「巣ごもり需要」で市場は112.1%と拡大
園芸人口を見ると2020年の推計で約3,800万人(図表1)。おおまかに見て日本人の3人に1人は何らかの形で園芸を行っている。比較されることもあるペット市場を見ると、犬と猫の飼育頭数は合計で1,813万3,000頭(2020年ペットフード協会)なので、その可能性の大きさがわかる。
コロナ禍で在宅時間が増えたことで、消費市場にさまざまな変化が起こった。アース製薬の調査によれば、園芸関連商品(家庭園芸用の培養土や芝刈り機など除く)の市場は2013年から2019年までの7年間の平均成長率は3.3%だったのに対し、2019年から新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年にかけては112.1%と2桁成長を果たしている(図表2)。
野外で行うことが多いので天候に左右される市場でもあり、2018年、2019年の市場がやや縮小しているのは、記録的猛暑、大雨、台風など気象条件がマイナスに働いたことによる。
若年層に向け「身近で買う」園芸カテゴリーを
いつ園芸を始めたかという時期で見ると、もっとも多いのは10年以上前という固定層だが、8.3%が「緊急事態宣言に伴う自粛生活」から始めており、数でいえば300万人に及ぶ(図表3)。内訳を見ると20〜40代の比較的若年層が約8割を占める。
園芸用品の販売チャネルではホームセンターや園芸専門店が約9割、DgSの構成比は1割にすぎない。コロナ期に園芸を始めた若年層が「園芸用品は身近なDgSで買う」という習慣を身に付ければ、園芸は収益カテゴリーとして文字どおり開花するだろう。そういう意味ではいまが本格的なラインロビングで売場を充実させるチャンスである。
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