クレカと独自プリペイドが中心の食品SM

小売業各社の決済方法をまとめてみた 2018秋(3) ~GMS・食品スーパー編〜

小売業の決済方法の状況を調査しました。最終回の今回はGMS、食品スーパーを紹介します。来店頻度、買上点数の高さは他業態を上回るこれらの業態。日常使いの買物の場だからこその決済戦略が求められています。それぞれの業態の代表的な企業は、どのような決済戦略を採用しているのでしょうか?(2018年10月末現在の状況です)

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「WAON」での支払いが圧倒的!イオン


イオンでは、独自のプリペイドカード「WAON」を展開しています。

WAONは店頭にあるWAONチャージャー、イオン銀行ATM、レジなどでチャージが可能で、イオンだけでなく提携店でも利用することができ、利用ごとにWAONポイントが貯まります。貯まったWAONポイントは1ポイントごとに1円分として加算されるので、使った分を次の会計時に還元することができます。

WAONカードの所持者を対象にお客さま感謝デーとして、割引の日やポイント倍デーなどを設けており、日頃イオンを利用する人にとって付加価値の高いプリペイドカードとなっています。

イオンではほかに、クレジットカード(ポイントが貯まるイオンカードあり)、iD、交通系電子マネー、LINE Pay、QUICPayなどが利用可能です。

ヘビーユーザーには嬉しい「nanaco」イトーヨーカドー


イトーヨーカドーは、クレジットカードをはじめ、iD、楽天Edy、交通系電子マネー、LINE Pay、QUICPayなどが利用可能です。

イトーヨーカドーでは、セブン&アイホールディングスの独自プリペイドカード「nanaco」が利用可能です。買い物毎にnanacoポイントが貯まるほか、毎月8のつく日(8日、18日、28日)は、食料品・衣料品などが5%オフになるハッピーデイを開催。セブン-イレブンでも使えるので、利用範囲も広いカードです。

セブン&アイホールディングスではほかに、nanaco一体型・紐付型から選べるセブンカード(クレジットカード)も展開しています。

提携先が幅広い「ユニコ」が便利なユニー


ユニーは、クレジットカード、iD、楽天Edy、交通系電子マネー、QUICPayが利用可能なほか、オリジナルのプリペイド型電子マネー「ユニコ」を発行しています。

ユニコは店頭のチャージ機やレジでチャージできるプリペイドカードで、利用するごとにユニコポイントが貯まります。ユニコポイントは500ポイント貯まると自動的にユニコカードに500円が還元される仕組みになっています。

ユニコの特典は、ユニーグループのスーパー「アピタ」「ピアゴ」だけでなく、サークルK・サンクス、ドンキホーテなど提携先との連携もしており、魅力的な内容です。

グループ内共通でWAON ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス


ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスでは、主な事業体としてマルエツを取り上げます。
マルエツでは、クレジットカードのほか楽天Edy、交通系電子マネー、WAON、Tカードなどの利用が可能となっています。マルエツTカードは、対象商品の購入でボーナスポイントが付与されたり、貯めたTポイントに応じてお買い物券が発行されたりといったサービスを受けられます。

別事業体のカスミでは、WAON機能のついたカスミカードを発行、マックスバリュではWAONと、グループ全体を通じてWAONが利用可能です。

ライフでのみ利用可能なプリペイドカードを展開 ライフコーポレーション


ライフでは、独自のクレジットカードLC JCBカードと、電子マネー機能付きポイントカード「LaCuCa」を発行しています。

LC JCBカードは、クレジットカードポイントの他にライフのポイントが貯まるほか、毎月7のつく日にボーナスポイント付与などのサービスを受けられます。

電子マネー機能付きポイントカード「LaCuCa」は、専用チャージ機でチャージできるプリペイド型電子マネーで、お買い物毎にポイントが付与されます。なお、LaCuCaは提携先はなく、ライフでのみ利用が可能です。

そのほかには、主要国際ブランドのクレジットカードが利用できます。

グループ内で利用できるハウスクレジット機能付きカードも アークス


アークスでは、アークスグループ統一の「アークスRARAカード」を発行しています。買い物スタイルに合わせて5つのラインナップからカードの種類を選ぶことができますが、決済手段として使うことができるのはそのうち4種類です。

1つ目はプリペイド型電子マネーの「RARAプリカ」。1,000円単位でチャージして使用することが可能なカードです。

2つ目はハウスクレジットカードの「RARAクレジット」。ポイントが貯まる現金専用カードにハウスクレジット機能がついたもので、アークスグループ指定店舗内で利用することができます。

3つ目がクレジットカード機能がついたRARAカードで、QUICPayまたはiD搭載いずれかを選ぶことができます。

グループ内で利用できる電子マネーを発行 バローホールディングス


バローホールディングスでは、グループ内で利用すると特典が受けられるクレジットカードと、グループ内で利用可能な独自のプリペイドカード「Lu Vitカード」を発行しています。

バローグループクレジットカード・Lu Vitカードは、いずれもバローだけでなく、バローホームセンターやV Drag、PET FORESTなどグループ内で利用可能。ポイントが貯まったり、特定日に割引を受けることができます。

バローでは、上記のほかは主要国際ブランドのクレジットカードを利用することができます。

決済方法は限定的なヤオコー


ヤオコーでは主要国際ブランドのクレジットカードのみ、利用可能です。

「ヤオコーカード」という会員カードを発行していますが、これは提示することでポイントが貯まるポイントカードで、プリペイド機能などは付いていません。

また、スマートフォン向けの「ヤオコーアプリ」が用意されていますが、こちらにも電子マネー機能はなく、クーポンやポイントの確認、チラシや旬の食材・レシピの配信といった内容が主となっています。

まとめ

  • スーパーマーケットは独自プリペイドカードを持っているところが多数。
  • GMSは決済方法が豊富だが、SMはクレジットカードと独自プリペイドカードのみが目立つ。
  • GMSが発行する独自のプリペイド型電子マネーは、提携先のコンビニなどでも幅広く利用が可能な傾向。