店頭の作業負荷下げる工夫の数々

小売業の生産性向上に貢献するオカムラの什器開発戦略

(株)オカムラが開発した什器は、ドラッグストア、スーパーマーケットなど日本国内のほとんどの業態で使われている。スライド什器による「先入れ先出し作業」の省力化、デジタルサイネージによる「商品販促活動」の省力化など、小売業の生産性向上に貢献する価値提案に取り組んでいる。スーパーマーケットトレードショーの会場で見た同社の什器を紹介する。(文:編集部)(月刊マーチャンダイジング2024年4月号より転載)

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スーパーマーケット・トレードショー2024に出展した「オカムラ」※撮影許可を得ています。

扉付き冷凍・冷蔵ケースの冷凍負荷の削減

ガラス扉付きの冷凍ケースの提案。扉付きの冷凍ケースは①冷凍負荷を1台当り約30%削減、②棚奥行きを大きく使えて約30%陳列量アップ、③コールドアイル(冷気通路)の解消、④店の外の室外機(冷凍機)の動力削減にもつながる
冷蔵用ケースのナイトカバーの提案。1枚のカバーが一定のスピードで巻き上がる。「開店作業の効率化」と「商品破損の防止」につながる
飲料を陳列できる扉付き冷蔵ケース。2,100mmの高さで十分な陳列量を確保。奥行きは750mmと薄く「売場の省スペース化」と「売場レイアウトの自由度向上」につながる

店内作業の省力化

「スライド棚」は棚の下の引き出を手前に引くとスライドされる。小売業の「先入れ先出し作業」が固定棚と比較して80%短縮される。作業スタッフの体への負担削減にもつながる
値ごろ感を演出するバスケット什器の提案。回転率の高い商品の補充回数を減らすことにつながる
傾斜が付いた棚板。500mℓペットボトルの場合はゴンドラ1フェース当り、月当り約2.5時間の「前出し作業」を省力化

「フェイスライダー」「フェイスアップフック」には傾斜が付いており、商品が減っても自動で前出しされる。歯ブラシの前出し作業は月・約6時間削減される

新しい台車の提案

引き上げる動作で半分に折りたためる台車。従来の台車と比較して保管スペースの50%削減につながる
調理された惣菜などの品出しに使う、折りたたみ式の「トレイカートF」の提案。折りたたむと、保管スペースを約40%削減できる

新しい専用什器の提案

パンの専用什器。木の模様が付いたアクリル棚を採用。パンの上のライトがアクリル棚を透過してパンコーナー全体が明るくなる

惣菜陳列用什器。ゴンドラがベースの構造で陳列商品に合わせてパーツを組み合わせることができるスライド板を引き出して惣菜を陳列できる

デジタルサイネージの提案

デジタルサイネージ付きの青果陳列用什器
棚の間に位置するサイネージ(シェルフサイネージ)の提案。POPの役割を果たすだけでなくて、コンテンツはCMS(コンテンツマネジメントシステム)で管理ができ、一括配信ができる
タッチパネル型のサイネージ。下部分の値札をタッチすると、什器の上部分のサイネージに、商品の詳細が表示される
サービスの案内を、サイネージで明確化。外国人向けの英語表記などにも対応が可能