かつて日本では商品には「定価(メーカー希望小売価格)」がついており、小売価格はメーカーのコントロール下にあった。しかし、1990年代ころから、家電業界を中心に、メーカーが希望小売価格を定めないで、小売店はメーカーからの仕入価格に小売店が決めたマージンを上乗せして実販売価格を決める方法が進んだ。
ドラッグストア業界では、大手の「制度化粧品メーカー」が、NPP(ノープリントプライス)という方式を2000年代半ばに導入したのが有名。オープン価格と同様に、NPPは、商品やパッケージにメーカー希望小売価格などの価格を表示しない方式のことをいう。
NPP方式の場合、メーカーから各小売店に対して、書面などで「参考価格」が提示されるため、値付けを小売業に任せるオープン価格とは異なり、メーカーが小売売価の決定に影響力を及ぼすことができる。
化粧品業界がNPPを導入した背景には、ドラッグストアを中心に、定価の2〜3割引きが常態化したため、NPP方式を導入することで「定価の○割引き」といった売り方ができなくなるというメーカー側のメリットがある。