さらなる成長が見込まれる電動鼻吸い器
耳鼻科に行く負担が減る!忙しい母親の必須アイテム
ベビーの鼻水を取り除く「鼻吸い器」市場は、拡大傾向にある(図表1)。理由のひとつは、働く母親の増加だ。鼻水を取らなければならない理由は以下のとおり。耳鼻科に行って鼻水を吸ってもらうことも多いが、働く母親が何度も通院することは非常に大変なうえに、親子ともに別の病気に感染してしまうリスクまである。さらに一度取ってもすぐにつまってしまうことも多いため、鼻吸い器の購入を検討するようになる。
とくに生後7ヵ月以降のベビーは母親からもらう免疫が弱まり風邪をひきやすくなるといわれており、鼻吸い器はますます重要となる。
マニュアルから電動にスイッチ 理由は使いやすさとコスパ
鼻吸い器には電動式、スポイト式、口で吸うチューブ式の3種類があるが、中でも電動鼻吸い器市場が伸びている(図表1)。価格は1万5,000円前後と決して安くはないが、吸引の加減の調整が簡単、鼻水を残さず取れる、機械なので一定の力で吸い続けられる、吸うときに親に風邪がうつってしまうリスクがないなどの理由で評価が高い。加えて何度も耳鼻科に行くコストや時間を考えると、むしろ「割安」だと考えられている。
現状DgSでは電動鼻吸い器がほとんど扱われておらず、多くが通信販売での購入となっている。DgSでの販促活動によって必要性を知ってもらうことができれば、新たな市場を開拓できるはずだ。急な風邪ですぐ買いたい親にも喜ばれるだろう。現状、鼻吸い器を使う親の割合は3割程度。その中で電動鼻吸い器を使うのは5~6%にとどまり、新規・スイッチともにまだまだチャンスがある。
また鼻吸い用品は、風邪をひきやすくなる秋冬にもっとも売れる(図表2)、これから重点的に用意したいカテゴリーだ。
パワフル、使いやすい、やさしい、清潔、コンパクトなピジョンの新商品
耳鼻咽喉科医と共同開発 ピジョン初の電動鼻吸い器
今回新発売となるピジョン 電動鼻吸い器は、ピジョンというブランド力に加えて耳鼻咽喉科医との共同開発で、信頼感は十分。また収納バッグ付きで、持ち運びしやすく清潔に保管しやすい。とくに使用者からの評価の高い特徴は、以下3点だ。
①パワフル吸引
吸引力は耳鼻科の機械に匹敵。パワーがあれば鼻水が取りやすいため、購入時にはとても重視される。さらに生後7ヵ月以降になると鼻水の粘度が上がり、スポイト式、チューブ式では取れにくくなるのでますますパワーが重要だ。吸引の加減をつまみひとつで簡単に調整できて、一定のパワーを維持できるためとても使いやすい。
②お手入れカンタン
従来品の多くは本体にタンクが付いており、本体のタンクごと洗う必要がある。本商品は、ノズルだけ取り外して洗えるので扱いやすく、清潔だ。おかげで本体部分が小さくコンパクトなのも魅力的。
③フィット鼻ノズル
繊細なベビーの鼻は、粘膜が傷つきやすい。本商品は、シリコンゴムでできた柔らかいノズルで鼻にやさしい。サイズが2種類あるので、ベビーの成長に合わせて使い分けられる。
ブランドサイトと実物見本で理解促進
まずは理解促進 マニュアル式に加えて追加購入
DgSの商品としては決して安くないため、商品の必要性を伝えることが非常に重要だ。「鼻水から細菌感染を起こしやすい」という認知は高いわけではない。子育て経験のない従業員も、その重要性を頭に入れておきたい。ピジョンではブランドサイトを立ち上げており、使い方などをイメージできるよう支援を行っている。売場では、ブランドサイトへの誘導を行い理解促進に努めたい。
まずは安価で買いやすいスポイト式や口で吸うチューブ式を買ってもらい、生後7ヵ月ごろの風邪をひきやすく鼻水の粘度が高くなってアナログへの不満で生じ始めるころに、電動鼻吸い器を追加購入してもらうのもいいだろう。
実物見本をいち早く設置して秋冬に向けてイメージ定着を
「電動鼻吸い器はあのお店に売っている」というイメージを持ってもらうためにも、先述のブランドサイトとセットで実物見本の設置を確実に行いたい。実際の購買はベビーが風邪をひくなどニーズが生じたあとなので、それまでに認知してもらいたいところだ。DgS ではまだ扱っていない店舗がほとんどなので、競合店よりも早く設置できると、必要になったら自店を想起して来店してくれるようになる。10月以降は需要がピークになるので、それまでに準備したい。
EC サイトとの相性も◎ 自社サイトの活性化に
現状ECサイトでの扱いがメインであるためリアル店舗でのチャンスが大きいのはもちろんだが、自社EC サイトでも扱っていきたい。金額が1万4,000円(税抜き)と安くはないし持ち帰らずに済むため、EC サイトの方が購入しやすいという人も少なくないはずだ。ベビー用風邪アイテムの購入とともにおすすめもしよう。
重要ポイントのまとめ
- ベビー用電動鼻吸い器の市場は拡大しており、DgSで扱うことでさらなる市場拡大を目指せる
- リアル店舗だけでなく、自社ECサイトの購入単価アップも期待できる