デザイン性高い生活雑貨をEDLPで展開
東京屈指の繁華街、渋谷センター街の奥にオープンした「オーサムストアトーキョー」は、1982年創業のレプレゼントが運営する低価格生活雑貨店「オーサムストア」のグローバル旗艦店だ。売場面積は1階約83坪、2階約114坪、計200坪弱と同業態都内最大級。ニューヨークを彷彿とさせる内装の店内に、約5,000SKUの生活雑貨を展開する。
まず店舗の全体像を紹介しよう。人通りが多いセンター街に面した1階、入店してすぐのコーナーには、「デイリーオーサムプライス」というキャッチコピーの下、EDLP(エブリデーロープライス)のお値打ちアイテムを集積。オープン時にはおしゃれなデザインのボックスティッシュ(5パック)が298円で展開されていた。
オーサムストア トーキョーでは限定・先行アイテムを積極的に取り扱う予定だが、このアイテムもそのひとつ。別コーナーには台所用品と重曹、セスキ、クエン酸、オキシウォッシュ(酸素性漂白剤)を各98円で取り揃える。ユーモラスでおしゃれなパッケージは、これまで掃除にこれら消耗品を使ったことがないお客も手に取ってみたくなるような雰囲気だ。
1階奥の平台で大きく展開されていたのはお弁当用品コーナー。「オーサムライフ スプリング」と題し、弁当箱、おかず用のケースなどお弁当用のおしゃれなアイテムを、自宅などでのお花見提案と関連付けた。季節を訴求したプロモーションを目立つ場所に展開することで、売場に新鮮な印象を与える。
ビンテージ加工が施されたアメリカ風家具も陳列。ただしこれらは店舗に在庫を持たず、オンライン限定での販売となっている。コロナ禍を背景に好調な販売を続けるスマートフォンの三脚やLEDライト、クリップホルダーなどのガジェット類は、100円ショップなど他業態でも販売されているが、オーサムストアらしいセンスあふれるパッケージで差別化を図った。
なんとなく行く店から目的買いの店への転換を志向
2階にはマグネット効果を見込み、キッチン用品やフィットネス関連など目的性の高い商品や、インテリア用品など「おうち時間を楽しむ」アイテムを展開。オーサムストアといえば、ニューヨークの倉庫をイメージした武骨な内装が特徴的だが、こちらの店舗のキッチン用品売場は床や棚にウッドを取り入れ、ナチュラルな雰囲気。
「今後、長期にわたりお客さまに支持していただくためにも、(バラエティ雑貨だけでなく)生活雑貨、なかでもキッチン雑貨に注力していきたい」と、レプレゼント取締役運営部部長の堀口周作さんは語る。
「現時点でのオーサムストアは、“なんとなく遊びに行ってみたら面白い商品があって購入する”という位置付けの店。これからはそうではなくて“〇〇を買いにオーサムストアに行こう”という目的買いの店に移行していなければなりません。そのためにも今後はカテゴリーを広げるよりも、カテゴリー内の商品をより深めていくという方向にシフトしていきたいとおもっています」
堀口 周作氏
現在オーサムストアのメイン客層は20代後半〜40代の既婚女性。そこで低価格のコスメやアクセサリー、文具など、若い客層が手に取りやすいカテゴリーを大きく打ち出すことで…
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