ドラッグストアの「勝ちパターン」が通用しない? 営業利益率7.2%の怪物・ドンキが仕掛ける「食品強化型」新業態の正体

「ドラッグストア(DgS)業界の再編」というニュースが飛び交う昨今。しかし、業界が真に注視すべき脅威は、同業他社との合併劇の外側にあるかもしれません。その正体は、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)。すなわち、ドン・キホーテです。

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35期連続増収増益、売上高2兆円突破、そして小売業としては驚異的な営業利益率7.2%。この数字の裏には、従来の常識を覆す緻密な戦略があります。

そして今、PPIHは2035年に向けて、ドラッグストアの「本丸」である小商圏・生活圏へとなだれ込む計画を発表しました。それが「食品強化型ドン・キホーテ」です。

本記事では、月刊マーチャンダイジングの特集レポートから、PPIHの新戦略がDgS業界に与える構造的なインパクトについて、その核心部分を一部公開します。

👇 レポート全文はこちらから(全文公開) https://note.com/mdnext/n/n637c562d84d4


2035年、あなたの店の隣に「ドンキ」ができる

PPIHが掲げた中長期経営計画「Vision 2035」において、最も注目すべき数字は**「営業利益2,000億円」という目標です。これを達成するためのエンジンとして位置づけられているのが、新たな店舗フォーマットである「食品強化型」の新業態です。

計画では、この新業態を200〜300店舗出店するとしています。

これまでドン・キホーテといえば、広域から集客するロードサイドの「MEGAドンキ」や、繁華街のビルイン型が主流でした。しかし、新たに出店するのは、売場面積2,000〜3,000㎡クラスの、いわゆる「NSC(近隣型ショッピングセンター)」規模。

これは、現在ドラッグストア各社が食品を強化し、スーパーマーケットから客を奪っている「生活防衛・小商圏」のド真ん中です。もし、あなたの店舗のすぐ近くに、生鮮食品から化粧品、家電まで揃い、かつエンタメ性あふれるドンキが出店したら――?

既存の競合環境は、劇的に変化することになります。

「食品で集客し、粗利をどこで稼ぐか」の構造的違い

ドラッグストアの一般的な勝ちパターンは、「食品を安く売って集客(来店頻度向上)し、医薬品や化粧品で利益を稼ぐ」というモデルです。

PPIHの新業態も「食品構成比75%、非食品25%」という、一見するとスーパーマーケットに近い構成比を目指しています。通常、食品比率がこれほど高まれば、全体の利益率は低下し、オペレーションコストは増大します。食品比率の高いGMS(総合スーパー)が苦戦しているのがその証左です。

しかし、PPIHはこのモデルで「全社並み(7.2%水準)の利益率」を目指すとしています。なぜ、そんなことが可能なのか?

その秘密は、残り25%の「非食品」の稼ぎ方にあります。

1. ユニクロと戦わない「衣料品」

ドンキのアパレルは、SPA(製造小売)の巨人であるユニクロやしまむらとは真っ向勝負しません。「キャラクター」「ヤンキー・ストリート」「機能性インナー」など、大手チェーンが取りこぼしているニッチな需要(”味”のある商品)を高利益率で提供しています。

2. 家電量販店にはない「快楽」

家電部門も同様です。スペック競争の白物家電ではなく、ドンキPB「情熱価格」に代表されるような、「あえて機能を絞った特化型商品」や「面白家電」で独自のポジションを築いています。

3. 若年層を独占する「コスメ(ドンコス)」

いま、ドラッグストアが最も頭を悩ませているのが「若年層のコスメ離れ」です。しかし、ドンキの化粧品売場は10代〜20代の女性で溢れかえっています。韓国コスメやカラコンの圧倒的な品揃えにより、ドンキは「若者が化粧品を買う場所」としての地位を確立しました。

本特集(有料版)では、これらの高収益部門(非食品)がどのように食品部門の低利益を補填し、全体として高い収益性を叩き出すのか、詳細な粗利ミックスのシミュレーションを行っています。

「効率」のドラッグストア vs 「偏愛」のドンキ

ドラッグストアの最大の武器は「効率」です。短時間で必要なものが安く買える。 対してドン・キホーテの武器は「ワクワク感」や「宝探し」ですが、新業態ではここに「食の品質」が加わります。

ユニー・カネ美食品と連携したSPA(製造小売)体制による、オリジナル弁当や総菜。そして、「偏愛めし」と名付けられた、特定ターゲットに深く刺さるニッチな食品開発。

毎日通える「利便性」と、毎日行っても飽きない「エンタメ性」。この両方を兼ね備えた店舗が小商圏に現れたとき、効率を追求し画一化してきたドラッグストアは、果たして「選ばれる店」であり続けられるでしょうか。


【有料記事】「ドンキ流・高収益モデル」の全貌を解剖する

ドン・キホーテの快進撃は、単なる「安売り」の結果ではありません。緻密に計算されたポートフォリオと、現場への権限委譲による個店経営の賜物です。

有料記事本編では、以下の内容を深掘りしています。

  • 【決算分析】 売上2兆円・営業利益1,400億円を生み出すPPIHの財務構造

  • 【戦略詳解】 DgSには真似できない? 若年層を取り込む「ドンコス」「カラコン」の強さの秘密

  • 【実店舗レポート】 新業態のモデル店か? 「MEGAドン・キホーテ成増店」の売場構成と客層分析

  • 【シミュレーション】 食品構成比50%超でも利益が出るメカニズム。「粗利ミックス」の極意

「黒船」の正体を知り、次なる戦略を描くための必読レポート。 ドラッグストア経営者、店舗開発担当者、メーカー担当者の皆様は、ぜひ続きをご覧ください。

👇 続きはこちらから(全文公開)
https://note.com/mdnext/n/n637c562d84d4