PALTAC「リテールサポート」の全貌

2023年2月に3年ぶりにリアルで開催された「PALTAC展示会」の入口すぐの最初の提案コーナーでは、初めて「店頭実現」「店頭可視化」「SCM(流通の効率化)」などの小売業の店頭・流通でのムリ、ムダ、ムラをなくす提案スペースを非常に広く取っていた。高齢化、人口減少時代の日本では、店頭にこそ宝の山があると考えている証拠だろう。PALTACのリテールサポートの全貌を紹介する。(月刊マーチャンダイジング2023年6月号より転載)

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店頭実現・状況確認・実績検証を可視化するPITシステム

PALTACは2019年10月1日から、営業改革の一環として、リテールサポートの高度化を目的に「店舗支援本部」を、また流通過程で存在するコストを製・配・販の利益に結び付けることを目的にSCM(サプライチェーンマネジメント)本部をそれぞれ新設した。PALTACでは、店頭を「商品が生活者に渡る現場」ととらえている。このため、製・配・販の、どの立ち位置にいても店頭は最も重要と考え組織改革を行っている。(図表1)。

[図表1]店頭支援を強化したPALTACの組織図

その2つの本部がさまざまなリテールサポートを担当する。最初に「店舗支援本部」の活動を紹介する。同社では店舗支援本部が店頭で得た生活者の動向や売場の変化・改善点などの情報・気付きを効果的な商談に繋げる活動を行っている(この活動を「逆提案」と同社では呼んでいる)。同時に店頭をしっかり見つめることで新しい機能も強化している。

小売業の店頭では、多岐にわたる作業に日々追われていて、売場づくりに要する時間が限られているため、商談決定事項の不完全作業や販促物の未使用・破棄など、さまざまな要因による店頭での機会損失が発生している。

[図表2]商談サイクルの現状

図表2は、商談サイクルの現状である。商談決定後に店頭実現の未実施店舗が発生している。しかし、なんらかの理由で商品が陳列されない状況を把握しないままの状態で実績検証が行われており、「売れなかった理由は陳列されなかったから」という本当の理由を放置した検証ではあまり意味がない。

店頭実現力を強化するためにPALTACでは、全国の各支社に「店舗支援部」(図表1)をつくり、営業マンの約3割に当たる約250名が店頭活動を行っている。

PALTACでは、店頭企画実施率100%、1,000店舗の店頭実現に要する日数0.9日、総店舗に対する店舗カバー率75%と、売場実現の精度向上に取り組んでいる。店頭実現率の向上こそが、製・配・販にとっての最大の売上対策(機会損失対策)と考えている。

店頭実現を担当する約250人の店舗支援部隊

[図表3]PITシステム

PALTACは、店頭実現力強化と、製・配・販で店頭情報を定量化して共有するためのプラットフォームを「PITシステム」と呼んでいる(図表3)。PITシステムは、「店頭実現」「(店頭)状況確認」「実績検証」の3つの機能がある。

[写真1]各支社に「店舗支援部」(図表1)をつくり、営業マンの約3割に当たる約250名が店頭活動を行っている。

続きは、月刊MD note版で!

 

 

 

〈取材協力〉

PALTAC 常務執行役員
店舗支援本部長
関 光彦氏
PALTAC 常務執行役員
SCM本部長
村井 浩氏