競合店との差別化を図る化粧品の新ブランドを導入

スギ薬局 新宿三丁目店、インバウンドに頼らない!地域住民の生活も支える都市型ドラッグストア

都心の買物客の基本行動は、「ショートタイムショッピング(短時間での買物)」である。売場の回遊性を重視した「レイアウト計画」や、コンビニで品揃えする商品群の「ラインロビング」が、極小商圏で成立するための基本対策となる。今年1月末に開店したスギ薬局「新宿三丁目店」では、コンビニ需要を奪いながらも、「化粧品」を同社最大級の売場面積で展開し、「利便性」と「専門性」を両立したプロトタイプづくりに挑戦している。(月刊マーチャンダイジング2021年5月号より抜粋)

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都心の極小商圏で成立するビューティ特化型店舗に挑戦

スギ薬局 新宿三丁目店は、緊急事態宣言が首都圏1都3県に発令中の2021年1月28日に開店した。開店から1ヵ月後時点の売上構成比は、化粧品が43%を占め、同店がビューティ特化型店舗の位置付けであることがわかる。

ドン・キホーテに品揃えされているようなカラーコンタクト売場を大きく展開

調剤併設型・2層構造・合計212坪であり、地上1階は「医薬品」「軽食」「飲料」「男性化粧品」「オーラルケア」「ベビー用品」、地下1階は「化粧品」「ヘアケア」「ボディケア」「日雑」などで構成されている。客数の割合は、地上1階が6割、地下1階が4割。取材した3月1日(水)昼時点では、地下では女性客、地上では通勤客・観光客が多く見られた。

〈取材協力〉

庄司亘範店長(左)、要貴大スーパーバイザー(右)

商圏内には、ココカラファイン東京新宿三丁目店、コスモス歌舞伎町一丁目店、アットコスメストアなどがある。極小商圏内で成立させるため、通勤客の「コンビニ需要」、30~40代女性の「デパートコスメ需要」に対応する商品群を積極的にラインロビングしている。

キャンメイクの売場。高価格品のデパートコスメだけでなく、低価格品であるバラエティコスメも強化している
スギ薬局のプライベートブランド(PB)「プリエクラ」のテスターを設置

既存店と大きく異なる点は、モニターの数である。同店では、大小「23台」のモニターを設置している。画像・動画で「情報発信」をする一方で、「広告媒体」として収益源の役割も担っている。新宿三丁目店は、極小商圏で成立するノウハウを蓄積するプロトタイプであると同時に、デジタルシフトの実験店でもあるといえよう。

競合店との差別化を図る化粧品の新ブランドを導入

新宿三丁目店では、スギ薬局がこれまでに組んだことのないメーカーの商品の品揃えに挑戦している。地下1階に下りると目の前の壁面には、日本最大級のコスメ通販「NOIN」をコラボ展開している。すぐ右の棚には、トレンドである「韓国コスメ」「アットコスメ」をコーナー化している。

エスカレーターを下りてすぐの壁面に、日本最大級のコスメ通販「NOIN」とのコラボ売場を展開。スギ薬局でははじめての導入となる

続きは月刊マーチャンダイジング2021年5月号にて!

店舗情報

    • 店舗名
    • スギ薬局 新宿三丁目店
    • 所在地
    • 東京都新宿区新宿3-5-6 「キュープラザ」1階
    • 開店日
    • 2021年1月28日
    • 立地
    • リサイクルショップだった建物にテナント入居
    • 売場面積
    • 地上1階、地下1階の2層構造・合計212坪