(5ヵ年)/グラフの縦軸:5ヵ年の月別販売金額の平均を1とする

[概況]3,000億円の成長市場、スキンケアの構成比が8割

美白ケア市場は、2018年度で約3,000億円まで拡大する見込みで、10年前の2008年と比較すると、伸長率が約120%で非常に伸びているカテゴリーだ。そして、市場のうちスキンケアが80%、ベースメイクが15%、その他ボディケアが5%と、スキンケアがその多くを占めている。金額にするとスキンケアが2,500億円を占める見込みで、前年比106%で推移している。

スキンケアのうち構成比が高いのが美容液(3割)と化粧水(2割)で、2アイテムで半分以上を占めている。昨年度は、ONE BY KOSEシリーズから「メラノショットホワイト」の発売、資生堂「HAKU」のリニューアルなどカウンセリング化粧品で大きな動きがあり、美白美容液が好調だった。

市場拡大の背景にあるのは、2000年代から続く白肌ブームだ。スマートフォンなどでは美白補正アプリが人気となっているほか、肌のトーンをアップさせるクリームや、美白成分の入ったシートマスクなどの国内外のコスメも流行しており、美容業界の流れは引き続き美白傾向にある。

さらに、紫外線による皮膚がんを予防する意識が高まっていることも市場を後押ししており、今後も成長が見込まれる。

2019年は、先述の「HAKU」から高機能美白ファンデーションが発売されるほか、ロート製薬「Obagi」からは最高濃度のビタミンCを配合した美容液「Obagi C25セラム NEO」が発売される予定だ。安全・安心を確保したうえで、より高機能なアイテムが求められているといえる。

[ポイント]3月と7月に売上の山。購入から1年は継続使用の傾向

美白ケアカテゴリーは、大きく分けて年間に2回、売上のピークがある。最大のピークは、紫外線が増え始めてくる3月ころ、第二のピークは紫外線量が最大になる5月から7月だ。美白化粧品を購入するお客の特徴として、一度購入した商品を1年間は使い続ける傾向がある。お客も使ってすぐにシミ、そばかすが薄くなったり、消えたりするとは考えておらず、継続使用によって効果が生まれることを理解している。そのため、第二の山である5月から7月はリピート購入が期待できる。

第一の山に向けて2月に準備をした後に7月まで継続して販売を強化する形が、購買チャンスを逃さず、リピーターを確実に獲得するためにもっとも有効で理想的だ。そのほかにも、7月、12月のボーナス景気で売上の山が生まれる。

メーカー側も、増量キャンペーンや、「●本買ったら1本無料プレゼント」などの購入特典を用意することが多い。販売店でもPOPを活用するなど積極的に情報発信を行い、製販協働で売上アップに生かしたい。

あるメーカーが行った一般消費者調査によると、シミ、そばかす、くすみは、20代から50代の幅広い年代の悩みで、とくに40代前半から50代前半の肌悩みのトップにシミ、そばかすが挙げられている。ひとくちに美白といっても、世代によって肌悩みは異なる。20~30代はシミやそばかすをつくりたくないと予防する人が多く、40~50代はできてしまったシミをなくしたい人が多い。出産を機に、女性ホルモンが関係しているといわれるシミの一種、肝かんぱん斑が出てきて、慌てて美白ケアを始めるケースもある。それぞれの美白ニーズを把握したうえで、売場での訴求を行いたい。

〈 関連商品 〉
メラノショットホワイト
(販売名 OBK 薬用美白美容液 40mℓ)
医薬部外品

[売場提案]メカニズムをわかりやすく解説、情報ツールの活用が肝

売り方に関しては、商品のキャッチコピーだけでなく、この商品を使うとどういうメリットがあるのかをわかりやすく伝えることが、購買につなげるポイントとなる。

シミ、そばかすに対して深い悩みがあるユーザーは、インターネットなどで事前に情報を仕入れている場合も多い。各社の多様な成分やメカニズムを説明するPOPなど宣伝ツールを有効に活用することで、お客の納得度を上げ、選びやすさをサポートしよう。エンド陳列などでお客の目の届くところに配置することも大切だ。

2019年は、3月に資生堂「HAKU」から「薬用 美白美容液ファンデ」が発売されたほか、5月にポーラから新規美白有効成分を使った新商品の発売が発表されている。発売時期には品出しの遅れがないよう、売場をつくり込みたい。

美白ケアのプロモーション売場例